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高出力急速充電器の「受電王」を目指すポイントは?/IONIQ 5 や大容量EVオーナーにクーポンGETのチャンス

高出力急速充電器の「受電王」を目指すポイントは?/IONIQ 5 や大容量EVオーナーにクーポンGETのチャンス

充電サービスを展開するテラチャージが、東京都内で指定の高出力急速充電器を利用して30分間で受電できた電力量を競う「受電王 決定戦」を開催することを発表しました。拠点別の優勝者と総受電量優勝者には1320円(急速充電器30分無料相当)のクーポンがプレゼントされます。

目次

30分間の急速充電量を競うコンテスト

EV向け充電サービス「Terra Charge(テラチャージ)」を展開するTerra Charge 株式会社が、EVの正しい理解と賢い使い方の普及を目指し「#超急速 受電王 決定戦 Tokyo by テラチャージ」と銘打つキャンペーンを開催することを発表しました。

開催期間は2026年3月4日(水)〜3月31日(火)まで。東京都内に設置されている指定の高出力急速充電器(90kW器と150kW器)をテラチャージアプリで利用して、充電結果の画面写真(受電量がわかるもの)を指定のエントリーフォームから送付。30分間で車両が実際に受電できた電力量(kWh)を競い、施設ごとの優勝者と、総受電量優勝者(利用施設数や回数を問わず)に1,320円分(急速充電器30分無料相当)のテラチャージクーポンがプレゼントされる趣向です。

ミライズエネチェンジのEV充電エネチェンジが実施した「EV充電フェス」(関連記事)にも似て、EV充電を楽しく広げていこうとする試みといえます。

充電開始時刻に制約あり

充電してエントリーフォームで応募するだけではありますが、レギュレーションで「集計対象時間」が「毎時00分〜30分、あるいは、毎時30〜00分の間のデータ」と定められているのでご注意ください。時間を合わせて急速充電器を利用するように配慮する必要があります。

対象となる高出力急速充電器は以下の34拠点。最大90kW器が11拠点、最大150kW器が23拠点となっています。なお、対象充電器は「今後のサービスイン、メンテナンス状況により増減の可能性」があるとのことなので、アプリ内の通知などにご留意ください。

市区町村1口最大出力施設名
練馬区90kWタックス本部関越練馬店
練馬区150kWコジマ×ビックカメラ豊玉店
練馬区150kW順天堂大学医学部附属練馬病院
墨田区150kW向島郵便局
板橋区150kWコジマ×ビックカメラ高島平店
八王子市90kW横山南市民センター(八王子市)
八王子市90kW恩方市民センター(八王子市)
八王子市90kW元八王子市民センター
八王子市90kW石川市民センター(八王子市)
八王子市90kW富士森体育館
東大和市150kWコジマ×ビックカメラ東大和店
東久留米市90kWリンガーハット東京東久留米店
調布市150kW調布市下石原市営住宅
調布市150kW調布市京王線国領駅南口市営駐車場
町田市90kWビーバープロ町田木曽店
中央区90kWヤエチカパーキング西駐車場
多摩市150kW桜ヶ丘ゴルフ練習場
足立区150kWコジマ×ビックカメラ足立加平店
世田谷区90kWSOCOLA用賀
世田谷区150kW玉川郵便局
杉並区150kWコジマ×ビックカメラ井草店
杉並区150kWコジマ×ビックカメラ高井戸東店
小平市150kWコジマ×ビックカメラ小平店
江戸川区150kWくすりの福太郎北葛西店
江戸川区150kWコジマ×ビックカメラ江戸川店
葛飾区90kWコジマ×ビックカメラ新小岩店
稲城市150kW稲城市公営 稲城・府中メモリアルパーク
稲城市150kW稲城市城山文化センター
稲城市150kW稲城市役所第一駐車場
稲城市150kW稲城市役所第三駐車場
稲城市150kW稲城中央公園総合体育館西駐車場
稲城市150kW城山公園中央図書館駐車場
稲城市150kW第二文化センター
稲城市150kW複合施設ふれんど平尾

自分のEVの急速充電性能を理解しておきましょう

キャンペーンを告知するプレスリリースでは、この企画はたんに「どのEVが一番(充電が)速いか」を競うことよりも、「どう使えば、そのEVが最も輝くか(充電性能を発揮できるか)」に主眼を置いて開催する旨が示されています。現実に、急速充電スポットでケーブルをきちんと片付けないケースがなかなかなくならないように、EVオーナーではあっても、自分のクルマの急速充電性能や「使い方」をきちんと理解しないまま乗っている方は少なくないのかもしれないと感じます。

いい機会なので、この「受電王」に絡めて、急速充電の上手な使いこなし方のポイントを挙げておきたいと思います。

「受電王」を狙える性能なのか?

まず根本的な挑戦資格といいますか、受電王を狙うためにはおおむね「150kW」クラスの受電性能を備えたEV車種であることが必須の条件になるはずです。

たとえば、メルセデス・ベンツのEQEやEQS、BMWの上級車種、ヒョンデIONIQ 5 、ボルボEX30、日産新型リーフB7、トヨタbZ4X、最近ではプジョーE-3008などが「最大150kW」級の急速充電性能を備えています。一方で、日産サクラは「最大30kW」、ホンダのN-ONE e:は「最大50kW」の受電性能なので、エントリー数が極端に少ないなどの好運に恵まれない限り、王者を狙うのは難しいでしょう。

つまり、EVの急速充電性能は「エンジンの馬力」や「最高速」、「0-100km/h 加速性能」などにも匹敵するクルマ(EV)としての根本的な性能といえます。

たとえば、50kW器と90kW以上の充電器がある高速道路SAPAを利用するケースを想定してみましょう。e-Mobility Powerのビジター充電では、最大出力50kW以下の充電料金が「55円/分」に対して、50kW超、すなわち90kW器や150kW器は「77円/分」と高額になっています。したがって、50kW器と90kW超の高出力器が併設されている場合、「充電性能が50kW以下程度の軽EVでは50kW器を利用するのがお得」ということになります。

ただし、今回の「受電王」では期間中の累計受電量の優勝者も表彰されることになっています。いっぱい走ってたくさん充電すれば、急速充電性能はそれほどでもない車種のオーナーでも王者に輝く可能性はあります。

90kW器では「IONIQ 5」が有利かも?

このニュース初見で気になったのが「90kW器の受電王は IONIQ 5 の独壇場になるんじゃないのかな?」ということでした。細かすぎる説明は省略しますが、高電圧システムを採用している IONIQ 5 で90kW器を上手に利用すると、電圧が「405V」、電流値は90kW器の最大値である「200A」で30分間を通して充電することができます。

他車種の場合、SOC(バッテリー残量)が減った状態では300V台中盤くらいからの充電開始になるケースが多いはずですから、30分間200Aの最大電流を受け続けたとしても IONIQ 5 の充電量には届かないことが推定できます。

対抗できる車種は? と考えると、最大150kW級の充電性能はもちろんのこと、100kWh以上の超大容量バッテリーを搭載した高級車くらいではないでしょうか。具体的には、メルセデス・ベンツやアウディ、BMWといったプレミアムブランドの1000万円級のEVが、IONIQ 5 と鎬を削ることになりそうです。

上手に急速充電性能を使いこなすコツは?

ちなみに私の愛車であるヒョンデ KONA Casual(バッテリー容量は48.6kWh)も、急速充電性能は「最大260A」ではあるものの、システム電圧が「269V」と低いため、150kW器を利用しても受電できる最大出力はおおむね70kW程度で、受電王を狙えるスペックではありません。

とはいえ、ロングドライブなどで急速充電器を利用する際は、少しでも上手に充電インフラを活用できるよう、いくつかのポイントに気をつけるようにしています。

SOCは20%以下に減らして急速充電がベター

充電出力などは車種によって緻密にマネジメントされているので若干の差異はありますが、おおむね「EVの常識」といえるのが、「バッテリー残量(SOC)は20%以下くらいを目安に急速充電を開始するほうが大きな瞬間出力を得やすい」ということです。

たとえば、20%から充電を開始して車種ごとの最大出力が得られたとしても、おおむね50%を超えると段階的に出力が低下していきます。

ロングドライブ時の経路充電は「休憩」でもあるので無理は禁物ですが、お目当ての出力(私の場合260Aの性能をフル活用するために150kW器がお気に入り)の充電器が設置されているSAPAを繋いでいけるよう、走り方や時間を計画するのがオススメです。受電王を狙うためにも「充電開始は20%以下」がポイントになろうかと思います。

バッテリー温度のプレコンディショニングを活用する

これも車種によって機能の有無があるものの、バッテリー温度は急速充電性能に大きく関わってきます。プレコンディショニング機能を備えた車種に乗っているなら、ぜひ上手に活用するのがオススメです。

手動で設定する場合、充電開始の20分前くらいをメドにスイッチオンにするのが良い、と聞いています。

ケーブルはきちんと片付けましょう

「いくつか」と前置きしましたが、適切な充電出力を得るためにユーザーが留意できるポイントはこの2点くらいです。あと「上手に急速充電性能を使いこなす」ため、多くのEVユーザーの心に留めておいてほしいのが「充電が終わったらケーブルをきちんと片付けましょう」ということです。

急速充電器に到着したら、充電区画にケーブルがはみ出していて、踏まないように一度クルマを下りて片付ける、なんてことがしばしばあります。ケーブルが汚れているケースも多いので、車内に軍手や小さめのタオルなどを常備しておくのがオススメです。

150kW器でも「44円/分」のキャンペーン中

今回の受電王と同じく「2026年3月31日まで」の期間中、テラチャージでは急速充電料金を出力を問わず「44円/分(税込)」で提供するキャンペーンを実施しています。テラチャージが設置する国内の急速充電器はすべて対象になっていますから、受電王の対象充電器はこの料金で利用できます。

つまり、30分間の充電料金は「1320円」。充電性能が優れたEVで、30分で40kWh充電できたとしたら「33円/kWh」という自宅基礎充電の電気代並みの金額で充電できることになります。さらにJAF会員の方であれば、JAF会員向けのスマホアプリで「急速充電器利用金額1000円クーポン」を利用可能。30分320円で充電することができます。

期間限定のキャンペーンですし、安く充電できるのはEVユーザーにとってありがたいことではありますが……。『フラッシュが「44円/kWh」を標準料金にすることを発表〜格安急速充電価格の理由とは?』(2025年8月5日)という記事でも示したように「充電料金はサービスが持続可能な価格設定であるべき」とも考えていて、安すぎる充電料金には「大丈夫ですか?」という不安を感じるのも本音です。

ともあれ、どんな車種の誰が、どのくらいの充電電力量で「受電王」に輝くのか。EV充電についての知識や理解が、正しく広がることに期待しています。

文/寄本 好則

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この記事を書いた人

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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