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『テスラ モデルXで2019 富士スバルラインEVパレードランに参加』
EVオーナー有志が任意団体を結成して実施!
『電気自動車で「富士スバルライン」を走ろう! 7月20日(土)参加者募集中』でもお伝えしたように、「富士スバルラインEVパレードラン」は、2017年、2018年と山梨県が主催して実施されてきたイベントです。今年は県主催でのイベントは実施されないことが決まったものの、テスラオーナーズクラブジャパン(TOCJ)のキーパーソンである中村壽継さんやEVオーナーズクラブ代表の桑原文雄さんを中心にEVオーナー有志が集結。「富士ゼロエミッション普及推進委員会」を立ち上げて、今年も開催されることになりました。
正式名称は『ゼロエミッション車通行可能!! フェス in FUJI SUBARU LINE』。要するに、マイカー規制が施行されている絶景の道でパレードランを行って、電気自動車ならではの気持ちよさをアピールしよう! というイベントです。
舞台となる富士スバルラインは、山梨県富士河口湖町を起点として、鳴沢村の富士山五合目までを結ぶ全長約30kmの有料道路です。標高は起点の富士河口湖町が857m、終点の富士山五合目が2305m。標高差約1500mを一気に駆け上れる(下れる)道なんて、日本国内にそんなに存在していません。と、いいつつ、同じ富士山で登山口が違う「ふじあざみライン(全長約11km、最高地点標高1960m)」や「富士山スカイライン(全長約13km、最高地点標高2380m)」でも、同様のヒルクライムが楽しめますが。
山梨県側から富士山の中腹まで駆け上る「富士スバルライン」では、例年夏の期間中、混雑緩和や環境保全を目的として「マイカー規制」が実施されます。今年は7月10日(水)17時~9月10日(火)17時まで。五合目目指して富士山を訪れたマイカーは料金所手前の富士山パーキングに停めて、シャトルバスやタクシーなどを利用する決まりです。でも、「下記の車両は、マイカー規制期間中でも規制区間の通行ができます」という注釈が。
●バス(乗車定員11人以上のマイクロバスを含む)
●電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)
●タクシー、ハイヤー
●自転車(登山道へ持ち込むことは不可)
●身体障害者等乗車車両(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保険福祉手帳等 所有者)
●その他許可車両
●下山車両
そうです、電気自動車(EV)と燃料電池自動車(FCV)は、規制対象外となっているのです。ただし、車検証の「燃料の種類」欄に「ガソリン」などと記入されている車両は許可対象外。PHEVはもちろん、BMW i3 のレンジエクステンダーはNGということなのでご注意ください。
今回のイベントでは事前に車検証の写真などを主催者に送付。山梨県エネルギー局職員である中沢裕子さんの協力で『電気自動車など確認証』(通行許可証)参加全車分を事前に手配。イベント受付時に配布していただきました。
通常は、一般車両が足止めされて駐車する「富士山パーキング」の料金所でこの許可証を発行してもらえます。
駐車場の出口に向かう途中にある「富士パーキング観光案内所」には急速充電器もあります。県が設置している充電器でNCSなどには加盟しておらず利用は無料。使いたい人は観光案内所の受付に申し出てスイッチをオンにしてもらう必要があり、利用時間は9〜20時。今回、下山したあとに私も使いましたが、出力は40kWh弱(確認した時点で396V96A表示。上限が96A設定のようです)でした。
ちなみに、「ふじあざみライン」と「富士山スカイライン」でも同様のマイカー規制が実施されています。ふじあざみラインはスバルライン同様にEVとFCVは規制対象外。富士山スカイラインは電気自動車でも通行することはできません。 富士山スカイラインはEVでもダメ、だったのですが、読者の方のご指摘を受け電話で確認したところ、今年からEVとFCVは規制対象外、つまりマイカー規制中でも走れるようになったとのことです。どうぞ、お好みの道をお楽しみください。
イベントの様子をご紹介!
受付開始は朝8時半。TOCJ会長でスタッフでもある安川さんは8時集合&朝が苦手ということで前泊。取材&一般参加の私はちょうど8時半くらいに集合場所である富士河口湖町役場の職員用駐車場に到着しました。
あいにくの小雨模様ですが、イベントは雨天決行。続々と参加車両が集まります。
この日の参加車両は……
●テスラ/40台
●リーフ/12台
●MiEV各車種/7台
●i3などその他/5台
その他のなかには、BMWの電気バイク「C エボリューション」も。うーん、実車は初めて拝見しました。それにしても、40台のテスラ大集合の図は壮観。歴代ほとんどのグレードが揃っていました。
今回、最も遠隔地である倉敷からの参加者もテスラオーナーの方でした。
グレードのバッジを撮影してて、何台かバッジが付いていないテスラがあり、オーナー仲間で話していた安川さんに「バッジがないのはどのグレードなんですか?」と尋ねてみると、「自分で外してるんでしょう」とのこと。居合わせたテスラオーナーの方が「樹脂製のバッジを貼り付けてあるだけなので外すのは難しくない。ただ、テグスでやると傷が付きやすい。デンタルフロスが最高です!」と、熱く教えてくださいました。
会場には、テスラジャパンの協力でモデル3も駆けつけていました。EVsmartブログでも、吉田由美さんの『テスラ モデル3試乗記〜ブーブークッションに込めたイーロン・マスクの作戦?』と、南陽さんの『ついに国内試乗! テスラ・モデル3の ロングレンジモデルで都内を半日ぶらり』で試乗したのと同じ車両(左ハンドル)です。パレードラン終了後には、この会場内で参加者のための試乗会も開催されました。
今回のイベントでは、NPO法人フードバンク山梨と連携して、参加者からフードバンクへの寄付を募っていました。中村さんの愛車であるモデルSなど数台のフロントトランクを受付ボックスにして、たくさんの米や調味料、お菓子などが集まりました。
10時には開会式が行われて記念撮影。いよいよ、富士スバルラインに向けてパレードランがスタートします。私は安川さんとともに、パレードの様子を撮影するため、一足早くスバルラインへとスタートを切りました。
富士スバルラインをパレードラン!
パレードランのスタートは11時過ぎ。料金所手前の最後の信号。ものものしく通行規制が敷かれていました。私たちはすでに通行許可証を入手しているので、警備員の方に許可証を示し、軽く手を挙げて笑顔で通過、です。
ドローン撮影をする池田さんを乗せた安川さんのモデルXとともに一足先に出発した私は、気持ちよく登坂走行。途中、三合目の看板を撮影したので安川さんと離れてしまい、単独で電費度外視の超快適走行も楽しんでしまいました。パレードランの参加者は隊列を守ってゆっくり走るはずなので、ちょっと申し訳ない。でも、楽しい。エアロスタイルにして良かった。晴れてないのがとても残念なひとときでした。
(ドローンで撮影した映像は改めて別記事でご紹介します!)
ただし、スバルラインはあざみラインやスカイラインに比べて、距離が長い分だけ勾配は緩め。ワインディングを楽しみたいなら、あざみラインや富士山スカイラインのほうが楽しいかも、です。
撮影場所は、標高2000mを超えたところにある大沢駐車場に決定。下界を展望しつつ、十数台のEVの隊列をカメラに収めるべく、最適の場所を探してパレードの到着を待ち受けます。
コンデジで撮影したパレードランの様子です。つたない動画ですみません。前の取材でも結構動画を撮っていて初期化せずに撮影してしまったので、最後はメモリーカードが満杯で尻切れトンボになってしまいました。ま、素人動画ですし、ご愛敬、ってことでご容赦ください。
全車が五合目駐車場に到着したところで、改めて、雨に煙る富士山をバックに記念撮影(冒頭写真)。事前に申し込んでおいたお弁当をいただきました。「やさいのおすし」、美味しかったです。
この後は、各自下山。設定された10カ所のスポットのうち最低でも3カ所を巡り、各ポイントに付与されているポイントの合計点を競う『河口湖観光ラリー』や、集合地点だった駐車場を拠点に、モデル3の試乗会(希望者のみ)が行われるのですが。。。なにやら、モデルXオーナーのみなさんに怪しい動き。
この日参加したモデルXは13台。五合目駐車場で13台揃って、モデルX名物のダンスを競演しよう! ということになっていたのですが。土曜日とあって駐車場スペースにさほど余裕がなく、ここでのダンスは断念。雨だし、中止かな、と思ったのですが、オーナーさんたちはくじけませんでした。少し下ったところにある道沿いの駐車スペースに移動して、13台のダンスを決行することになったのです。
ダンスの模様も、サクッと動画で撮っておきました。
雨だったせいでもあるのでしょうか。13台全部が最後まで踊りきることはできませんでしたが、これだけの台数でファルコンウィングドアをパタパタされると、思わず笑ってしまう迫力です。イーロンマスク氏も、日本が誇る富士山でモデルXが踊ったことを伝え聞けば、きっと喜んでくれることでしょう。
そんなこんなで、16時には集合場所の役場駐車場に戻り、『河口湖観光ラリー』のシークレット得点発表と順位発表。
第1位は30点を獲得したモデルXで参加の竹ノ内さんでした。
午後になって雨も上がり、輪になっての気さくな閉会式ではTOCJ会長でもある安川さんがご挨拶。桑原さんのご指名(突然の無茶ぶり w)を受けて、私もEVジャーナリストとしてひと言挨拶させていただきました。
この後、近くのレストランで懇親会が開かれたのですが、私は所用で失礼したので、レポートはここまで。
参加者のみなさん、お疲れ様でした! 来年も、快晴の富士山五合目に向けて、一緒にパレードランできることを願っています! ありがとうございました。
下りでは、思ったよりも回生しませんでした。
ご参考までに、今回、リーフ30kWhでの走行データをまとめてみました。
スポット | 標高 | 電池残量 | 電力量 | 消費電力 | 電費 |
---|---|---|---|---|---|
上り |
|||||
富士河口湖町役場 | 857m | 84% | 22.2kWh | 標高差+1448m | 走行35km |
富士山五合目 | 2305m | 35% | 9.2kWh | -13kWh | 2.7km/kWh |
下り | |||||
富士山五合目 | 2305m | 35% | 9.2kWh | 標高差-1355m | 走行29km |
富士山駐車場 | 950m | 48% | 12.7kWh | +3.5kWh | (+)0.12kWh/km |
電力量はリーフスパイで計測したSOH値88%を元に算出した推定値。
消費電力や電費はメーター表示の電池残量で概算した目安です。
上りと下り走行距離や標高差が違うのは、役場まで下りきる前に富士山駐車場(料金所が標高1000ちょっとなので、推定で950mとしました)で急速充電したので、そこまでのデータを取ったからです。
電費欄。下りの回生で電力が増えるのはどう表現したものか、ちょっと悩んで (+)0.12kWh/km としてみました。1km走るごとにおよそ120Wの電気が増えたという結果です。
数年前、静岡県のイベントに取材がてら参加して、24kWhリーフで富士山スカイラインの五合目から御殿場まで下ったときには、30%ほど回生しました。ふじあざみラインを24kWhリーフで走ったときにも、このときはプライベートだったのでちゃんと計測してなかったですが、20%以上は回生(御殿場まで下って)したと記憶しています。今回、電池容量が大きくなって、また結果的に下り区間の走行距離が短かったこともありますが、思ったよりも回生しなかった印象です。
おそらく、富士スバルラインはワインディングが少なく勾配が比較的緩やかな、走りやすい道だからだと思います。今回の下りでは「B」モード中心にアクセルワークで回生の効きとスピードを調節しながら走りましたが、すぐに止まってしまいそうになるので、微妙なアクセルワークが必要で足がつりそうになりましたから(アウトランダーみたいな回生パドルシフトが欲しい!)。。。急勾配の上り坂はEVにとってキツいけど、反面下りは急勾配のほうが面白いしいっぱい発電できる、ってことですね。
通行許可証は9月10日まで有効なので、天気がいい日に、チャンスがあれば、また走りに行ってみたいと思います!
(寄本好則)
i-MiEV(M)で参加しました。EVOCメンバーの藤田(ニックネームKAKU)と申します。当日は、テスラ勢に圧倒されましたね(^^)
中村さんはじめ、準備して頂いた皆さんの心遣いが随所に感じるイベントで、とても楽しませて頂きました。ありがとうございました。また、いつもその場にいるような気分になる楽しく、読み応えのある記事をありがとうございます。
ところで、EVOCサイトでもこのブロクを紹介させて頂いてもよろしいでしょうか?よろしくお願いします。
KAKU様、ご参加いただきありがとうございました。
>>EVOCサイトでもこのブロクを紹介
はい、是非お願いします!
走行データですが、電力量はリーフスパイでの電力量でしょうか?だとすると設定により違ってくるのでGIDsの数値とかも表記いただきたいです。
日産Nlinkのマイカー情報、電気料金シミュレーションでのデータもお願いできたらと思います。
T.mizuno さん、コメントありがとうございます。
ご指摘の通り、電力量はリーフスパイで計測したSOH≒88%を目安に推計した数値です。注釈書き忘れていたので追記しておきます。
ちなみに、最終計測時、SOCは42%でGIDs130(36.4%)、設定は最大Gids値357、Wh/Gid77.5(デフォルト)です。
静岡県のホームページでは、富士山スカイラインは、電気自動車は、規制対象外となっており、通行出来る事になっていますが、本当のところどうでしょう?
渡邉靖之さん、ご指摘ありがとうございます。
本当ですね。
富士登山オフィシャルサイトを確認して「富士山スカイラインだめなんだ」と思っていたのですが。。のちほど電話で確認してみます。
http://www.fujisan-climb.jp/access/mycar_control_fujisansky.html
【追記】
富士宮市観光課に電話で確認して、今年から富士山スカイラインもEVなどが規制対象外になったことを確認できました。本文、修正しました。ありがとうございます!