EVの魅力って何?「日産アリア全国ミーティング」で参加したオーナーに聞いてみました

7月21日に山梨県鳴沢村で開催された「日産アリアオーナーズミーティング」に参加したオーナーさんに、アリア、そしてEVの魅力って何? と連続インタビューしてみました。快晴に恵まれた1日の、みなさんの笑顔とともにお届けします。

EVの魅力って何?「日産アリア全国ミーティング」で参加したオーナーさんに聞いてみました

全国各地から124台のアリアが集結

2024年7月21日(日)、山梨県鳴沢村の「ふじてんスノーリゾート」駐車場で、2回目となる「日産アリア全国オーナーズミーティング」が開催されました。当日のレポートは、Honda eオーナー、篠原さんのレポート(関連記事)で紹介しています。

アリアが大集結した駐車場の端っこに、篠原さんのHonda eと私のKONAがお邪魔して、申し訳ない感じだったのですが、主催した日産アリアオーナーズクラブジャパン(AOCJ)のみなさんは快く取材を受け入れてくださいました。まずは、ありがとうございました!

航続距離や充電への不安はもう過去の話?

日産本社からアリア開発ご担当者が参加してたっぷり質問に回答したり、多彩な出展が並んだテントの様子は篠原さんのレポートに満載なので。私は、参加者のみなさん(出会い頭で8名の方)にインタビュー。「アリア、あるいはEVの魅力って何ですか?」という質問への回答をご紹介します。

関東から九州への遠征も「無計画」でOK

最初にインタビューしたのは、以前から顔なじみの田崎利明さん。リーフから乗り替えたアリアで参加です。

「EVの魅力というか、日本ではまだEVは航続距離や充電が不安という方が多いようですが、もうそんなことはないということを伝えたいですね。先日、群馬から九州の熊本まで、往復約2700kmのドライブ旅行に行ってきました。下関の唐戸市場でフグや海鮮料理、熊本城、別府の温泉などを堪能して。以前乗っていた初期型リーフでこんな長距離を旅する時は、事前に充電計画を立てていたけど、アリアは無計画でまったく問題ありませんでした」

田崎さんの愛車はバッテリー容量66kWhのB6です。満充電からの航続距離はカタログスペックのWLTCモードで470km。そもそも航続距離性能が優れていることに加え、日本全国津々浦々、経路充電を行う急速充電スポットの数や性能も着実にアップしています。

「リーフでは急速充電を繰り返すとバッテリー温度が上昇して受け入れ可能な出力が抑制される『熱ダレ』という課題がありましたけど、アリアは温度管理システムが搭載されていて問題なし。出力が20kWや25kWの『中速充電器』が多かった道の駅の急速充電器も、着々と50kW以上へのリプレイスが進んでいることを実感できました」

EVそのものはもちろん、充電スポットもどんどん進化しているってことを理解するには、実際に、自分で、EVで走ってみるのが一番です。

神戸=横浜の長距離が楽しい時間に!

兵庫県神戸市から参加の「ようすけんた」さんご夫妻。アリアB6は発売されてすぐにオーダーして約2年前に納車。航続距離性能への満足感を語ってくださいました。

「以前は初期型の24kWhリーフに乗っていました。横浜の孫を訪ねるために、24kWhリーフで16回充電して往復したこともありますが、アリアなら休憩を兼ねて片道2回くらい。納車されて以来、もう3回くらいは神戸と横浜を往復しましたよ」

もちろん、今回の山梨遠征も余裕です。プロパイロットなどの運転支援も進化しているので、長距離ドライブがより楽しい時間になるのもアリアの魅力といえるでしょう。

コーナーでオンザレールの加速感が楽しい!

滋賀県から参加の「TomTom」さん。「2019年の東京モーターショーに出展されたコンセプトカーが気に入って、ムラーノから乗り替えました」とのこと。

「充電のこととか、YouTubeで少し勉強したりしましたが、1年ちょっとで走った距離は約1万1000km。今でもエンジン車は好きだけど、アリアはまず長距離ドライブが楽ですね。あと、コーナーの立ち上がりでアクセルを踏んだ時の、オンザレールでスムーズな加速感が爽快。クルマ好きな義理の息子も驚いてました」

今回はおひとりでの参加。コーヒーを楽しんでいるキャンプグッズは、義理の息子さんからのプレゼントだそうです。

プロパイロット2.0が、すごく楽ちん

東京都日野市から参加した「だいすけ」さんご夫妻。アリアは発売されてすぐに購入。理由は「とにかくカッコいいと感じたから」でした。

「24kWhリーフからの乗り替えです。アリアは大きく見えるけど、街中での取り回しがとてもいい。妻も不安なく運転しています。あとはなにより、高速道路でステアリングからハンズオフできる『プロパイロット2.0』がすごく楽ですね」

日産が誇る先進運転支援システム「プロパイロット2.0」は、ナビで目的地を設定すると、高速道路の出口までの走行を支援。一定の条件下でステアリングから手を放した「ハンズオフ」も可能です。

東北地方にもっと超急速充電スポットを!

仙台から参加の「ケロッピ」さん。愛車はB9 e-4ORCE。前出のだいすけさんと同様に、プロパイロット2.0がお気に入りのポイントです。

「ストレスのない加速感や経済的であることなど、EVならではの魅力は豊富。あと、プロパイロット2.0が秀逸です。これ知っちゃうと、ハンドルに手を添えることさえ少しストレスに感じるほど。私は30kWhリーフからアリアに乗り替えました。一度EVを所有すると、次もEVにしたくなります」

EVしか選びたくない気持ちには私も共感。一方で、少し気になっていることもあるそうです。

「東北地方には高速道路SAPAを含めてまだまだ90kW以上の超急速充電器が少なくて。アリアの充電性能(最大130kW)が発揮できないんです。アリアでは、50kWの充電器さえあまり行きたくなくなります。仙台をはじめとする東北地方の日産ディーラーには、早く高出力器の導入を進めてほしいですね」

充電サービス事業者による超急速充電器ネットワークも広がりつつありますが、日産が用意している「ZESP3」の充電カードで利用できるスポットが広がるのがユーザーにとっては理想的。地域格差があるのはケロッピさんの指摘通りです。EVユーザー、ことに充電性能が優れたアリアなどのオーナーにとっては、全国各地、適切に超急速充電ネットワークが拡充されることを望みたいところです。

気に入って買ったクルマがEVだった

当日はAOCJのボランティアスタッフとして活躍していた「にーやん」さん。「日産エクストレイルからアリアに乗り替えた」とのこと。

「東京モーターショーでひと目ぼれ。一日も早く欲しかったから、一番最初に発売されたB6 Limitedを注文して、2022年の4月に納車されました。EVだからとかアリアだからというよりも、気に入って買ったクルマがEVだったという感じです」

納車からすでに2年以上が経ち、エアロパーツなどのカスタムにもこだわって。この日、にーやんさんの愛車は一般参加者の駐車スペースとは別枠で、3台のカスタムお手本アリアの1台として展示されていました。

「アリアにはもちろん大満足。岡山までロングドライブしたこともありますが、よく聞く充電待ちなど、EVのネガティブな不便を感じたことはありません。私は長野県の軽井沢に住んでいるんですけど、最近、上信越道や中央道に高出力器複数口設置の充電スポットが充実してきました。私のためにありがとう、って感じです」

ガソリン代高騰を横目に楽しむEVライフ

AOCJ副会長である「とも」さんの愛車はLimitedではないB6のRWDグレード。前出の方々と同様に「東京モーターショーでカッコいい! と感じて」義父の形見として大切に乗っていたティアナから乗り替えたとのこと。

「買い換えるときには、EVなんて使い物にならないという周囲からの反対意見もありましたけど、実際に乗ってみると、充電場所も航続距離にも不安なんてなく、十分に魅力的であることが実感できました。ガソリン代が高騰しても関係なく、よく言われる静粛性や加速の気持ちよさに満足しています」

日本社会に蔓延しているEVへの誤解を解くためにも「自分でちゃんと乗ってみなきゃわからない」ってことが改めて重要だと感じます。

アリアNISMOで新潟から参加

新潟から参加の木沢亜由美(写真左)さん。以前『筋金入りのリーフオーナーがサクラに乗り替え~亜由美さんの電気自動車ライフ』という記事でご紹介したことがあるように、実は亜由美さん自身はリーフから乗り替えたサクラオーナー。でも、亜由美さんがリーフを買ったことをきっかけにEV好きになったお父さんが、日産アリアNISMO B9 e-4ORCEを注文。納車されたばかりの最上級アリアで、娘さん(写真右)と一緒に富士山麓へ駆け付けました。

「(アリアNISMOでNISMOモードにするとエンジン音のような演出があり)山道でNISMOモードにしてみたら、音の演出が楽しかった。EVは静かさが魅力だけど、走りに合わせた音も楽しいですね」

リーフを愛し、サクラを愛している亜由美さん。アリアNISMOならではのひと味違った乗り味や演出にぞっこん、という感じの笑顔でした。

「気になったのは、アリアみたいに市販EVの急速充電性能が上がると、急速充電インフラの性能も上がらなきゃってことですね。帰りのこともあるから談合坂SAで充電したんですけど、設置されている充電器の最大出力は40kW。30分充電しても、これだけしか入らないの? って感じでした」

公共急速充電インフラのパワーアップは大切な課題。先だって5月には、e-Mobility Powerが最大350kWの次世代超急速充電器をニチコンと共同開発することを発表し、「2025年末までに1100口」を目途に高速道路SAPAの経路充電インフラ拡充を進めているところ(関連記事)です。

9月15日には新潟でオフ会も!

さて、そんな木沢さんが中心となって開催準備を進めているのが「Niigata EV Ownerʼs Meeting」です。開催日時は2024年9月15日(日)。新潟県南魚沼市の石打丸山スキー場が会場です。参加案内はこちら(PDFファイル)。

こちらはアリアなど車種に関わらず、「電気⾃動⾞オーナーや電気⾃動⾞に興味のある⽅であれば参加可能」ということで、さまざまなEV&オーナーが集まるはず。私もヒョンデKONAで参加する予定です。7月21日(あ、忘れてたけど僕の誕生日だったんだな)は絶好の晴天に恵まれました。9月15日はスキー場のゴンドラで山頂へ! といった趣向もあるようなので、天気がいいことを願っています。

アリア全国ミーティング。ヤケドのような日焼けしながら、インタビューできたのは8名のオーナーさんでした。インタビューできなかった参加者のみなさま、ご容赦ください。アリアやEVの魅力について、言いたいことがあるぞ! という方は、ぜひコメントをお寄せください。

取材・文/寄本 好則

この記事のコメント(新着順)2件

  1. 「もう心配ない」と言う意見が多い裏返しとして、アリアくらいの車格にならないと、まだまだ長距離ドライブは心配がたくさんって事ですね?近隣専門の軽EVと、古いEVが混在する中、ハイパワー充電器、中低速充電器の台数·バランスを上手く保ってほしい物です。

    1. ホンマそれですー。以前アリアオフミにi-MiEV(M)10.5kWhで参加したとき電池発熱に悩まされたもんで…さすがに春日井~横浜は長すぎた!!(爆)
      おそらくアリアロングドライブの第一人者はEVLifeJapan氏(YouTuber)やー思いますが、それ以外の方々も賛同されるんなら間違いないでっせ。

      軽EV電池発熱の原因が50kWクラスの急速充電にある訳で…せやったらサービスエリアには30kW中速充電器あるいは1時間休憩を考慮した3kW普通充電器があってもエエやないですか!?…実際90分程度仮眠してから50kW充電器使うたら発熱が収まり普段の充電電流になってましたから。

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					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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