VW『e-Golf』で検証〜電気自動車のバッテリーは35kWhくらいで十分でしょ説

電気自動車の普及を語る時「一充電で500kmは走れなきゃ」などとよく聞きます。本当でしょうか? 今回は電池容量35.8kWhのフォルクスワーゲン『e-Golf』と数日間を過ごし、正直な実感をレポートしたいと思います。

VW『e-Golf』で検証〜電気自動車のバッテリーは35kWhくらいで十分でしょ説

日常生活で1日200kmも走ること、ある?

私のマイカーは電池容量30kWhの日産リーフAZE0です。リーフスパイというアプリで計測した電池容量の劣化を示すSOH(state of health)は、およそ85%。実質25.5kWh程度の電池容量ということになりますが、東京での日常生活はもちろん、ちょっとしたお出かけでもほとんど困ることはありません。

8月1日にレポートしたように、東京から長野県白馬村への300km近いロングドライブでは中央道での経路充電が2回。電気自動車をよく知らない人は「300kmで2回も充電するの?」と思うかも知れませんが、充電=休憩でもあり、慣れてしまえばそれが当たり前になり、それほど面倒だとは思わなくなります。

とはいえ「もう少し電池容量があればなあ」と感じるのが、よく行く山梨県のゴルフ場への往復です。片道およそ90km。往復で180kmなので満充電で往復できると楽ちんなのですが、東京から談合坂、そしてゴルフ場への道は電気自動車が苦手な上りが続き、帰りの談合坂SAや石川PAで急速充電しないと自宅まで帰り着くことができません。

ゴルフしながら充電できれば問題ないのですが、それも現状は難しい。以前レポートした西東京ゴルフ倶楽部には無料で使えるEV用の200Vコンセントがひとつあるのですが予約などはできず。周辺で私がよく行くほかのゴルフ場には充電設備がありません。帰りの談合坂で充電しながら「ああ、このリーフのSOHが100%なら」とか「あと10kWhあればいいのに」と思ったりすることはあります。

西東京ゴルフ倶楽部で充電中、の図。

日常的に、1日200km以上走る人って、きっとそんなにいないですよね? そんなこんなの実感として、ちょっとした上り坂があったとしても高速道路で200km程度を不安なく走り切ることができれば、ほとんど不満を感じることなく電気自動車ライフを過ごせるな、というのが、現段階で私が思い抱いている「仮説」です。

真夏にエアコンを使ったり、冬の寒い時期などのことも考えると、市販の電気自動車に期待すべき電費性能はおおむね5〜6km/kWh程度でしょう。ということは、6km×35kWh=210km。電気自動車の電池容量は35kWhもあれば十分でしょ? ということですね。

電池容量35.8kWhの『e-Golf』と数日間を過ごしてみた

はたして、実際に容量35kWh程度のEVと過ごす生活はいかがなものか。とにかく体験してみよう、ということで、電池容量35.8kWhのフォルクスワーゲン『e-Golf』の広報車をお借りしてみました。

まず、都内VWの拠点で広報車を借りてからの4日間、横浜への取材などがありましたが、走った距離は合計で100km足らず。一度も充電しないで、メーターの針も半分以上の残量を示してました。

これだけじゃ当たり前過ぎるので、8月2日の日曜日、妻と二人で『ダイナミックゴルフ千葉』というショートコース&練習場へ出かけることにしました。世田谷区内の自宅からここまでの距離は約70kmです。前夜、自宅ガレージのコンセントで充電して満充電にして。出発時の航続可能距離表示は282kmと表示。余裕で往復可能な計算になりますが、はたして実走結果はどうなるか。

ゴルフの練習出発前のメーター表示。

と、このメーター写真でお気づきでしょうか。e-Golfのメーターには、電池残量を「%」で表示する機能がありません。航続可能距離の予測値と、エンジン車と同じような「残量メーター」があるだけです。

このあたり、欧州メーカーが電気自動車もエンジン車の延長線上に位置付けていることの表れといえます。私も最初は「%表示くらいは欲しいなぁ」と感じたのですが、数日間乗っているうちに「どっちでもいいや」という感覚になりました。e-Golf 君から「航続距離表示があるんだから、電池残量の細かい数値なんて気にしないで走ればいいじゃん」と言われているような気持ちになって「それもそうだね」と納得していくのです。

電池残量の%表示はどこにもありません。

航続可能距離202kmで目的地に到着

往路、京葉道路から東金道路へ入り損ねてちょっと時間をロスしてしまいましたが、実走距離はほぼぴったり70km。残り航続距離は202kmと表示されていたので、スタート時の表示から80km分減りました。残量メーターは3/4〜2/3くらいのところを指しています。

60球の打ちっぱなしの後、ショートコースを9ホール周り、施設内のレストランでランチを食べて自宅へ帰還。

キャディバッグは後席シートを倒して積載。ショートコースなので、私はチビバッグだけにしました。

e-Golf 君の「あまり電池残量とか気にするなよ」オーラに蝕まれ、うっかり帰着時のメーター写真を撮り忘れたのですが、メーターの半分よりちょっと下、航続距離130kmほどで三軒茶屋まで戻ってくることができました。

当然と言えば当然ですが、35.8kWhの e-Golf であれば、東京から千葉へのゴルフくらいは、何のストレスもなく往復できる、ということです。

どうでしょう。これで上出来! じゃないですか?

後半ちょっと余計なことをしたけど、スコアもまあまあ上出来です。

車両価格と航続距離性能のベストバランスとは?

先日、テスラモデル3の長距離実走レポートをお届けしたように、電池をたくさん搭載すれば長距離を走る性能が手に入ります(モデル3パフォーマンスは75kWhでEPAレンジが499km)。でも、電池をたくさん搭載すると、その分車両価格は高くなります。

どうしてもノンストップで400kmは走りたい! という方には、モデル3をオススメします。

エンジン車でも、いわゆる廉価な大衆車が3リッターV6ターボ、みたいな高性能エンジンを搭載なんかしていないように、電気自動車では電池搭載量が価格を大きく左右する「性能」と捉えることができるのです。

たとえば、電池容量を35kWhに抑え、「400万や500万は当たり前、高級感あるグランドツアラーは1000万クラス!」という現状を打破して、200万円台で200km! を標榜する電気自動車が市販されれば、私は文句なしに支持します。というか、きっと買います。

今のところ、たとえば今回試乗した e-Golf Premium の価格は約550万円〜、決して安くはありません。また、広報ご担当者からのお話しによると、すでに在庫が少なくなっているそうです。ちなみに、タマはとても少ないですが、中古車であれば相場は300万前後。まだ30kWhリーフのZESP2期間も残っているので「すぐに」ではないですが、次期マイカーとしてはなかなか魅力的な選択肢ではあります。

さらに、日本では導入が2022年以降(詳細未発表)とされている ID.3 が、どんな電池容量と価格で日本市場に登場してくれるのか、ワクワクしながら見守りたい、と思います。

実は、今回の記事はこの ID.3 や、電池容量35.5kWhで8月下旬の日本発売発表が予定されている Honda e へのエールを贈ろうと思って発案しました。

ところが、まだ情報解禁前なので明確には書きませんが、漏れ伝わってきた Honda e の価格に、私の無邪気な期待が粉砕されてしまいました。

電気自動車の価格の多くを占めるとされる電池の調達価格が下がりつつある中、35kWhの電気自動車を200万円台で市販して欲しいというのは、庶民ユーザーの無茶で身勝手な妄想なのでしょうか。

いや、今までにも何度かお伝えしたように、中国の長城汽車が市販している『ORA R1』は、100万円ちょっとで電池容量35kWhを実現しています。私が欲しいのは、コンパクトでも魅力的でそんなに無理せず買える電気自動車。いい夢を見られる日が来ることを信じています。

(取材・文/寄本 好則)

この記事のコメント(新着順)21件

  1. 24kwリーフで
    下道80km2時間程度→30分以内充電
    500km13時間 内充電3時間程度
    充電待ちは一回のみ 昼食休憩
    温度計1メモリ しか余裕なかった
    1日200kmを越えてくると
    蓄電池の冷却機構は必須と思います
    20kw充電器30分は長距離移動時はきつかった
    充電器の占有時間短縮はインフラ同等の重要性 電気車増やすには
    相互の譲り合い前提 従量制課金はようにんせなあかんな

  2. ガソリン軽バンからミニキャブMiEVバンに乗り換えて6年半が経過しました。自分にとっては月3回の給油に行くほうがハッキリ言って面倒くさいです。いつも朝起きた時点ですでに充電は完了していますので本当に楽ちんです。携帯電話に充電する感覚と同じですよね。毎日仕事で乗って年間10,000km程の走行距離ですが、乗り換えて良かったとしみじみ思っていますよ。

  3. i-MiEV(M)ユーザーからすれば35kWhなんて夢のような容量です!!
    先日日帰り450kmで静岡県藤枝市へ軽便鉄道の展示を見に行ったとき、わずか10.5kWhの愛車で高速2/3残り下道を走り、道中急速充電8回で終盤充電電流の低下(50~60A)に悩まされつつ速度控えめでだましだまし帰宅しました。ただこんな機会は年1度もないです(^^;; [普段の遠出で200km程度]
    ※むしろ軽便電気自動車がそこまでの酷使に耐えられただけでもよしとしなきゃww
    ホンダe/日産IMkの想定航続距離が200kmであることを考えるとEV電池容量の適正値は30~40kWh前後でしょうか。ソーラー発電家庭がV2H接続で蓄電池代わりに使うにも十二分かな!?
    容量少なくても電池が簡単に劣化しなければイイんです。

    1. リーフ40kwhに乗って1年。自宅に充電設備を設置したので日常使いでまず不便は感じません。大体250kmは1充電で走ります。平日月ー金は充電せず。金曜の晩に充電、週末にドライブに出かけて日曜の晩に充電というパターンを続けています。
      ドライブでは家内と残走行可能距離と満充電後の走行距離を足して、どれ位距離が出るか楽しんでます。山岳ドライブウエーでは登りで一気に電池を消費しますが、その分下りで充電されて走行可能距離が元へ戻るのも面白い。1泊する時は充電設備のあるホテルを選び、チェックインの時「充電設備があるんでここにしたんですよ」と大声で強調して設備普及をアピールしています。
      250km以遠に行く時はSA.PAでは混んでいる可能性があるので信用せず、一旦高速を降りて日産の販売店を探します。こんなことでも無ければ行くこともない田舎町に面白いところを見つけたり楽しいEV生活です。

    2. hidecon6 さま、コメントありがとうございます。

      EV生活の気持ちよさ、どっぷり体感するともうエンジンには戻れないですよね。ホテルやゴルフ場であえて充電設備の有無を確認したり、明確に感謝を伝える普及アピール。微力ながら私も実践しています。
      今後とも、EVsmartブログをご愛読ください!

  4. うちの軽自動車ですがタンクは満タン27リットルで、燃費はだいたい17km/リッタなので約450㎞の航続距離となります。月に800㎞走りますので月3回給油の必要がありますがこの頻度は頻繁に感じハッキリ言って面倒です。
    毎日家帰って充電器つなげて、かつ往復200km程度で充電の心配してって・・・いちいちどんだけ面倒やねん。正直1000㎞くらいは余裕で走って欲しいです。上の人も言ってますが、充電インフラが整えば話は別でしょうがそんなもん私の生きてる間には到底無理ですわw

    3リッターカーが現実味を帯びてきた今、結局、全く充電などと言う面倒の必要がないHEVが最適解ではないかと思います。と言うかそうあって欲しいです。はっきりとVEBは不要と考えます。e-ガソリン/ディーゼルも含めて内燃機関の永続性を期待する者です。

    1. ももーたろう様、コメントありがとうございます!今の電気自動車はモデル3やリーフでだいたい実電費5km/kWhくらいと仮定すると、1kWhは東電昼間で30円くらいなので30円で5km。仮にガソリン1リットルが120円とすると120円で20km走行できますので、20km/l相当となります。

      あと充電時間ですかね?
      給油月3回だと、一回約5分として、月に15分間。充電は、朝外して出発で5秒、夜帰ってきたら繋いで5秒。これを仮に毎日繰り返すと月に300秒なので5分間。ガソリン車より、今のパターンですと、燃費がおおよそ19%良く、そして給油の手間は3分の1になります。

      スマホ、ガソリンスタンドで月に3回給油することを考えてみてください。おそらく、イメージできるのではないでしょうか?

    2. YasukawaHiroshiさん
      充電器の脱着に5秒ずつで済むのは一番環境が良い家の場合です。
      車のトランクに毎日しまう場合の様な悪い例を挙げます。
      充電プラグを車両から切り離し、200Vコンセントからもケーブルからも抜き、ケーブルの捻じれを直しつつクルクル丸めて束ね、収納袋に入れ、車のトランクへ格納し、当然手が汚れたので家の中で手を洗い、完了。
      接続時は逆の順序になります。
      5秒ではすみません。外出ついでにガソリンをカードで入れる手間の方が遥かに簡単に済む人もいるのです。
      自宅の充電環境が充実している場合に限り過ぎてはいないでしょうか。

    3. シーザー・ミラン様、コメントありがとうございます!ケーブルホルダーを使うといいと思います!日本の自動車メーカーは低価格のケーブル付き充電器を出していませんが、それもそうお感じになる一因だと思います。
      https://store.evsolutions.com/mobile/turbocord-240v-plug-in-ev-charger-p51.aspx
      これが多分信頼できるメーカーだと一番安いですが1.9万円くらいです。自宅内でプロが工事するなら、これは日本でも使えます。
      ケーブルホルダーも本来はメーカー側で純正部品としてあったほうが良いですよね。

  5. 年に2~3回は帰省で片道500kmは走るし、墓参で片道100km走ることもあった。年に1回以上は車で旅行もする。最低600km以上の航続距離がないと安心できない。 (^^;)

  6. 経路充電網のインフラの関係で35kWh程度のEVでは長距離を快適に走れないとコメントさせて頂きましたが、e-GolfやHonda e は40kWh以下のリーフよりは、ましですね。
    40kWhリーフで長距離を走ろうとすると、200km毎の比較的長いスパンでQCしていくと、QC2回目には電池温度が50度近くに達し、その後は30分一回のQCで10kWh程度しか継ぎ足されなくなります。
    よって、100km毎の短いスパンでQCして温度上昇を抑える工夫をした走り方を余儀なくされます。それでもQC5回目にはやはり50度に達します。
    一応長距離も走れるけども基本的にはシティコミューターと捉えた方が良いくらいです。
    ガソリン車であれば、給油しながら本州北端から九州南端まで当たり前の様に走る能力があります。
    BEVもQCしながらどこままでも走れる能力が無ければ、万人向けの道具とは言えず、新しい物好きの玩具の域を出ません。
    そういう意味では、充電混雑にさえ目を瞑れば、e-GolfやHonda eはちゃんとした道具になったと言えますね。

    1. シーザー・ミランさん、先のコメントでも航続距離についてのご意見にお答えしていませんでした。

      200kmで心許ないかどうかといったあたりは、車両価格とのバランスでしょうし、ユーザーそれぞれの主観なので結論の出ない議論になる気がします。私としては、高速道路で200km走れる性能があれば少々上りの区間でも150kmくらいはさほど不安なく走れるでしょうし、そうすればSA/PAを2 〜3カ所は飛ばせる余裕の中でQC&休憩場所を選択できて、それで十分でしょ、って感じているということです。
      モデル3とか、たしかに楽だし魅力的なのですが、日常的に60kWh以上とかの大容量電池を背負って走るのはちょっと重いかな、とも感じています。
      鉛電池で一充電50kmくらいのクルマでの日本一周に関わったり、一充電120kmのEVスーパーセブンで自ら日本一周したり、普通じゃない電気自動車ライフを積み上げてきた副作用かも知れません。
      2009年、ミラEVに三洋の18650を満載して舘内端さんが東京ー大阪途中無充電で走破した時の「そんなに走ってどうするの?」というキャッチフレーズには、今でも共感しています。

  7. 200㎞毎に休憩が必要な事や、それに慣れてしまえばそんなに気にならないという感覚はバイクに乗っていた時の感覚とよく似ています。「こんなに楽しい旅、遠回りやのんびり休憩しながらいこう」という感じでした。
    ただ、一度700㎞近く走る現在の車(60L容量の液こぼれギリギリまで入れて高速巡行のみ)に乗ってしまうと、「あぁ、まあこれも便利だなぁ」という感覚も強くあります。

    つまり、興味があるアーリーアダプターには200㎞で必要条件を満たすが、特に運転や移動体験自体に興味のないマジョリティーに刺さるには、どんな状況でも1日1回充電で済む距離として、400~500㎞の航続距離は必要かなぁという印象です。(逆に1日500㎞以上移動することは稀なので、技術的に可能でも必要ないと思っています。)

    当たり前の事ですが、「電池性能の向上(容量・急速充電)」「電池コストダウン」「ユーザー増加ペースにあう充電ステーションの充実」がバランスされながら落ち着いて、個人的には60kWh・450㎞航続・30分で80%充電・200~300万/1台・全てのコンビニに1基は100kW急速充電設置、あたりが最終的な普及ステージかなと思っています。

    1. Mark様、コメントありがとうございます。
      最適な電池容量や航続距離についてはさまざまなご意見があると思いますが、おっしゃるとおり、初めて電気自動車に触れる方は現時点では、まだまだ誤解を解くのが難しく、ある程度の航続距離は必要だという点に同意いたします。

      各メーカーがユーザーに無理をさせることなく、うまくユーザーを安心・納得させる戦略を取る必要があると思います。それには、適切な位置への適切な基数を持つ経路充電網の設置、十分な充電速度、目的地充電の推進と対応が挙げられると思います。
      5-15分の休憩中にでも気軽に充電しつつ休憩して出発できることが、誰にでもできる(今でも慣れれば全然できるのですが)ようになれば、もうガソリン車は必要ではなくなると思います。

  8. 私は去年の11月からテスラModel3パフォーマンスに乗ってますが冬場、現在酷暑の夏場を経験していますが、全く不便は感じておりません。
    充電は、元仕事場で現在はおふくろ独り住まいの実家まで片道約7キロを週3回ぐらい通い、そこに滞在する3〜4時間にパワーウォール(5kw)だけで大体OKです。
    ドライブに行く時はSCを利用しています。名古屋は市街地に2カ所SCがあるので大変便利です。チャデモは変換コネクタを購入しましたが1度も使ってません。
    バッテリーは50%を切る事は日常ではほぼ経験していません。
    現在走行距離約6,000kmで電気消費量は平均で170wh/kmです。パフォーマンスなのでついついアクセルを踏んでしまいがちです(汗)
    これならSR+で十分だったかなとも思いますが、やっぱりパフォーマンスの加速はお金に変えられない魅力がありますね。

  9. VWの車両がこちらの記事になることが少ない(ほぼテスラ車の記事)のでいろいろな車種を取り上げていただけるとありがたいです。

    自分の車が10.5kWhなので
    35.8kWhあれば必要十分と思います。
    と、言いましたがこれは電気自動車の乗り方や条件の違いで「足りない」と思われる方や内燃機関ベース(プラグインハイブリッド車含む)のユーザーにとっては同じ位の航続距離を望んでしまうのはやむを得ないことかもしれません。

    そういったなかで
    1から10までの要求に応える車と
    そうではない(短距離向け)車両などの
    棲み分けが今後は進んでいくのではないかと思います。

    ちなみにe-Golfの駆動用バッテリーについて劣化具合いの情報がわかるとありがたいです(試乗だけでも車が良いことはわかったので…)。

    1. cakar1mさま

      横から失礼いたします。e-Golfにはこれまで通算36日乗っています。EVOCの小田原市や神奈川県での試乗の担当を毎年やっているので、毎年10日前後乗っている計算です。この記事と同じクルマで、VGJの広報車です。

      ここ3年での経験ですが、電池の劣化は数値からは感じられません。満充電での走行可能距離も、電池の減り具合も、です。同じ場所に同じような季節に、同じような時間帯と経路で行った際の経験からです。

      そして、そこそこの電池容量は、そこそこの充電時間で済む利点もあります。私はさいわい片道数百キロの帰省は必要無い暮らしなので、これで充分ですね。

      走る・曲がる・止まるの感触の良さと、比較的コンパクトな車体、BEVならではの重心の低さが相俟って、じわじわと良さが染み渡ってくるBEVです。1週間くらい暮らすと、「感染」するかもしれません。

  10. 田舎暮らしですが、都市部のショッピングモール等に買い物に行こうと思うと片道100キロとか普通に走るんですよね(都心から郊外ゴルフ場の逆ですね)
    途中で休憩がてらの充電をする距離ではありませんし、ショッピングモールの駐車場で充電完了後に駐車場の空きを探すのも正直萎えます。
    地方なら2,30代でも割と家を建てており、自宅充電というハードルは超えやすいですが200キロでは実用性に掛けるのではと感じます。

  11. ノンストップで400kmどころか、200kmでさえノンストップでは走ろうとは思いませんが、航続可能距離200kmでは心もとないです。
    普段使いは勿論200kmも要りませんし100kmでも足りるくらいですので、普段走る距離を取り上げるのはおかしいです。
    問題にするのは長距離を走ることを想定した場合に限ります。
    長距離走行は主に高速道路を急速充電で継ぎ足しながら走ることになりますが、その高速道路上の急速充電事情がお粗末な為、日中は先客が居れば待たされますし、夜間は仮眠のトラックに妨害される事もあります。
    その様な、「すぐに充電できない」という場合に、満車の充電スポットを何回かスキップして別の空車の充電スポットまで移動する能力が要るのが実情です。
    高速道路でバッテリーが0%近くまで使える勇者は別として、普通の人は容量のだいたい30%~80%までで運用するのではないでしょうか。そうすると「すぐに充電できない」心配をしなくても済む容量となると50%で200km以上欲しいところです。そうなると満充電で400km以上ということになります。
    しかも、一般的ドライバーは大型連休ほど長距離走る機会が多くなり、当然充電混雑に合う頻度も高まってしまいます。

    纏めると、インフラに問題があるので500km走れるEVが求められるということです。
    スーパーチャージャーの様に、まず先客とバッティングする事が無いというインフラ状況になれば、35kWh前後の容量で充分だと言えるようになると思います。

    1. シーザー・ミランさん、コメントありがとうございます。

      >スーパーチャージャーの様に、まず先客とバッティングする事が無いというインフラ状況になれば、35kWh前後の容量で充分だと言えるようになる

      はい、その通りです。私は、というか私が編集者を務めるEVsmartブログは、粘り強くそこを求める声を上げ続けたいと思います。

      それに、大容量電池搭載車で都心をちまちま走るのが、それはそれであんまり気持ちよくないんですよねぇ、私の場合。ついつい余計にアクセル踏んじゃうし。

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この記事の著者


					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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