ボルボがEV専用ブランドスペース「Volvo Studio Tokyo」を開設〜試乗や充電もOK

ボルボ・カー・ジャパンが電気自動車だけを展示するブランド発信拠点「Volvo Studio Tokyo」を開設。6月末にメディア向けの体験イベントを開催しました。青山三丁目交差点のすぐ近くにある好立地。ゲストへのセールスはなくボルボのEVの世界を楽しめて、試乗や充電体験も用意されています。

ボルボがEV専用ブランドスペース「Volvo Studio Tokyo」を開設〜セールスなしで試乗や充電体験もOK

EVだけに特化したショールームは世界初

「Volvo Studio」はボルボがストックホルム、ニューヨーク、ミラノ、ワルシャワ、上海などに展開するブランド発信拠点です。東京には2017年に「Volvo Studio Aoyama」が開設されていましたが、2023年4月8日、青山通りを挟んだ新築ビルに移転してEVだけに特化したブランドスペースとしてVolvo Studio Tokyo(ボルボスタジオ東京)がオープンしました。各地のボルボスタジオのなかでも、EVだけに特化しているのは世界初となります。

6月末、ボルボ・カー・ジャパンがボルボスタジオ東京を紹介する体験取材イベントを開催したので、参加してきました。

場所は、青山通り(国道246号線)青山三丁目交差点、渋谷方向へ向けた交差点のすぐそば(交差点から2軒目のビル1階)です。

到着すると、広報スタッフの方の安心で「Volvo studio Tokyo Explorer」というアプリを自分のスマートフォンにインストール(スタジオ内にはDL用のQRコードが用意されています)。会場内ではAR(Augmented Reality=拡張現実)技術を使ったいろんなアクティビティが楽しめる趣向です。

展示車の近くに配置されているマーカーを読み込むと、スマホ画面にさまざなアイコンが現れて、ボルボのEVに関するトリビアがクイズになっていたり、EVの特長やボルボが取り組んでいるサステナビリティに関する話題が紹介されたりします。いわば、スマホを活用したEVアミューズメント空間になっている感じでした。

たとえば、展示車の前に「斧」が出現するといった演出があり、家族や仲間と訪れた際には、AR空間で斧を持ってスマイル! 的な写真を撮ってSNSで発信、なんてことも楽します。

こんな写真が撮れます。

この日、スタジオに展示されていたのは「C40 Recharge」と「XC40 Recharge」の2車種だけでしたが、今後は先日発表された「EX30」や、まだ日本導入が正式に発表されてはいないものの、ボルボのフラッグシップEVとなる「EX90」などの展示車も加わるはず。

ボルボのEVの実車に乗り込んで触れてみながら、電気自動車やサスティナビリティについて知識や理解を拡げる体験ができそうです。

Volvo Studio Tokyo
住所/東京都港区南青山3丁目1-34 「3rd MINAMI AOYAMA」1F
営業時間/月曜~金曜 12:00-19:00、土曜・日曜・祝日 10:00-19:00
定休日/毎週水曜日、第1・第3火曜日
電話番号/03-6773-1353
公式サイト

地下駐車場には試乗車やEV用充電器も用意

さらに、ボルボスタジオ東京には試乗車も用意されています。平日はその場で申し込んで空いていれば周辺の公道での試乗が可能。週末については、アプリか公式サイトから試乗予約をすることが可能で、平日よりも長めに約90分間の試乗ができるということでした。
(今、確認してみたら7月の試乗枠はかなり埋まり始めてました)

また、スタジオが開設された新築ビルの地下駐車場(一般の駐車は不可)には、最大90kWで2台が同時充電できるABB製の急速充電器と、5基の普通充電器(6kW)が設置されていました。新築時に入居を約束して交渉したおかげで、地下駐車場への急速充電器設置がスムーズに実現したそうです。

ボルボ専用の駐車&充電スペースは、タイル敷きでデザインされたスタイリッシュな空間になっていました。

ボルボのEVオーナー限定で、アプリ(もしくは公式サイト)から予約して充電することも可能です。充電はスタジオの営業時間内のみ。30分単位で予約できて、料金は1500円(税込)。駐車料金は不要ということですから、90kW器で30分の充電料金としてはお得です。料金の支払いは、今のところQRコード決済(PayPayとメルペイ)のみ対応。現金やクレジットカードは使えません。

地下駐車場にある充電スペースへの入り方や、充電を行う手順はアプリで丁寧に案内されています。

待ち合わせやちょっとした仕事場としての利用も歓迎

待ち合わせなどでの気軽な利用もOK。

ボルボスタジオ東京には、スマホによるデジタル体験をサポートする「ブランド・アンバサダー」が常駐していますが、セールス担当のスタッフは置かないとのこと。試乗時にはスタッフが同乗し、運転に不安があるなら助手席試乗もOKですが、試乗の案内スタッフもセールスはしないということでした。

ブランドエクスペリエンススペシャリストのトロストマン倫代さん。ご主人がドイツの方とのこと。もちろん日本語でスタジオでの体験をサポートしてくれます。

リリースから引用すると「ボルボのEVを見てみたい、触ってみたいという方はもちろん、車を所有する予定はなくても通りがかりに立ち寄ったり、待ち合わせ場所として利用したり、新しいデジタル体験をしてみたいという方など、多くのお客様のお越しをお待ちしています」とアピールされており、取材の際にも「Wi-Fiもありますし、ちょっとした仕事場として活用してください」ということでした。

2030年にはEV100%に、そのために2025年には新車販売の50%をEVにする目標を掲げているボルボ。『ボルボが最もコンパクトなSUVとしてEVの「EX30」を初公開/「small」で世界を制する心意気』という記事という記事でも紹介したように、他の欧州メーカーに先駆けてより多くの販売が見込めるコンパクトサイズのBEVを世界市場で投入してきたのと併せて、デジタルネイティブ世代の若い人たちにもボルボというブランドに興味と親しみを拡げていこうということが、このボルボスタジオ東京の存在意義なのでしょう。

オフィシャルグッズ展示もありますが、購入はウェブのショップから。

また、すでに「C40 Recharge」と「XC40 Recharge」はオンラインで購入することができます。テスラストアはサービス拠点でもありますが、ボルボスタジオはさらに「ブランド体験」に特化した施設になっています。ショールームはブランドの価値や実車を見せるためのスペースであり、セールスマンを置かない「売らないショールーム」というスタイルが、これから日本でも広がっていくのかも知れません。

日本仕様の搭載バッテリー容量は69kWhとされている『EX30』が、はたしていくらで発売されるのか楽しみです。

取材・文/寄本 好則

この記事のコメント(新着順)2件

  1. 小立芳寿 さま、コメントというか、お手紙ありがとうございます。

    太陽光発電設置されているとのこと。素敵です。
    V2Hによる(ほぼ)オフグリッドも実現すると素晴らしいですね。

    EVのバッテリーのみだと、クルマとして使うと蓄電できないといった悩みを抱えている方もいらっしゃるようです。コストアップにはなりますが、定置型と組み合わせられると便利でしょうね。

    7kWhで60万円という「工務店のLFPバッテリー」が気になります。

    今後とも、ご愛読ください! m(_ _)m

  2. 拝啓 寄本様
    初めてコメントを書かせて頂きます。私はリーフに5年乗り、昨年秋にテスラモデル3RWDに乗り換えました。この間ずっと記事を拝読させて頂き、参考にさせて頂いております。ありがとうございます。
    本日のコメントは記事と直接関係ないので恐縮ですが、自宅太陽光発電とEVに興味のある方、グリッドフリーに興味のある方に参考になればとーーーーー。
    古い実家の建て替えに際して、全く知識がなかったのですが、ゼロエナジーホームに出来ないかといろいろ住宅メーカーを検討した結果、I工務店が希望に近い住宅を提供してくれそうだと判断しました。屋根材一体型の太陽光パネルを取り付けました。発電量は9KW。バッテリーは7KW。ガスは引かず、オール電化、床暖房、床冷房でエアコン無しです。グリッドフリーも考えて、ネット回線だけで電話、テレビを利用しています。庭に井戸があるのですが、流石に上下水道は通常に利用しています。EVのコンセントはテスラのものでなく、200Vのコンセントを付けました。
    で、なにが言いたいかというと、エアコンなし、ガス無しで概ね快適に暮らせているのですが、問題はバッテリーが7KWしかないことです。そのために雨天、夜間、早朝には電力会社から高額な電気を買わなければいけないという点です。日中晴れていると総量で60KW近く発電するのに、FITの買取制度が無くなったので、そのほとんどが電力会社に安く持って行かれてしまいます。太陽光発電した電力が自宅で充電できればと日々悶々としています。工務店のバッテリーはLFPの7KWで60万円と比較的安価ですが、付けられるのは二つまでです。テスラウオールはお金があればいくつでも付けられるようですが。最終的にお伝えしたいことはVehichle to Homeという選択肢はありだなと。オール電化の今の家は1日の使用電力は30KW以下。テスラの60KWを夜間、雨天時には自宅で使い、晴れた日は、安く売電することなく、自宅で使いながら余剰分をテスラに充電出来たらT電との縁が切れるかもしれません。
    東京では今後戸建てを新築する際に太陽光パネルをつけなくては行けなくなるようです。参考までに投稿させていただきました。

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この記事の著者


					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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