テスラが2021年第4四半期の台数実績を発表〜過去最高でスバルやレクサスを超えた

テスラ社は2022年の新年明けに、2021年度第4四半期(2021年10月~12月)の生産台数と納車台数の速報値を発表しました。いずれも過去最高を記録し、年間の納車台数は93万6000台で目標だった75万台を大きく超えました。半導体不足の影響はすっかり克服したようです。

テスラが2021年第4四半期の台数実績を発表〜過去最高でスバルやレクサスを超えた

生産、納車ともに過去最高を更新

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2022年の新年早々から日本でもコロナウイルスの感染者数が増えつつあり、今年も影響が出てきそうな雰囲気がありますが、1月2日に発表された恒例のテスラ社の実績速報は暗い影を消し去ってあまりあるものでした。

電気自動車(EV)メーカーのテスラ社は2022年1月2日、2021年度第4四半期の生産台数と納車台数の速報値を発表しました。生産台数は、『モデルS/X』が1万3109台、『モデル3/Y』が29万2731台で、合計30万5840台となり、四半期ベースの過去最高を更新して初めて30万台を超えました。

納車台数は、『モデルS/X』が1万1750台、『モデル3/Y』が29万6850台、合計30万8600台で、こちらも30万台以上になりました。

年間100万台まであと一歩

2021年度の年間実績は、生産台数が93万422台、納車台数が93万6172台でともに過去最高を記録しました。テスラ社が示していた2021年度の目標は75万台だったので、軽々と超えています。対前年比では、生産台数が82%増、納車台数が87%増と、2倍近くに増えています。まあ、見ればわかりますね。

世界的には半導体不足による減産を余儀なくされている自動車メーカーも多いのですが、テスラ社はこれまでの決算発表で、チップの設計やサプライチェーンを見直すことで影響を最小限に抑え込んだと説明してきました。その成果が確実に出ているようです。

コロナ禍の影響もほとんど見えないどころか過去最高の成長率になっていて、EV専業メーカーを取り巻く市場環境は、コンベンショナルなICE(内燃機関)車とかなり違うことが伺えます。

イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は常々、年率50%の成長がしばらく続くと豪語していますが、2021年度はそれ以上に拡大しました。いったいこの勢いはいつまで続くのでしょうか。ニューヨークタイムズ(2022年1月2日付)でNeal E. Boudette記者は、「EVの分野には数多くの競合メーカーがあるが、この四半期の実績からも明らかなように、テスラ社は引き続き市場を支配する」というWedbush Securitiesのアナリストの言葉を紹介しています。

たった2車種で既存の自動車メーカーと肩を並べる

ところで年間90万台を超えるというのは、既存の自動車メーカーで考えるとどんな規模なのでしょうか。日本の自動車メーカーで見てみました。トヨタは年間900万台以上、ホンダは約400万台、日産は約500万台なのでちょっとレベルが違いますが、その次となると、テスラに追いつき追い越されている状況です。

直近の数字だと、富士重工(スバル)はコロナ禍前の2019年までは年間100万台を超えていたのですが、2020年は約88万台で、2021年はさらに下回る可能性があります。

マツダは2021年の1月~11月で約120万台、11月単月では約9万1000台なので、年間では130万台前後になりそうです。コロナ禍前の2019年は約150万台でした。

また、マツダは2000年には生産台数が100万台に届いていなかったのですが、この20年で業績を大きく伸ばしています。ただ、2017年の約160万台をピークに減少傾向にあるので、来年の予想は難しいところです。

ということは、テスラ社はすでにスバルを超えていて、マツダも視野に入っている感じです。日本の中堅メーカーと、肩を並べる規模だということがわかります。しかも、テスラ社の車種は4車種しかないうえ、全体の97%を『モデル3/Y』が占めています。つまりわずか2車種で、スバルやマツダと同規模になっているわけです。

このほか、高級車部門で競合しそうなレクサスは、2019年の販売台数が約76.5万台、2020年は約72万台でした。

先だって開催されたトヨタの「バッテリーEV戦略に関する説明会」では、レクサスブランドの責任者、佐藤恒治チーフ・ブランディング・オフィサーが、高級車市場はユーザーのEV嗜好が鮮明なこともあり2035年までにレクサスブランドを100%EV化すると発表しました。

【関連記事】
トヨタが電気自動車に本気宣言~2030年に350万台のBEV販売を目標(2021年12月15日)

2021年の販売台数でテスラ社がレクサスを抜き去ったことは、レクサスの100%EV化宣言にどのような影響を与えているのでしょうか。とても気になるところです。

ということで、過去最高の販売実績になったことで会社の業績がどうなるのか、今から気になるところです。株価はすでに数字を織り込み済みなのか、週末で休みだからなのか、大きく動いていませんでした(1月3日時点)。2021年の1年間で約730ドルから約1100ドルまで50%も上げているので、多少の変動は目立たなくなっています。

と、思っていたのですが、この記事の公開前には月曜日の市場の結果が出ていて、年末の1056.78ドルから1199.78ドルに14%も跳ね上がっていました。目標を大きく超えたことが評価されたようです。

イーロン・マスクCEOは先だって、Twitterで、次の決算発表の時には生産計画をアップデートすると投稿しています。遅れているサイバートラックはどうなるのか、その他の車種に動きはあるのか、楽しみに待ちたいと思います。

(文/木野 龍逸)

この記事のコメント(新着順)1件

  1. 会社は財務諸表で動いているから、台数かける推定単価で、どこかのメディアが売上高・比較で、評価してくれないかなぁ?

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					木野 龍逸

木野 龍逸

編集プロダクション、オーストラリアの邦人向けフリーペーパー編集部などを経て独立。1990年代半ばから自動車に関する環境、エネルギー問題を中心に取材し、カーグラフィックや日経トレンディ他に寄稿。技術的、文化的、経済的、環境的側面から自動車社会を俯瞰してきた。福島の原発事故発生以後は、事故収束作業や避難者の状況のほか、社会問題全般を取材。Yahoo!ニュースやスローニュースなどに記事を寄稿中。原発事故については廃棄物問題、自治体や避難者、福島第一原発の現状などについてニコニコチャンネルなどでメルマガを配信。著作に、プリウスの開発経緯をルポした「ハイブリッド」(文春新書)の他、「検証 福島原発事故・記者会見3~欺瞞の連鎖」(岩波書店)など。

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