フォルクスワーゲンが電気自動車用MEBプラットフォームをフォードと共有

ロイターの記事によると、匿名で入った情報として、フォードとフォルクスワーゲンが先週、VW社の新しい電気自動車用プラットフォームMEBを共有することで合意に達したことが分かりました。 この合意は7月11日に行われるフォルクスワーゲンの取締役会で正式なものになる予定です。CleanTechnicaの記事から全文日本語訳をお届けします。

フォルクスワーゲンが自社の電気自動車用MEBプラットフォームをフォードと共有

元記事:Ford To Share Volkswagens’s MEB Electric Vehicle Platform by Steve Hanley on 『CleanTechnica
※冒頭画像ビジネスマン画像はイメージです。

MEBプラットフォームを主力商品へ

フォルクスワーゲンが自社の電気自動車用MEBプラットフォームをフォードと共有
画像はVW US media siteより

フォルクスワーゲンは開発用単価を下げるためにも、MEBツールキットを他社と共有することに前向きであると発言していました。最高経営責任者であるHerbert Diess氏は、3月に「モジュラー・トランスバース・ツールキットは、私達がプラットフォームに関するエキスパートだと証明しました。1億台以上の私達の車両はこのプラットフォームを土台にしています。この成功したコンセプトを今度は、MEBプラットフォームを用いて電気の時代に移し、他の自動車メーカーに開放しようとしているのです。MEBはe-モビリティのスタンダードを確立しようとしています。MEBを主力に、できるだけ多くの方に、カーボン・ニュートラル、安全、快適、そして手が届きやすいモビリティを届けたいと思っています」とメディアに語りました。

MEBプラットフォームを共有する最初の会社は、Guenther Schuh氏に率いられ、アーヘンに位置するドイツの電気自動車スタートアップ企業であるe.GO(関連記事にリンク)になります。Schuh氏は、グローバル配達車両群用として後にドイツポストに買収されるStreetScooterを立ち上げた人物です。e.GOは今年約2万ドル(218万円)の小さな電気自動車を売りだす予定です。

フォードには助けが必要

フォードは10年近くも電気自動車製造に二の足を踏んでいました。会社幹部が電気自動車をなんとも得体の知れないものとして一時的な流行であることを願い、目を背けてきたからです。

純電気フォード・フォーカス(画像はFord Media Centerから)

フォードとフォルクスワーゲンは1月に電気トラック、配達用バン、そして中型トラックにおいて協力することを発表していましたが、MEB自家用車の車体もその枠組みに入るのかは憶測の域を出ませんでした。フォードの広報担当者は今週ロイターに「フォルクスワーゲンとの協議は続きます。多くの分野において生産性のある議論を重ねてきました。詳細が固まるにつれアップデートをお伝えしていきます」と伝えました。

契約には自動運転技術も含まれる

最近、自動車メーカーは市場において2つの挑戦を突き付けられています。電気自動車製造そのものに苦戦するだけでなく、自動運転車両開発のための競争がヒートアップしているのです。Ars Technicaによると、フォルクスワーゲンは元々 Waymo やテスラにいたエンジニアが立ち上げた自動運転企業のオーロラとの関係構築に興味を示していました。実際、昨年フォルクスワーゲンはオーロラを買収するオファーを出しましたが、後に破棄したと伝えられています。

オーロラのテスト車両(画像はオーロラ公式サイトから)

フォードは他の自動運転スタートアップ企業であるArgo AIに巨額の投資(関連記事にリンク)をしており、フォルクスワーゲンはこのパートナーシップを通じて自動運転技術に関する知見を得ようとしているのかもしれません。電気自動車と自動運転システムの同時開発コストは膨大になり、より多くの生産台数のコストをカバーするためのパートナーシップを模索する自動車メーカーが増えるという結果になっています。

自動車産業内では、過去70年間合わせたよりも、次の7年間のうちに多くの変化が訪れると言われてきました。避けようのない変化の中で、技術集約により企業が統合したり、中には消えてしまうところも出てくるでしょう。長年ぐずぐずしてきたフォードに、フォルクスワーゲンが未来へ生き残るための命綱を投げてあげたのかもしれません。

(翻訳・文 杉田 明子)


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