また、横浜まで行けないよ! という方のために、Zoomを活用してアリアについてオンラインで質問できる『NISSAN REMOTE TALK』が実施されます。
当然ですが、平日午前中が狙い目です
7月15日に世界初公開された日産『ARIYA(アリア)』。日本のユーザーとしては今もっとも気になる電気自動車といえますが、発売は2021年半ば以降。全国のディーラーなどにお目見えするのはまだまだ先のことになりそうです。
今、アリアの実車が展示されていて、一般来場者に公開されているのは、神奈川県横浜市の日産グローバル本社(Global Headquarters=以下、GHQ)ギャラリーと、銀座四丁目交差点(東京都中央区)に面した日産のショールーム『NISSAN CROSSING』の2カ所。さらに、8月1日からはGHQから歩いて5分程度の場所にオープンする『ニッサンパビリオン』で一般公開されることになっています。
「よし、今日はアリアを見に行こう!」と思い立ったのは7月21日の朝10時過ぎ。GHQと銀座の両方訪ねるつもりでスタートしたのは11時過ぎのことでした。
GHQの急速充電器で充電してる間に見てしまおうという思惑で到着すると、2台の急速充電器のうち1台は故障中。もう1台は山口ナンバーのリーフが充電中でした。と、充電器の表示を確認するとすでに充電は終了しています。係の人に声を掛けてアナウンスしてもらうと、すぐにオーナーの山田さんご夫妻がやってきてくださいました。
ちょっと話を伺うと、山田さんはFacebookの日産リーフ・オーナーの会のメンバーとのことで、EVsmartブログも愛読いただいてました。山口県からアリアを見たくて走ってこられた(用事はそれだけではないのでしょうが)そうです。「お気を付けて!」と見送って充電開始。ギャラリーに突入します。
アリアがギャラリー中央のステージ上に展示されていました。が、なにやらスタッフが集まって撮影中の様子。終了まで15分ほどかかりそうというので、その間に8月1日にオープン予定のニッサン パビリオンの外観だけでも撮影してくることにして、ぴったり15分ほどGHQを離れたのですが……。
戻ってみると、ステージ上ではすでに一般来場者への説明が始まっていて、2組の方が列を作って待っている状況でした。
GHQギャラリーでアリアに乗って触れるためのポイント
ということで、GHQギャラリーでのアリア見学。日産PRスペシャリストの女性に説明を受けながら実際に乗り込んで体感するためのポイントを箇条書きで整理しておきます。
●見学希望者はギャラリー受付、もしくはステージ近くのスタッフに申し出る。
●ステージ上での見学は1組5分程度。交替時にはスタッフが消毒作業を行います。
●動画は撮影禁止。
●見学者は助手席に乗車。
●運転席には日産PRスペシャリストが乗り込んでいろんな機能を紹介してくれます。
GHQギャラリーの展示車はイグニッションがオンの状態で、見学者は助手席や後部座席に乗り込めます。実は、この日到着時には「アクセルやブレーキは操作しないで」と表示されていたので運転席には座れるのかなと思っていたのですが、私が待っている間にスタッフの方が来て張り紙を変更。見学者は運転席に座れないレギュレーションになりました。今後も何か変更あったらあしからず、です。
ちなみに、日産ショールームやギャラリーで案内してくれる女性スタッフ。今までは「ミスフェアレディ」と呼ばれていましたが、今まさに「日産PRスペシャリスト」に呼称が変更中とのこと。ちょっとだけ「ミスフェアレディのほうが好きだな」というのは、オヤジライターの勝手な妄想、いや感想です。
ともあれ、一度にステージに上がって見学できるのは1組限定。制限時間が5分となっていますが、ツインモニターの機能などの説明を聞いていると5分なんてあっという間なので、1時間に6組程度がキャパシティです。あまり行列が長くならないように現場のスタッフが受付を案分しているそうですが、土日などはかなりの人が詰めかけるので、ステージ上で実車に触れるためにはかなりの強運が必要。しっかり乗ってみて確かめたいのなら、平日、できれば午前中に訪れるのがオススメです。
「バッテリー急冷」機能を発見
実際に車内に乗り込んで、日産PRスペシャリストの方の説明を聞きながら確認したいくつかのポイントを紹介します。
前席のフロア、センタートンネルがなくフルフラットなのかと思っていましたが、中央部に少しだけ盛り上がった部分があります。理由はよくわかりませんでした。
シフトノブやインパネ周りなどのパーツは、当然ながらブランニュー。e+でも前モデルからのパーツ共用感が強かったことを思うと、日産がアリアに力を注いでいることが実感できます。テスラほどの斬新さはないですが、アイペイスやEQCといった欧州メーカーの電気SUVと比較すると、かなり革新にチャレンジしてるな、という印象でした。
センターコンソールの位置も、ボタンひとつ、電動で前後に動かせます。飲み物の置き場所を好みで変えたり、センターコンソール内にスマホの置き場があるので、これもまた実際のドライブ時には便利でちょっと自慢したくなる機能に違いありません。ちなみに、e+でも電動シートの設定はありませんでしたが、アリアのシートはデフォルトで電動。スマホを登録しておくと、運転者を認識してシートポジションの調節などを自動で行ってくれます。
ツインモニターの機能にもブランニューがいっぱいあるようです。デモンストレーションしてくれたのは、左側の画面にナビの地図を表示してルート設定。二本指でスワイプすると、速度表示などがある右側(運転者の正面)画面に交差点拡大表示などの地図画面が飛んでくる、という機能でした。
あ、電池残量70%で航続距離が160km(私の30kWhリーフとどっこいどっこい?)と表示されているのは、「デモ車なので未調整。160km以上表示されない状態なので」ということでした。
電池温度はモニターできるのか気になって尋ねると、PRスペシャリストの方も「確かめたことがない」というので、一緒に探してみました。すると、「EV設定」というカテゴリーの下に「バッテリー急冷」という項目を発見しました。ロングドライブで急速充電を繰り返す際には、かなり便利な機能なのではないかと推察します。
で、急冷機能まで備えているのであれば、バッテリー温度の確認はどこかでできるとは思うのですが、限られた時間の中でその表示を見つけることはできませんでした。
後席にも座ってみました。前席シート下にも電池収納のための突起などはなく、つま先がぶつかったりすることはありません。後席用のUSBポートと、シートヒーターの調節スイッチもありました。後席シートヒーターが標準装備かどうかといったことは、まだ発表されてなかったと思います。
そろそろ制限時間いっぱい。最後に、ACアウトプットの有無を確認してみました。前席周りには発見できず、リアハッチを開けてもらって確認しましたが、それらしきものは存在していませんでした。この車両は展示用でまだ全ての機能が完全に盛り込まれているわけではないということだったのですが。
日産はリーフでも「走る蓄電池」とアピールしていますが、他社製の高価な機器がないと実用的な電力を取り出すことができません。これは、一人のリーフオーナーとしてもかなり残念。なんなら数万円のオプション設定でもいいですから、DC/ACコンバーター積んで、AC1500Wの出力コンセントを付けてくれることを願っています。
銀座は電源オフ状態で見学。パビリオンには4台くらい展示か
待ち時間にPRスペシャリストの方に確認したところによると、銀座ショールームに展示されているアリアは実際に乗車できるもののイグニッションはオフ状態。モニタなどは真っ黒状態。一方、8月1日一般公開のニッサンパビリオンでは、アリアが4台くらい展示される予定、とのことでした。
さすがに、パビリオンでも「走らせる」ことはできないかと思いますが、じっくりとアリアの魅力を確かめたいなら、GHQ、もしくはパビリオンに行くのがオススメです。というわけで、この日は銀座にも行ってみるつもりだったのですが、くじけて帰還しました。
オンラインで質問できるイベントも開催
また、GHQギャラリーから日産PRスペシャリストがオンライン(Zoomを利用)でアリアを紹介。視聴者から質問もできる『NISSAN REMOTE TALK』が実施されます。
開催時間、ZoomのURLなどは日産の公式サイトをご参照ください。
発売が待ち遠しいですね
なにはともあれ、気になるのは実際に発売される時の価格です。15日発表の情報では65kWh電池で二輪駆動のベースモデルが実質500万円程度ということだったので、補助金を抜くと約550万円と想定できます。
とすると、電池が90kWhで、日産自慢のAWDシステムである『e-4orce』搭載、プロパイロット2.0も標準装備した最上級グレードはいくらに設定されるのでしょうか。ざっくりと、電池単価理論を用いて計算すると、まずは容量が1.38倍なので「550万×1.38=759万円」。e-4orceとプロパイロットなどで70万円ほど上積みすると、約830万円という計算になります。
現状、テスラモデルXやジャガーアイペイス、メルセデスベンツEQCなどの電動SUVが1000万円クラスであることを考えると、800万円超えの日産車も多くのユーザーが受け入れることができる車種となるのか。興味深いところではあります。
さらに、モデルYがいつ、どのような設定で日本に導入されるのか。PSAなどの欧州メーカーが、アリアのスペックや価格を受けてどんな車種を提言してくるかといったところにも要注目。さらには、アリアが「高級車」価格となったことで、ヒュンダイやキアといった韓国メーカーや中国メーカーにもEVで日本進出のチャンスが生まれる可能性があるかも、などなど妄想が広がります。
発売1年前の発表が、どんな影響を生み出すのかも気になる、アリアの実車体験記でした。
(取材・文/寄本 好則)
実際に試乗されての記事興味深く読ませて頂きました。参考になりました。
ファーストカーはアウトランダーPHEV後期型。 セカンドカーはリーフです。
自宅は太陽光発電システム+V2Hでリーフが自家用バッテリーとして活躍しています。その他趣味のガソリン車は持っていますが実用車はEV一択。
家内には42㎾hの現行リーフで十分なので、私は次期アウトランダーPHEVの出来(オートパイロット2相当は装備されていないと)を見てETRONかと思っておりましたが、凄く格好良いアリア見てETRONがダサく見えてきました。
要件は、少なくともモーター駆動車で、SUV全天候AWDで高速巡航性能が欲しい。航続距離は500㎞以上は必要。車中泊が可能なことです。
Dセグメント並の室内との事ですが、PHEVのフラットな荷室は捨てがたい。
PHEVも次期は700万クラスでしょうし、ETRONは1,100万。
アリアは十分リーズナブル。
それにしてもチョット取っつきにくいVモーショングリルがうまく処理されていてこれなら良いなあと思った次第。続報お待ちしております。
リアシートはリクライニングしないのでしょうか。100V電源と共につけて欲しいなあ。
じっくり読ませて頂きました。
「DC/ACコンバーター積んで、AC1500Wの出力コンセントを付けてくれることを願っています。」との記述に思わず膝を打ちました。
日産車はEVでもなぜ電気が簡単に取り出せないのか不思議に思っていました。
三菱やトヨタ車のPHEVのように、災害時やアウトドアで電力が簡単に使えるEVになってくれれば、確実に購買層は拡大すると思います。
北関東からなので遠出も少し控えておりなかなか行くことができない中、レポート記事ありがとうございます。
実際見るのもそうですが、プロ目線での記事はとても参考になりました。
気になっているのが、公表されていないバッテリー保証かなと思っております。
欲しい気持ちは山々ですが、水冷バッテリーとは言え、8年16万kmの保証ではやはり心配となってしまい、中古価格も下がるため、乗り潰し覚悟でないと買えない気がします。
既に発表されているレクサスUX300eの10年100万kmぐらいだと安心して乗れるかなと。
バッテリーはわざわざCATLから導入なので、かなりコストダウンできているのかなと思います。
バッテリーグレード差額が50万ぐらいだととても面白いですね。
YasukawaHiroshi 様
返信、ありがとうございます。
勉強不足でスミマセン。
購入に不安の方が勝り否定的になってました。
YasukawaHiroshi 様の返信コメントを見て所有意欲が更に強くなりました。
思い切って所有してみようと思います。自分の生活に合うか所有してみないと分かりませんよね!
家族は不安な顔してますが自分はワクワクしてます。
ありがとう😊ございました。
慎之介様、再度コメントいただきありがとうございます!
はい、もし自宅充電が可能であれば、コストの点は問題ないですし、利便性もガソリンスタンドよりは遥かに便利だと思いますよ!
はじめまして、お邪魔します。
アリア楽しみですね。
皆さんの予想では¥500~800万ですが皆さん買えるんですか?
何時も思います、エコってなんだ?
富裕層に向けのEVも良いけど、もっと庶民に行き渡る様に、5ナンバーEVを
¥200万程度で車種も多く出して欲しいと思います。私はリーフでも、まだ高いと思ってます。
充電も、旅ほう題でしたっけ?
定額¥○○○ありきの車だと思ってます。ガソリン車と同等の維持費だと普及は無いと思ってます。消費者が、環境にもオサイフにも優しいECOと思えるかどうかじゃないでしょうか?
慎之介様、コメントありがとうございます!少しだけコメントさせていただきます。
>定額¥○○○ありきの車だと思ってます
以前は月額定額2000円で急速充電し放題、という料金がありましたね。実はこれでは原価割れで、提供側にはマーケティングの理由以外、提供する理由がありません。そのため、今後もこのようなプランが出てくることはないと思います。今の充電カードの料金体系が高いかどうかは別として、外に設置してある一般の急速充電器のコストは、現時点ではかなりメーカーの持ち出しになっていること。そしてそれは必ずしもその全額をメーカーが負担すべきではないにしろ、ある程度ユーザーが負担すべきであること。それからインフラコストはユーザーにも乗っかってくることから、徹底的な低コスト化を図らないといけないこと。これらはビジネスの原則に照らすと自明だと思います。
低コスト化するということは、集中して、利用率が高い状態をキープし、かつできる限り早くユーザーにいなくなってもらう、ということです。コーヒーショップでもなんでも、お客が来なかったり、ピーク時しかいなかったり、回転が悪くてなかなか座れなかったりするのでは売り上げが上がりませんよね。つまり、今の急速充電器設置方法は誤っていたということなのです。集中して、高速道路沿いに、回転率を上げるため台数を増やし(最終的には機器コストより場所代・電気代のほうが高いです)、超急速充電で滞在時間を減らす。これが正解だと思います。
>ガソリン車と同等の維持費だと普及は無い
今の時点でさすがにそれはないと思います。
https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/bev-electricity-cost-vs-gas/
ちょっとピンときにくいかもしれませんが、ガソリンがリッター100円になっても、今の(おっしゃるようにちょっと大きめ、高級な)電気自動車は、軽自動車より維持費が安いのです。もちろん電気料金のプランを工夫すれば、維持費はもっと安くできます。
慎之介さま、コメントありがとうございます。
>5ナンバーEVを¥200万程度で車種も多く出して欲しいと
同感です。アリアと同時にTMSで発表された軽自動車EVの登場も待ち遠しいですね。これも、もちろん価格抑えたバージョンが加わることに期待しています。
>充電も、旅ほう題でしたっけ? 定額¥○○○ありき
これは、そんなこともないかと。基礎充電が大事なので、広範なEV普及のためには集合住宅への充電設備設置がスムーズになるような仕組みが不可欠ですが、経路の急速充電については理に適った価格と方法でユーザーが負担しやすくなることのほうが、エネルギー代をインセンティブとする施策よりも健全と、個人的に考えています。
また、目的地の普通充電については、EVが普及するほどに多様な「サービス」が生まれてくるのだろう、と期待もしています。
車両と同様に、充電インフラのあり方も、日本は発展途上。ユニークな機種やサービスの登場に期待しましょう!
私は買わない。このような値段ならテスラを買ったほうが良いと思います。次に買うのは多分また中古Prius PHV だろう。
せっかくの上等なデザインなので、EVだけでなく、ガソリンターボとeパワーを加え、レクサスNXとガチで戦ってほしいです。売れる車を作るべきなのです。差別化とは、ほかに無い物の意ではありません。多くの人に受け入れられて、はじめて差別化なんです。2t越え、700万の車で年間どれくらいの台数を売るつもりでしょうか。このデザインでEVだけでは、T社の思う壺かと思います。
はじめて投稿します。現在リーフ40kwh グレードGを所有してます。
アリアもちろん欲しいですが、全幅1850mmだと自宅から幹線道路にでるまでがきつくなります。
アリア90kwh車の価格予想ですが、バッテリー容量以外の仕様差が少ないリーフXとXe+の価格差が約60万円なので、バッテリー容量の差22kwhより1kwhあたり約3万円になります。
よって90kwhアリアと65kwhアリアの価格差は75万円辺りかとおもいます。
65kwhワンモータ・アリアが550万円だとしたら90kwhワンモータ・アリアは、(バッテリー容量以外の仕様が同等であれば)625万円くらいでしょう。
tedさん、コメントありがとうございます。
やはり、アリア上級グレード価格は気になりますよね。
e+価格を40kW同グレードと比較してkWh単価が2万3000円程度であることは、e+登場時の記事で賛辞を送りました。とはいえ、アリアに搭載された電池は外部サプライヤーからの調達? と推察しており、リーフの初代からコストダウン努力を積み上げていた電池と同等のコストパフォーマンスを実現できるのか未知数ですし、あえて盛り盛りの価格予想としてみました。
はたして、どうなるんでしょうね。
個人的には、800万が650万でも自分が購入するマイカーとしては高い、というのが正直なところです。日産からさらに現実的&魅力的なEVの選択肢が登場することに期待しています。
企画構想は、これまでになく素晴らしい。但し、スポーツ車としては、もう少し車高が低い方がいい。特に、フロントが低い方がスポーテイで、しかも運転がし易くスマートに見える。よって、デザイン改良の余地あり。
最上級バージョンでも700万程度と予想していますけどね!希望的推測❓️
kumasan2 さん、コメントありがとうございます。
仮に90kWhで700万円とすると、電池1kWh@約7.7万円。
現行リーフやモデル3などよりもコストパフォーマンスが高くなりますね。e-4orceなどの付加価値を考えると、かなりお買い得なSUVといえるかも知れません。
まあ「電池単価理論」もユーザーとしての推察的損得勘定なので。。日産の奮起に期待しています!
寄本編集長、記事楽しく拝読させて頂きました。EVsmartアプリで充電タイマーがゼロになったので急いで戻ったつもりでしたが、お待たせした様で大変申し訳御座いませんでした。
私も限られた5分間の中では聞きたい事も聞けず、消化不良気味でしたが、記事を読み色々と納得出来ました。特に長距離ドライブが多いので、バッテリー急冷に関しては大変参考になりました。
また、今後の情報楽しみにしております。
山田さん、ありがとうございました。
山口県まで、気をつけてお帰りください!