「普通充電器を設置してほしい場所」募集中/EV充電エネチェンジにリクエストしてみた

EV充電エネチェンジがEV用6kW普通充電器を「設置してほしい」場所のリクエストを募集しています。リクエストがあった施設には、担当者が設置の提案をしてくれるとのこと。よりEVフレンドリーなニッポンの実現を目指すため、私もリクエストしてみました。

「普通充電器を設置してほしい場所」募集中/EV充電エネチェンジにリクエストしてみた

※冒頭写真は「伊勢忍者キングダム」(三重県)に6基が並んだ普通充電器。

簡単なフォームに記入して送るだけ

2024年3月末から、EVsmartブログの運営会社でもあるエネチェンジが、広くEV(PHEVを含む外部からの充電可能なプラグイン車)ユーザーに向けて、EV充電エネチェンジの6kW普通充電器を「設置してほしい場所」のリクエストを募集しています。Googleフォームにリクエストする施設の名称と、自宅充電設備の有無など簡単な質問に回答して送信するだけ。リクエストがあった施設には、EV充電エネチェンジの担当者が充電器設置を提案してくれるということです。

リクエストのフォームはこちら

あまり多くの利用者が見込めない場所はさすがに提案対象外になりそうな気がするし、提案したからといってその施設が設置してくれるかどうかはわかりません。でも、EVユーザーが「ここにほしい!」と思える場所に充電設備を増やしていくために、ユニークで有意義な試みだと思います。

充電インフラ設置場所にユーザーの意見を反映する仕組みというと、テスラが実施しているスーパーチャージャー設置場所投票(関連記事)が思い出されます。

でも、今まで日本国内の充電インフラは設置場所選びや出力など、ユーザーの意見というよりも設置者都合で進んできたと感じます。エネチェンジの「EV充電設置リクエスト」が、ユーザー本位の「使われる充電スポット」拡大に結びつくかも知れません。

私もリクエストしてみました

というわけで、早速、私もフォームに記入してリクエストを送ってみました。ちょっと数が多くなってしまったのですが、私がリクエストしたのはこんなスポットです。

2020年に訪れた草津温泉では湯畑駐車場のコンセントで充電しました。無料なのはありがたいけど、これからは安心して使える基数が大事。充電代は払うので、ズラリと並べてほしいです。

【私がリクエストした施設】
草津温泉湯畑駐車場(群馬県)
草津温泉西の河原駐車場(群馬県)
城崎温泉駅前駐車場(兵庫県)
湯村温泉観光交流センター(薬師湯)駐車場(兵庫県)
– – –
東京ディズニーランド(千葉県)
志摩スペイン村(三重県)
東京ドイツ村(千葉県)
鈴鹿サーキット(三重県)
天橋立ビューランド(京都府)
ツインリンクもてぎ(栃木県)
東山動植物園(愛知県)
東武動物公園(埼玉県)
天王寺動物園/天王寺公園地下駐車場(大阪府)
名古屋港水族館(愛知県)
江ノ島水族館/江の島なぎさ駐車場(神奈川県)
大洗水族館(茨城県)
あしかがフラワーパーク(栃木県)
京都府立植物園(京都府)
長居植物園/長居公園南駐車場(大阪府)
はままつフラワーパーク(静岡県)
神代植物公園(東京都)
金沢21世紀美術館(石川県)
東京都現代美術館(東京都)
– – –
名古屋城(愛知県)
二条城(京都府)
熊本城(熊本県)
姫路城(兵庫県)

基本的な選択基準にしたのは常日頃いろんなところで提言している通り、「遠くからたくさん人が集まる施設」です。

草津温泉のシンボル、湯畑。

「- – -」で区切った一番上のブロックは個人的な思いで挙げた場所です。私は草津のお湯が大好きで数年に一度は訪れます(関連記事)。温泉街が狭くて共同の駐車場を使う宿が多いのですが、現状では湯畑駐車場に200Vコンセントが2つあるだけ。ここはもちろん、もう一カ所の共同駐車場である西の河原駐車場にも、6kW普通充電器がズラリと並ぶと素敵です。

城崎と湯村は私の郷里(兵庫県但馬地方)の温泉地。ぽつぽつと充電器を設置している宿はあるものの、公共のEV充電設備が少ないので、ぜひ設置してほしいと願います。ともによく行く外湯があるので、帰省した際にはたぶん私も利用します。

2番目のブロックは、全国レジャー・集客施設運営実績&動向調査(綜合ユニコム)というランキングに、テーマパーク、遊園地、動植物園などのトップ5から、EV充電エネチェンジのアプリで調べて駐車場に普通充電器が設置されていない施設をピックアップしました。3番目のブロックは、全国のお城の入城者数ランキング(攻城団)というデータからのピックアップです。

ランキング上位だったハウステンボス(長崎県)、よみうりランド(東京都)などは一応普通充電設備があったので除外しましたが、設置されているのは数百台規模の駐車場に2基程度。さらなる増設を期待します。あと、上野動物園など、専用の駐車場がない上野公園の施設はややこしくなるので割愛しました。

いずれにしても、全国で集客ランキング上位の施設に「普通充電設備があるか?」と調べていくと、軒並みといっていいほど未設置だったというのが現実です。他府県からの来場者も多く、ある程度滞在時間が長いこうした施設には、宿泊施設と同様に「充電器があって当然」というニッポンになってほしいと願います。

みなさんが好きな観光スポットなどで「ここにあったら使いたい!」や「使う人が多いはず!」という場所があれば、ぜひリクエストしてみてください。

基礎充電代替のスポットもあり得る

私がいつも「もっと普通充電器を!」と提言&リクエストしているのは、宿泊施設と来場者が多い観光施設など、いわゆる「目的地充電」スポットです。6kW普通充電器に期待される役割にはもうひとつ、集合住宅などで拠点駐車場に充電設備が設置しにくい方が利用する「基礎充電代替」のニーズがあります。

これは、実際に「日常的に使いやすい充電設備がほしい!」と希求しているEVユーザーさんの視点でリクエストしていただくのが効果的でしょう。

とはいえ、「うちのマンション近くのコンビニ駐車場に設置して」というのは、かなりハードルが高いと思います。というのも、コンビニは店内の滞留時間が短く、普通充電スポットにはあまり適していないからです。

普通充電の時間としては、やはり少なくとも2時間程度を想定すべき。6kW充電に対応したEVであれば、2時間滞在すれば12kWh、3時間なら18kWhほど充電できます。電費が6km/kWhとして、12kWhで72km走行分の電力ですから、日常的な充電としてはこと足りるはず。

ちなみに私自身、マイカーのKONA Casual(48.6kWh)の自宅充電は「50%程度になったら80%まで」をルーティンにしているので、一晩の充電電力量は15kWh(3kWの200Vコンセントなので約5時間)程度です。

自分自身の生活パターンを顧みて、日常的によく利用するショッピングセンターやスポーツジム、テニスコートやゴルフ練習場など、数時間程度滞在することが多いスポットをリクエストすれば、近隣のEVユーザーさんも利用しやすい基礎充電代替スポットになり得るのではないか、つまり稼働率高く使われる充電器になるはずだと思います。たくさんのEVユーザーから視点の違うリクエストが集まることで「こういう場所にあるのもいいね!」といった気付きが生まれる可能性もあるでしょう。

エネチェンジの充電器は、e-Mobility Power連携の充電カード認証に対応(一部機種を除く)しているのが特長です。もちろん、カードがなくても使い方は簡単。たくさんのリクエストが集まり、充電器設置が進展して、多くのEVユーザーがハッピーになれるといいですね。

文/寄本 好則

この記事のコメント(新着順)13件

  1. 「EV充電エネチェンジ」設置リクエストフォームから要望させて頂きました。
    https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfiLu7nZp3307-71dbkj6IYOEk0Ff4kF_N7th3twOvnSi64vA/viewform?pli=1&pli=1

    普段使いで利用することが多く、滞在時間が長めで充電設備の利用が見込めそうな下記を中心に充電カードが使えるチャージ2充電器の設置を要望しました。
    ・単館型ショッピングモール
    ・(地方に多い)広めの敷地内に複数のテナントが有るスーパーセンター的な所
    ・スーパー銭湯
    ・地域の中核医療機関
    (1回の診察や検査でも滞在時間が長い。家族や親戚が入院すると毎日訪問する。現在のEVユーザーはシニア層が多いことから需要あり)
    ・(郊外に多い)ピクニック出来る大きめの公園

    一定期間が経過したら、エネチェンジから実際に要望した施設名なども公表して欲しい。

  2. 株主総会でSPCとの関係で、監査法人から指摘を受けている企業に依頼するのですか?
    補助金は税金なのですよ。

  3. ドンキホーテの駐車場に充電器の設置を希望。
    どこに出かけても、安心できる。

    東京から100km圏内の道の駅やコンビニに設置されると旅行やレジャーで利用しやすい。
    特に埼玉、群馬希望。

  4. 基礎充電代替のスポットはありうると思いますが、問題は料金です。系統電力よりも高い価格だと利用者は増えないと思います。戸建では系統電力の料金で充電しているわけですから、少なくとも系統電力並み、できればそれ以下でないと利用増大にはつながらないでしょう。ただ、そうなると充電サービス会社は利益を出せないと思います。
    これに対しては、再生可能エネルギーで安い電力を調達するしかありません。九州電力には、「おひさま昼トクプラン」という料金プランがあります。これは、利用が増えると料金単価が上がる通常パターンではなく、昼間時間帯の料金単価が安いプランです。10時から16時の間は、1kwあたり12.37円〜13.37円になります。その代わり夕方時間帯の料金が高い。この制度は蓄電池やEVの利用者でないと利用ができません。充電サービス会社が、この制度を利用して時間帯別に安い料金で提供すれば、集合住宅に住む人の利用は増えるかもしれません。

    https://www.kyuden.co.jp/user_menu_plan_ohisama.html

  5. 遅ればせながら
    県立医療センターの駐車場。
    今地元の医療センターには急速充電器が1基あるのですが、繋ぎっぱなしで放置されます。
    呼び出しもしてもらえませんので、やった者勝ちになってしまってます。
    何度か改善要望は出しているのですが、政府の旗振りも虚しく何も変わっていません。
    一度病院に来たら1時間では済まないので何とかして欲しいとずっと思ってます。

  6. ショッピングモール、公園、イベントなどの会場となる公共施設に6kw/h充電スポットがあるとありがたいです。
    宿泊施設には「あって当たり前」ぐらいに普及してほしい。

  7. 無料の駐車場で電動キックボードや自転車のシェアサービスが併設されているとありがたいですね。

  8. みなさま、コメントありがとうございます。
    リクエスト。ぜひフォームからもお送りください。

    いただいたコメントで気になった点をいくつか。

    Geodesic さんの「広大な駐車場のどこに設置するか」問題。
    ご指摘のようにそれぞれの施設で悩ましいところだと思います。まずは設置してみること。EV専用区画としてどのくらい利用されるのかといったノウハウを獲得していくのが大事だと思います。

    渡辺隆男 さんの「団地に6kW」、いいですね。1時間200円もお手頃です。どのように課金してらっしゃるのか気になります。
    あと、プリウスPHEVの普通充電は3kW(16A)だと認識してたんですけど。6kWにも対応できるようになったのでしょうか。個人的には、3kWで十分じゃない? とも思いつつ。

    しおしお さんの「全国の市町村役場」は、役場に何時間も滞在する住民はそんなに多くないでしょうし、「目的地充電」インフラとしてはあまり利用されないだろうな、と感じます。ご指摘のように公用EVの基礎充電を兼ねて、いわば「公園の公衆トイレ」のように設置されていることは否定しないですけど。自治体の脱炭素への意気を示す象徴ってことなら、役場には急速充電器、でいい気もします。

    小山健二 さんが挙げている「パチンコ店」。大きな駐車場を備えてる店舗も多いので、これからどんどん設置数が増えると思います。とはいえ、ご近所からの来客がほとんどでしょうし、ホントに使われるのかなぁと疑問に感じているところです。店が電気代などを負担して「充電無料!」とかになれば面白いですね。

    そんなわけでさらに多くの意見や、エネチェンジに具体的な候補スポットを見出してもらうためにも、フォームの投票、よろしくお願いします!

  9. 大規模商業施設、パチンコ店、銭湯、フィットナスなどの長く滞在する場所

  10. 全国の市町村役場に設置してくれれば帰省時などに利用できるのでありがたいです。役所もEVを採用して夜中に充電するなど出来ていいと思うのですが。

  11. プリウスPHEVに乗っています。住まいは横浜市の、所謂”団地”ですが、私自身が管理組合役員をしていた時期に充電器の設置を提案し、1年ほど前に6KWの充電器を設置しました。プリウスは8.8KWバッテリーです。概ね1時間45分程度で0⇒満充電です。1時間200円、自宅での充電に不満はありません。ただ、外出時の充電器はほとんどが急速充電器で、6KWのものが欲しいですね。支払いが簡便なシステムを望みます

  12. テーマパークや大規模商業施設に普通充電器を設置するのは大賛成です。が、それを広大な駐車場のどこに設置するかです。客が施設を回遊するアウトレットモールではそれほどですけれど、問題はなるべく入場口に駐めたい心理が働くテーマパークなどの観光施設でしょう。
    私は鈴鹿サーキットや富士スピードウェイ、岡山国際サーキットへ頻繁にレース観戦に行きますが、ブロック指定のある予約駐車場においてどういう基準でEVを優先(誘導)するかは大きな課題だと感じます。

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この記事の著者


					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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