テスラパワーウォール3台と太陽光発電を組み合わせて33日間のオフグリッド生活をしてみた

日本でも2020年春に発売が決定したテスラの家庭用蓄電池パワーウォールを使って、電力会社から電気を買わずに33日間のオフグリッド生活を試みた人がアメリカにいます。EVsmartブログでも、千葉の台風被害をV2Hシステムで数日間乗り切った家庭をご紹介しましたが、電力を自給自足して生活していくことは可能なのでしょうか。CleanTechnicaの単独インタビューを、全文日本語訳でお届けします。(訳者注:記事中の動画はすべて英語になります)

テスラパワーウォール3台と太陽光発電を組み合わせて33日間の自給自足生活 をしてみた

元記事:3 Tesla Powerwalls + SunPower Solar = 33 Days “Off Grid” — CleanTechnica Interview by Jake Rechardson on『CleanTechnica

電力網から外れた生活

ニューヨーク州の住人Anthony Sicari氏は、33日間電力を自給自足できる自宅用太陽光発電/蓄電システムを持っています。一か月強にわたって「自家太陽光発電→テスラ・パワーウォール(バッテリー)→電力消費」の組み合わせで生活したのです。はっきりしておきますが、この33日間で電力会社からの電気は一切使われておらず、すべて太陽光発電パネルとバッテリーの組み合わせで賄われました。

Anthony Sicari氏。画像はNYSSFサイトから。

Sicari氏は自身の太陽光発電を使った電力消費量や蓄電経験、バッテリーがどのように使われたかの詳細、どのくらいの電力を太陽光パネルが作り出したか、期間中どのような心配事があったかなどを記録した多くのYouTube動画を作っています。

このような動画では技術的な側面と、戸建てを持つ人がどのように使えるのかを易しく解説しています。氏はCleanTechnica用に、さらに詳しいインタビューに答えてくれました。

どうして家庭用の太陽光発電システムを手に入れようと思ったのですか?

私は10年前にニューヨークのハドソンバレーでNew York State Solar Farm (NYSSF:ニューヨーク州太陽ファーム) を立ち上げました。私達のビジネスは、様々な理由、例えば日当たり、金属でできた屋根、構造の問題、銀行からの借入額など、とにかく太陽光パネルを取り付けるための問題があって他の会社に見捨てられた戸建てオーナーを助けるものでした。どんなに適さない環境を持つ家にでも、長い時間をかけて顧客が本当に求めているものは何なのか理解し、すべての家に太陽光システムを取り付けるための解決策を見つけてきました。

顧客との会話で必ず言われるのが、「停電した時にも、これがあれば家で電気が使えるんだろう?」というものです。そして毎回必ず、私達は彼らを失望させるのです。「いいえ、これは送電網に繋がっているので、電力供給がある時にだけ動きます」と。私はこれに非常にストレスを感じていたのですが、テスラのバッテリーが一般で手に入るようになってすぐに、自宅用の太陽光発電と組み合わせて新しく自ら経験することで、長く続いてきたこの問題を解決できるか試したかったのです。

【1日目】No utility day 1!! | We are in Backup mode Tesla Powerwall 2(2019/09/14)

あなたの太陽光発電システムはどこにありますか? また、何故SunPowerにしたのか、そしてどのパネルを選びましたか?

システムを備えた私の家はニューヨーク州ニューバーグにあり、パネルはSunPowerの360ワットXシリーズにしました。

正直に言いますが、私の会社でSunPowerのパネルを売っているんです。この業界で働いているので、市場にあるどのパネルでも選ぶことはできました。しかしNYSSFでこの商品を売るのと同じ理由で、自宅にもこのパネルを取り付けました。SunPowerは間違いなくパワー、効率性、テクノロジー、保証、見た目その他においてベスト中のベストです。ですから私の家族のためにも、長い間住むつもりである自宅用に選んだのです。

SunPowerのパネルはテスラ・パワーウォール2と組み合わせるのにも理想的です。

エネルギー貯蔵市場に私が初めて足を踏み入れた時に、ハワイのEco Solarに助けを求めたんです。クオリティを落とすことなく、私が知る限り他のどの会社よりも多くのバッテリーシステムを導入していました。さらに私達の会社のように、顧客ファーストでもありました。

ハワイでネットメータリング制度(住宅用などの分散型太陽光発電システムの発電量から、電力消費量を差し引いて余剰電力量が発生した場合、余剰分を次の月に繰り越せる、つまり、消費量を発電量で「相殺」する仕組み ※注)が終了した時に、顧客は余剰電気を繰り越すことができなくなり、電気を貯蔵するベストな方策を見つけなければなりませんでした。

Eco SolarのBenとMikeは、イーロン・マスク氏と第1・2世代のパワーウォールが単体でハワイの太陽光市場を救ったと語りました。そこで私は彼らにシステム構築に関する手助けを求めました。ここで私が学んだのは、電力網の外で蓄電するには、相当に効率性の良いパネルが必要だということでした。

その好例の一つがSolar Impulseで、世界中を飛んだ太陽光飛行機です。SunPowerのパネルが記録破りの効率性を持つために、その翼に取り付けられました。世界中を飛ぶために、「どんな小さな電気」でも使えるようにする必要があったと想像できるかと思います。

同じように、停電時の個人宅ではこれが非常に重要です。私も実際に体験したのですが、ある晩システムに貯蔵された電気がほぼ使い果たされた際に、SunPowerのパネルはその日かなりの悪天候だったにも関わらず何キロワット時も電気を作り出してくれました。おかげで私は計画した30日間の電力網から離れた生活を完遂できたのです。SunPowerのパネル無しではこれは叶いませんでした。

SolarImpulseの太陽光飛行機。画像は公式サイトから。

自宅の太陽光発電システムの容量はどの位ですか?

36枚の 360ワットXシリーズパネルを屋根に取り付けており、トータル12.96kWになります。このパネルで年間13,500kWhの電気を生産できます。

テスラのパワーウォールは、太陽光パネルと同時に手に入れましたか、それとも後ですか?

このシステムはすべて同時に導入しました。工程はこの下のリンク先にある動画のいくつかで見れます。太陽光システムと蓄電システムが一緒にスムーズに稼働するようにしました。皆が言うと思いますが、私達のシステムデザインは他のシステムの大多数と違っています。停電になった際、電力網が動いていないと感じないレベルで自家発電ができるところを目指しているのです。

これはすべての家でできるわけではありませんし、私達の電気エンジニアが慎重にプランと組み合わせをデザインしなければいけません。これが不可能でも、家で必要不可欠な機器用の電力が最低限バックアップされるようにはデザインできます。

【設置工程など】Going Off The Grid | Installing Tesla PowerWall 2(2019/02/10)

自宅蓄電システムの容量と、なぜテスラを選んだのかを教えて下さい。

私の家のシステムには40.5kWの容量があり、13.5kWhのパワーウォール3台でできています。先程申し上げた通り、Eco Solarがベストなバッテリーに関して地道な作業を終えていたことを知っていたためテスラを選びました。Eco Solarよりもこれに関して詳しい会社はいないと分かっていたのです。

動画の中で、節約モードではなく、通常の電力消費量を維持したいと話していましたが?

はい、私のゴールは家で普段使うものを、日常生活を変えることなく(蓄電で)使えるようにすることでした。洗濯乾燥機、冷蔵庫、テレビ、エアコンなどです。日によっては妻が「今も電力網を使っていないの?」と聞いてきました。現代の設備を使用しながらこうやって生活するのは、非常に素晴らしい体験でした。

【12日目】Day 12 | No utility This Is Amazing!!!(2019/09/27)

なぜこのような方法を選んだのですか?

今あるテクノロジーがどれだけ素晴らしいものであるのか証明をしたかったのと、これが特別な何かの始まりであると感じたからです。皆が固定電話から携帯電話に移行した時と似ていて、いよいよ(ライフスタイルの)多くを犠牲にすることなく、自家発電で生活できるポイントまで来たと思います。そしてこれから建てられる新しい家はこのよう(自宅用電力システム付き)になると信じています。

太陽光パネルとパワーウォールで何日間家を回せましたか?

太陽光とパワーウォールだけで生活したのは33日と4分間です。これより長い時間を記録した人を見たことがありませんが、私の経験が多くの人の興味を掻き立てたと思います。動画のコメントでも、多くの人が自分でこのシステムを試したいと書いていました。
(訳者注:33日目に家中の電気が点滅しだし、Sicari氏は電力供給源をパワーウォールから電力網に切り替えざるを得ませんでした。氏によると技術的な問題が発生したようで、実際パワーウォールには86%の電力量が残っていました。これに関してはテスラに問い合わせをして解決策を見つけるようです)

【25日目】Day 25 | Wow That Was Close!!(2019/10/08)

発電・蓄電分析を自分のシステムでやってみて、電気に関しての意識はどう変わりましたか?

この過程で美しいのは、数字を見てよりスマートな決断を電力に関してしなければならない部分です。しかし一方で、必要な電力供給のために、私は素晴らしいシステムをデザインしたと実験中に見ることもできました。きっともう電力会社から電気を買う必要はないでしょうし、停電が起きても私達に影響はないでしょう。

快晴の日には、最大どの位の電力量を太陽光システムは作り出せますか? また天気が悪くて薄暗い日にはどうでしょう。

快晴の一番良い時には40kWh以上作れまして、曇りの日にはたった4kWhほどに落ち込みます。

電気自動車はすでにお持ちですか、もしくは買う予定はありますか?

面白い話があるんです。テスラを短い時間(24時間)所有したのですが、送り返さなければならなかったんです。あると思っていたスーパーチャージングをする機能がついていなかったので。これに関しては動画を作りました……すごい話です。電気自動車をすぐに買おうとは思っていますよ。今月後半に出てくるテスラのトラックにワクワクしています。でもモデル3を買うことになるかと思いますね。

※注/参考情報:米加州の「ネットメータリング」制度が改正へ(日経 X TECH)

(翻訳・文 杉田 明子)


3 thoughts on “テスラパワーウォール3台と太陽光発電を組み合わせて33日間のオフグリッド生活をしてみた”

  1. 完全なオフグリッドではないようですが、ほぼ完璧でしょうね。
    日本でも推進したいです。

  2. オフグリッドソーラー、i-MiEV導入前に数年間12Vバッテリーと100Wソーラーパネルで実践してました!一日どれだけの発電量を記録しそこから使える電力を割り出すのもお手の物。
    これで一日に発電する量と使う量が求まれば自ずと判ってくるもので。ただエアコンや電気自動車充電など大電力が必要なものは昼間の仕様に制限するなど工夫が必要だと思います。まさに晴耕雨読!
    今のシステムでは直流交流変換時に結構な損失が出るので(MiEVpowerBOXの説明書によると75%)個人的にはテスラパワーウォールのように直流をそのまま蓄電して使うのがイイと思います。今後DC48Vなど宅内家電の直流供給が真剣に論議されるんじゃないでしょうか!?
    それだから今使っている12Vミニソーラー蓄電システムはカー用品の流用やUSB電源としての使用に制限しています。逆に自宅用ソーラー発電は交流電源の使用に徹していたり。
    電圧・電流・電力・周波数…こちらも電源の仕様を理解しつつ自宅オフグリッド化を検討してます。当家は3.5kWで一日最大22kWhなのでV2Hならリーフ40kWh、パワーウォール2なら3台が妥当…一日平均8kWhから逆算で4日間使える線です。

    1. DC48Vなどの直流供給は、費用的に無理でしょう。そこまで、ソーラーや蓄電に市場性はないと思います。
      となると、やはり、ソーラー直付、パワコン前に蓄電池を置くのが理想ですね。EVを利用した蓄電システムはどうしても、DC-AC-DC充電となりそうです。あと、困るのが、雨がつづくのもそうですが、晴天が続きすぎると、蓄電できずに、捨てなければならなくなることですね。4日も晴天が続けば、もう充電はできません。やはり、売電も考慮したものにした方がよいかもしれませんね。まあ、蓄電量をもっと増やすという手もありますが、蓄電量をいくら増やしても、コストが増すだけで、バランスしているときは、単なる過剰在庫となるだけなので、難しいですよね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です