テスラ『FSD=完全自動運転』の現在地「サンフランシスコで最も “安全” なドライバー」

テスラの完全自動運転機能『FSD Beta』について、YouTubeで丁寧な解説を紹介している AI DRIVR氏による最新動画に、EVsmartブログが日本語字幕を提供しているシリーズ企画。Ver.10.69.3を紹介する動画のタイトルは「The “Safest” driver in San Francisco」です。

テスラ『FSD=完全自動運転』の現在地「サンフランシスコで最も "安全" なドライバー」

※冒頭画像はYouTube動画から引用。

完全自動運転なんて、本当に実現できるのか?

クルマ好きな方と話していると「完全自動運転なんて無理でしょ」といった意見を聞くことがあります。たしかに、長年培ってきたドライブテクニックや、複雑に変化する状況に応じた判断を、全てAIが肩代わりして適切な運転操作を行ってくれるというのは、なかなかうまく想像することができないかも知れません。

でも、テスラでは2020年ごろから完全自動運転機能「FSD」のベータ版を、アメリカで安全運転実績などの条件を満たすユーザーに提供し、膨大なデータを集めつつ、ハード、ソフト両面の改善を積み上げてきています。

EVsmartブログでは、テスラのFSDが実際にどのようなものなのかを広く日本でも発信するため、YouTubeでFSDを実際に使って見た印象などについて丁寧な解説を紹介している AI DRIVR氏による動画に日本語字幕を提供するシリーズ記事をお届けしてきました。

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そして先月、最新のVer.10.69.3を紹介する動画が公開されました。動画のタイトルは「The “Safest” driver in San Francisco」。最新バージョンのFSDを、「サンフランシスコで一番安全なドライバー」であると評価する内容です。

The “Safest” driver in San Francisco

2020年、最初に紹介した動画と比較して、車両が認識している他車や歩行者、自転車などの表示がわかりやすくなっていることや、視野の広さが際立っています。もちろん、交差点などでの動作も大きく進化していることがわかります。

今回のアップデートについては、テスラのCEOであるイーロン・マスク氏もTweet。「メジャーなマイルストーンを乗り越えた」として、テスラのAutopilot/AI チームを祝するメッセージを贈っています。

また「北アメリカで誰でも(FSDオプションを購入していれば)使える」としているので、今まで設けられていたベータ版の使用条件が、少なくともアメリカでは撤廃されるようです。

AIならではの判断への指摘と期待

動画の中で、AI DRIVR氏は「平均的なUberのドライバーよりスムーズ」や「ほとんどの車が完全自動運転になったら死亡事故や怪我が大きく減るはず」と、最新版FSDの出来映えを評価しています。

一方で、動画タイトルで “Safest” と引用符を付けた意図について「安全にはコインのように裏表がある」と指摘。「この都市では、人間のドライバーは100%常に急いでいる」ために、あまりにも慎重なFSDの運転が後続のドライバーを苛立たせるリスクがあることや、交差点などで「とても上手で安全なドライバーだとほとんどの時間で思わせておいて、人間がやらないようなロボット特有のミス」をすることがあることも紹介しています。

とはいえ、それもこれも、使ってみなきゃわからない、進歩しないことでもあります。AI DRIVR氏も、動画の締めくくりで「今までで一番快適で、できの良いFSDベータ」であるとした上で「FSDの将来が待ちきれない」と、期待を込めたエールを贈っています。

さて、日本でもテスラのFSDベータがフル機能で使えるようになるのはいつの日か。また、テスラ以外のことに日本の自動車メーカーがテスラのFSDを超える自動運転機能を繰り出せるのか。ふんわり期待しながら見守りたいと思います。

(文/寄本 好則)

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					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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