電気自動車の普及率(2015年12月現在)

統計シリーズ、電気自動車の普及率について調べましたのでまとめておきます。いくつか主要なソースを押さえておけば簡単です。

目次

  1. 電気自動車・PHEVの保有台数
  2. 電気自動車・PHEVの普及率
  3. 参考:米国のデータ

電気自動車・PHEVの保有台数

普及率は、販売台数ではなく、保有台数で計算する必要があります。例えば2015年の一年間で販売された電気自動車・PHEVの台数を、それ以外の車両の2015年の販売台数で割り算しても、その年の販売台数シェアにしかなりません。もちろん販売台数シェアも普及を見ていくうえで非常に重要な数字となりますが、携帯電話のように数年で新しい機種に買い替えするような製品と異なり、自動車は耐用年数が比較的長いので、保有台数で見たほうがより正しく動向を把握できると思います。

本記事では乗用車と軽乗用車に限定して、数字を見ていきたいと思います。現時点では電気自動車もPHEVもまだ貨物車を置き換えられるほどの性能が出ていないため売れておらず、比較しても意味がないからです。電気自動車とPHEVの保有台数については次世代自動車振興センターのEV等保有台数統計を使います。

年度 2012/4-2013/32013/4-2014/32014/4-2015/3
電気自動車乗用車24,98338,79452,639
軽乗用車13,64615,87017,611
PHEV乗用車17,28130,17144,012
ハイブリッド車乗用車2,833,4433,792,8864,640,743
軽自動車28818854,931

グラフにしてみると
電気自動車+PHEVとハイブリッド車の保有台数
電気自動車+PHEVとハイブリッド車の保有台数

電気自動車・PHEVは合計してもずいぶんと少ないですね。しかも比較している対象はハイブリッド車だということにご注意ください。まだまだ、電気自動車もPHEVもマイナーな存在なのです。

それでは普及率の分母を出すために全乗用車・軽自動車の保有台数を調べてみましょう。日本国内の保有台数データは、一般社団法人自動車検査登録情報協会(自検協)の自動車保有台数を使います。

年度2012/4-2013/32013/4-2014/32014/4-2015/3
普通車(乗用)17,297,02317,586,12817,717,203
小型車(乗用)22,712,32722,234,91521,773,914
軽自動車(乗用)19,347,87320,230,29521,026,132

グラフにしてみると
自動車保有台数
自動車保有台数

普通車というのはざっくり言うと3ナンバー、小型車は5ナンバーのことです。グラフでは一緒にしてしまいましたが、3ナンバーは微増、5ナンバーは微減、軽自動車は増加し、総保有台数は微増になっています。

電気自動車・PHEVの普及率

電気自動車・PHEVの保有台数と全乗用車の保有台数が出ましたので、普及率を出してみましょう。2014年4月から2015年3月までの最新のデータを見ても、電気自動車・PHEVは合わせて11万台、ハイブリッド車は469万台、そして全部で6,051万台ですから電気自動車・PHEVをグラフにしてもほとんど見えませんね!表だけにしたいと思います。

年度2012/4-2013/32013/4-2014/32014/4-2015/3
電気自動車・PHEV55,91084,835114,262
 普及率%0.09%0.14%0.19%
ハイブリッド車2,833,7313,793,0744,695,674
 普及率%4.77%6.32%7.76%
全乗用車59,357,22360,051,33860,517,249

2015-12-22_160115こうやってみると、すでに普及している感のあるハイブリッド車ですらまだ8%弱で、電気自動車・PHEVは0.2%未満、という状況なのですね。政府の次世代自動車普及目標は、2020年時点でハイブリッド車が20-30%、電気自動車・PHEVを合わせて15-20%、燃料電池自動車(FCV)が1%です。ハイブリッド車は仮に全保有台数を6千万台とざっくり入れたとして、目標まで20-8=12%増加しなければなりませんから、あと5年間で720万台=1年あたり144万台。昨年度のハイブリッド車の保有台数の増加は90万台程度ですから、目標達成までにはあと1.5倍の台数が必要ということになります。
問題なのは電気自動車・PHEVです。政府目標が15%ということは、あと5年間で900万台=1年あたり180万台!テスラがネバダ州に建設しているギガファクトリーが電気自動車年間50万台分ですから、政府目標の達成はほぼ不可能のように思われます。

参考:米国のデータ

ピックアップトラック
ピックアップトラック
参考までに米国のデータを見てみましょう。残念ながら米国には車検制度がないせいか、保有台数統計が上手く見つけられなかったので、代わりに販売台数統計を見てみたいと思います。米国には軽自動車はなく、またトラックが日常の足としても使われている背景があり、市場の様子は日本とはだいぶ違います。ちなみに2014年(2014年1月から12月まで)の販売台数第一位は33年連続(!)、フォードFシリーズトラックです。さらに、第二位と第三位もピックアップトラック。2014年の販売台数は乗用車が7,687,619台、ライトトラックが9,154,354台、計16,841,973台です。ここでライトトラックという用語が出てきましたが、米国ではライトトラックには、バン・ミニバン・SUV・ピックアップトラックが含まれています。日本だとミニバンやSUVは乗用車に含まれるので、単純比較は難しいですね。ちなみに電気自動車・PHEVやハイブリッド車の統計はHybridCARSのDashboard、米国での総販売台数はWardsAutoの統計(会員制)を使いました。

それでは表にしてみましょう。

年度2012/1-2012/122013/1-2013/122014/1-2014/12
電気自動車14,80747,55963,325
 普及率%0.20%0.63%0.82%
PHEV38,58549,04355,357
 普及率%0.53%0.65%0.72%
ハイブリッド車434,498495,771452,152
 普及率%6.00%6.54%5.88%
全乗用車7,244,4397,585,3417,687,619

電気自動車やPHEVにはまだライトラックに該当する車両が少ないので、総販売台数は乗用車のみのものを使いました。すなわち、全乗用車のところにはレクサスRXハイブリッドクルーガーハイブリッド(日本では生産中止、米国ではHighlander Hybrid)などは入っていませんが、ハイブリッド車のところには入っているということです。
こうしてみると、米国では電気自動車・PHEV合わせて、販売台数ベースでは1.5%を超えたということが分かります。また(ピックアップトラックが大人気ということはもちろんですが)環境車のなかでは、ハイブリッドは減少に転じ、電気自動車やPHEVが増加しています。
しかし日本の総「保有」台数が6千万台に対し、米国の2014年の「販売」台数が1600万台というのは大きいですね。やはり米国は自動車大国・ビッグマーケットということになるのだと思います。

電気自動車やPHEVは上手く使えば電気だけで走行することができ、ガソリン代をゼロにすることができます。代わりにかかる電気代もガソリン代よりはるかに安く(リッター100円で計算しています)発電所の排出するCO2を考慮に入れても、ハイブリッド車よりCO2排出が少ないです。またモーターで走行するので、低速からの立ち上がりが非常に良く、特に街中での走行フィールは最高です。環境にも良く、お財布にも優しい車がもっと普及するとよいですね。


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