日産『サクラ』&ヒョンデ『IONIQ 5』/第1回ジャパンEVオブザイヤー受賞お祝いインタビュー

第1回「ジャパンEVオブザイヤー2022」でグランプリに輝いた日産サクラと、優秀賞を獲得したヒョンデIONIQ 5。それぞれメーカーの拠点を訪ねて記念トロフィーを贈呈してお祝いインタビュー。読者投票時にいただいたみなさんからのコメントも、しっかりメーカーにお渡ししてきましたよ!

日産『サクラ』&ヒョンデ『IONIQ 5』/第1回ジャパンEVオブザイヤー受賞お祝いインタビュー

投票時のみなさんからのコメントに感謝!

EVsmartブログとENECHANGEが実施した「Japan EV of the year 2022」には、433名の読者の方から総計800ポイントの投票(一般投票)をいただきました。3月1日の記事でお伝えしたとおり、結果は日産『サクラ』がグランプリ。ヒョンデ『IONIQ 5』とテスラ『モデルY』が優秀賞を獲得しました。

一般投票では、投票する際に必ずコメントが必要(不備の場合は無効となる)というハードル高めの規定だったにも関わらず、たくさんの投票をいただきました。今回、日産とヒョンデそれぞれの拠点を訪問してお祝いインタビューを実施。記念トロフィーをお渡ししつつ、投票時にいただいた読者のみなさんからの全てのコメントを、それぞれのご担当者にお渡ししてきました。

熱意ある、的を射たコメントが多く、日産、ヒョンデ、どちらのご担当者からも「ありがとう!」の声をいただいたところです。投票いただいたみなさま、本当にありがとうございました。みなさんのこうした意見が、さらに魅力的なEVの開発に繋がっていくことを願っています。

なお、広報活動を行わないテスラからはお祝いインタビュー取材辞退の返事をいただきました。とはいえ、読者のみなさんが選んだ「優秀賞」の価値は変わりません。

さらなる販売台数増加に向けて準備は万端/日産 サクラ

日産自動車でのお祝いは、神奈川県横浜市の日産グローバル本社ショールームを訪ねました。インタビューに答えてくれたのは、日産自動車チーフマーケティングマネージャー EV担当の柳 信秀(やなぎ のぶひで)さんです。

「ジャパンEVオブザイヤーのグランプリ、ありがとうございます。この賞だけでなく、サクラは日本カーオブザイヤーをはじめたくさんの賞をいただきました。会社として、こんなに褒められたことはないというほどで、本当に光栄です」と柳さん。

2022年6月の発売開始以来、サクラはわずか3週間ほどで受注1万台を突破。おおむね、月間4000台ほどのペースで販売(納車)されているところです。

「発売以来、コロナや半導体不足の影響もあってフル生産というわけにはいかず、また、途中で受注停止せざるを得ない期間があったのは残念でした。でも、新年度の補助金受付の開始に向け、今、満を持して松たか子さんのCM第2弾を準備して、さらなる販売台数増加に向けてブルペンで肩ができあがっている状況です」(柳さん)

インタビューの中では「サクラ購入者でZESP3に加入しているユーザーの割合は、想定通り自宅充電されている方が多く、アリアやリーフよりは加入率は少ないです」といった話もありました。自宅充電で街乗り中心のオーナーさんが多いのでしょうが、意外な印象です。

なお、今回のお祝いインタビューはYouTubeのEVsmartチャンネルを担当するテスカスさんが行い、動画も公開しているので要チェックです。

軽自動車とは思えない走り! 日産サクラがグランプリを受賞! ジャパンEVオブザイヤー2022

日本のEV普及の一助となれるように!/ヒョンデ IONIQ 5

ヒョンデのお祝いインタビューは、これも神奈川県横浜市に昨年完成した「Hyundaiカスタマーエクスペリエンスセンター横浜(CXC)」を訪ねました。対応してくれたのは、Hyundai Mobility Japan マネージングダイレクターの加藤成昭(かとう しげあき)さんです。EVsmartブログとして加藤MDにインタビューするのは、2022年4月、ヒョンデの日本乗用車市場再参入が決まった直後以来のことになりました。

「ジャパンEVオブザイヤーの優秀賞受賞、本当にありがとうございます。IONIQ 5は昨年5月の発売以来、今日までに約600台を販売してきました。12年振りの日本への再参入で、改めて日本のお客様の認知を得ていくための1年間だったと思います。IONIQ 5は発表当初から、すでにEVを所有している方から大きな関心を寄せていただき、実際に購入いただいた方もいらっしゃいます。一方で、過半数のオーナー様は、エンジン車から、それも国産車からの乗り替えでした。ヒョンデの電気自動車への理解をいただいた結果と、うれしく思っているところです」と加藤さん。

国産メーカーのようなディーラー網をもたないヒョンデの販売方法には、ことに地方在住だとアフターメンテナンスなどに不安を感じて、IONIQ 5購入に二の足を踏む方も少なくないかと思います。とはいえ、ヒョンデでは名古屋や福岡に「Hyundai Citystore」を開設、東京・丸の内と京都・四条には「Hyundai Mobility Lounge」をオープンするなど、ヒョンデの電気自動車に触れられる拠点を設けるとともに、現時点で全国30カ所程度の協力整備工場を「この夏までに40カ所程度まで増やしていく計画」(加藤さん)というお話しもありました。

さらに「今後は、より日本市場に合った、経済的でEVの走りを堪能できるクルマを提供し、日本のEV普及の一助となれるよう努めてまいります」と加藤さん。3月7日にワールドプレミアされた『KONA Electric』も、年内の日本導入に向けて準備中であるのは既報のとおり。IONIQ 5ともども、期待しています。

【Hyundai Fast Charger】IONIQ 5が優秀賞を受賞!ジャパンEVオブザイヤー2022

EV元年と言われた2022-2023年ですが、日本で購入できるEVはまだまだ600万円以上の高級車が中心です。軽EVのサクラ、そして補助金を活用すると400〜500万円程度で高級EVの性能が手に入るコストパフォーマンスの高さも魅力のIONIQ 5が、読者が選ぶ「ジャパンEVオブザイヤー」を受賞したのは納得の結果といえます。

プロダクトが「普及」するためには「ヒット商品」の積み重ねが必要です。EVが本当に普及するためには、より幅広い層のカスタマーが購入できる、魅力的なEVの車種が増えることが重要です。もっと安く、もっとユニークな、さらなるEV車種の登場に期待しています。

取材・文/寄本 好則(EVsmartブログ編集長)

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					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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