ボルボが日本国内初の電気自動車『C40 Recharge』を発表〜急速充電は150kW対応

ボルボが日本国内初導入となる完全電気自動車の『C40 Recharge』を発表しました。バッテリー容量は78kWh。9.6kWまでの普通充電が可能で、チャデモ規格で150kWまでの急速充電に対応します。価格は719万円(税込)〜。まずは抽選で100台限定のサブスクプランを提供。2022年1月にオンライン販売がスタートする予定です。

ボルボが日本国内初の電気自動車『C40 Recharge』を発表〜急速充電は150kW対応

※普通充電出力について、当初11kWとアナウンスされていましたが、日本の200V電源では9.6kWとなります。

ボルボとして初めてのフルエレクトリックSUV

2021年11月18日、ボルボ・カー・ジャパンが、ボルボとして初めての完全電気自動車である『C40 Recharge』の日本での発売を正式に発表しました。C40 Rechargeは、XC40から採用するCMAプラットフォームをベースにしているものの、ボルボとして初めて電気自動車専用モデルとして設計されたBEVとなります。

駆動用バッテリー容量は78kWh(396V×160Ah)。前後に1基ずつの2モーターによるAWDシステムを採用し、出力は300kW/660Nmとパワフルです。充電性能も高く、ACによる普通充電は最大11kW、DC急速充電はCHAdeMO1.2規格の最大150kWに対応することが示されました。

一充電航続距離は日本のWLTC(国交省申請値)で485km。先行して発売されている欧州仕様はWLTPで約443km(275miles)なので、実用値に近いアメリカEPA基準換算推計値では約395kmとなります。十二分な航続距離性能といえるでしょう。

発表されたスペックを、メルセデス・ベンツEQC、トヨタ bZ4Xと比較した表にしておきます。

Volvo C40 RechargeMB EQC 400 4MATICトヨタ bZ4X 4WD
駆動方式AWDAWD4WD
全長/全幅/全高4440/1875/1595mm4770/1885/1625mm 4690/1850/1650
車両重量 2160kg2470kg 2005kg
最高出力300kW300kW160kW
最大トルク660Nm765Nm未発表
バッテリー容量78kWh80kWh 71.4kWh
普通充電最大9.6kW 最大6kW 最大6.6kWh
急速充電最大150kW
(CHAdeMO)
最大50kW
(CHAdeMO)
最大150kW
(CHAdeMO)
航続距離485km(WLTC)
約395km(EPA推計)
400km(WLTC)
約321km(EPA推計)
460km前後(WLTC)
約368km程度(EPA推計)
価格(税込)719万円〜895万円〜未発表

充電カードは用意なし。ディーラーQCは設置中

ボルボからの発表には「充電カード」への言及がなかったので広報部に確認してみると、ボルボとして「充電カード」は用意せず、購入者にはeMPカードの加入方法などを案内するということでした。細かく書くと長くなるので端的に紹介しておくと、月額料金と利用料金など、eMPカードより日産ZESP3のほうがコスパがいいケースもあるので、購入する方は充電認証カードをまとめたこの記事を確認の上ご検討ください。

チャデモ規格の急速充電は最大150kWに対応するということですが、現在のところディーラーなどに設置を進めている急速充電器は最大50kWとのこと。全国でおおむね100店舗程度のディーラーのうち、8割程度には急速充電器を設置する計画が進行中ということでした。

それにしても、今年に入って新たに発表される電気自動車に「急速充電対応100kWオーバー」の車種が目立つようになってきました。先日の社長インタビュー記事で紹介したように、eMPではことに高速道路SAPAを中心に最大90kW出力の複数口化を急いでいるところですが、この調子だと案外早く「90kWじゃ力不足!」の声が大きくなるのかも知れません。とはいえ、公共のQC設備に150kWとかの超高出力はオーバースペックといえる面もあるので、高出力対応EVを発売するメーカーには、自社EVオーナーの利便性向上のために、100kWとか150kWQCに対するなんらかのアクションや貢献を期待したいところです。

まずはサブスクリプション限定100台で受注を開始

C40 Recharge、さらに今後発売されるボルボの電気自動車は、グローバルですべてオンライン販売となります。ディーラーの店舗は「顧客体験の重要な部分である、試乗、納車、整備などの様々な重要なサービスを引き続き担っていくことになる」とのこと。2030年までに新車販売を100%電気自動車にすることを明言しているボルボで、はたしてどんなビジネスモデルが形作られていくのか、という点にも注目していきたいところです。

今回発表されたC40 Rechargeは、まずは、サブスクリプションキャンペーン(100台限定)の抽選受付が開始されました。エントリー期間は今日、11/18〜11/30(火)の正午まで。抽選の結果は、12月中旬までに当選者へ順次連絡がくるそうです。

【応募サイト】
ボルボ C40 Recharge サブスクリプションキャンペーン

このサブスクキャンペーンで購入(契約)できる車両は、ボディカラーはシンボルカラーでもあるフィヨルドブルー、インテリアはチャコールのみ。任意保険(自前での加入は不可)やもろもろの税金まで含めたサブスク価格は月額11万円(税込)で36カ月 の期間限定で、終了後の車両買取や期間延長などは不可となっています。

いろいろ縛りもありますが、「解約をご希望の場合には、解約月の3ヶ月前までにお申し出頂くことで契約を終了することができる」といった、ユーザーにとってメリットも大きい仕組みになっている(他車のサブスクを細かく検証してないですが)とのこと。「一度は電気自動車を試してみるか」という方にとっては、かなり魅力的な価格設定ではないか、とも思います。

サブスクではなく購入したい! という方は、公式オンライン受注サイトが2022年1月ごろに開設される予定なので、もうしばらくお待ちください。

恥ずかしながらスモーカーの私自身は、契約条件に「車内禁煙」があったのでサブスクは断念。中古リーフの次、を待ち望んでいるところではあるので、来年の夏ごろまでをメドに、日産アリア、トヨタbZ4Xやスバルソルテラ、あるいは日産&三菱の軽EVなどと並べて、悩むのを楽しみたいと思います。

(文/寄本 好則)

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					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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