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気分はレーシングドライバー!? 噂の電気自動車「レクサス RZ550e F SPORT」に乗ってみた!【吉田由美】

気分はレーシングドライバー!? 噂の電気自動車「レクサス RZ550e F SPORT」に乗ってみた!【吉田由美】

レクサス初のBEV専用モデル「RZ」に新たに加わった最高峰グレード「RZ 550e F SPORT」。単なるグレードの追加にとどまらない、レクサスの電動化に対する本気度を象徴する一台です。高速道路から箱根のワインディングまで、5日間じっくり向き合ってみました!

目次

ヨーク型ステアリングにテンションアップ!

2025年の年末に発売されたRZ550eは、先行して発売された「RZ450e」のポテンシャルをさらに引き上げたハイパフォーマンスモデルです。

圧倒的なパワーユニットのシステム出力は334kW(454PS)に達し、0-100km/h加速はわずか4.4秒。フロントとリアに配された高出力モーターが、内燃機関では味わえないシームレスかつ強烈な加速を提供します。

最も特徴的なのは、ドアを開けた瞬間、目に飛び込んでくる、まるでF1マシンのようなステアリング。ハンドルではなく、これは敢えて「ステアリング」と呼びたくなるような、丸くない形状。F1さながらのレーシングマシンか、はたまたゲームの世界か、飛行機の操縦桿か……!? 上下辺が水平で、「ヨーク型ハンドル」と呼ぶらしい。これだけでテンションは120%アップする~っ!

未来感と特別感を醸し出すRZ550eのステアリングですが、見た目だけでなく、メリットもいっぱい! 上部が無いため、メーターの視認性が向上。下部分もないため、足元にも開放感があります。

そして、電気信号を介して舵角を制御する「ステア・バイ・ワイヤー」の採用により、驚きの舵角を実現。左右約200度の回転で済むため、駐車時の持ち替えが少なくなるのも特徴的。クルマを動かし、ハンドルを少し切った瞬間から「あれ?」と思うはず。明らかに、それまで乗った車のハンドルの切れ角とは大違いなのがわかりますから。

エンジン車のような「サウンド」や変速ショックを再現

そして特筆すべきは、新開発の「インタラクティブ・マニュアル・ドライブ」。BEVのパドルシフトというと、回生力を変えるものという概念を覆すものです。

パドルシフトを操ればBEVでありながら、まるでエンジン車をドライブしているかのようなサウンドと、気持ちのいい変速ショックが体に伝わります。また、擬似サウンドの「アクティブサウンドコントロール」により、エンジン音は排気音を生成し、スポーティーさを演出。電気の力によるシームレスな加速という「効率」のなかに、あえてドライバーの五感を刺激する「遊び」が組み込まれています。この二面性こそ、「Fスポーツ」の名を冠するに相応しい知的な演出と感じました。

また、レクサスらしい静粛性にはさらに磨きがかかっています。ドアを閉めた瞬間に広がる静かな世界。遮音材の緻密な配置と新断面のガラスランにより、ロードノイズや風切り音は極限まで抑えられています。

内装の質感も「Fスポーツ」ならでは。スポーティさとエレガントが見事に調和しています。指先が触れる素材の温もり、ホールド性に優れたシートは、乗る人を優しく包み込みます。

洗練された極上のドライブフィール

ドライブフィールはもちろん極上。走り出しから、レクサスらしい「しっとりとした重厚感」に包まれます。2120kgという車重は、BEV特有の低重心と相まって、荒れた路面や小さな段差にも不快な振動なし。極上の乗り心地を実現しています。また、アクセルを軽く踏み込むだけで、まるで飛行機が離陸するような浮遊感や高揚感を感じるのは、そのステアリング形状のせいでしょうか。

今回は、このクルマで箱根のワインディング走行も試しました。高速道路で時速100kmでの圧倒的な直進安定性。低速域では最小限の操作で軽やかに、しかし時速100km /hを超えた高速域では、どっしりとした安定感を提供してくれます。

実はこの「ステアバイワイヤ」、車速に合わせてギア比を最適化してくれる賢い子。高速域ではマイルドな反応になるよう制御されるので、神経質なハンドリングにドキドキすることはありません。さらに、路面からの不快なキックバック(微振動)だけを巧みにカットし、タイヤが路面を掴んでいることだけはしっかり伝えてくれます。まさにレクサスらしい洗練されたドライブフィール!

いや~、このハンドリングは期待以上。想像以上の楽しさです。

また、454馬力を引き出す四輪駆動力制御「DIRECT4」をスポーツモードにすると、RZ550eは、別の顔をのぞかせます。急な上り坂も、BEVならではの分厚いトルクで軽々と、そして静かに加速。

とくに箱根のようなタイトなコーナーが続く道では、ステアバイワイヤの恩恵を最も感じました。コーナーの進入で少し切り込むだけで、遅れなく狙ったラインにスッと吸い付く。その秘密は、専用チューニングされた足回りと、緻密なトルク配分。軽やかに箱根のワインディングを駆け抜ける悦びは、これまでのSUVの概念を軽々と飛び越えました。ああ、これがもっと天気が良くて晴れていたら……もっと安心して楽しめたのに。残念!

5日間を共にして感じたのは、このステアバイワイヤは単なる「ハイテク装備」ではないということ。ドライバーの負担を減らし、走る際の所作を美しくしてくれる、まさに新しい時代の「おもてなし」です。

販売店の充電サービスがちょっとわかりにくかった

一方で残念だったのは、充電時の話。

今回はあえて販売店で充電しようと、事前に電話で急速充電器の出力などを確認してから行ったのに、ケーブルが短くて充電できなかったり、そもそも店頭にある急速充電器だと、レクサスの専用アプリでないと予約や充電ができなかったり……といったトラブルに遭遇してしまいました。

レクサスブランドであれば、テスラからの買い替えや新たにBEVを検討している人も多いはず。一方で、私たちはメーカーからの情報がメインなので、全社的にBEVに力を入れているのかと思いがちですが、販売の現場でBEVが当たり前になるのは少し先の話なのかもしれません。その温度差というか、時差を実感しました。勉強になりました!

そして、今回お伺いした販売店さん、覆面調査員みたいになっちゃってごめんなさい。でも今後への期待を込めて、敢えて、書かせていただきました。

ちなみに出力50kWの急速充電器で、31%(航続可能距離表示は114km)から約20分の充電で、46%(173km)となりました。

時間の質が変わることを実感できる「価値」

レクサスRZ550eの価格は約950万円。この金額だけを見ると「高い」と感じる人も少なくないはず。ですが、実際にステアリングを握ると、その印象は静かに裏切られます。アクセルを踏んだ瞬間の滑らかさ。速いのはもちろんですが、「速さを見せつける」感じではなく、あくまで自然体。余裕のある加速感は、ちょっとクセになります。そしてEVらしさにとどまらない、「運転している楽しさ」もちゃんとあります。さらに擬似的なシフト操作のような仕掛けもあり、いい意味でEVへの思い込みを裏切ってくれます。

しかし何より感じたのは、「時間の質が変わる」ということ。静かで、なめらかで、ストレスが少ない。それでいて運転している実感はちゃんとある。このバランスって、実は難しいと思いますが、移動の時間をどう過ごしたいか? クルマに何を求めるのか? そういう感性の部分にフィットした時、この価格はすっと腑に落ちる気がします。

もちろん誰にでもおすすめできるわけではありませんが、「ちょっといい時間を過ごしたい」と思う方に、こういう選択肢があるのはやっぱり素敵だと思います。レクサスRZ 550e Fスポーツは、クルマとの付き合い方を少し変えてくれそうな一台でした!

取材・文/吉田 由美

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この記事を書いた人

短大時代からモデルをはじめ、国産自動車メーカーのセーフティドライビングインストラクターを経て、「カーライフ・エッセイスト」に転身。クルマまわりのエトセトラについて独自の目線で、自動車雑誌を中心にテレビ、ラジオ、web、女性誌や一般誌まで幅広く活動中。

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