集合住宅へのEV充電器設置事例【3】賃貸マンション平置き駐車場に自費で設置 〜 追記あり

電気自動車(EV)普及のポイントでもある集合住宅への充電器設置について、具体的なノウハウを知るためのシリーズ企画。今回は事例レポートの第3弾。東京都「市部」のマンションで、なんと初の「賃貸物件」です。住民が大家さんを説得し、費用を個人負担。平置き駐車場に200V充電器を設置した事例をご紹介します。

集合住宅へのEV充電器設置事例【3】賃貸マンション平置き駐車場に自費で設置

設置事例のレポート企画シリーズでは、設備の概要、導入の経緯、運用方法(課金など)について、共通したポイントを整理してお届けしています。今回もシリーズ共通のポイントは抑えつつ、賃貸マンションに充電器を設置することに成功した「Rayさん(ハンドルネーム)」と、取材した著者(箱守= Hakomori)とのQ&Aの形でまとめてみました。

【集合住宅へのEV用充電器設置関連 〜 今までの記事】
電気自動車を買うには自宅に電気工事が必要?
(2015年1月13日)
東京都の集合住宅などへの充電設備補助金【申請受付中!】
(2019年6月20日)
電気自動車用充電器を設置した都内マンションで最新EV試乗会開催
(2019年3月31日)
集合住宅・マンションに電気自動車用充電器を設置する 【第1回】理事会を通す 編
(2019年8月9日)
集合住宅・マンションに電気自動車用充電器を設置する 【第2回】総会・施工・運用 編
(2019年10月15日)
集合住宅への充電器設置事例【1】大規模マンション「西戸山タワーホウムズ」
(2019年11月21日)
集合住宅への充電器設置事例【2】区分所有者が自腹で設置した小規模マンションの機械式駐車場
(2020年1月7日)

【2/2追記】

『EVsmartブログ』では、集合住宅に充電器を設置した方の体験談をいろいろご紹介したいと考えています。いわゆる「分譲マンション」のほか、「賃貸マンション」や「アパート」の事例をさまざまに提示できるといいな、と思っています。

集合住宅で基礎充電をどうするかはEV普及の大きな課題。取材に応じていただける方は、ぜひ貴重な体験談を教えてください。プライバシーには充分配慮いたしますので、お気軽にお話しください。

取材にご協力いただける方は、下のメールアドレスまでメールでご連絡ください。evsmart-interview@googlegroups.com

お待ちしております。

【以上、追記終わり】

充電設備の概要

【Q】これまで私たちが見聞きしてきた集合住宅への充電器設置の例を考えると、気になるのは、物件が「賃貸」か「分譲」かということです。もし前者なら、事例はこれまで聞いたことがありませんので、貴重な実践報告です。どちらですか?

【A】賃貸マンションです! そこに、大家さんのご理解をいただいて、200Vの普通充電器を設置しました。初めはトヨタ・プリウスPHVを充電していました。

モデル3の納車より早く設置された、テスラ車充電用「ウォール・コネクター」。画面左のプリウスPHVには、これでもう充電はできなくなってしまいました。

のちにテスラ・モデル3の購入を決意しましたので、テスラ用の充電器「ウォール・コネクター」に付け替えました。じつは、モデル3が納車される前にウォール・コネクターへの付け替え工事が完了してしまいました。モデル3が来るまではPHVに乗っていましたので、ウォール・コネクターを付けてからの10日ほどは、当然ですが、PHVには充電できなくなりました(笑)。

【Hakomori’s Take】

いよいよ賃貸マンションにも充電器が設置され始めました。Rayさんの事例は、いわゆる「アパート」にも応用可能な方法だと感じました。

時系列を整理しておきます

RayさんがプリウスPHVに興味を持って購入に至り、その後にモデル3に興味が出て購入を志し、充電器を設置してきた経過を、簡単に整理してみましょう。

2016年1月
家族の要望も容れ、トヨタ・シエンタを購入。自分だけで自動車を購入できて駐車場を確保できるほと余裕も無かったし(じつはRayさんはまだ20代)、まずはご両親の意向を反映した車種選択でした。人気車種とあって、納車まで結構待たされました。電気自動車(BEV)にはまだ目覚めていませんでした。

2017年2月
電気を使うことでエネルギーを有効利用できるハイブリッド車(HV)に興味を持ち始め、同じトヨタ車であるプリウスPHVに関心を持つ。折り良く、新しいプリウス「50系」をベースにしたプリウスPHVが発表されたので、すぐに購入に動く。

続いて、自宅充電できるように、「電気とガソリンで走るクルマを購入する予定」であり、「自宅で充電できることが重要」であると、大家さんに説明を始める。

2017年5月末
プリウスPHVが納車される。

これに合わせて、少し前から大家さんに対して説明してきたものをまとめ、充電器設置を本格的にお願いする。ポイントは…
1/壁面に極力穴を開けない。
2/引っ越しで出て行く際は、全て撤去して傷を残さないようにする。

であった。

乗り始めてみると快適で満足。特に電気の良さに大満足。ただし、それに比例して、エンジンが掛かるとガッカリする気持ちも高まってくる。

2018年3月
アメリカ旅行。旅行のなかで、テスラを初めて知る。テスラのショールームを見学し、モデルSの良さを学ぶが、価格的に全く手が届かないため、意識の中には入らなかった。

ただ、最後にテスラのスタッフから、より価格を抑えたモデル3が出ることを聞き、強い印象を受ける。

帰国直後、青山のテスラを訪問し、モデルSに試乗。「こんなクルマがすでにあるのか!」と強い衝撃を受ける。試乗したのはモデルSのP100Dだった。しかし、金額は全く手が届かず、ここでも購入対象には入らなかった。

2019年11月
東京モーターショーに行ったところ、テスラではなくドコモのブースにモデル3が展示されていたのに遭遇。すぐにテスラに連絡を取り、モデル3の試乗を予約。

2019年11月17日
モデル3に実際に試乗。自分で購入するのは「ロングレンジ」がいいと思っていたが、試乗車は「パフォーマンス」だった。パフォーマンスを知ってしまった身としては、ロングレンジでは不満に思わないか気になったが、とにかく大満足したので、その場で購入を予約する。

モデル3購入に際して、「CHAdeMOアダプター付き」か「ウォールコネクタ(設置付き)」にするか選択することになる。現状の自宅200V充電設備を考慮し、前者を一旦選択する。

直後に大家さんに対し、再びお願いに行く。既設の200Vを、テスラのウォールコネクターに替えさせて欲しい件、今後は「全て電気で走るクルマ」になるので、「エンジンが付いていてエンジンでも走れるハイブリッド」とは自宅充電の重要性が大きく増すことを丁寧に説明する。

2020年1月12日
プリウスPHV用に使っていた200V普通充電ソケットを、テスラのウォールコネクターに付け替える。

2020年1月23日
テスラ・モデル3・ロングレンジ納車。

2020年1月30日
現地取材。納車から1週間経ったテスラ・モデル3はもちろん快適で、自宅充電も快調。友人を送りに成田空港まで往復、初の長距離(中距離)となったが、東京都市部から途中無充電で充分に往復できた。

充電器導入検討から設置へ

【Q】自宅充電の必要性を感じた理由は?

【A】プリウスPHVの注文を決めた段階では、自宅充電はあまり視野に入れていませんでした。駐車スペースも、自宅と隣接していない場所でした。道路に面している場所を避けたかったので、奥のほうにある枠を借りていました。

当時は、普段の充電は、商業施設やディーラーなどで行う運用を考えていました。

当初は「コスト面」よりも、「モーター走行での性能と静粛性」を求めてPHVへの乗り換えを決めました。ところが、調べていくうちにコストや利便性において、自宅で充電できることに大きなメリットを感じました。そこで、納車前に充電器の設置完了を目指し、大家さんと交渉をしようと決めました。

【Q】大家さんには、どう提案しましたか?

【A】まず、トヨタ・プリウスPHVの購入にあたって、大家さんに駐車場使用許諾の書類を記入して頂く際に、私自身が直接、「これから充電ができる車に乗り換える」ことをお話しし、「極力外壁に傷が付かない方法で工事をすることを条件に、マンションに充電器を設置する許可を頂けないか」と交渉しました。

また、「引越しで出て行く際には、全て元通りに撤去・修復する」ことも約束して、許可を頂きました。

Rayさんのご自宅の住戸配電盤から引き出した200Vケーブルは、既存の換気口を利用して屋外まで引き出した。外壁面に極力穴を開けないように、ビス留めはタイルの継ぎ目に留めている。これなら復旧する際も、灰色の目地を復元すれば傷は一切残らない。プリウスPHV用充電器設置を相談したトヨタのディーラーが、関連の業者からアドバイスしてもらった。

大家さんはあまりクルマに詳しくないご様子だったので、丁寧に説明することが重要だと感じました。そこで「自宅の配電盤から配線するため、他の居住者には影響がない」こと、「外観を大きく損なうようなサイズではなく、比較的コンパクトに設置できる」ものである点、「私の自宅の場合は、通気口から配線を出せたため、穴あけ工事が不要」な点などをご説明しました。

Rayさんの自宅内から屋外に繋げられた配線。既存のエアダクトを利用したため、マンション壁面に新たに穴を開ける必要は無かった。

この賃貸マンションには、私の両親と私との3人で、これまで15年ほど住んでいる(居住歴最古参の一人であった)ため、大家さんとの面識もあり、度々お世話になっている間柄なので、コミュニケーション自体のハードルは低かったです。

2020年1月下旬にモデル3が納車。車搬車で運ばれて来たときの様子。

【A】テスラ・モデル3への買い換えに際しても、前回の設置の際にご了承を頂いていたので、特に懸念するようなことはなく話が進みました。

「PHV購入の際に、充電器設置を許可頂けて非常に助かった」こと、「次の車は電気のみで走るため自宅での充電がさらに重要になり、それにともないブレーカーのアンペア変更をさせていただきたい」点などもお話ししました。

やはり、今の世の中を見渡したとき、「少しでもEV導入のハードルを下げたい」という思いもあり、今後、私の住むマンションに居住されている他の方が(充電器を設置したいと)相談するような際にも、大家さんにはある程度の(電気自動車に関する)リテラシーを持った状態で話に応じていただけるよう、ここでは敢えてEVについて少し詳しくお話ししておきました。

【Hakomori’s Take】

今回、Rayさんには取材のお願いに対してご快諾をいただきましたが、お忙しいなかを縫っての取材対応を通して一貫して感じたのが「私の実践が、今後の皆さんにご参考になれば嬉しいです」という、Rayさんの公共を意識した姿勢でした。icebreakerでありpioneerであるという気概が感じられました。ぜひ、参考にして、後に続いていただけると私も嬉しいです。

費用負担について

【Q】工事費用は誰が負担しましたか?

【A】プリウスPHVのときは、工事費用は自分自身で負担しました。およそ10万円だったと記憶しています。

Model 3のウォール・コネクターのときには、テスラのクーポンを利用して、プリウスPHV用充電器の設備撤去と、ウォール・コネクターの設置を含めて、無料で済みました。実際にかかったのは、CHAdeMOアダプターを同時に購入した際の55,000円だけでした。

【Q】利用できる補助金はありましたか?

【A】プリウスPHVのときは、トヨタの担当者に自宅に充電器を設置することを相談し、必要な手続き等のご案内をいただきましたが、特に補助金等の話が出なかったので、無いものと認識しておりました。特段自分自身で細かく調べることはしておらず、車両購入に伴う補助金の方しか気にしていませんでした。

モデル3のときには、もともと無料でしたので、特にありませんでした。

利用料金設定と運用方法

【Q】料金徴収の方法は?

【A】今回の充電器の電源ですが、じつは「自宅の配電盤」から配線しています。そのため、料金も普段の自宅の電気料金に合算されている形です。

最初に導入したプリウスPHVを充電するための200V普通充電器。画面左上のダクトを通して屋内から配線が来ているのが判る。充電器本体はプリウスの影になっていて少ししか見えない。プリウスの後ろに少し見えているのが、家庭やディーラーなどでよく見る一般的な200V充電器だ。テスラのウォールコネクターに付け替えた際は、充電器の位置を、この写真では見えない壁面にほんの少し移して設置している。

【Q】充電に掛かる電気料金は、いくらぐらいですか?

【A】プリウスPHVでは、充電回数や充電量にもよりますが、特段電気料金が大きく上がっていないとのことだったので、以前との差を勘案すると、充電にかかっていたのは1,000円程度だと認識しています。

今後、モデル3では自宅充電がメインになるため、充電費用の大部分が自宅の電気料金での支払いとなると思われます。金額としては、プリウスPHVのガソリン代が1ヶ月あたり3,000〜5,000円程度だったので、これより2〜3割安く(2,100〜3,500円ほど)なれば良い程度かと思っています(取材時点ではモデル3納車直後のため電気料金などのデータは未判明)。

プリウスPHVはもともと燃費が良く、自宅充電だけで50km程度は走行可能だったため、今までの燃料代も比較的安く済んでいました。

【Hakomori’s Take】

今回のRayさんの場合は、住戸がマンション建屋のいちばん端にあり、なおかつその外壁の外に駐車場が位置していた幸運もあります。

建物にはアルミ製の雨よけの付いた換気用のダクトがよく設置されていますが、その穴を利用して屋内から電線を引き出すことができました。よって、コンクリートの外壁に新たに穴を開けるような工事は不要で済んでいます。

屋内の配電盤から200Vを分岐し、それを屋外に設けたEV用充電器に繋いだ形です。配線カバーも施され、見た目にもすっきり施工できました。この形なら、EV充電に使用した電力量を測る機器を途中に入れる必要もありません。

利用者の評価

【Q】この部分は、今回はRayさんご自身の感想をお聞きすることになりますね。取材時点ではモデル3納車からちょうど1週間なので、PHV時代の感想が中心になりそうですが、教えてください。

新たにやって来たBEVのテスラ・モデル3(右)と、同日に役目を終えて搬出される直前のトヨタ・プリウスPHV(左)の、短時間の出逢いの記念写真。

【A】やはり、モーターで走行することの楽しさは非常に大きいですね。個人的に一番気に入っているのは、車内が静かなところです。

また、自宅では給油できませんが、充電ならできるため、「バッテリー式電気自動車(BEV:エンジン無しの純粋な電気自動車)」になれば、さらにその利便性が増すと思うと、これからが楽しみです。充電に多少の時間がかかったり、外出時の充電はガソリンスタンドでの給油よりは場所を選びますが、プリウスPHVの時も極力充電をして乗るようにしていたので、EVに対する不安感みたいなものは、ほぼありません。

ただ、プリウスPHVを経験したからこそ、BEVへの乗り換えを決心できたのだ、とも思います。まさに「ガソリン車とBEVを繋いでくれるクルマ」としては、非常に使いやすかったです。

Rayさん自宅のテスラ・ウォールコネクター(200V普通充電器)に繋いだところ。無事に充電できていることを示す、緑色のテスラマークが点灯している。

2020年1月30日に、モデル3納車「1週間後」のRayさんにお会いしてお話しをお聞きしてきました。モデル3は、予想に違わず快適かつ愉しいクルマだそうです。プリウスPHVも良かったが、モデル3は別次元だとか。

モデル3が来てからは、1回だけブレーカーが落ちたことがあったそうです。200V充電器導入の際に、ブレーカーを40Aから60Aへ上げることを大家さんに相談に行ったそうですが、他の住戸でもすでにそうしているところがあるとかで、すんなり認めていただけました。そこからA数をよく考えて運用してきましたが、計算間違いをしてしまったようです。

今はモデル3側から、充電は24Aまでに制限しているそうです。ただし、たとえば朝の7:00までは24Aで良いものの、家人が起きて活動が活発になる7:00以降は15Aにアプリで変えられるような機能があると嬉しいと実感するようになったそうです。今のところ、モデル3は車内から設定はできますが、外からアプリで設定を柔軟に変えることは出来ていないので、そこが改善してもらいたい部分だとか。

【Hakomori’s Take】

やはりPHEVは、電動車両に興味はあるものの、一足飛びにBEVまでは踏み込めないユーザーを、BEVに緩やかに移行させる機能もあるのですね。「PHEVはBEVに誘い込む『ブービートラップ』だ」という冗談を言う人も居ますが、まさにそれですね(笑)。でも世界のBEVの動きを見ていると、今後は「BEVへの敷居」も次第に低くなってくることでしょう。高級価格帯だけでなく、プジョーがめざしているような普及価格帯のBEVもどんどん出てくるでしょうし。

今後への課題

【Q】何か、発展の方向性や改良点があれば、お教えください。

【A】おそらく今後、自宅充電に関して何か問題が起こる、あるいは課題が残っている、といったことはないと思います。ただ、大家さんも含めて、日ごろの丁寧なお付き合いと意思疎通はかなり重要だな、ということは感じました。

【Hakomori’s Take】

なるほど。「コミュニケーション」の力は、ここでも大切なんですね。大家さんに対して、電気自動車がどんなもので、環境やユーザーや他の住民にどういうメリットとデメリットがあり、どう対応するのが妥当か、という情報を提供して丁寧に説明することも、充電器設置の大きな力になるようですね。

Rayさんが初めてCHAdeMOで充電するところに同行できた。無事に充電できた。

Rayさん、お忙しいなかいろいろとありがとうございました。また、モデル3をさらに乗っての感想なども、近いうち追加取材させてくださいね。よろしくお願いいたします。

賃貸の集合住宅にお住まいの皆さんも、大家さんに丁寧に説明することで、充電器設置を実現することは不可能ではないかも知れません。電気自動車の仕組みと意義、自宅充電の重要性、充電設備が建物にどう影響を与えるか(与えないか)、万が一撤去する際の様子、そして電気代の明快な支払い処理の説明がカギでしょう。

(取材・文/箱守 知己)

この記事のコメント(新着順)15件

  1. 東京23区内の賃貸集合住宅(1棟33戸のマンション)オーナーです。2018年に既存マンションに東京都の助成金を受けてEV充電充電設備を設置しました。東京都の集合住宅向け助成金の適用第1号だったそうです。もしかして参考になるのでしょうか?

    1. Estrellita さま、コメントありがとうございます。

      EVsmartブログ編集部の寄本と申します。

      >もしかして参考になるのでしょうか?

      はい。EVsmartブログでは、集合住宅の充電設備設置事例など積極的に発信したく思っています。
      のちほど、別途メールを差し上げますが、ぜひ取材させてください!

  2. 現状だとケーブル以外にも専用のコンセントボックスでないと無理でしたよね。
    ケーブルだけで安全に充電できるものをということです。

    1. N様、なるほど、そういうことでしたか、失礼いたしました。
      今の時点では、トヨタが0.6A充電にしているのと、テスラはGPS連動で、場所に応じて電流値の制限が可能な機能を搭載していますので、これらの二車種なら対応可能かと思います。

    2. テスラってそこまで考えて設計されてるんですね。知りませんでした。
      100Vでも15Aでなくとも毎日10時間充電できるのであれば5Aで5kw40キロ、10Aで10kw80キロくらいまでは行けそうですね。
      細かく充電Aが調整できるならA契約の見直しだけで工事せずに電気自動車を使えそうな感じですね。ケーブルでこれができれば中古の電気自動車とか買いたいんですが…

    3. N様、コメントありがとうございます。テスラの場合は充電中のBMSをはじめとする待機電力が比較的大きいので、5A=0.5kWだとほとんど充電できないと思います。待機電力はテスラの場合、300-400Wにも及びます。
      いろんな機能がいつでも使えるってのもメリットばかりじゃないですね。

  3. よほど長距離通勤でなければ100V10時間でも日々の充電だけなら可能そうなんで危なくない100V充電コードみなたいなものをどこか作ってくれないですかね。
    現状の200V充電機導入は集合住宅だとハードル高そうなので。

    1. N様、コメントありがとうございます。どこのメーカーも、100V充電ケーブルはラインアップしています。

  4. いつも楽しく拝見させてもらっています。
    参考になりましたが、既存の建物では実現困難です。
    私は1棟32個8階建ての集合住宅を一族で共同所有しております。
    現在、入居者にEVユーザーは無くコンセントの設置予定はありません。
    しかし、今後10年先には駐車スペースのEV対策は必要と考えております。
    コンセントもしくはプラグ付きケーブルを設置する場合、建物外部の配電盤内(単相200V三相200V)からEV指定の駐車枠まで配線を引く事で、比較的容易に設置する事は可能かと勝手に思っております。
    問題は充電料金を徴収する方法と工事費です。
    外部配電盤はエレベーターやエントランスなどの共有設備の電源である為、この電源で充電されるとEVの電気代は入居者全員から集めた共益費が使われる事になり不公平です。
    そして、工事費は誰が払うのか?
    配電盤から15メートル以内に20Aのコンセントだけ設置しても10万円かかりますが、そこは駐車スペースではありませんので、リーフ換算8時間から16時間も占有する事は出来ません。
    充電専用場所をわざわざ作り都度料金徴収する充電スタンドなどを設置しようものなら普通充電スタンドで100万円、中速充電器500万円、急速1000万円!(機器+工事費概算)点検などメンテナンス費は更にかかります。
    この集合住宅は築10年超ですが、駐車場にEV用の電源設備は想定されておりませんでした。
    私個人は戸建てに住んでおりアイミーブMを所有しておりますが、平日のみ職場で充電出来る為、自宅に充電設備はつけておりません。しかし、航続距離が極めて短いので休日は近隣の急速充電に頼っていますがハッキリ言って面倒ですし時間の無駄です。EVは自宅充電ができなければ真価を発揮できません。運転が楽しいのは最初のうちだけです。長期休暇などはイオンの急速に並ぶのです。1時間待ちです。充電待機場所なんて無くて待ち時間はクルマを離れる事は出来ず近くの駐車枠に止めてから、次は自分の番だと充電器の横で主張しなければなりません。コンビニの鈍足充電器にも行きますがいくらも時間が潰せません。ディーラーの急速は24時間ですが長期休暇は店が閉まっており充電中は空調の停止した車内で待つのです。
    運転が楽しいEVではありますが、急速充電ストレスが上回ります。
    つまり、自宅充電出来ない既存のマンションユーザーがEVに乗れる環境ではありません。

    ご投稿は参考にはなりましたが、この様に恵まれた入居者さんは殆ど居ないと考えます。
    マンションオーナーとしてはEV普及のためになんとかしてあげたいです。
    しかし、入居率が高い人気の物件ほどEV対応は遅れます。
    EVコンセント設置によって入居率が上がり、充電器設置コストをペイ出来る様になるのはまだまだ先の未来だからです。

    1. Farfetchd様、コメントありがとうございます。ブログチームの安川リーダーよりありました通り、課金に関してはユアスタンド社のようなところに委託するのも手だと感じております。いくつもの事例を取材してきた身からすると、この部分を個人でカバーするのはかなり面倒だとの印象をうけております。

      「基礎充電(自宅での充電)」は本当に重要かつ便利です。私もi-MiEV Mを愛車にしてすでに90,000kmを超え、今では往復70〜80kmの通勤を週5日でこなしていますが、幸運にも帰路に無料QCが5ヶ所あり、使い分けています。うち1ヶ所は「15分制限」の50kW充電器なので、私たちのような吸い込みの速いSCiBにはまさに打ってつけで、最も愛用しています。そして、帰路に混雑で充電できなくても、自宅に帰投すれば夜中に満充電にできる安心感には大きいものがあります。

    2. YasukawaHiroshi様
      リンク先参考になりました。ありがとうございます。
      リンク先のコメントにも返信頂き感謝いたします。

      HakomoriTom様
      同じSCiB仕様のアイミーブMですか。
      チームの人たちはみんなテスラかリーフに乗られているのかと思っていました。
      私、アイミーブMは人生初の軽自動車デビューでありEVデビューとなりました。軽自動車のシャーシー性能大幅性能向上に伴い、EVの高級車並みに静かでなめらかな走行性能は、当初はセカンドカーのつもりでしたが、今はファーストカーに昇格です。
      SCiBの話は以前東芝の株主であった事からアイミーブ登場前の2007年頃から株主通信を読んで将来性を期待して株を追加購入した程でした(その後同社株は大幅下落!)。当時の話では50Aで5分で充電完了と書いて有りましたが、市販されたSCiBは125Aでも15分80%ですね(笑)。
      職場では、ガソリン車、ハイブリッド車、ディーゼル車、天然ガス車を日常的に運転出来る環境にありますが、個人所有のEVはどの内燃機関よりも優れていると感じています。
      電池の高密度化と充電速度向上、電力事情など課題はありますが10年先には1割程度は普及しているのかな?ハードルの低いハイブリッドだって22年で半分にも満たないので、EV専用車が10年で2割〜3割なんて話は希望的観測と思っております。

      関東の急速充電事情は羨ましいです。
      私は名古屋ですが、アイミーブMで70キロも毎日通勤で使うのは困難です。
      自身は1日32キロですが冬季はこれでも厳しいです。氷雨で曇り除湿しながら暖房かければガソリン代並みの電気代です。
      結局ですね、安全上ここでは申し上げにくい方法で追加搭載した暖房方法を使って、BEVなのにCO2を排出しながら冬季を乗り切っています。
      間も無く、マイナス気温でも効率良く作動するように改良されたEV用車載エアコンが登場するらしいので、こう言ったネガな性能もいずれ克服される事を期待してます。

    3. Farfetchd様、コメントありがとうございます。名古屋でいらっしゃいましたか。冬の降雪は名古屋も東京もほぼ無いので、EVには活動しやすい地域ですね。

      急速充電器に冠しては、東京地区は恵まれているかも知れません。私の近年の日常行動範囲は、西は東京西部の多摩地区から、北は埼玉県南西部、南は神奈川県相模原市や東京都町田市、東は都心とは言っても墨東地区に行くことは稀です。この範囲内だと、10.5kWhしか積んでいないi-MiEV Mでも、無充電で往復できてしまいます。もっとも、途中で無料QCがあって時間があれば立ち寄って、125Aでの急速充電が落ち始める85%程度までは継ぎ足したりしています。その際の時間も、せいぜい15分といったところです。QCさえあれば、吸い込みが速くサイクル寿命の長いSCiBの特性を活かして、こまめに必要量だけ継ぎ足しながら、案外迅速に移動できてしまいます。

      「ここでは申し上げにくい方法」の暖房、EVオーナーズクラブのサイトでも、何人か実践されていますよね。バイオエタノールや廃材からのエタノールを使って熱源とするヒーターができたら嬉しいですよね。またはcarbon neutralなペレットを使った小型のストーブで循環液を温めるとか。エタノールのほうが小さく出来ますし、白金触媒で酸化させて熱を発生させる「往年のベストセラー懐炉」を応用したものなどが出来たら良さそうです。

      別件ですが、フロントウィンドーに熱戦を仕込んだガラスが、100万円ほどで10枚作れるようです。希望者を募って1人10万円で共同購入できたら、日本では全車廃車されてしまったVWのe-up!のように、少ない電力でフロントウィンドーの曇りとは無縁の環境が作れそうです。MiEV系の人は、「無いものは作る」人が多くて面白いです。(かくいう私も、回路を調べて、カプラーにピン増しして、Mにi用のHIDを付けて乗っております。)

    4. 既存集合住宅駐車場への充電インフラ整備は悩ましそうですね。国も補助すれば良いのに。
      簡単な方法としては、鍵箱付きの200Vコンセントを設置して、月額料金で鍵を貸し出す手もあるかも…?
      (ただし鍵は特殊なものにしないと、鍵をコピーして隣同士でシェアするヤツとか出てきそう)

    5. 櫻井様、コメントありがとうございます!

      >国も補助すれば良いのに。

      国の補助金は結構あります。実はコストの問題というより、そもそも賃貸だろうが分譲だろうがマンションや、月極駐車場に充電設備を設置できるという事実が知られていない点、そして案外管理組合が障壁になっている点がネックになっているのではないかと思います。東京都などでは国の補助金に加えて追加で補助金を出していますので、自己負担は部材代や工事費総額の消費税分程度になります。

      >簡単な方法としては、鍵箱付きの200Vコンセントを設置して、月額料金で鍵を貸し出す

      ノルウェーあたりで公共駐車場で、そういうのを国がやっていたかなと記憶しています。結局充電料金が発生して、月2000kmとか走行する人だと2000km/6×30=1万円くらい電気代実費が発生してしまうので、定額ってのは難しいのだと思います。簡易的なメーターデバイスは、ユアスタンドさんやジゴワッツさんが開発・販売しています。
      https://www.yourstand-ev.com/
      https://jigowatts.jp/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


この記事の著者


					箱守 知己

箱守 知己

1961年生まれ。青山学院大学、東京学芸大学大学院教育学研究科、アメリカ・ワシントン大学(文科省派遣)。職歴は、団体職員(日本放送協会、独立行政法人国立大学)、地方公務員(東京都)、国家公務員(文部教官)、大学非常勤講師、私学常勤・非常勤講師、一般社団法人「電動車輌推進サポート協会(EVSA:Electric Vehicle Support Association)」理事。EVOC(EVオーナーズクラブ)副代表。一般社団法人「CHAdeMO協議会」広報ディレクター。 電気自動車以外の分野では、高等学校検定教科書執筆、大修館書店「英語教育ハンドブック(高校編)」、旺文社「傾向と対策〜国立大学リスニング」・「国立大学二次試験&私立大学リスニング」ほか。

執筆した記事