電気自動車の進化に必須といわれる「全固体電池」は実用化できない?

トヨタは2017年の東京モーターショーで、2020年代の早い時期に全固体電池を実用化すると発表。全固体電池は電気自動車の進化のカギになる技術として注目されるようになりました。はたして期待していいものか。電池研究の第一人者である雨堤徹さんに質問しました。

EVの進化に必須といわれる「全固体電池」は実用化できない?

全固体電池に「いいところはない」?

先日、テスラ『モデル3』で淡路島へ行ったのは、雨堤さんに取材するためでした。今回の「全固体電池」の話題に加え、「EV用リチウムイオン電池の必修知識」についての記事を後日ご紹介する予定です。

雨堤さんは三洋電機時代、後にテスラ車などに搭載されることになるリチウムイオン電池の開発に携わってきました。2010年に三洋電機を退職後、「Amaz(アメイズ)技術コンサルテイング合同会社」を淡路島で立ち上げ、原材料から生産まで、電池の技術開発全般にわたる技術コンサルティングを手がけている電池のスペシャリストです。


雨堤徹(あまづつみ・とおる)さん
Amaz技術コンサルテイング合同会社代表

1982年に岡山大学修士課程修了(無機工業化学)後に三洋電機入社。2008年に大阪市立大学博士課程修了(基礎電気化学工学)。一貫して電池開発に携わる。米テスラ社の黎明期には三洋電機側の窓口としてリチウムイオン電池を供給する契約を締結。2010年に三洋電機退社後、Amaz技術コンサルテイング合同会社を創業。

雨堤さんに質問してみました!

今、EVに関するテーマでもっとも注目を集めている分野が、全固体電池でしょう。2017年に全固体電池の話題に火を着けたトヨタは、今年6月の技術方針の説明会でも全固体電池に言及。今年9月には、2020年の東京五輪で全固体電池を搭載した電動モビリティを提供することを明らかにしました。

こうしたトヨタの動きに反応する形で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が2018年~2022年に100億円を投入する開発プロジェクトを進めるなど、官民挙げての取り組みが進んでいます。

では、全固体電池の何がそんなにすごいのでしょうか。メディアでは、安全性が高まったりエネルギー密度が上がるなどと紹介されることもありますが、雨堤さんはどう見ているのでしょうか。

まずは素直に「全固体電池のどこが優れてるのか」と聞いてみました。即答で返ってきた答えは「優れているとは言い切れない」のひと言でした。

───全固体電池のどんなところが優れているんですか?
「優れているとは言い切れないです。何もいいところは説明されていないんです(笑)」
───え?
「みなさんが全固体電池が優れていると思うのは、トヨタがそう言ってるからですよね。トヨタとしては、全固体ができないと使い物になる電気自動車は作れませんよと言いたいのではないでしょうか。いわば、先延ばしのための言い訳とも感じてしまいます。なぜ全固体がいいのかという具体的な理由は、誰も説明していないんです。トヨタは自動車メーカとしては誰もが認める素晴らしい会社ですが、電池メーカーとして素晴らしい訳ではありません」
───軽くなるという話は。
「なんで軽くなるんですか?(笑)」
───エネルギー密度が上がるとか……。
「なんで上がるんですか? 上がる理由がないんですよ。エネルギー密度は、下がることはあっても上がることはないです。だって、固体の方が液体より比重が重いでしょ」
───つまり、電極などの原材料が同じなら何も変わらないということですか?
「そうですね。例えば全固体電解質になることで、今まで使えなかったエネルギー密度の高い正極や負極活物質を使えるようになる、だからエネルギー密度が増えるんですよという人がいれば、『なるほどな』と思うか、『え、違うんじゃないの』っていう判断ができると思うんですけど、そういう話は出ていない。電解質を液体から固体に変えただけでエネルギー密度が増えることなんか、絶対にありえないです。電解質は電気容量を支配できないんです」

2016年に開催された『全固体電池最前線』というセミナーでは、ノーベル賞を受賞した吉野彰氏とともに登壇。雨堤さんは今回の話と同じ主旨の問題提起をしたそうです。

30年前に花形だった全固体電池研究

いきなりの全否定に少しひきつりながらも、雨堤さんの話を聞いていくと、素人にも合点のいくポイントがいくつか出てきました。まず、全固体電池そのものは決して新しいものではないということです。雨堤さんは次のように話します。

「みんな、全固体電池は新しい技術だと思っていますが、実は30年くらい前、全固体電池の開発は電池技術者にとって花形研究だったんですよ。だから我々の年代の研究者だと、固体電解質は経験があるんです」

「小容量の全固体電池は昔からあります。例えばペースメーカーの電池がそうです。ペースメーカーは体に埋め込むので、何があっても液が漏れないようにする必要があったからです。それが30年前です」

また雨堤さんは、「全固体」という呼び名は少し奇妙だと感じています。

「全固体電池の研究は1990年代にソニーさん(現村田製作所)が出したポリマー電池(ゲル状の電解質を使用)がひとつのソリューションとなって、研究開発が縮小していきました。今、ベンチャー企業が発表している全固体電池は、半分以上がポリマーです。ポリマーは固体ではないんですかっていう話ですよね。ポリマーを全固体とするならすでに世の中に出回っていることになります。最近では京セラさんが発表した電池を、半固体と呼んでいます」

ソニーのリチウムイオンポリマー電池は、ゲル状の電解質を採用して液漏れを防止すると同時に、外装材に金属を使わず、小型軽量化につなげた製品でした。また京セラは、伊藤忠も出資している米ベンチャー企業「24M」が基本技術を持つ粘土状の電極材料を採用した製品を発表しています。24Mはこの電池を「半固体(semi solid)」と呼んでいます。

【関連リリース】
住宅用蓄電システム「Enerezza(エネレッツァ)」を製品化
24M Partner Kyocera to Validate Process for Mass Production

こうした事例を挙げながら、雨堤さんは次のように指摘します。

「私は、ソニーさんのポリマー電池を固体電池と呼んでもいいんじゃないかと思っています。〝全〟固体電池とは言っていませんが、液でも固体でもあまり変わらないということです。それから、ソニーさんは、ポリマー電池を作ってラミネート型にしたんです。当時は固体だからできる形状だということでした」

「でも今は、多くのラミネート電池はポリマーではなく液体の電解液が使われています。つまり、固体であることがメリットになっていないのです。固体にしたらこれが良くなるという明確な話が出てこない限り、固体にする必要はないと思います」

問題点を指摘する人が少ない

雨堤さんは、全固体電池の最大の課題について次のように話してくれました。

「量産化する上でいちばん問題なのは、固体と固体の接触面積をどうやって確保し、維持するかです。液状だから電極の接触面積を大きくできますが、形が決まっている固体電解質では難しい。それなのに、誰もそこにフォーカスしない。電解質の話ばかりで、接触のインターフェースの話はほとんど出ていません」

「ある東工大の先生は電解質の伝導率が高いと言ってますが、そんなの関係ないんです。電解質と正極、負極とでイオンのやりとりをしないといけない。そのためには接触面積をしっかり確保しないといけない。それがちゃんとできるかどうかが電池を実用化するための問題なんです。例えば、日立造船さんは、ものすごく高圧のプレスをして固体と固体の接触を改善しましょうという取り組みをしてますが、エネルギー密度など出ている数値は実用電池としてはまだ低い。それが実態だと思います」

今年6月、村田製作所は「業界最高水準の容量を持つ全固体電池」を開発したと発表しましたが、用途はウェアラブル機器などを想定していて、EVのような大容量、大出力のものではありません。雨堤さんは続けます。

「実験では、数ミクロンというすごく薄い電池を作っています。電解質を蒸着したようなものです。そのくらい薄くしないと性能が出ないんです。だから、容量の大きいものを量産する時にはどうするんですかって聞くと、数千層を積層しますって言うのですが、量産性を考えるとそんなのできるわけがないですし、逆にエネルギー密度は激減します」

「電池は、充電時には正・負極が膨張して、放電時に収縮します。電解質が固体だと膨張、収縮に十分追従できません。確かに実験室レベルでは全固体電池はできるので、ウソだとは言っていません。でも実用化のハードルはいっぱいあって、そこにメスが入れられず30年くらい前から悩んでいることが何も進んでないんです」

雨堤さんの愛車であるモデルSは、日本発売前にアメリカから個人輸入した希少な一台。

研究者がとられるのは問題が大きい

こうした話を聞いて思い出すのは、燃料電池のことです。

政府は2001年に「燃料電池実用化戦略研究会報告」をとりまとめて、2010年に累積5万台、2020年に約500万台の燃料電池車導入を期待するという目標を示していました。現状の保有台数は約3000台で、うち1000台は愛知県が占めています(2019年3月末時点)。課題は、燃料電池スタックの耐久性やインフラ整備で、20年近く経った今でもあまり変化はありません。

高い目標を掲げるのは悪くはないと思いますが、現実離れした数字は社会をミスリードすることになってしまうのではないかと危惧します。

雨堤さんは、関心と予算が集まっている全固体電池に研究者がとられてしまっていることが問題だと危惧しています。

「トヨタが独自に全固体電池をやるのはいいでしょう。でも周りを巻き込んで、貴重な技術者をとられるのは大きな問題だと思います。実際に日本の電池研究者がたくさん、全固体電池に流れています。毎年秋に開催される「電池討論会」(電気化学会主催)でも、全固体電池の話がとても増えていますね」

「全固体電池は安全だという話も出ていますが、今の液系リチウムイオン電池に大きな問題があるわけではありません。これで十分に成り立っているんです。それなのに、値段が高くて性能が落ちる全固体電池を誰が買うのでしょうか」

「トヨタとしては、次世代電池の解決策が出てこない中で同じことばかりはやっていられないので、いろんなことを探してくるのではないでしょうか。基礎研究としてリチウム空気電池をやったり全固体電池をやるのは重要なことだと思います。しかし、無責任に実用化が近い様なことを吹聴するのは、私から見ると、真摯な研究のあり方とは思えません。少ない研究者が全固体電池に振り回されて、実際に必要な、例えば正極材の新しい材料を開発するなどの研究が進んでいない。トヨタの発言は影響力が大きいので、もう少し現実的で実体のある取り組みにも注力してほしいですね。現状は、日本の電池研究の足を引っ張っているのではないかとさえ感じています」

辛辣な言葉で現状を語る雨堤さんの言葉を、ここではできる限り、そのまま紹介しています。

全固体電池に関しては、2018年に調査会社の富士経済(東京都中央区)がまとめたリポートに、2017年の21億円市場が2035年に2兆7877億円になるという試算が出るなど、日本国内の「熱」は上がりっぱなしです。

現在までに、トヨタの全固体電池の研究開発がどの程度まで進んでいるのか、詳細はわかっていません。来年あたり、雨堤さんもアッと驚くような成果が発表されるのであれば、それは素晴らしいことです。でも、電池研究に人生を捧げてきた雨堤さんの知見に照らせば、全固体電池に「EV用電池として明確なメリットはない」し、「量産実用化への壁はまだ何も解決されていない」のが現実であるということです。

夢を語るのもいいとは思いますが、地に足が付いた研究開発が大事なのは当然のこと。全固体電池が、ドタバタの「夏の夜の夢」にならないといいのですが、はたしてどうなっていくのでしょうか。

オフィスにあったモデルSのペダルカー。雨堤さんは、三洋電機(現在はパナソニック)がテスラに電池を供給することを決めた判断にも深く関わっていました。

(取材・文/木野 龍逸)

【追記】トヨタ自動車広報部からコメントをいただきました。

2020年になってからも、当記事にたくさんのコメントをいただいております。その中で「トヨタの見解も聞きたい」とのご意見があり、編集部としてもトヨタからご意見をいただけるのであればぜひご紹介したいと考え、広報部にお願いしたところ、以下のようにコメントをいただきましたのでご紹介します。トヨタ自動車広報部さま、ありがとうございました。
(2020.1.31/EVsmartブログ編集部)

【トヨタ自動車広報部コメント】

全固体電池に対するトヨタの考え方について回答させていただきます。

以前より申し上げているとおり、トヨタは電動車普及には、商品開発だけでなく、それを支える電池など要素技術の開発が重要と考えております。
リチウムイオン電池より高性能で安全な電池として、全固体電池、金属空気電池、ナトリウムイオン電池、マグネシウム電池(多価イオン電池)等の次世代電池の開発にトヨタグループとして取り組んでいます。
中でも、全固体電池はパッケージ小型化が可能で、次世代電池の中では、現時点で最も実用化(車載可能)に近いと考えています。
生産技術も含めて研究・開発に取り組んでおり、2020年代の前半の実用化を目指して開発を加速しているところです。

【関連記事】
全固体電池に関する基礎知識や最新情報などを紹介するまとめ記事を公開しました。合わせてご参照ください。

『全固体電池』が電気自動車普及の切り札?〜基礎知識から最新情報まで整理してみた

この記事のコメント(新着順)225件

  1. 経産省かた批判がとうとう出ましたねw

    ここでの意見そこものです
    出来もしてないものにすがりつき、
    今のシェアが激減

    経産省もこのページみてるのかな

  2. ミスリードという意味では欧州主導のカーボンニュートラルなんか最たるものなんだけど、みんなそれには反対しないの?自国の自動車産業が大打撃を受けるのが分かっていて政府は欧州に盲従してるんだけど。
    全固体を否定するのは勝手だけど、液系電池で電力貯蔵は危険が大きすぎますよ。世界でどれだけ火災事故が起きているのか知ってて言っているのかな。

    1. かんの様、コメントありがとうございます。カーボンニュートラルを否定している国はほとんどないですよね。パリ協定の批准国を見てみてください。
      https://en.m.wikipedia.org/wiki/Paris_Agreement
      195カ国です。

      また当記事は、全固体電池を否定するものではなく、そこまで夢の技術でもない、とお伝えするものです。

      火災について、よく誤解されていることですが、実は液系リチウムイオン電池を使用した電気自動車の火災リスクは、ガソリン車と同等かより低いと考えられています。
      https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/electric-vehicle-fire-risk/
      また、実際に火災のデータを国土交通省のDBで調べてみると、エンジンより12V系の火災の方が遥かに多いことが分かります。
      これらのことから、全固体電池による電池火災のリスクが減らせることはメリットですが、現時点である程度管理できている状況であり、結果として利用者にとって、メリットが少ないとも言えると思います。特に、コストが下げられる目処が立たないなら尚更ではないでしょうか?

  3. こちらのコメントは何度か拝見させていただいています。

    興味深いのは「トヨタの技術者が本当の所を知っている」、というようなコメントです。

    私はその点には懐疑的です。そこまでの全体像を持っている技術者がトヨタと言えどもどれだけいるでしょうか。

    全固体電池には様々な要素技術が使用されていますが、自分が担当している領域以外の事まで考えている技術者は少ないでしょう。

    ラボレベルではなく、大量生産、商業化のことまで考えている技術者も少ないでしょう。

    統括する立場の人は全体像を考えていると思いますが、そのレベルまで行くと抽象度が高過ぎて、足元の技術課題を具体的にどう解決するかの構想を逆に持てていないと思います。

    この雨堤さんの記事に書かれている全固体電池の欠点について、冷静に反論できるトヨタの全固体電池の技術者が果たしてどれだけいるでしょうか。

    もちろん、ブレイクスルーが起こる可能性はあり、それは否定しません。
    ただ、本来のオリンピックイヤーから1年が経過した2021年において、それなりに近い分野からこの全固体電池の技術動向を眺めている限りでは分が悪い賭けだなと思っています。

  4. とりあえず、リチウムイオン電池で進み、全固体電池の夢を見よう より:

    2021年になってもなお、このページに対するコメントが盛んに交わされているということは、蓄電池に関する情報がこのページ以上のものが無く、しかも全固体電池含めた蓄電池に関してブレイクスルーとなることがまだ起きていないが、相変わらず期待度だけは高まる一方ということだと思います。

    全固体電池については界面の改良方法などが今年になって提示されるなど、まだまだ進化は続けているようですが、温度制御に難ありで未だに実験室段階です。

    2021年になり、自動車のEV化だけでなく、あらゆる利用エネルギーのカーボンフリー化が待ったなしとなってきています。
    コンパクトで軽量・大容量の蓄電池により、太陽光など手近なエネルギーも駆使しても、トータルで安定的なエネルギーを得られるものと期待しています。
    水素のエネルギーを得るためにどこかでCO,CO2ガスを出さないようにしてる?
    それとも核融合炉からエネルギーを得る?
    世間はそんなことなんてお構いなし、ということ?
    世界のメーカーはリチウムイオン電池を基本として、まずはEV化を社会にもたらすことを優先したのではないのでしょうか?
    いろいろ問題はあるものの現状実用的なリチウムイオン電池車を街中で走らせて、
    EVが主流となっていくんだよいう世の中の雰囲気を作り上げていき、
    その間に本来の蓄電池の開発を進めて、そのEVを登場させる流れを想像しています。

    2020年はコロナ禍の困難な中ですが、新しい蓄電池が実用化された時にはまたこのページを訪れたいと思います。

    一つ懸念点としては、かつて常温核融合に関してフィーバーがありましたが、あのようなことにならないように、とマスコミはエネルギー問題に対してやや慎重な面を見せていることです。したがって、トヨタの発表を良しとする流れを生んでいるのではと懸念します。

  5. >hddまま性能を上げていけば良い、ssd開発にはほとんど力を注ぐ必要はないという的外れなことを言っているように感じます。


    申し訳ありませんが、Hddはhard disk drive, ssdがsolid disk driveの事でしたら
    意味が良く分かりません。
    Hddは磁性体の密度を上げることで容量を拡大してきたが、ssdは半導体メモリであり、半導体メーカーは、hddの高性能化、置き換えを図るため不揮発性メモリの開発をしてきたわけではなく、pcや携帯電話に開発してきました。近年になり容量が十分に大きくなってSSDにも利用出来たと言う事です。SSDは半導体メーカーがpc用に作った大容量半導体メモリを並べて作っただけで殆ど開発に力を注いでいません。
    似たような研究開発を大人数がやるのではなく、色んな事を幅広くやることで、その中から新しい発見がありブレークスルーが起こるような気がします。

  6. バッテリーの未来を示す記事がないかと、「バッテリー 小型 大容量」で検索してたどり着きました。記事の内容はとても興味深いものでした。それ以上に掲載してから1年以上経過するにもかかわらず、多くの方がコメントしていることです。このような記事に遭遇することは初めてのことです。

    現在、空飛ぶクルマやE-Planeがトレンドになってきています。それらはまだまだ、初めてのお使いに行けるかどうかの幼児のレベルと思っています。ネックになっているのがバッテリーの重量です。推力を発生させる仕組みとのバランスもありますが、バッテリーの重量がペイロードを大きく制約しています。技術的な解決手段にはこだわりませんが、現在のリチウムバッテリーと同出力でバッテリー重量が半分以下になれば中学生レベルになると考えています。ニーズがあれば技術は追従すると考えますので、技術者の皆様に期待しています。

  7. 中国のNIOが先日、2022年に全個体電池搭載車両を販売すると発表しましたが、これについてはどう捉えれば良いのでしょうか?

  8. リチウムイオン電池は中身を密に詰めることによって重量に対する電池容量を増やしてきましたが,これでは電池の発火の危険性を高めてしまいます。よって、エネルギー密度と安全性の両立を果たしうる全固体電池が必要と聞きました。
    これでなぜ全固体電池が必要ないのでしょうか?hddまま性能を上げていけば良い、ssd開発にはほとんど力を注ぐ必要はないという的外れなことを言っているように感じます。

    明らかにガソリン車と比べてスペックも低くそれを誤魔化すためにバッテリーをたくさん積んで重くするとシャシーが高くつくという八方塞がりなEVの状況を打開するために、私は全固体電池に賭ける価値があると考えます。

    1. yoshigon さま、コメントありがとうございます。
      編集部の寄本と申します。

      インタビュー、および記事の主旨として、全固体電池の開発が必要ないということではありません。
      エネルギー密度向上や小型化(省スペース性能)は、まだ実験室レベルの可能性に過ぎず、今日明日にも実用化できることを裏付ける発表はなされていないこと。
      また、全固体電池にリソースが偏って、今まさに世界で進展しているリチウムイオン電池の電気自動車開発が置き去りにされているのではないかという懸念を提言しています。

    2. また、全固体電池にリソースが偏って、今まさに世界で進展しているリチウムイオン電池の電気自動車開発が置き去りにされているのではないかという懸念を提言しています。
      これはガソリン車に対し明らかな欠点をもつ現状のリチウムイオン電池に対し大きく開発コストをかければ欠点を持ったままでも十分にペイできる車が作れるということでしょうか?

      私はそうは思いません。自動運転によりコストをかけるなどであれば理解できますが。現状のリチウムイオン電池に多大な開発コストをかけてもその分の利益が得られるとは思いません。

    3. >hddまま性能を上げていけば良い、ssd開発にはほとんど力を注ぐ必要はないという的外れなことを言っているように感じます。
      そのSSDも実は1991年に製品化されましたが、実際に一般向けで普及しだしたのは2010年前後と十数年から20年以上経ってからなんですよね。
      もしSSDを例に挙げるなら、全固体電池を製品化しても一般向けで普及するまでには数年から十数年かかるとかそちらのほうがまだ話が理解できます。
      現状の(あるいは数年前の)SSDと全固体電池では開発度も完成度も実用性もはるかに乖離しています。言うまでもなく、全固体電池はまだ開発段階で完成度は低く、量産化すらされていませんから。

      >現状のリチウムイオン電池に多大な開発コストをかけてもその分の利益が得られるとは思いません。
      私としてはなぜ全固体電池にリソースをたくさん割いたほうがいいのか?逆になぜリチウムイオンバッテリーに割くべきでないのか?その理由がまったく見えてきません。
      “トヨタの謡うすばらしい全固体電池”は、なぜそうなるのか具体的な説明がなされていない部分が多くあります。対してリチウムイオンバッテリーは放電容量あたりの価格は下がり、体積あたりの放電容量は増える傾向にあります。

      このような状態で製品化できるかわからない全固体電池にリソースを割くよりも、製品化しているリチウムイオンバッテリーにリソースを割くのは至って正常な判断だと思います。

    4. >あああさん

      ペイできるような車が作れるのかが問題です。製品化していようとしてまいとある程度の性能がないとペイできる車になりません。発展途上国が少ない人件費で作るならまだしも、日本では現状のリチウムイオンバッテリーでペイできるような車が作れると思いません。

      だから、トヨタは全固体がないと無理だと考えているのでしょう。生産してみないとわからないこともあるので赤字で売る必要が出てくるかもしれません。そのうえ現状のリチウムイオンバッテリーに開発費を割いては赤字の期間を増やすだけになるのではないでしょうか?

      研究者として自分の研究を進めたいという気持ちはわかりますが、民間企業が行う以上結局お金になるかならないかでしょう。

    5. hdd,ssdという例えは内燃機関、液体リチウムイオン電池、全固体電池の内燃機関を示すものがないのでよい例えではなかったですね。紛らわしくなってすみません。

    6. こんにちわyoshigonさん

      >発展途上国が少ない人件費で作るならまだしも、日本では現状のリチウムイオンバッテリーでペイできるような車が作れると思いません。

      仮に人件費の安さで決まるようなら、他国が全固体電池の量産化に成功した時点で、遅かれ早かれ日本は間違いなくペイできるEVを作れなくなります。例外的に全固体電池がものすごく安ければ話は変わりますが。

      >現状のリチウムイオンバッテリーに開発費を割いては赤字の期間を増やすだけになるのではないでしょうか?

      もし開発に失敗すれば時間と資金と人材が無駄になります。もちろん、リチウムイオンバッテリーにも同じことは言えますが、全固体電池の場合、開発度合が分からない為、そのリスクは大きいと言えます。なのでトヨタ自身が投資する理由はあっても、周りもそれに乗って全固体電池に集中して投資するのはリスクが大きいと思います。

    7. 全固体電池の場合特許を抑えることで価格競争を(一時的に)逃れられるので現状のリチウムイオン電池とは異なります。
      しかし、実際問題中国などで全固体電池が量産化されると厳しいと思います。それまでにサービス会社になれればいいですが一寸先は闇ですね。

      あああさんはトヨタが全固体に賭けることには賛成ということでしょうか?

      他の企業が全固体に全賭けする意味があるかという観点では、特定の企業以外はあまり意味がないと思います。トヨタはそもそも車に必要だからであって車載以外の電池に全固体が相応しいかは言及していません。

    8. >あああさんはトヨタが全固体に賭けることには賛成ということでしょうか?
      その点に関しては賛成も反対もありません。だって、私はトヨタがどれくらい全固体電池の開発が進んでいて、どの程度目処が立っているかわからないのですから。なのでこの判断をできるのはトヨタとその社員だけだと思います。

      ただ、何度も言っているようにトヨタのやり方を見て「これからは全固体電池だ」と周りもそれに乗っかってトヨタの全固体電池やほかの全固体電池に大量に投資してリチウムイオンバッテリーをなおざりにして問題ないのだろうか?という話です。

    9. >>>あああさん

      >その点に関しては賛成も反対もありません。だって、私はトヨタがどれくらい全固体電池の開発が進んでいて、どの程度目処が立っているかわからないのですから。なのでこの判断をできるのはトヨタとその社員だけだと思います。

      この意見には賛同しませんが、これは他の企業においても現状のリチウムイオン電池を開発すべきか全固体電池を開発すべきかあなたは答えられないということになりませんか?

      私の意見は
      全固体電池がなければ日本にとってペイできる電気自動車は難しい故に日本の自動車業界、車載電池業界は開発を急がざる得ない。ただし、トヨタは排ガス規制において優位なので今EVを出す必要性がないのに対し、他の自動車メーカーはEVを出さざるえないのでその車のための現状のリチウムイオン電池の開発をどの程度するかについて悩む必要があるといったところです。その上、EVがペイできる状態まで研究開発し続けることができる企業がそもそもどの程度あるのかという問題もあります。

      こういう意図で私はこの記事の意見に反対であり、現状の開発費の掛け方に賛成しています。

    10. >これは他の企業においても現状のリチウムイオン電池を開発すべきか全固体電池を開発すべきかあなたは答えられないということになりませんか?
      言わんとするところは理解できますがそれを言ってしまうと、では誰が絶対の根拠を持ってどちらかを開発すべきだと言えるんですかね?誰も言えませんよ。メーカーの主張が事実とは限りませんし。さらに言えば実際売ってみるまでわからないところもあると思いますし。

      身も蓋もないことを言えば、みんなひたすら自分が信じて作っている物がいつか完成して売れると言い張るしかないですから。そしてみんな自分の立場や考えでどれがいいかと言ってるにすぎませんよ。
      しかし、同時に誰もが全く根拠や考えもなく好き勝手に言っているわけでもありません。
      上記の内容は記事の内容とはあまり関係がないので僕はここまでにしておきます。

      >私の意見は~
      この部分については平行線をたどるだけなのでコメントを控えさせていただきます。

    11. 追記です。
      yoshigonさんは
      >あああさんはトヨタが全固体に賭けることには賛成ということでしょうか?
      とおっしゃいました。「トヨタが」全固体電池に賭けるかどうかに関しては僕よりもより情報を持っているトヨタ内の人間のほうがより正しい判断ができると思い、僕が判断するところではないと返信させていただきました。

    12. >>>あああさん
      >このような状態で製品化できるかわからない全固体電池にリソースを割くよりも、製品化しているリチウムイオンバッテリーにリソースを割くのは至って正常な判断だと思います。

      あああさんのこの発言からトヨタの全固体電池に全リソースを割り振る姿勢を批判しているのかと判断していましたが、今開発している企業の話ではなく国や投資家達への批判だったのですね。それならば内情はその企業しか分からないのだから論ずることが出来ないと言うのも理解できます。
      私が一貫して開発企業主体で話していたのに対し、あなたは一貫して投資主体で話していたのですね。そりゃ話が合わないわけです。

      投資者から見た観点についてはあなたの意見にほぼほぼ賛同です。
      長い間相手していただきありがとうございました。投資者の観点から考えることを含め色々と理解が深まりました。

  9. 昔 iphone6Sのバッテリーを交換してもらっている時に
    発火大炎上しました。
    エンジニアも慣れたものですぐに消火しましたが
    最近でも、
    Hyundaiの電気自動車で発火して炎上
    77000台以上がリコールとなりましたが
    サムスンの携帯電話といい
    今のリチウムイオン電池の安全が確立されているとは
    雨堤さんの話はポジショントークにしか聞こえません。
    本当に雨堤さんの見解が正しいのでしょうか?
    他の、研究者の意見は聞かないのでしょうか?

    1. こぶ 様、コメントありがとうございます。
      安全性が担保されていないスマホを、地球上で何億人もが枕元に置いて寝ています。
      センセーショナルな記事や、それを煽るメディアは参考になさらず、ご自身の目で、疑いを持って、一つ一つ検証されてみてください。火災データは各国が公開しています(日本も)。それらはいくらでも調べられますし、当サイトでも、電気自動車の安全性についていくつか記事をご紹介しています。ご自身で、ご判断ください。
      https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/electric-vehicle-fire-risk/

  10. 自動車用リチウム電池はこっそり普及された電極材でのリン酸鉄実用化がブレークスルーだった様子かも。

    トヨタでもホンダでも「HV」は20年前の新技術、もう枯れて捨てて良い時期。
    世の中、普通はそう。

    電子機器なら、映像記録がテープからメモリ、それがスマホ内蔵に変わるのはあっという間でした。メカ制御やさんと下請けさんは大量転業が当たり前。国策の工場海外展開(=円高移転、地方閉鎖)も楽だし。これからビジネスお金を産み出さない見込みなら今即座に廃棄転業させるのが最善策。生き残る才能があれば自分で新環境下で新規技術切り開いて食っていってくれます。

    TOYOTAはテスラになる資金も技術も経験もあったけど?役員の頭が旧かったのかも?足引っ張る輩が社内外と政府に山のようにいたのかな?典型的な判断できずに迷ってズルズル。

    固体電池も研究レベルなら別に、ブレークスルーの見通し立つまで数人規模で大いにやってて良いですけど。

    燃料電池車に足を取られずいぶん遠回りしましたね。
    実用化に向けての開発段階(=3年でビジネスがコミットメント)を果たせず居座って5年も10年もやってれば会社潰れる。水素もガソリンより安価なビジネスレベルの発生装置や貯蔵施設、どこでしょう?

    1. イーグルさん、僕の思ってたことと概ね一致してますー。
      全固体電池も技術革新して目処が立つまでは10名程度で10年かけて開発してるんやったら判らんでもないです。ただうまくいくかどうかまでは保証できまへんけど。
      それに製品化して爆発的に普及できるかどうかはイノベーター理論のキャズム(崖)を越えられるかどうか。昔で言えばベルリンの壁を壊すんと同じですわ。
      人々が買いたい、損得勘定で明らかに「トク」と判れば買いますんで…そのたれめにはアーリーアダプター(初期導入者)が積極的に良さを情報発信せーへんとアカン。アーリーマジョリティー(ブリッジピープルともいう)を動かすには我々アーリーアダプターが動かなアカンー思いまへんか!?そのひとつがこのEVsmartブログであり、YouTubeであり、Twittwr/Facebook/InstagramなどのSNSであったり。
      「判り始めたMyRevolition~明日を乱すことさ/明日を変えることさ」渡辺美里の歌にもあるように、人々を分かり始めさせることが我々アーリーアダプターの役目なのさ!

    2. 自動運転は1980年から研究してますがまだまだハンドルが無くなる気配はありませんね〜。大手こそ30年、50年先の技術開発をしてほしいものです。
      100年先の基礎研究は流石に国のお金で大学が研究しといてほしいですが。

  11. 自動車メーカーは平常時の性能以外に、事故で電池が潰れた場合の安全性やマイナス数十度の環境や50度以上の高温時の性能、急激な温度変化などの耐久性を求めているような気がします。電解液方式と全個体方式では差があるのでは?

  12. 村田製作所で全個体電池の量産開始するみたいですね
    まずはほんとに小さなものから作るようです
    スマホに普及して、車にはそれから、ですかね

  13. 「再エネ用蓄電池の本命か? リチウム電池を超える新型鉛電池が量産実用化へ」
    https://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/2006/17/news047.html
    用途は電力系統向けの定置用蓄電池ということで、自動車用ではありませんが、これはブレークスルーに値する情報でしょうか。

    コストはリチウム電池の半分、耐用年数は15年と謳っています。

    既存送電線網に頼らなくても自立できる蓄電池が開発されれば地球環境の観点から大きなインパクトが期待できます。
    専門家の皆さんの目から見るとこの情報はどんなものですか。

    1. kaobal様、コメントありがとうございます!結局は定置型はコストと特性(ハイスピードに、要求に応じられるか)で決まると思うんですよね。そういう意味で鉛蓄電池はコストは安いことは分かっていると思うので、あとは性能だと思います。コストの情報が出てくれば、比較することも可能かと。。

  14. こんなに長く議論が続いていることに驚きです。ありがとうございます。
    皆さんの関心がそれだけ高いということだと思います。色々と議論することは大切であると思います。私自身は新しいことが好きですし、チャレンジも好きです。でなければEVに関心を持つこともないでしょう。現状のリチウムイオン電池がベストであるとも全く考えておりません。ただし、新しいことが全て正しい訳でもバラ色である訳でもありません。新しいことにチャレンジすると大抵は壁にぶつかります。失敗もします。その事実や現実を分析して解決の糸口を探っていく訳です。
    私の意図したのは現状の蓄電池には多くの課題があることを認識した上で、その解を固体電池に決めつけてもいいのかという問題提起です。固体電池も現段階ではOne of Solutionです。完成度が高いのであれば、それに集中することは好ましいことだと思いますが、未知数の場合は他の解も含めた開発の取り組みが必要であるということを言いたかったのです。
    私自身もエネルギー密度の向上や安全性の向上、コストダウンということについて、私なりにやれる範囲で今でも開発を続けております。ただの引退したご隠居さんではございません。

  15. 丁寧に対応いただき感謝です。
    私は全くの素人ですが、地球環境の問題を考えると答えは再生可能エネルギーしかないと確信しています。
    そしてそのカギは蓄電池にあると睨んでいます。
    今後も質問させていただくことがあるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
    ありがとうございました。

    1. kaobalさん、こんにちは。
      アイミーブMに乗る電気技術者(電気工事士+電気主任技術者)ですがやはり今後の再生可能エネルギー活用を考え、さらに送配電の電力ロスや災害停電まで考えると蓄電技術は必要不可欠やと僕も思います。
      そのためには最低でも10年で劣化する電池じゃダメやということ。リチウムイオン蓄電池もまだまだ難点がありすべてクリアするモノは出てまへん…エネルギー密度さえ我慢すればほぼパーフェクトなんは東芝SCiBしかおまへんが。
      さらに大型の太陽光発電所(メガソーラー)も多くが直流400V前後の電圧。現行のいちいち交流へ変換してまた直流に変換するややこしいシステムにせずDC400Vのままいきなり充電できるようにすれば二割ほど効率が改善するとか。せやったら会社の社員駐車場にソーラー発電所作って会社の営業車や社員の通勤車を電気自動車にしてV2H経由で電力バックアップにも使えばエエなと思いまへんか!?お金はかかっても万全のシステムは構築しやすいですわホンマ。
      当然政府もそれなりの補助を出し、それで京都議定書のCO2削減を前倒しすれば万々歳やないですか?

    2. ヒラタツさん及び編集部の皆さん
      自家消費型ソーラーカーポートだそうです。https://www.symenergy.co.jp/news/20200928-5217.html
      パワコンレスなのかどうかはこの記事だけではよくわかりませんが、初期投資0で設置可能との事。
      取材候補に入れて下さい。

    3. メーオはん情報提供おおきに!!こういう製品のリリース、センスエエですやん。
      …ただ理科系人間として大きな不満、製品の発電スペックが書かれてまへん!!(T_T) 書いてあるんは設置事例に面積が4台分・パネル最大発電量10.35kWだけ…これから先は電気技術者で無いと判れへんで!!(爆)
      無い知恵絞ってパワコン経由の出力を想定、効率90%なら9kWになりますー。
      あとは電気事業法との絡みですが…50kW未満は一般用電気工作物だから自家用で必須の電気主任技術者は選任不要、など。
      仮にソーラーカーポートに蓄電池を付けるとすると今度は消防法の絡みで17.76kWh(4800Ah*3.7V)未満かつ他の建物から3m以上離さねばならない…制約だらけですやん!!(金属箱[認定キュービクル]に収めれば幾分緩和されますが)
      リリースは夢のあるようなこと書いてはりますが、現場技術者は可否の判断を丸投げで聞かれるからツッコミ入れへんとあきまへんでー!!文系のイメージ戦略には正直うんざり…それが理系人間の抱える大きな不満ですー!!(爆)
      あと企業にとって価格は重要、いくら環境負荷が低くても設置費高けりゃISO14001登録企業以外にゃ無視されますでー。[その昔、完全無欠のロックンローラーが「あたいら女に無視されてー」って突っ込まれたように]
      そう思うとオープン価格も不安材料の一つですー。

      それら問題をクリアして、さて一日で何kWh充電できるか?…それもシステム選択で随分変わりますねん。当家3.5kWソーラーの一日最大20kWhを適用すると4台分で約60kWh…ただ残量の違いもあり当然均等に充電できるとは限らへんから充電器側で電力量も管理せなあきまへんし。社員用なら無問題としても駅前駐車場やったら蓄電管理で料金設定してへんと不公平でクレームつきまっせー。
      以上、理工系EV乗りの取り越し苦労話ですー。ホンマ公平を考えるんは疲れるわーでもそうやないと折角のシステムが末永ぅ使うてもろへんから。
      ※電気自動車への誤解を解くには相当の理系リテラシーが必要。そのリテラシーも普段から自己鍛錬せーへんとアカン、これ僕のモットーですー

    1. kaobal様、コメントありがとうございます。記事が読めないので、、すみません、著作権に配慮しつつサマリーいただくか、別の読めるリリースをコメントいただければと思います。

    2. kaobal様、拝見しました。全文引用は著作権侵害となりますので、掲載はできませんが、あれで全文でしたら、今までに発見されている事実より新しいことは書かれていないと思います。
      LED電球程度の電池を作ることは今までも可能で、小さい全固体電池はTDKなどから、すでに市販されています。
      https://www.jp.tdk.com/tech-mag/front_line/002

  16. 電池の貴重な情報展開、
    ありがとうございます。

    全固体電池は課題が
    ありそうですが、
    全樹脂電池というものが
    量産化準備されているという
    ニュースを読みました。

    こちらも、何か課題は
    残っているのでしょうか?
    EVへの耐久性は、その一つ
    かと思いますが。

  17. 安川氏の丁寧な煽りに関心しています。

    全固体電池の問題点は下記のとおり(雨堤氏の指摘)
    ・活物質と固体電解質の界面形成
    ・充放電に伴う活物質の体積変化により剥離等の界面損傷が起こる
    ・界面損傷に対する修復手段が無い(液は入れ替わりが可能)
    ・現状、薄膜電極でないと電流値を大きくできない(レート特性が悪い)
    ・薄膜だと電極全体に対する金属箔の重量・体積比率が高く、エネルギー密度が低い
    ・薄膜電極は(塗工できたとして)塗工時間が長い
    ・積層枚数が多く、積層に時間がかかる(セパレータを挟む必要が無いことは有利)
    ・硫化物は硫化水素発生の危険性がある

    決して液系リチウムイオン蓄電池に問題が無いわけではなく、その問題を固体電解質が解決するのも事実ですが、上記のように全固体電池は突破すべき項目が多く、「すぐ実用化」の報道等には疑問符が付きます。
    全固体電池の報道等では急速充放電に言及しているものも多く、「何分で充電可能」と言って何Cでの容量がどうの、と書かれていますが、液系でも薄膜電極なら大電流を流せます。プレスリリース等はセンセーショナルな報道をして目を引く必要があることはわかるのですが、単位面積にどれくらいの活物質を乗せているかを書かずに「急速充電可能」と謳うのは(研究者として)真摯な態度とは言えないと思います。
    情報を発信する側の恣意的なものを見抜く力、行間を読む力、情報の非対称性を認識する力が、受け手側に必要になっているのかもしれません。特に情報を発信する側が有名大学、大企業であればあるほど、盲目的に信じてしまうことが多いと思います。

    1. 煽り、というコメントがすべてを表してると思いますけどね。
      他人に詳細なデータを要求する割に、自分の証拠は雨堤氏が言ってるから
      という権威論証になってるわけで

      >特に情報を発信する側が有名大学、大企業であればあるほど、盲目的に信じてしまうことが多いと思います。

      だからそれは雨堤氏のいうことだからと言っているほうにも言うべきでは?

    2. ando様、コメントありがとうございます。
      他の方の利益になることを念頭に置いた上でのご発言をお願いします。

  18. 全固体で容量が上がるのはセパレータが不要になるから
    界面の話だって、液体電解質では溶媒配位子を纏ったイオンが電極活物質内のパスにねじ込まれる際の表面破壊を、イオン単独で伝導する固体なら防げるのではというアプローチだし
    液体電解質の析出、分解による劣化も固体の方が安定で長寿命になるだろうという目論見がある

    全固体電池研究で注目されている部分に全く言及していないのは、この人が今の研究についていけないからなのか、知ってて隠しているのか

    ともかく意見の偏りが目につくばかり

    1. 某大学修士 様、コメントありがとうございます!

      >全固体で容量が上がるのはセパレータが不要

      なるほど、そうなんですね。しかしセパレータは薄いフィルム状のものだと認識しており、体積も重量もそれほど大きいものではないように思います。それであれば、リチウムイオン電池に対し、容積密度や重量密度での貢献度はあまり高くないのではないでしょうか?実際、すでに実験レベルの電池でも、現行のリチウムイオン電池を上回った密度を持つ全固体電池は出てきていないと思います。

      その他、ご指摘いただいた事項も衆知と思いますが、恐らくインタビューさせていただいた雨堤氏はご存知ではないかと思います。
      逆に、全固体電池のほうが優れているなら、当サイトに(データを伴って)反論を書き込めるのではないかなとも思います。。

    2. EV用途では大量のセルを直列につなげる関係でセパレーターの数も膨大になるため、影響は大きいと言われています
      体積ベースで半分近くまで減らせるだろうというのがコンセンサスのようです

      菅野先生の仕事を意味がないと仰っていますが、これは順序が逆でしょう
      いくら界面が良くても単体で伝導性が低ければ実用になりませんから
      超イオン伝導体開発後、菅野先生のグループはトヨタと現行電池よりも本質的に数倍出力の高い電池を作っていますしね
      またインタビュー日よりも昔に蓄電池界面の新学術領域が文科省に採択されてますし、界面の研究がされていないというのは言い過ぎです

      個人的には液体のメリットはもはや界面以外になく、固体界面の問題を一番先に解決した企業が世界をリードする企業になるので、トヨタが全固体に急速に力を入れているのは至極真っ当な方向だと思います

    3. イワタ様、コメントありがとうございます!体積ベースで半分ですか!それは大きいですね。
      今のプロトタイプがなぜ、本来行ける体積の2倍以上になってしまっているのか、よろしければ教えてください。全固体電池の成功には、性能面でのキャッチアップに加え、量産コストの低減も必要ですので、現時点で密度が半分程度であるなら、実用化はかなり遠いのではないかと感じました。

  19. 皆さんは生産面や利用面での議論をされていますが、廃棄面での問題提起を。
    廃棄物処理の現場では、不燃ごみ(金属ごみ)に紛れて排出されたリチウムイオン電池の発火事故に悩まされています。きちんと分別をしない市民に問題が有るのは確かですが、リチウムイオン電池の不安定性にも問題が有ろうと思います。その部分を解決出来ないと、リチウムイオン電池が普及すれば普及するほど、廃棄物処理の現場が混乱すると思います。

    1. 鬼饅頭様、コメントありがとうございます。
      リチウムイオン電池などを通常のゴミに混ぜてしまう人がいるのですね。それは判別が難しいから大変に感じます。一個一個RFIDを付けるくらいしか対策が思い浮かびません。
      自動車用は一個500kg以上ありますので、まず不燃ゴミには入らないと思いますが、携帯電話やコードレス掃除機、電動歯ブラシや電動のシェーバーなどは、気をつけないといけないですね。

    2. 他でも書いた気がしますがリチウムイオンバッテリーは現状スマホなどで使われている小型のものが多く回収量が少ないために採算が±0ぐらいらしいです。
      逆に電気自動車の場合回収量が多くなり採算が取れるため、むしろ不法投棄する理由がないと思います。

  20. トヨタにとって困るのは、100万円〜200万円台の低価格EVが出現することです。もしそれらのEVに、同価格帯のガソリン車に対抗できる商品力があったら、プリウスやアクア、グループ会社の軽自動車が売れなくなってしまいます。アクアやプリウスで利益が出ているのに、なぜそれに対抗するEVを開発をしなければならないのでしょうか。もしそれをトヨタが開発・製造すれば、アクア・プリウスを捨てなければなりません。ハイブリッドも同様です。それだけでなく、これまで築いてきたサプラーチェーンを失うでしょう。また、多くの従業員の首を切ることになるかもしれません。トヨタがリスクを背負ってそんなことをするでしょうか。
    トヨタにとってテスラのような高級EVは怖くはありません。怖いのは低価格EVです。ただ、EVの時代なのにトヨタは何もしないのかと言われているので、全固体電池や超小型電気自動車でお茶を濁しているだけです。おそらく、トヨタが全力を注げば、低価格EVを作れると思います。しかし、実際にはそういうことはしないでしょう。もしEVの時代が来るなら、それを担うのはベンチャーだと思います。

  21. 全固体電池は、EVの価格を安くする技術ですか?性能がよくなるという話は聞きますが(そのために開発しているのでしょうが)、安くなるという話は聞きませんね。おそらく、テスラのような高級車の購入オプションにリチウムイオン電池のほかに全固体電池という項目があり、プラス100万円ということではないでしょうか。低価格EVには関係のない話のような感じがします。
    今よりもよくしたいという願望はまっとうな考えです。そのために価格をないがしろにするのは間違いです。現状では、EVには高級車を除いて価格競争力がありません。低価格EVの市場はぽっかりと空いた状態です。優先すべきは価格低下ではないでしょうか。そこに資金や人材を投入してほしいです。

  22. トヨタもホンダもEVが自社のメインストリームになってしまったら、数多くの従業員やディーラー網が武器から重しに変わってしまうことを知ってるから躊躇してるんだと思います。
    ただEVを作るか作らないかという単純な話じゃなく、日本の雇用の屋台骨を支えてる自動車産業にディスラプションを引き起こすなんて、創業者ならまだしも雇われ社長に決断できるわけがありません。
    でも私はこの消極的な姿勢が、後にiphone登場以後の携帯電話メーカーと全く同じ轍を踏むことになると確信しています。

  23. 少し感情的な投稿をしてしまいました。
    申し訳ない。
    ただトヨタ関係者はその輝かしいステータスゆえ周囲から羨望と同時に妬みを受けることが非常に多いものです。
    トヨタが組織的にウソをついて世のEV化を遅らせているという主張にはそういったバックグラウンドも関係しているのではないでしょうか?
    どちらにせよ開発情報はトップシークレットであるため、2020年代前半に製品として世に出るまでは「信じる」「信じない」の水掛論ですね。
    いまは大人しく待ちます。

  24. なんで全固体電池のスペックには重量当たりの数字が出てこないの?

  25. トヨタはすでに小型EVのコムスで実験走行に成功し2020年中には実際の製品に搭載すると発表があった。
    ここで難題にあげられている接触問題も、(日本の)液体のりを混ぜるコーティング技術で解決できたとある。これにより電解質の層を大幅に薄くすることができ、角形のセルのプロトタイプを完成させている。
    さらに当初の開発目標値である、体積エネルギー密度400Wh/L、出力密度2.5kW/Lを超える性能を達成した。
    ここまでスケジュール通り。順調にブレイクスルーを捕えてきている。

    なぜトヨタほどの超一流企業がうそや願望に社運を掛けると思うのか?
    逆にこの記事の御仁は10年後には確実に引退しているだろうし、自分の言葉に責任がない。
    部外者には内部でどこまで開発が進んでいるか知りようもないが、どちらのほうが信憑性があるかと聞いたら、まあ良識のある99%の人は決まっているだろう。

    いまの最新技術開発は世界トップの一流企業、一流大学関係者でなければ関与すら不可能だ。固体電解質の解明にはスパコンすら動員している。
    昔のように地方で少し齧った程度の技術者があれこれ論じる段階は終わったことを理解していただきたい。

    1. 武蔵巨杉様、コメントありがとうございます!

      >トヨタはすでに小型EVのコムスで実験走行に成功し2020年中には実際の製品に搭載すると発表

      おっしゃる通りですね。ただし、全固体電池は小型のものはすでに実用化され市販されています。課題なのは大型電池ということ。コムスは確かに小型ではありますが、軽自動車より小さい超小型車ですよね。

      >当初の開発目標値である、体積エネルギー密度400Wh/L、出力密度2.5kW/Lを超える性能を達成

      はい、当記事ではあまり性能については議論していませんが、リチウムイオン電池は現時点の「量産」ベースで
      https://www.reddit.com/r/teslamotors/comments/65pt0k/tesla_2170_battery_cell_specifications_calculated/
      322.3Wh/kg
      877.5Wh/l
      このセルは24.25mm3、このセルを4416個、96S46P構成で搭載したテスラモデル3パフォーマンスは340kWのピーク出力とされていますので、出力は一個あたり77Wですから出力密度は
      3.18kW/l

      比較してみましょう。
                体積密度 出力密度
      全固体試作     400  2.5
      リチウムイオン量産 877  3.1

      現時点で試作段階ということで、スケジュール通りではありますし、ブレイクスルーは達成しているのは当然ですが、まだ量産レベルのリチウムイオン電池に基本的な性能面で追いついていないのも事実です。しかも、これから量産するには大規模工場が必要であり、それにトヨタもパートナーであるパナソニックも着工していない(用地獲得のプレスリリースもない)状況であれば、量産開始は少なくとも2-3年は先になると考えてよいと思います。

      >なぜトヨタほどの超一流企業がうそや願望に社運を掛けると思うのか?

      なぜでしょうね?まだ電気自動車に乗り換えて欲しくないから、という見方をされる方もいます。今電気自動車が普及し始めていますが、これにより、例えば多段トランスミッション、燃料系部品、排気系部品、油脂類の大部分は不要になります。ブレーキパッドは新車装着分だけで充分になり需要が減少。さらに故障が減るためサービスの売り上げに依存していた自動車販売店(利益の半分はサービス部門です)網を維持することが難しくなります。これらの変化に対応するためには、サプライヤーを整理し、販売店数を減らして効率化を図らなければなりません。

      >昔のように地方で少し齧った程度の技術者があれこれ論じる

      当社としてはインタビューさせていただいた技術者の方に対して、敬意を払っていただきたく思います。
      またおっしゃるような批判のされ方をするのであれば、少なくとも実名でご投稿をお願いいたします。それが、最低限のビジネスのマナーだと思います。

  26. 2020年代の前半というのは2025年までという意味なので、全個体電池の道筋が見えるのは、早ければ5年先の話ですね^ ^

  27. 6年前からアイミーブMに乗っています。9万キロ走りましたが東芝のSCiBは劣化していません。リチウムイオン電池の寿命が長くなければ車自体もゴミになります。
    アイミーブMなら死ぬまで乗れそうです。問題は電池温度の上昇です。Xのようにエアコンで冷やすようにしてくれていたらもっと使いやすい車になっていたと思います。
    容量が1.5倍のSCiBも開発されています。
    安価で安全で長寿命な蓄電池が生まれる事を願っています。

  28. どなたもCO2排出以外のライフサイクルアセスメントについて話題にされませんが、全固体電池動作に不可欠な超反応性硫黄化合物の大型民生品への大量使用は、腐食性猛毒ガス(硫化水素H2S)発生による人命・健康・物損リスクはもちろん、廃棄やリサイクル時も含めた環境基準に照らして問題ないのでしょうか?電解質に水が触れると瞬時に発生してしまいます。

    硫化水素の大量発生源が移動体として世の中に溢れ、簡単に流通・入手・廃棄できる社会は許容されるのでしょうか?このサイトでもしばしば話題になっている技術的実現性、長期の地球温暖化やppmレベルの火災リスクはもちろん重要ですが、瞬時かつ大量の人命リスク(意図的な悪用を含む)は何よりも優先して認識・議論されて然るべきではないでしょうか。

    150Wh/kgのリチウムイオン電池をテスラモデル3のロングレンジ75kWh分すなわち500kg搭載したEVの場合、典型的な固体電解質Li10GeP2S12が電池重量の3割の150kgを占めると仮定すると、ざっと見積もって発生する硫化水素は最大105kg。たとえそのごく一部数グラムでも大気中あるいは車内に一カ所から放出され、そこに人間がいた時に何が起こるか以下の資料から想像してみてください。

    ましてや大事故の際大雨が降っていたら。。。水没したら。。。廃棄の方法は?そのコストは?など心配事は尽きませんが、対処法をご存知の方がおられたら教えてください。

    硫化水素(Wikipedia、Safety Data Sheetより)
    EU分類:猛毒 (T+) 環境への危険性 (N) 強い可燃性 (F+)
    濃度0.1%:即死、0.06%:1時間で致命的中毒、0.0001%:労働安全衛生法基準値、0.000001%:悪臭防止法規制値
    2007年頃より硫化水素を使用して自殺する事件が度々起こっており、2008年3月頃からは特に急増している。警察庁によると硫化水素による自殺者は2007年に通年で27件29人だったことに対し、2008年1月から5月の5か月間で489件517人にまで急増、11月には1000人を超えていると報告された。無差別テロに悪用されるのではないかという指摘もある。実際、2008年5月7日に硫化水素を使用しての強盗事件や10月14日には殺人未遂事件も発生している。可燃性ガスであり引火性がある。爆発限界は4.3 – 46%と広い。発火点260度(都市ガスは537度、すなわち都市ガスよりはるかに爆発しやすい)。

    1. 検証してみましょう。

      車の室内空間を2m x 2m x 1m = 4m3 = 4000 リットルと仮定すると、即死濃度が0.1%ですから、4リットルの硫化水素ガスが漏れると対処の猶予もなく一瞬で人命が奪われることになります。105キログラムの硫化水素は約7万リットルに相当しますから、70,000/4=17,500人分の致即死量になります。”たった一台”の全固体電池搭載の電気自動車で、です。

      前提が多少変わっても、上記の数値オーダーは大きく変わりません。健康・環境基準となるとこれよりさらに3-5桁厳しいのです。あなたが経営者なら、年間数百万−数千万台の市場の社会影響に責任を持てますか?堂々と安全安心を主張することはできますか?人命・環境よりも目先の宣伝効果や株価操作を優先しますか?

  29. 国内最大の化学ポータルサイトであるケムステーションに、Tesla火災(ガソリン車も燃えてるとのフォロー付き)も引用されつつ、こんな記事がのっていました。
    https://www.chem-station.com/blog/2018/01/fire-extinguishing.html
    この記事のように、電解液を高性能化しながら不揮発性の消火液にしてしまう方が、電極と接触しないばかりか実はボーボー燃える固体電解質に固執するより、よほど現実的で有望な気がします。これなら、ニッケル系や他の有望な電極の高性能を妥協せずにフルに引き出しても大丈夫(少なくとも危険度は大幅に下がる)ではないでしょうか。リチウムイオン電池もまだまだ堅実な研究が行われていて、これからどんどん進化していきそうですね。

  30. 半分引退した仙人の意見(グチ)にお応え頂き有難うございます。とりあえず、簡単にご質問にお答えします。

    LIBの災害には段階レベルがあり、発煙(L2)から破滅的大爆発(L8)まであるうち、実際に車会社が恐れるのはL6(爆轟レベル)以上であり、これらではBMSや保護回路は全く役に立ちません。また、活物質や他の含有物に関わらず、大きなエネルギーを貯めている限りどんな電池でも起こりうるのですが、唯一、電池のソフトケース化(ラミネート化、パウチ化)によって防げる可能性があります。

    現在の化学系では爆発反応について、敢えて教えていないようですが、爆発力を上げるためには「密閉化」と「固体化」、つまり、如何にカチカチに固めてパツパツに封じ込めるかが鍵となります。パナソニックは高容量なニッケル系では、どうしても「ラミセルの膨れ」を回避できなかったため、仕方なく缶の18650を使用しましたが、缶は小さくても集まればL8の災害が起こりえます(スライムが集まってキングスライム化するごとく)。また、全固体化してもL6以上では爆発はするでしょうし、逆に爆発力は大きいかもしれません。

    ポリマー電池も、当初はラミセル化が可能、と言うことで検討されましたが、ATLがポリマー抜きでラミセル化を達成して以来、単なる時代の仇花になってしまいました。ようするに、高容量なニッケル系でラミセル化が可能になれば未来の覇権は握られると言うことですが、ある理由でマンガンは使用すべきではなく、これについては四半世紀前からマンガンを完全排除したパナソニックが正解です。

    1. 雨堤氏のライバル様、ありがとうございます!
      缶に入れてても爆発しちゃうかもしれないんですね。まあそれはそれで怖いですが、今のところ自動車では燃えちゃった例はあるけど爆発の例はないみたいで、一般には事故をしない限り怒らないと考えておいていいのでしょうかね。
      例えば先鋭な物体が刺さるとか、クラッシュして車体が真っ二つになるとか。。

      ガソリン車もタンクや燃料ラインが障害を受ければ爆発するリスクはかなり高くなるので、それとの比較だと考えています。

    2. テスラ車に関しては、2018年の衝突事故で、原因自体はソフトウェアによるものと思いますが、電池の爆発に関してはL8が起こったのではと考えています。おっしゃる通り、LIBで一番怖いのは「グシャっ」と潰れることで「どうすることもアイキャンノット」ですが、缶の使用は当分避けられないとすれば、如何にこの「グシャっ」を緩和するかキーとなるでしょう。

      私共も、アレダメコレダメではなく、ニッケル系のパウチ化を検討していますが、ほぼ完成しています。数年後の上市を御期待ください。

    3. 雨堤氏のライバル様、ご回答ありがとうございます!

      素晴らしい製品ができることをお祈り申し上げます。

  31. おそらく、唯一、巨大工場での量産でペイするのは、やはり(H)EV用のリチウム電池でしょうが、LFPでもマンガンでもSCiBでも全く容量が足りず、唯一容量が足りるニッケル系で勝負に出たパナソニックやテスラも車が大爆発して死人が多数出そうなので二の足を踏んでいるのが実情でしょう。

    特に、安全性に自信を持っていたニッケル系での事故(検体が少数にもかかわらず事故で電池が大爆発)は天下の世界の車会社を恐れおののかすのには充分だったと思われます。さらに、業界の再編にまで及んだのは意外ですが、負け惜しみの捨て台詞で「僕、全固体、出来ちゃったもんね」というのは少々大人げないと思われます。

    安全性や信頼性に絶対の自信をもってニッケル系LIBを完成させたものが今後の車社会の覇権を握るものと思われますが、これは、必ずしも日本メーカーである必要はありません。

    1. 雨堤氏のライバル様、コメントありがとうございます。

      >>唯一容量が足りるニッケル系で勝負に出たパナソニックやテスラも
      >>車が大爆発して死人が多数出そうなので二の足を踏んでいる

      モデルS/Xの85kWhパックを中心に、いくつか火災が出ていますね。NCAはどうしても安定性に欠けるようなのですが、一方三元系も最近はNMC811の次はNMCAみたいにアルミを加えて、NCAとあまり区別がつかなくなってきそうで、密度と安全性をなんとかソフトウェアで管理する、というのが答えになっているのかな、と感じていました。
      この点について、どう思われますか?

      テスラも上海での事故以降、ソフトウェアは変更して、それ以降は火災は発生していない(?)ように思われます。あとモデル3での火災事故も今のところは大丈夫そうですよね。

  32. 雨堤氏も過激に本当のことを言うなんて凄いけど、別に焼きが回った訳でもないと思います。氏のことは存じ上げていて会った事も有りますが、カンパニーの方も含めて現行LIBの技術に限界を感じておられるのではと思います。同じ関西人でありLIBの先輩として言わせていただければ、「大きな車会社だから商売のためなら何言ってもいいし、言ったもん勝ち」、みたいなのに納得いかないのは私も同様です。

    あれだけ騒がれたポリマー電池も、今や世の中からは消えようとしており、事業化した会社も潰れて他社に吸収されてしまいました(私にも責任はあります)。電解質を(例えばポリマーで)固体化しても漏液はするし、爆発炎上もするし、基本的にはなんら向上はせず、ただ特性が落ちるだけである事実を考えれば、歴史は繰り返す、と言いますが、「自称全固体すぐできます」さんたちの仰っていることにも希望の種、的なものがあればと願うのみです。

    要するに、開発者研究者の「錦の御旗」として全固体をパンダにする手はありますが、現実的なアイデアとしてはSEIを固体電解質と捉え、部分固体電池→半固体電池→全固体電池と言ったアプローチで地味に開発を行うのが王道ではないかと考えております。

  33. 一技術に対する「単なる称賛記事」が氾濫する中、「健全な批判記事」は貴重かつ有益で大いに結構なことです。サイト管理者の客観事実による適切な方向付けや修正(ありがとうございます!)のおかげで、寄せられるコメントのレベルも概して高く、関連技術の現状や真実を多角的に知る上で、現在最も公平で信頼できるサイトではないでしょうか。

  34. 庶民の知的好奇心をおおいに刺激してくれる記事ですね
    ありがとうございます
    後3年ぐらいでトヨタから発売されるかと思っていましたがまだまだのようですね

  35. 一消費者としてこの記事を拝読しましたが、ふと疑問に思ったことがございます。
    なぜトヨタ側に、インタビューで得られた見解についての質問なりをしていないのでしょうか。

    一読しますと、全個体電池の技術的課題や「一専門家の発言」を隠れ蓑にして、トヨタを名指しで批判している単なる「サゲ記事」のように思えてなりません。

    この記事に対するトヨタの見解を知りたいと率直に感じました。

    非常にモヤモヤが残る、イマイチな内容の記事でした。

    1. Edward B-L様、面白いアイディアをありがとうございます!
      年明け、トヨタさんの広報に質問できるか、確認してみますね。その場合は新たに記事化させていただくか、ノーコメントでしたらこちらに追記いたします。

  36. 子供「リチウムイオン電池の中ではリチウム君は一生懸命泳がないといけないんだって。お父さんの雑誌のマンガに書いてあるよ。口開けててなんかかっこわるい。」
    お母さん「それは大変ねー。」
    子供「全固体電池の中ではリチウム君はスーパーカーにのって高速道路を走れるみたいだよ。マンガの中のリチウム君もすごくかっこいいよ。」
    お母さん「ホントだーー!スゴーい」
    子供「ニンテンドースイッチ100倍速く充電できるよ。全固体電池欲しいー!サンタさんにお願いする。」
    お母さん「そうねー。でも、リチウム君が走ろうとしている高速道路には深ーい谷がたくさんあって、橋がかかっていないんだよー。」
    子供「じゃどこにも行けないじゃん。」
    お父さん「リチウムイオン電池の中のリチウム君はホントはスーパーカーより速い高速艇に乗ってて、スウィーッスウィーッと世界中どこにでも行けちゃうんだよ。」
    子供「サンタさんみたいだね」
    お父さん「みんなの人気者で働き者だからね。これからも何十年、何百年もずっと元気に電気を運んでくれるよ」
    子供「うん」
    お母さん「スーパーカーリチウム君よりサンタリチウム君がいいかな」
    子供「うん。だって、プレゼントもらえるもん。それにスーパーカーリチウム君、だれも知らないしよく見るとかっこよすぎてなんかおかしい」
    お父さん「やっぱりそう思うかい?ちょっと大人になったのかな。」

    さて、巷で吹聴される、車載用全固体電池が「リチウムイオン電池の3倍エネルギー密度」をもち、「数分で充電」でき、「100%燃えない」安全性が確保される、という“信頼に足る”事実と証拠は一体何処にあるのでしょう?

    だれも知らないしよく見るとかっこよすぎてなんかおかしい?

    1. このお子さん、真実を見抜く目が養われつつあるので、来年あたりからサンタさん呼ばなくても良さそうですね(笑)。

  37. はじめまして。記事を読ませていただきました。
    私はまさに企業で全固体電池と液LiBの材料研究をしています。
    この記事で一番共感することは、「研究者がとられるのは問題が大きい」ことです。
    そもそも日本において化学や電気化学の道に進む人が少なく、電池材料を研究する人材はとても貴重です。そこに適切な人材と予算がなければ開発は困難…もしくは時間がかかってしまいます。
    しかも電池というのは部品であり、最終製品は様々です。
    部品、最終製品、地球環境、それらの目的と手段は間違えてはいけません。
    全固体電池というのは手段の1つです。
    リチウムイオン電池のおかげでスマートフォンが普及したように、
    全固体電池のおかげで新しいプロダクトも誕生し、豊かになるでしょう。
    BEVが環境に良い使い方、土地の人達もいるでしょうが、そうでない国も多々あります。発電方法も国によってまちまちです。
    「全固体電池ですべて解決」のような考えは種の思考停止で、技術者は全固体電池の中身を理解していると思いますが、研究を続けるためには全固体電池は良いものだとポジショントークが必要なのは理解できます。
    実際に全固体電池で予算が増えたおかげもあって液LiBで使える材料研究も盛んになりました。
    しかし目的と手段を見誤った結果、予算と人材が適切に使われないことが恐れる点です。

  38. 本件の皆様の議論、とても参考になります。今から15年以上前に、トヨタ自動車が”42V化”を強力に推進していましたが結局はうまくいきませんでした(シンポジウムは何度か傍聴しました)。トヨタが云々、というのはなんとなく理解できます(今回はうまくいくといいですが)。実はモーター関係に携わっている関係で、今の周波数の高いバッテリーでは、それに適したモーターの材料が圧倒的に不足することを危惧しています。鋼板(電磁鋼板)、銅線、磁石等。これを解決するのが小型化できて周波数もあげなくて済む全固体電池と思っていました。今は、とにかく”走行距離”、”充電時間”という観点が最大の課題で、電池についてついて議論が集中していますが、全体のシステム、として成り立つ(実用性と同時に供給可能性についても)のか、ということにも大変関心があります。10年、20年先の話ならばよいのですが、もうすぐを目指すのであれば、なおさらです。今後とも技術の発展に期待します。

    1. 本当にそうかな?様、コメントありがとうございます。
      全固体電池は本文にもありますように、数ミリ程度のサイズのものはTDKなども含めすでに量産されています。当記事では、電気自動車用の大型、大容量のものについて議論しています。

  39. 数年ぶりにこのサイトで、問題についてまともに議論されているコメントの数々を拝見いたしました。 編集者の方のフォローも立派ですが皆さん一杯考えてらっしゃいますね。
    いいサイトです・・・
    本日ここ北海道ではNHKサイエンスゼロでPM11:00より全個体電池についての番組が
    放送されます。
    皆様の全コメント(覚えてますよー)を頼りに視聴いたします。

    1. 番組見ました
      数々のブレークスルーで実用化間近な印象うけましたね
      青色ダイオードの時もあと30年は無理なんて言われていたのを思い出しました
      またノーベル賞取っちゃうなぁ

    2. NHKスペシャル『魂の旋律 〜音を失った作曲家〜』。番組の内容を『魂の旋律-佐村河内守』(NHK出版)として書籍化。交響曲Hiorshima世界初演。CD売り上げ10万枚。震災孤児のためのレクイエム。オリコンチャート2位。NHKニュースウォッチ9放映。
      https://ja.wikipedia.org/wiki/佐村河内守

      このときの世の中の盛り上がりも凄かった。何を隠そう私自身も演奏家がことごとく日本を代表する超一流処だったこともあってか感動して涙してしまい、後にプロパガンダの恐ろしさに身震いしたのを覚えています。自分だけは大丈夫、と思っていましたから。

      電池技術の進展には大変期待しているだけに、芸術の次は科学技術か?実は同じく超一流処であろうトヨタの上層部も騙されているのでは?などとは思いたくない反面、本サイトの厳しい記事や書き込みを慎重に読んでいると。。。うーむこれは。。。

  40. 全固体電池のメリットが無いならば開発する意味がないじゃん。じゃあなんで必死になって開発するの?て話になると思う。この記事には触れてはなかったけど個体と液体の劣化速度は変わらないのかな?

    1. なぜ新しい蓄電池を必要としているかというと既存の蓄電池でもやはり不満や難点があるからでしょう。問題としているのは充電容量と充放電速度と低温高温による出力の不安定化と寿命ですが、これらを解決しないと電気自動車は作れない(作らない?)というのがトヨタのスタンスなんだと思います(EVをろくに知らないユーザにも売れるようにしたいから?)
      ただその一方で最新の電気自動車はそれらについて問題なく使えるように様々な解決の取り組みをしているので、新しい蓄電池がないとまともな電気自動車は作ることができないというわけでもないんですよ。

      まとめると既存の蓄電池および充放電技術、価格では十分に売れないとトヨタが考えるからではないでしょうか?それに対して全固体電池を作っているのか、あるいは作っていると見せかけて電気自動車が十分に売れる時期(ユーザの考え方の変化や既存の蓄電池に対する技術の成熟)が来るまでの時間稼ぎをしているからではないでしょうか?
      後半部分は所詮は想像なので真相はトヨタのみが知るのでしょうが。

  41. >無責任に実用化が近い様なことを吹聴する様な者が出てくるのだと思います。僕はここは研究者にも責任の一端があると思います。

    業界でプロフェッショナルとして認められてる方は、誰一人、全固体電池の実用化が近いとは言っていません。マスコミが言っていて、トヨタが目標として掲げているだけです(トヨタの中の人に話を聞けば実情は分かるでしょう)。

    言ってしまえば「全固体電池の実用化が近い」という話は、「沢尻エリカの親友も薬物をやっている」という話と同レベルの与太話であり、データやファクトに基づいた情報ではありません。

    そんな話を信じるかどうかは、本人の情報リテラシー次第なので、「嘘じゃないか!研究者しっかりしろ」というのはお門違いです。

    多くの関係者は、偽情報を否定することに労力を使うのではなく、明日のEV社会に貢献するための研究開発に励んでいる、というところが実態ではないでしょうか。

    1. 技術者様
      お気を悪くさせてしまったならすみません。
      勿論、僕も殆どの研究者、技術者の皆さんが誠実に懸命に研究されていると
      思っています。
      僕は確かに実情を知りません。ただこの記事にあるような人的・予算の偏りは
      研究以外にリソースを割きたくない寡黙な研究者にも責任の一端がある様に
      感じてしまうのです。すなわち(正しい正しくないは別で)声の大きい者に耳目(お金も)集まってしまう。これはどの世界でも言えることです。
      黙っていては何も伝わらないのです。
      その意味からもこの記事はとても大きな意味があると僕は思います。

      28日の日経新聞電子版に全固体電池の記事があります。
      殆どの一般人がこのブログの記事ではなく、日経新聞の方だけを見ます。
      それが現実なのです。
      幸い僕はこのブログを見ました。だから日経の記事を丸々信じることはしません。

      また気を悪くさせたかもしれませんね・・すみません。

      もう年の瀬ですね。
      来年は皆さんにとって良い年であります様に。

  42. YasukawaHiroshi様
    丁寧に説明して頂きありがとうございます。
    よくわかりました。電気料金の視点は僕には無かったです。
    なるほど大変なことですね。
    やはりメーカー側の努力だけではなく、我々消費する側にも
    新技術(新インフラ)への正しい理解と協力(生活様式の変化に対応)が必要ですね。
    すぐには難しいかもしれません。長い間、ガソリン(石油)に依存してきた
    わがまま??な人類には。
    しかし改めて思うのは、日本は目先の利益を追いすぎだと思います。
    お金を出す国や企業、大学がそうだから、つい研究費欲しさに
    >無責任に実用化が近い様なことを吹聴する
    様な者が出てくるのだと思います。
    僕はここは研究者にも責任の一端があると思います。
    何も知らない一般人が何を言うって怒られそうですが地道な努力を続けておられるであろう方々ももっともっと大きな声を出してそれが実を結ぶ日本になればと思います。
    ノーベル賞の時だけ大騒ぎするようでは・・。

  43. とてもいい記事だと思って拝読しました。
    僕は電池に全くかかわりのない一般人ですが、以前から全個体電池の話には
    興味を持っています。この記事を読んで目から鱗の気分です。
    今まではこれが切り札だと思っていましたし、EVが一般に広がるのは全個体が広く
    一般に供給されてからだと思っていました。
    僕の認識では日本では軽自動車を乗っている方が多いが
    軽には採用されていません(ハイブリッドは別として)。
    それにはいろいろな事情・・・軽の車体にコンパクトで実用可能な電池を
    アッセンブリ出来ないとか・・があるのでしょう。
    もう一つはやっぱり充電時間だと思います。
    軽だとおそらく満タンにしても5分程度(ガソリン車の話)
    スタンドに入ってから出ていく時間で10分程度(あくまで僕の田舎での認識)
    です。なのでその時間に充電時間を合わせなければ普及は無いと思います。
    コストは当然の話としても(ここは量産しだいかな)。
    商用車なら上の議論である程度解消できるでしょうが一般にはどうでしょう?
    家庭のインフラを期待するのも良いですが、一般化するには大きなハードルが
    あると思います。
    まず、現状の電池で充電時間を5分とかにできるのでしょうか?
    それを僕は知りたいです。
    EVの真の普及は今の電池の延長線で解決可能なのでしょうか?

    1. 合田様、お読みいただきありがとうございます。

      >>その時間に充電時間を合わせなければ普及は無い

      実際には、普段の通勤や近場、中距離の旅行などと、長距離の旅行に分けて考える必要があると思います。前者の場合、そもそも電気自動車では自宅で充電するので、給油の手間そのものがなくなります。仮に月に2回給油する方ですと、月に20分間を給油に費やし、その時間は拘束され、かつ暑かったり寒かったりすることもあります。電気自動車で仮に毎日充電しても、ケーブルの抜きと挿しにそれぞれ5秒として30日間でたった6分間しかかかりません。
      長距離については、休憩時間・買い物・食事時間にいかに充電時間を充てるかがポイントになります。ある程度、すなわち3-4時間に一度、15-30分程度休憩する方なら、ガソリン者と同等か、ちょっと速いくらいで旅行できます。その理由は充電中は車の中に滞在しないからです。ガソリンスタンドでは、必ず待たなければなりません。

      >>現状の電池で充電時間を5分とかにできるのでしょうか?

      これは、電池に関係なく、難しいと思います。上で書いたように5分充電というのはあったら便利ですが、必須とまでは言えないのですが、実際にやるとなると大変です。例えば60kWhの電池を80%まで、5分で充電するには600kW強の電力が必要です。この電力契約は、電力量料金を別として、基本料金だけで月に100万円を超えてしまいます。全固体電池が実現しても、現在のリチウムイオン電池より充電速度を上げるためには、技術的以外に、経済的なハードルがあるのです。

      そのため、日産やテスラ、欧州各自動車メーカーは現行のリチウムイオン電池で十分と考え、消費者の意識が変わるまでには時間がかかることを認識した上で、電動化を進めています。

  44. トヨタ 新型 プリウスEV ソリッドステートバッテリー採用 新型プリウスPHVベースラインか? 2022年発売

    10分以内でフル充電でき、1回の充電で800km走る車。
    を待てば良い。
    今から議論しても無駄だ。

    1. 魔神シャマルダル様、コメントありがとうございます。
      電気自動車の、発売記事を知るのに簡単な方法があります。それは、開発の状況もありますが、電池工場です。電池工場はその性格から非常に大規模なものが必要とされます。例えばテスラは、トヨタからしたら非常に小さい生産規模の、たった(?!)年産50万台規模の電池工場をフル稼働させています。2つ目の工場はやっと完成、3つ目の工場は土地を確保した段階です。
      ちなみにこの工場のサイズは、床面積では、存在するすべての国のすべての工場より大きいのです。50万台分で、です。

      この工場の建設・稼働には通常早くても3年程度かかります。そのため、今から作っても2022年に何かを販売することは無理なのです。

  45. 全固体電池推進を主張する方々の、「できない理由を口にするな」「退路を断って前進あるのみ」「さもなくばクビにする」といった軍隊的上意下達を連想させる過激なコメントも見受けられますが、現場の技術者のことを思うと本当に悲しくなります。

    雨堤さんが指摘しているような、プロパガンダを社会が鵜呑みにして興奮状態と全体主義に陥っている現況は、悲しい歴史事象と重なりませんか? 実際に社会を支え潤しているリチウムイオン電池や電解液の研究開発で活躍されている方々が保守的と異端視され、白い目で見られかねない状況は異常です。

    このような時こそ、開発の最前線で日々即死濃度0.5%の猛毒ガスのリスクに晒され、必死に苦労されている若い技術者の方々の生の声を冷静にお聞きして、間違いのない政策判断、経営判断に活かすべきではないでしょうか。まだまだ研究フロンティアの宝庫である液系実用電池で世界から周回遅れになる前に。

    立ち止まって考えるきっかけを提供してくれる優れた記事だと思います。

  46. 燃料電池の話や、30年前から固体電池の研究をしている事実などは…投資家の方々からすると御都合よろしくないのかな?と勘繰ってしまうコメントが多いですね。古き重鎮が無理と言った事も可能になるなんて正に…。また一通り読み返して理解を深めようと思います。

    1. 技術の日本、それも天下のトヨタの言うことに間違いはないって思う人が多いんじゃないかな?(それを装ってる人も居るかもしれないけど)

      ただ現実として全固体電池が今ある充電池より優れた性能を発揮できるという根拠や説明がなされてない以上どの程度現実性があるか不透明な部分があるのは確か。

  47. 政治批判と一緒かな?
    政治家の批判はするが、ほとんどの人は政治に関わらないし、自ら行動もしない。
    疑問を呈するレベルならともかく、ここで氏を批判して何になる?
    ちょっとネットの記事をききかじって、研究者を冒涜するなどもっての外。
    そんなコメントは即削除でいいと思う。議論に値しないコメント多くて驚く。
    日本人(だとすると)はいつからこんなに愚かになったのか?

  48. 議論百出でご同慶の至りです。企業が将来のための技術開発に複数の選択肢を用意するのは当然の事だと思います。現行の技術の延命を図ったり他社の技術の普及を妨げたりするのも仕方ないかも知れません。しかし行政を巻き込んで資金や技術者の集約が起こっているならとても怖い事だと思います。
    一時的に国内の勝ち組になれても国際的には置いて行かれてしまいます。国民の利益にはなりません。日本の行政には昔からその傾向があると感じます。農業の保護策、護送船団方式、規制と補助金など枚挙にいとまがありません。企業としてもそういった事に抗しがたいものがあるでしょう。雨堤さんはそういう事も含めて危惧を持たれているだと記事を拝見して思いました。
    一方アメリカはどうでしょう? イーロンマスク氏は言うまでもなく多くの革新が起こされ世界をリードしています。アメリカ流が全て良いとは言いませんが日本も発想を変えないといけないと感じました。
    今後とも優れた記事の掲載をお願いします。

  49. 興味深い記事ありがとうございます。
    材料とは全く関係のない技術者ですが、記事とこちらのコメント欄を見て全固体電池の難しさは素人なりに理解できました。

    「無責任に実用化が近い様なことを吹聴するのは~」というのは、本当にその通りだと言いたいです。
    私はR&Dから商品化の橋渡しのような開発に携わってきて、そのような無責任な吹聴に悩まされることは本当に多かったです。
    マネジメントは投資判断を誤りますし、未完成な技術をごり押しして行われた設計開発は悲惨で、これは明確に批判されるべきものだと思います。
    人間同士の競争なら根性で勝てることも大いにあるでしょうが、技術の判断に根性論を交えるのは危険です。どの程度の勝算があるのか具体的に議論すべきです。

    雨堤さんのおっしゃる「今の液系リチウムイオン電池~これで十分に成り立っている」について、これはテスラのような高級車乗用車ではそうかもしれませんが、トヨタのような乗用車から商用車まで、高級車から大衆車から扱うメーカーにとっては、違うかもしれません。

    稼働率がシビアに投資対効果に跳ね返ってくる商用車で今の充電時間が受け入れられるか、大衆車にまで普及したときに、充電待ちで大混乱にならないか?
    こういうことの試算やシミュレーションはそれほど難しくないように思うのですが、なかなか疑問に答えてくれる記事が見つけられずもやもやしています。

    コメント欄で「老いた技術者」に言及されている方がいらっしゃいますが、私も40才を超えて老いた技術者の側に入ってきそうなのでなんとか抵抗したいですね。
    私より上の世代でも好奇心旺盛で新しいものにどん欲な方はいますし、若いのに自分のドメインに固執して他の技術を批判するタイプもいるので、ここは年齢ではなく、パーソナリティーだと思いたいです。

    1. kii様、コメントありがとうございます。

      >稼働率がシビアに投資対効果に跳ね返ってくる商用車で今の充電時間が受け入れられるか、大衆車にまで普及したときに、充電待ちで大混乱にならないか?

      ここは問題になるというか、しっかり検討する必要があると思います。実際、一部の商用車ユーザー企業においては、主要なロケーション(配送センターやトラックターミナル等)に充電設備を多数設置することにより、休憩時間中に効率よく充電できる仕組み作りを検討されているようです。実際、商用車は休憩時間がある程度法律で定められてもいますので、逆に一般車より充分な休憩時間が取れ、充電時間も余裕があるように感じます。問題なのはその休憩時間に合わせて充電設備が存在している必要があるため、恐らくではありますが、公共の充電インフラのみで経路充電をカバーすることは難しく、自社インフラの設備も必要になってくると思います。
      「自社インフラは高コストではないか?」とのご意見もあると思います。しかし、主要バスターミナルやトラックターミナルには、すでに軽油の給油設備や簡易的なメンテナンス設備が設置されています。給油と同様、充電設備も設置するようにするのは、輸送企業にとってはある程度当たり前のことと映っているのではないでしょうかね?

  50. 思わず拝見していて「二やッ」としてしまいました(笑)
    素晴らしいお話し、堪能しました。

    私も蓄電ビジネスの業界にいる人間として、非常に面白く、逆に可能性を感じるようなお話しでした。

    私も負けていられないなぁ・・・と考えさせられるほどエネルギッシュで、恐れ多いことですがどこかで一度お話ししてみたいと思いました。

    またこのような「二やッ」とさせる記事、楽しみにしております!

  51. さすがYasukawaさんのコメントはシステム全体を理解された上で、FactとEvidenceがしっかりしていて説得力がありますね。イメージで煽っているnakazさん引用の記事とは格が違います。急速充電を安直に主張することの愚鈍さは、元ソニーの西さんも痛烈に批判されています。こちらも数字ベースで極めて論理的です。
    https://www.career-p.co.jp/nishi-korum/%E3%80%88第13回〉nhkよ、もっとしっかり!!/
    EVを数分で充電するための電源ケーブルの太さ・重さ、充電機器の規模、一般家庭での電力契約、ブレーカ、安全対策、何万台も一斉充電したときのグリッド負担は?など、素人がちょっと考えただけでも凄いことになりそうです。電解質が高温までもつから急速充電できる、で片付くほど問題は単純ではありませんね。
    「一点の技術が重要なのではなく、バランスがとても重要」
    とても気に入ったので繰り返させて頂きます。

    1. Yasukawa fanさんに同じく、技術一辺倒より費用対効果などバランスの取れた世界の構築を現役電気技術者の僕も考えています。
      現在のEV充電インフラも基礎充電といわれる自宅充電や目的地充電である商業施設や観光地などの充電器が足りないとつくづく感じるもので。実際自宅のEV充電インフラを電気工事士の僕が自前施工したら材料代2万円だけで済みましたよ!
      電池発熱もリーフやアイミーブMなど冷却装置を持たないEVの場合は問題になります。アイミーブMのSCiBは発熱が少ないだけマシですが。
      それに充電設備の受電能力も問題。高圧受電でキュービクル設置ともなれば充電器以外に百万以上かかるし保安規定や主任技術者選任など維持管理費用もバカにならず、しかも理系技術離れのご時勢ゆえ電気技術者自体不足で大容量充電器を設置できないケースも今後考えられそうです!!(警告)
      そのうち何らかの電気系国家資格を持っていないと急速充電ができなくなる時代が来るのではと余計な心配をしました…僭越ながら。

  52. 全固体電池が注目されている理由はこうした悪環境に強いことだけではない。電池の画期的な小型化が可能で、しかも数分というような急速充電が実現できるという点が注目されているのだ。

     全固体電池でなぜ電池を小型化できるのか。電解質は単にイオンが移動するだけの物質なので、これが液体から固体に変わっただけでは電池のエネルギー密度(単位体積当たり、あるいは単位重量当たりに蓄えられるエネルギーの量、ここでは自動車で重視される体積エネルギー密度のことを単にエネルギー密度と呼ぶことにする)は上がらない。

     にもかかわらず電池の小型化が可能な理由の一つは、熱に強いことだ。現在のリチウムイオン電池は熱に弱いため、急速充電時や高速走行時(大電流の放電時)に発生する熱を逃がすために、電池の周囲に隙間を置いて搭載しており、冷却装置を搭載する場合も多い。全固体電池は熱に強いので、この隙間を小さくしたり、冷却装置を省くことが可能になる。
    https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00113/00005/?P=2
    と、ありますがこちらについてはどのようにお考えでしょうか?

    1. nakaz様、コメントありがとうございます!
      熱に強いことは、全固体電池の特徴の一つと言っていいと思います。超急速充電する場合、電流が大きくなりますので、その二乗に比例して発熱が大きくなりますから、熱に強い、または効率的な冷却(限度がありますが)は非常に重要ですね。
      ただ実際に冷却装置を無くすことは難しいでしょうし、実際に電池パックを分解した写真などは多くインターネットで出回っていますから見ていただくとお分かりいただけると思いますが、冷却装置を全部無くしてもそれほど大きな隙間の節約にならないのも事実です。また、現実にテスラが250kW、ポルシェが320kWを実現してきている現状で、これ以上の大電力の供給は電力配電網にも負担がかかり、「リチウムイオン電池の限界値に近いところで、配電とのバランスもあり、均衡に近づいている」のも事実かと思います。これ以上、例えば充電電力を400kW, 500kWと増やしても、15分の充電時間が7分になるだけで、配電網への負担はかなり大きくなってしまいます。
      電池や電気自動車は、一点の技術が重要なのではなく、バランスがとても重要な産業だと思います。

    2. そもそも、固体電解質が熱に強いというのも本当でしょうか?単独ならそうかもしれませんが、室温でさえ電極物質とものすごく反応しやすくて別の物質ができてしまうので、相当特殊な表面コートが必要と聞いたことがあります。これだけでもかなりのコストアップだと思いますが、化学の教科書によればこういう副反応は温度を上げるともっと起こりやすくなるはずですよね。それに、水が少しでもあると猛毒ガスがでるのであれば、この反応も温度が上がるとあっという間に起こって大量発生でしょうか。

      この記事やコメントの至極真っ当な指摘の数々を読んでいると、一般大衆向けには全固体電池にとって都合の良い情報だけが意図的に流されていて、騙されているように思えてきます。

  53. > ところが、肝心な容量やエネルギー密度を決める部分の具体的な説明がないまま電解質だけが注目されていることに問題を提起させて頂きました。

    この部分は単に企業秘密だから公表しないんじゃないでしょうか?
    電解質の部分は特許で抑えられている関係もあって公開の議論になりえますが。

    1. 門外漢 様、コメントありがとうございます。おっしゃるとおりかもしれませんね。でも実際のエネルギー密度とコストが、リチウムイオン電池を駆逐できるかどうかの市場性を決めるポイントになるので、そこは案外重要なところの気もします。

  54.  自分も、EV、電池に関心があり、
    こちらのページにたどり着きました。
    出だしの、全固体電池の実用化が
    難しいという話題は、非常に、
    興味深かったです。
     世界のトヨタ様が言っていても、
    難しいんですね。
     正直、水素も難しそうですが、
    下水から、水素を生産できる
    話もある様なので、ある程度、
    路線の決まっているバスとかには、
    有効だと思います。
     否定しか言わないコメントも
    ありますが、否定なんて、
    誰でもできますので、
    ・こういう技術の話を聞いた事か
     ある
    ・こういう考え方は、どうでしょう?
    という前向きな発言、提案が
    欲しいですね。
     自分が注目しているのは、
    マグネシウム空気電池です。
    蓄電池の方が注目されてますが、
    最近の台風被害とかを考えても、
    空気電池にて、色々な箇所に
    ストックさせるのが、防災にも
    繋がります。
    EVは、少量の蓄電池と、
    交換式の空気電池との
    ハイブリッドが理想と考えます。
    このマグネシウム電池も、テーマに
    取り上げていただけると、
    ありがたいです。

    1. I LOVE MG様、コメントありがとうございます。マグネシウムも注目されていますね!
      そういえば、
      https://r.nikkei.com/article/DGXLASFB08H12_Y6A001C1MM8000?s=3
      こういうホンダさんのニュースもありましたが、どうなったんでしょうね。今後も、電池はなかなか難しいニュースが多く、評価が大変なのですが、できる限り取り入れていきたいと思います。

    2. I LOVE MG さま、コメントありがとうございます。編集担当の寄本です。

      マグネシウム電池。2009年頃だったでしょうか、Yahoo! のウェブメディアの記事として、東工大の矢部先生に「太陽光励起レーザーでマグネシウム社会へ!」というテーマで取材したことがあります。当時、すでに大手自動車会社からも問い合わせがあったと聞きました。実用化には、全固体電池以上に大きな壁があるのだと推察します。
      個人的には、筑波大の渡邉先生が提唱し推進しているオーランチオキトリウムによるバイオ燃料生成に可能性を感じ、プルサーマル計画などに投じている予算の一部でも藻類バイオマスに突っ込んで欲しいと念じつつ、日刊SPA!などでいくつかの記事を作らせていただいたこともあります。経産省の予算は引き続き投じられているようですが、ここ数年大きな話題は出ていないので、なにがしかの壁が立ちはだかっているのでしょう。

      一方で、リチウムイオン電池による電気自動車は、すでに大きな「流れ」になっています。繰り返しこのコメント欄でもお伝えしていますが、雨堤さんのご指摘は全固体電池の可能性をただ否定しているのではなく、自動車メーカーとして、バランスよく「やるべきことがあるのでは?」という提言であることをご理解ください。

      本サイトは電気自動車情報に的を絞ったウェブメディアですので、ユーザーにとって大切だと思われるさまざまな情報を、これからも幅広く取材して発信していきたいと思っています。今後とも、ぜひご愛読ください!

  55. これだけコメントが活発にやり取りされてるのを見ると、やはり関心が高い話題なんですね。

    全個体電池だと電極と電解液(電解個体?)の接触面積に問題がある、と書いてありましたが、その橋渡し部分だけにゲル状電解液使えば済むんじゃないかなーと素人考えしてしまいますが、出来ない理由って何なんでしょうか?電極が膨張するってんならゲル電解液の逃げ道スペース作ればいいだけだし。

    また、全個体電池のメリットって、燃えにくいから高電圧で一気に充電出来る!と聞いた事があるのですが、これって間違いなんでしょうか?そもそも燃えにくいってホントなんでしょうか?

    全個体電池がホントに燃えにくくて、かつホントに一気に充電可能であれば、世界中の砂漠が電池畑になる可能性を秘めてると思うのですけれど。オーストラリアの砂漠には太陽熱発電所が建てられて成果を上げてますからね。

    これからも全個体電池ニュースの続報、期待してます。

  56. EVsmartさん興味深い取材の記事ありがとうございます。

    トヨタの目指すCO2削減とは一体なんなのか、改めて考えました。

    まず燃料電池ですが、今年の6月に水素ステーションがノルウェーで爆発事故を起こしました。その際、半径500mの立ち入り禁止になる等、安全性の疑問が指摘されました。
    https://engineer.fabcross.jp/archeive/190706_a-hydrogen-refueling-station-exploded.html
    それでも、国策なのでしょうか、燃料電池のMIRAIの購入には国から補助金が200万円も出ている状況です。

    CO2削減の対策で、トヨタは電気自動車の開発でテスラと提携していましたが、2014年で解消してしまいました。
    その後テスラは、リチウム電池でモデルXの発売と、モデル3の量産、モデルYや、本日はピックアップトラックの受注開始も始めた様子です。排ガスゼロ、CO2削減に大いに貢献しています。
    しかしトヨタの販売している車両はプリウスでさえCO2を排出しています。
    全固体電池の研究と同時にリチウム電池を使う方法もあったはずですが、何の対策も無いままです。

    トヨタの車は故障も少なく、品質も素晴らしいと思いますが、
    悪いことに、今年販売させたトヨタの車の多くは、10年20年と長持ちして、CO2を排出し続けます。
    雨堤さんの仰る様に、大切な研修費用が現実離れした技術に集中して環境を破壊している事に失望しました。

    地球温暖化や異常気象の防止に日本の代表のトヨタさんにもっと効率よく頑張って欲しいです。
    国が何故、今のトヨタの方針に多額の税金を投入するのか疑問です。
    雨堤さんの様な方の意見を参考に話し合いをしなければ、世界と違う方向に向かってしまいそうです。
    日本の誰もが、シャープや東芝の様な状況は望んでいないと思います。

    1. 写真をみる限り高圧気体の解放による爆発現象に見えますね
      水素爆発とは違うように見受けられます
      スタンドの設備が怪しいのかなぁ?

  57. しろうとさんやC/2mpさんご紹介のリンク先にある図7に目を奪われました。全固体電池はキャパシタをも圧倒する超超高入出力が可能と主張されています。https://www.kuramae.ne.jp/files/user/KuramaeJournalDocuments/koen_1065ny.pdf
    にわかには信じ難いのですが本当ですか?これが、EVを2-3分で充電可能になるとの世評の根拠になっているのでしょうか?どなたかこの図から深読み、裏読みできる諸々の事柄を分析して解説していただけないでしょうか?

    1. その後ゆっくり図を眺めていたら、以下が判明しました。
      ・全固体電池だけ100度での測定データあり
      ・他の電池やキャパシタはすべて室温データ
      ・出力密度計算の分母は電池全体ではなく電極物質の重量だけ
      ・上の特殊な前提が図柄を一見しただけでは全くわからない
      ですので何のことはない、単に見かけ上全固体電池が凄く見えているだけでした。

      雨堤さんが仰るような実用前提の同じ土俵に立つと、リチウムイオン電池には遠く及ばないというのが現状のようですね。燃えないという利点も、硬くてイオンを通しにくいごく一部の電解質に限った話で、ほとんどは非常に燃えやすいという事実をこのサイトで初めて知りました。研究者(中の人)さん、情報ありがとうございます。猛毒の硫化水素ガス発生に加え厄介な問題ですね。

      これを教訓に今後、極小チップ型以外の全固体電池に関する“派手な”情報はまず冷静に疑うことから始めたいと思います。雨堤さん、本サイトの編集者、投稿者のみなさんのおかげで「全固体電池は格段に速く充電でき絶対に安全」という誤った認識を改めることができました。何か洗脳から解放されたようですっきりしました。ありがとうございました。

    2. 良くある我田引水のための前提・図柄操作ですね。しかし、ここまで露骨で確信犯的なのは初めて見ました。期待していた技術だけにガックリです。

    3. そもそもこれって全固体電池の優位性を示す源流の学術論文の内容ですよね?ということは多くの人達がこれを拠り所にして、人生をかけて仕事をしたり夢を見たりしているわけですよね?
      。。。。。。。。。。。
      。。。。。。
      全固体電池だけ温度を上げて高出力領域を大幅に嵩上げ?
      。。。。。。。
      。。。。
      異なる前提のデータを相互比較して優位性を主張してはいけない、と研究者倫理の講義で教わりましたけど、、、
      。。。

  58. 研究者(中の人)に概ね賛成です。
    追加するとすれば、高電位正極が使える「かもしれない」ということでしょうか。

    この記事に不満を抱いている方は、電池の素人ですよね。
    (確かに、トヨタが○○と考えているのでは、というのは?がつきますが)
    確かに、ネガティブなことは言いやすいですし、
    その中で「こうすればできる!」ということができるのは、
    ごく一部の人間で、そういう人が時代を動かしているのは事実ですが。
    ただ、目の前にある事実を見つめるは、非常に重要かと思います。
    本インタヴューの中身は、LiB関連の人にとっては当たり前の話です。

    では、なぜ固体電解質電池の研究を多くの機関でしているのか?
    私見を言えば、液系の電池は既にほぼ研究されつくしているからです。
    フロンティアがほぼない。
    それでは、中国や韓国との差別化が難しい。
    なので、研究をするのであれば固体電解質電池しかない、
    という逆説的な形になっているのだろうと邪推します。

  59. ガスタービンブームに燃料電池ブームありましたね。

    バッテリーが化学反応に頼ってるうちは電気自動車用途で
    使い物にならないしエネルギー密度を高めれば高めるほど
    爆弾に近づく事を知っていないと駄目だし。

    リチウムイオン電池に係る技術者に話を聞けば面白い裏の話を
    聞けるけど書けないでしょう。

    某電気自動車のワンメイクレースがありますが、改造範囲を
    レギュレーションで縛っても肝心なバッテリーの劣化が
    各車異なるんでワンメイクになっていない笑い話もあります。

    1. Azure22222様、コメントありがとうございます。

      >>バッテリーが化学反応に頼ってるうちは電気自動車用途で
      >>使い物にならない

      そうですかね?実際にリーフもアイミーブも、テスラの各車両も計数十万台は販売されているわけですが、、実際にノルウェーでは新車販売の半分以上が電気自動車になっています。
      これから、他の地域でも、電気自動車の比率はどんどん高まると思いますよ。ましてや、いろいろな地域で、ガソリン車やディーゼル車は販売禁止が広がりつつあります。

      >>エネルギー密度を高めれば高めるほど
      >>爆弾に近づく事

      言い方が過激だと思うのですが、その言い方をするなら、最初から完全な爆弾を積んでいて、漏れても検出することができず、事故と同時に燃料ラインが少しでも損傷すれば爆発炎上の可能性が高いのが、ガソリン車ということになります。
      科学や自動車産業の進化をそのように例えると、読まれた方は電池は危険なんだな、と思うと思います。確かに危険ではありますが、ガソリンほどじゃない、というのは、他の方もコメントされている通りです。

    2. 85kwhのバッテリーのエネルギーが306000kJ(テスラのモデル3参考)
      ガソリン10Lのエネルギーが333700kJ

      たとえば50Lのガソリンを入れた普通自動車の方がEVよりも絶対に安全で事故の被害が小さいという根拠ってあるのかな?

  60. 現行Liイオンバッテリの発火の危険性について、誤解を招くコメントが幾つかあるようですので、参考資料を置いておきます。
    NHTSAのレポートでは、まだ発達途中の技術だと断りつつも、結論として下記のような内容が記されています(xvii頁冒頭)。
    ・火災や爆発の危険性については、内燃機関車と同等か、むしろ少ないかも知れない
    ・そもそも可燃性溶液の量自体が少ないため、バッテリ全体でみた重大性は内燃機関車よりも小さい
    https://www.nhtsa.gov/sites/nhtsa.dot.gov/files/documents/12848-lithiumionsafetyhybrids_101217-v3-tag.pdf
    また中国製もこの数年で品質改善が進んで、トヨタ等の社内基準も満たせるものが出てきたと報じられています(だからこそトヨタさんも提携されたのでしょうね)。
    https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/mag/at/18/00045/00002/?P=2
    ご参考まで。

    1. 自己フォローしておくと「お年を召した重鎮が”できない”と言ったものは出来る」という法則も世の中には良く見られる気がするので、氏のコメントはそれを念頭に置いた上で読むのが正しいように思います。

  61. リチウムイオン電池って、理論限界値にもう近いから、みんな次世代電池の研究をしてるのに、次世代電池に人をとられるのはよくないってどういうことなんだ?

    あと、この人は、次世代電池に人材を投入しないで、どこに投入すべきだと思ってるんだろうか

    1. 駐車場 様、コメントありがとうございます!

      >>リチウムイオン電池って、理論限界値にもう近い

      まだまだです。

      >>次世代電池に人材を投入しないで、どこに投入すべき

      バランスよく、という内容です。一点集中は良くないということ。実際に、すでにテスラとフォルクスワーゲンはリチウムイオン電池での電気自動車の生産準備が、工場も含めてできています。コストもクリアできています。
      全固体電池のコストが下がって商品に出来るまであと何年あるのか。それによっては、もちろんリチウムイオン電池を駆逐して全世界を支配できる可能性もありますし、逆に、コストで競争に負け、それに賭けていた自動車メーカーまで巻き添えになってなくなる可能性だってあります。電気自動車による変化は、それだけ大きいと言わざるを得ません。

    2. YasukawaHiroshiさんのコメントに勝手に付け加えるならトヨタの言う全固体電池が完成すればトヨタ、ひいては日本が蓄電池部門で1歩どころか5歩くらいリードできると思います。ただしコケれば全固体電池に時間と金と人材を投入した分、1歩2歩後退すると思います。また全固体電池以外の蓄電池がブレイクスルーを起こさないとは限りません。
      すなわち全固体電池がコケた上に別の蓄電池がブレイクスルーを起こした場合5歩どころか6歩7歩後退する可能性があります。
      さらに全固体電池がブレイクスルーを起こしても同時期に別の蓄電池がブレイクスルーを起こした場合、その蓄電池と一騎打ちになり負けた場合も最悪6歩7歩後退する可能性があります。

      このように蓄電池の技術革新は次の自動車業界を引っ張っていく重要な要素なのですが専門家の視点ではトヨタ側の説明する全固体電池は完成の目途が立っていないのではないか?それに対して時間と金と人材を投入し過ぎなのではないか?という意見を記事にしているわけです。
      そしてそれに対する答えとして全固体電池だけに大量の時間と金と人材を注力するのではなく、ほかの蓄電池にもそれらを分けるべきではないかとしているわけです。

  62. 本件とは直接関係ありませんが、電池の専門家と繋がりがあるのであれば、リチウムバッテリー製造時のCO2排出量をまたの機会でいいので聞いてみてくれませんか。
    どうも巷に出回ってる推定量は多すぎる気がするのです。電池に関しては、外部の人は推定でしかものを言えませんし、かといって自動車メーカーでもわかりません。電池メーカーが直接データを出してくれるとよいのですが、今のところ存在しないようです。
    特にテスラはパナソニックの18650や2170といった汎用電池を数多く使ってますので、バッテリーというより「電池」の製造時CO2排出量がわかれば、それが最も信頼に足るものだと思うのです。

    1. バッテリ生産時の排出量は確かに、報告によって随分バラツキがあります。それは下記のような理由によるようです。
      ・メーカーによっては再エネ電力を用いている(テスラ、CATL等)
      ・ここ数年で生産量が急増し、技術の発達も速いため、わずか数年前の調査でも役立たなくなる
      中国の、それも2年前の見積もりでも、100kg-CO2/kWh等の値も見られます。
      https://www.mdpi.com/2071-1050/9/4/504
      もっと最近の見積もり例では、例えば65kg-CO2/kWh等の値が報告されています。
      https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2542435119302715
      ご参考まで。

  63. 現状について第一人者に聞き、一般の人々にも分かり易く伝えています。
    大変有用な記事だと思います。
    インタビューを受けておられる研究者の方や
    編集に携わっている方々に対する敬意のないコメントが寄せられていることを
    大変残念に感じます。

  64. トヨタは来年のオリンピックで使えるよう全固体電池積んだモビリティを用意すると宣言してますからね。まさか出来ませんでしたとは言わないと思うのでお手並み拝見です。

    しかし全固体電池をみんなが期待してるのはトヨタがすごいと言ったから、っつーのはすごく主観的な意見で、強く違和感を覚えますね。この方はある意味テスラの生みの親の1人とも言えるということですが、そのテスラとケンカ別れしたトヨタが嫌いなんじゃないでしょうか。

    1. マグロの漬け丼 様、コメントありがとうございます。

      >>トヨタは来年のオリンピックで使えるよう全固体電池積んだモビリティを用意すると宣言

      雨堤様とのインタビューは、テスト用の車両が走らせられるというレベルのものではなく、量産して、きちんとメーカーとして利益が出る、という基準のお話に基づいて、実施させていただいているものなので、おっしゃるように、とあるイベントで走行させる車両を作ることは可能だと思います。
      電池は、バランスが重要です。あちら立てればこちら立たず、、

      >>テスラとケンカ別れしたトヨタが嫌い

      技術者の方ですから、好き嫌いはあるにせよ、その程度の感情でインタビュー受けたり、文章書いたりしたら、ご自身の信用を失うことになると思います。

    2. イベントに用いる移動手段をとりあえず走ればいいショーカーみたいに扱うんです?
      ま、ここに関しては蓋を開けてみないとなんとも言えないところですね。私は期待しておきます。

      別にここは好き嫌いで書いてもご本人の名誉にはなんの問題もないでしょう。ここは「みんなが全個体が凄いと思ってるのは何故か」という、なんなら言わなくてもインタビューがなりたつ余談の部分ですし。
      他の話題はご本人流の理論があるのに、ここだけ雑に断定してるんで逆に印象的です。

  65. (リチウムイオン電池で動く)EVの火災事故件数がガソリン車に比べて少ないことから、EVのほうが安全ではないか、というような論調でお話しされているコメントがあるかと思います。
    件数でガソリン車(含軽油車)が上回るのは、ガソリン車の絶対数がEVを大きく上回るからではないでしょうか。両者を比較するなら、台数に対する火災事故件数の比で比較すべきかと思います。EVの事故事例が少ないために統計的な比較が難しいのであれば、今あるデータをもって「どちらが安全か」は判断できないという結論になろうかと思います。

    雨堤氏のインタビューは、氏のご意見であり、異論がある方のご意見もごもっともと思うことも多々あり、大変興味深く拝読しました。

    1. AT様、コメントありがとうございます。
      そうなんですよね、その部分、ちゃんと分析できるリアルなデータがなく、簡単には比較できないのです。

      >今あるデータをもって「どちらが安全か」は判断できないという結論

      統計学の観点からはそうなりますね。
      https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/electric-vehicle-fire-risk/
      専門家の意見もいくつかご紹介していますので、ご覧ください。

  66. リチウムイオン電池ではおそらく、今後の蓄電需要に追いつかなくなるでしょう
    全個体電池のビジネス、技術的な課題問題の是非は分かりませんが電池技術のブレクスルーは必要になるかと思っています
    リチウムイオン電池が、全個体電池の性能(実際性能ではなく理想)を越えるならそれでもいいのかもしれませんが

  67. 雨堤さんの
    「なぜ全固体がいいのかという具体的な理由は、誰も説明していないんです」
    「電解質の話ばかりで、接触のインターフェースの話はほとんど出ていません」
    という発言は明確に間違いですね

    以下、一例をお示しします

    菅野了次教授の解説
    https://www.kuramae.ne.jp/files/user/KuramaeJournalDocuments/koen_1065ny.pdf
    ・電解質を固体にするだけではエネルギー密度は上がらない
    ・セルの積み上げ構造が非常にシンプルになり、結果として大容量にできる
    ・製造プロセスの確立に大変な努力が必要

    化工誌の総説
    http://m-dimension.tohoku.ac.jp/wp-content/uploads/2018/03/fe860425ac03aa555078da54ff2e910c.pdf
    ・電極と固体電解質との界面の抵抗を低減することが課題

    「無責任に実用化が近い様なことを吹聴するのは、私から見ると、真摯な研究のあり方とは思えません。」というコメントには非常に同意できるだけに、技術動向に関して的外れなことをおっしゃっているのは残念でなりません

    1. 全固体化の主な利点は、上記コメントにも一部記載がありますが、次の3点と思います。

      1) セルの積み上げ構造が非常にシンプルになり、結果として大容量にできる
      2) 負極として黒鉛(372 mAh/g)の代わりに大容量のリチウム金属3860 mAh/gを使える可能性がある。(他の負極も候補としてはあるかと思いますが、リチウムが主流?)
      →普通の液体電解液でリチウム負極を使うと、電極表面に針状の突起(デンドライト)が析出し、セパレータを貫通・短絡の原因になります。 一方、固体電解質は硬いので、デンドライト析出を抑制出来る可能性がある。
      3) 燃えにくく設計出来る
      現在使われている電解液は非常に発火性が高いですが、固体電解質(の一部)は燃えません。

      雨堤さんは当然、この3点もご存じ(技術者にとっては常識的内容)と思いますが、一般向けに内容を簡素化し、冒頭の発言をされたと推察します。

      上記、3事項の課題はそれぞれ次の通りです。
      いずれも技術的に非常に困難な課題で、ラボスケールでも決め手となる成果がない印象ですので、工業化は随分先(>5-10年)と思います。
      そういう意味では、”具体的な”(≒電気自動車に利用出来るような目処の立った)利点はない、と言えるかもしれません。

      1) 積層が非常に大変
      → 固体の粉末(電極・電解質)をシート状に圧縮し、さらに界面抵抗を減らすために完全に密着(1 nm程度の隙間があっても困るレベルです)させるのはとても難しいです。ラボスケールでは高圧プレスなどで対応しますが、工場レベルで大面積・大量生産するのは至難の業です。
      →一方で液体電解液は勝手に隙間に染みこんでいくので、界面での接触が固体に比べ非常に容易です。

      2) リチウム負極の利用は非常に難しい
      リチウム負極は非常に反応性が高く、水と激しく反応し、時には爆発します。安全性の担保が非常に難しいです。普通のリチウムイオン電池の方が安心して使える気がします。
      リチウムと併用可能な固体電解質も限られており、例えば、菅野先生らの硫黄系電解質は使えません(分解してしまいます)。 安定に使える化合物(セラミック系)も一部報告されていますが、未だ伝導度が十分ではありません。

      3) 燃えにくく設計出来るのは一部の電解質のみ
      例えば、菅野先生らの硫黄系電解質は伝導度が高い一方、非常に燃えやすいです。また、水と反応して有毒ガス(H2S)が出ます。
      セラミック系電解質(要するに”砂”です)は原則として燃えませんが、伝導度が不十分です。

      諸々課題はありますが、
      研究者が沢山集まれば、ブレイクスルーの確率も上がりますので、今後に期待です。

    2. C/2mp さま、そして研究者(中の人)さま、とてもわかりやすく理知的な説明をいただき、ありがとうございます。編集担当の寄本と申します。

      記事中の解説については、研究者(中の人)さまがお察しのように、私を含めた専門知識に乏しいユーザーのために、至極簡素化してお話しいただき、まとめたものです。「出ていない」のは「(素人が情報として触れやすい)一般メディアレベルで」という前提があります。C/2mp さまにもご理解いただけると良いのですが。

      > 研究者が沢山集まれば、ブレイクスルーの確率も上がりますので、今後に期待です。

      もちろん、期待しています。また、トヨタがどのような方法でブレイクスルーを確信し、もろもろの発表に繫がっているのかという点は、編集者としてますます興味が湧いてくるところでもあります。

      今回の記事では、とはいえ「やるべきことは他にもあるよね」という趣旨の雨堤さんのご指摘に、編集部としても共感した内容をお伝えしました。この記事をきっかけに、全固体電池、ひいては電気自動車への日本ユーザーの関心が、少しでも高まり、深まれば幸いです。

  68. 個別の案件に問題点を指摘するつもりはございませんが、基礎研究と実用化の間にはギャップがありまます。
    全固体電池だと外装ケースが不要になるかの様な表現がありますが、そんなことはあり得ません。ほぼ同等の外装ケースは必要となります。ケースは液漏を防ぐためだけでなく、水(水蒸気)や酸素との反応を防止するためにも重要な部材です。仮に外装ケースが不要となるならばエネルギー密度は上がります。せいぜい5~10%でしょう。
    また、本文でも記載されていますが、薄い電極でも積層すれば大きな大きな容量は得られます。その際に電気容量に関与しない芯体(集電体)の量も増えてしまいます。これではエネルギー密度は上がらないのです。
    この辺りの技術を解決するための取り組みが強化されないと実用化には近付かないのです。研究者が取り組む課題というよりも、産業界が取り組むべき課題かも知れません。

    1. インタビューイー さま、重ね重ねありがとうございます。

      たくさんいただくコメントを拝見しながら、このような議論がメーカーの開発部門でも行われているのだとすると、スマホの世界で日本が部品サプライヤーとして踏みとどまることしかできなかったのはやむを得ないのかも、などと夢想していました。電池、電気自動車では二の轍を踏まないことを祈るばかりです。

    1. しろうと さま、コメントありがとうございます。
      編集担当の寄本です。

      先の安川さんの回答では、おそらくこの追記コメントも 4. に包括されるのでしょうが、少し補足しておきます。

      ご指摘の点、このインタビューは、まさにこのリンク先の記事にあるような状況に対しての雨堤さんの見解をご紹介したものです。
      また「ウソだとは言っていません」とした上で「もう少し現実的で実体のある取り組みにも注力してほしい」という雨堤さんの提言をお伝えしています。

      記事をまとめた筆者とともに、私たちも素人だからこそ、素人にもできるだけわかりやすくまとめるよう、雨堤さんにも確認いただき推敲を重ねたのですが。
      全ての読者にわかりやすく伝える記事作りって、難しいですね。

  69. 素人ですがさっぱり分からないので、出来ましたらどなたかお教えください。

    1.全固体電池だと軽くなるというのを否定されてますが、そもそもそんな話を聞いたことがない。一般的に知られている話なんですか?
    エネルギー密度も同様、聞いたことがありません。

    2.「先延ばし」「時間稼ぎ」と批判されていますが、全固体電池を研究することでトヨタは何を先延ばしにしようとしているんですか?トヨタに何のメリットが?そしてそれは、批判されるほど有害なものなのですか?

    3.リチウムイオン電池の危険性が全固体電池(が仮に実用化されたとしたら)で軽減されるというのは嘘ですか?

    4.上記3に関連しますが、記事中に「優れているとは言い切れないです。何もいいところは説明されていないんです(笑)」
     とありますので、現在一般的に言われている全固体電池のメリットは「ひとつ残らず」嘘であるというのが雨堤氏の主張と読み取れます。この認識で間違いありませんか?

    1. しろうと様、コメントありがとうございます。
      1については、Googleなどで検索してみていただければと思います。

      2について、コチラは私見となりますが、多くの自動車メーカーは、一部を除いて電気自動車の普及を遅らせ、排ガス規制の強化を遅らせたいと考えています。電気自動車が普及することにより、サプライチェーンが大きく変わり、また工場への投資、販売網やサービス網の見直しが必要になるからです。
      排ガス規制について、GMやトヨタはカリフォルニア州に対し、排ガス規制の強化を遅らせるよう陳情しているのは有名な話です。

      3について、液体電解質でも、固体電解質でも、それぞれに課題はあり、実際に完成してから測ってみないとわからないってことなのではないでしょうか?特に当記事では、安全性は全固体電池のほうが優れる可能性が高いことについて、否定はしていないと思います。

      現時点の液体電解質の電池を搭載した電気自動車でも、ガソリン車より明らかに事故時の危険性が高い、とは言えないデータが読み取れる(確実とまでは言えません、もう少し詳細なデータの集積が必要だと思います)こともあり、「オーバースペック」である可能性はあるかもしれないですね。

      4について、こちらはインタビュー記事ですので、発言内容について質問がございましたら、ご本人に対価を支払って教えていただくのがよろしいかと思います。

  70. 雨堤さんが語っている技術的な内容は、業界では常識に近い内容だと思います。

    今は、国の科研費が全固体などの次世代電池にしかつかないので、研究者がそちらに流れるのは仕方がない部分があるかと思います。

    コメント欄の対応が大変そうですね。
    陰ながら応援しておりますので、これからも頑張ってください!!

  71. とてもそれだけで安全と言い切るのは私にとってはとてもとても恐ろしい考え方です
    現在の車載バッテリーは安全を考えて様々な工夫と設計がされてますが、とても十二分なものではないです
    現状のリチウム電池の生産管理上もまだまだやらなくてはいけないことがあるのが実体です
    ガソリン車よりリチウム電池車が安全と言い切るのは本当に恐ろしい
    お願いですから、その点は考えを改めて欲しいですね
    残念ながら私の危惧はあたっていました
    リチウム電池車を特別視するのは考え直して下さい

    1. 中村様、再度のコメントありがとうございます。
      大変残念な思いでこれを書いていますが、コメントいただくのは大変嬉しく、光栄である半面、貴殿のような内容は「表面的には」(中身がないと言っているわけじゃないですよ)
      FUD = Fear, Uncertainty, and Doubt = 恐怖、不安、疑念の戦術
      のように見えるのです。これを防ぐ方法は、事実やデータ、それに基づくロジックによって文章を構成することです。

      >車載バッテリーは安全を考えて様々な工夫と設計がされてますが、とても十二分なものではないです

      具体的にどういうリスクがあるのか?またそのリスクはどのくらいか?実際に、ガソリン車の火災の危険性と比較して、統計学的に「有意」にリスクは高いのか?

      >現状のリチウム電池の生産管理上もまだまだやらなくてはいけないことがあるのが実体です

      具体的に何が行われていなくて、何をすべきなのか?それをすることによって、どう、何が、改善されるのか?また改善されることにより、電気自動車の火災のリスクは、ガソリン車の火災のリスクより、どの程度「有意」に変化するのか?

      >ガソリン車よりリチウム電池車が安全と言い切るのは本当に恐ろしい

      上記に例を書きましたが、上のような例の内容が記述されておらず、「恐ろしい」と書く、手法をFUDと呼んでいます。ぜひ、なるほど、と理解できるような論理展開を期待しています。

  72. 以前、高速道路利用実態調査に関して疑問を投げさせて頂いた者です。

    高速道路利用実態調査やCEV補助金の、あからさまな例を挙げさせて貰いましたが、
    元NCSが充電器設置者へ支払う充電料金に関し、低出力の急速充電器設置でしか儲けにはならないことからも、
    経産省やNCSが本当に国内充電インフラの拡充を望んでいたのかが疑わしいものでした。
    BEVや充電インフラの発展に対し、足を引っ張っているとしか思えないのです。
    (国会議員選挙の組織票は大きな組織ほど力になりますので、大きな組織に有利な行政となるのも仕方ありませんが。)

    そういう面からも、雨堤さんのトヨタに対する個人的感覚は共感できる点が多く、全固体電池に関するトヨタの発表をポジティブな気持ちで聞く気にはなれません。
    「全固体電池の実用化が近いので、皆さん現状のBEVを買うのは利口ではありませんよ。買わずに待っていて下さい」
    という趣旨のメッセージにしか聞こえません。

    特にトヨタの声で貴重な電池技術者が全固体電池研究に取られてしまっている現実を雨堤さんは日頃痛感している等の理由があって、
    トヨタを色眼鏡で見ざるを得ないのかもしれません。

    液体のリチウムイオン電池も、もう少しエネルギー密度が上がってバッテリーパックがコンパクト化してくれないかなと願っています。
    容量的にはもう十分ですが価格が問題です。
    価格が下がると普及率も上がって更に価格が下げられるという好循環になればいいですね。

    1. シーザー・ミランさま、コメントありがとうございます。

      一点だけ、雨堤さんに取材した編集者の目線で申し添えますと「トヨタを色眼鏡で見ざるを得ない」というご指摘、雨堤さんはトヨタに対して「色眼鏡」で評しているのではなく、むしろ、自動車産業の雄として敬畏の思いがあるからこそ、期待を込めて、技術者としての忌憚ない意見をお話しくださったのだと感じています。

      私自身、ひとりの電気大衆車ユーザーとして「さすがトヨタ!」と思えるようなEVの日本発売を期待しています。

  73. 実は自分も、全固体電池を自動車に運用するのは早計かと思ってるんですよね

    発熱しにくさ・寿命の長さは携帯機器で活躍を見込めます。スマートフォン、ウェアラブル機器向けの電池なら、リチウムイオン電池だとデメリットが見えてくる
    ただ、自動車だとこのデメリットは無視していいでしょうね。そもそも全固体電池の小型化思想と噛み合ってない

    自動車はリチウムイオン、携帯機器は全固体電池という住み分けが直近だと妥当かなと。来年にはそうなってるといいな
    5年後とかは分かりませんけどね

  74. コメント欄含め、大変興味深く拝読しております。ここまで本質的な議論は、他のWEB、紙含めたメディア(多くの場合、それらのスポンサーは「大手広告主」だったりすることも影響してか)はおろか、(想像いたしますに)電池討論会の場であっても、例え雨堤様の問題提起があってすら、十分には為されていないのでは無いかと思います。

    > 電解質は電荷(今回はLiイオン)を運ぶもので、電池の電気容量やエネルギー密度を大きく支配する構成部材ではありません。いわば移動手段が変わるだけです。
    > ところが、肝心な容量やエネルギー密度を決める部分の具体的な説明がないまま電解質だけが注目されていることに問題を提起させて頂きました。

    どんな規模、市場ポジションのプレイヤーであれ、技術を礎として事業を営む企業であるのなら、こうした本質的な指摘を伴った議論に真摯に向き合うことは、企業として在るべき姿勢と言えるのでは無いかと感じます。

    二次電池そのものや、二次電池開発の方向性を問う上で、本質的で価値ある議論をオープンに行う姿勢を市場に示す。
    それを通して得られることは、企業ブランドという側面でも、多いのではないかと思います。

    (また、蛇足かもしれず恐縮ですが)YasukawaHiroshi 様の真摯で理知的な受け答えには感服しております。あくまで事実と意見を分け、実のある議論に引き戻し、読者にとって価値ある場を維持されようと一貫して努力されるご姿勢からも、学ばせていただきました。感謝申し上げます。
    これからも良質な記事、楽しみにしております。

  75. 雨堤氏は先入観の凝り固まりです。全個体電池は何故リチュウムイオン電池
    なのでしょうか。
    何故軽く出来ないのでしょうか。何故原材料が同じでなければいけないのでしょうか。
    全ての発明は雨堤氏の考えが出発点です。
    発明の多くは偶然の発見から生まれています。青色LEDなども良い例です。

    1. K.Nkagawa様、コメントありがとうございます。
      他の方へのコメントでも書きましたが、個人を批判・評価されるのではなく、データや事実、そこから得られた結論を、やはりデータや事実、ロジックを持って、論理的に議論してくださいますよう、お願い申し上げます。
      今後、そのようなご配慮をいただけないご意見をいただくような場合は、掲載を見合わせさせていただきますので、ご了承くださいませ。
      コメントいただく方と、インタビューされた方は対等ではありません。インタビューさせていただいた方は大変お忙しい時間を割いていただき、この道で長い期間、飯を食っている(失礼)プロ中のプロなわけです。その方に対し、反論するのであれば、少なくともきちんと反論するのが「最低の」礼儀かと存じます。

    2. この記事が指摘しているのは全固体電池に対して盲信的になって時間や金や人材を大量に投入してよいか?ということであり全固体電池自体が本当に実用化できるかどうかではないのですよ。だからやってみなきゃわかんないなんて言うのは的外れなんです。これは氏の主張がリスクの分散の話だからです。

      その上でトヨタ側の説明している開発中の全固体電池がなぜ既存の物より優れているのかという科学的説明が乏しく本当は開発状況は芳しくないのではないか?それに対して時間と金と人を大量に投資しても良いのか?と氏は指摘しているのではないでしょうか?

    3. あああ さま、コメントありがとうございます。

      編集担当として「ああ、わかってくださる方はちゃんといる」と、勇気づけられる思いです。

  76. 記事の内容大変興味深く読ませていただきました。ありがとうございます。
    全個体電池の技術的裏付けはあまり聞かない中で様々な技術的な課題がまだ多くある事を知れました。またトヨタがすごく大変な事に挑戦しているのだなと思わされました。
    ただし、「実用化が目前」であるように言うのであればもう少し具体的に技術革新された内容が公開されてもしかるべきだが情報が出ていないまま、盲目的に全個体電池に期待するのはどうかという認識は更に深まりました。

    とやかく言うよりも実際にトヨタからオリンピックまでにどんなモビリティを出すのかに注目したいと思います。

    1. 友田さん、コメントありがとうございます。

      おっしゃるように、電気自動車の実用性や魅力を高めるさまざまなイノベーションが登場すること、そしてより魅力的な車種が数多く登場することに期待したいと思っています。
      個人的には、150万円で150km走れる(高速道路巡航で)新車の登場と、SAPAのQC増設を待ち望んでいます。w

      日本経済のためにも、トヨタさんの全固体電池実用化開発成功には期待したいところです。

  77. 偏った意見だと思います。古いとは言え30年前とは材料が異なります。
    現在の技術を知らずして、批判をするのは簡単です。30年前に固体をやっていた当業者関連からのコメントですが、この方は現在の状況を正確に把握していないのではないでしょうか。多くの点で間違いがあります。(確かに日本では臭いものにふたをしている点が多いのも事実ですが。)
    吉野さんが持ち上げられる一方で、このような古参技術者が持ち上げられるようでは日本電池産業の末期を感じられざるを得ません。アドバルーンを上げるだけの大学、研究者が多いのも事実ですが、メディアでの取り上げられ方もワイドショーにしかなっておらず、検証不十分なケースが多い事も問題と考えます。
    LIBの次に何を創造できるか、これに投資している会社が日本にどれだけあるのでしょうか。全固体のみならず、電池の将来に真剣に取り組んでいるToyotaを批判できる価値がこの方にはあるのでしょうか。公平性に欠ける残念な記事です。
    解決できていない事が多い?解決できる力量は日本に今ないのでしょうか?
    自己満足なのでしょうか。創造力、リスク承知でやりきる覚悟と投資への決断、これらはいま日本の電池産業で失われている気がします。

    1. S4様、コメントありがとうございます。
      ご意見をいただくのは歓迎なのですが、現実にリチウムイオン電池の研究をされている研究者の方をインタビューしていますので、その方に対する敬意を払っていただければと思います。
      今後、そのような敬意のない発言に対し、掲載させていただくことはお断りさせていただきますので、あらかじめご了承ください。

      そのうえで、コメントいただく際、間違っている、ということを指摘されるのであれば、実際に何がどのように間違っているのか、また実際にデータや事実を示して反論いただけるようにお願いいたします。そうしないことには、他の読者の方が、S4様のご意見が正しいのかどうか判断できません(失礼申し訳ありません)。

  78. あなたがクビにしたい人はネットを見ていれば世界に数億人はいるでしょう。実際首にできるわけ無いでしょうから、無意味で破壊的なコメントを残すのはやめましょう。
    私もこの記事に近い元技術者ですが、久しぶりに有用な記事を見つけました。このような意見は貴重で尊重すべきものと思います。
    さらに、企業戦略上はいつまでも実用にならない技術を仕分けするのも重要です。できる理由しか聞かないと言って退路を立つのはマネジメント上の手法であって、すべての技術に巨費を投入し続ければ会社はどうなるでしょうか?日本でもすでに数兆もの巨費が投入されていまだに日の目を見ない技術がいくつかありますが、これはいつ頃回収できるのでしょうか・・・

  79. 色々な意見(建設的な)が出ることは企画者の意図するところではないかと思います。
    誤解のない様に少しだけ補足させて頂きます。限られた説明で払拭し切れないないとは思いますし、ご納得頂けない方もいらっしゃると思います。
    電解質は電荷(今回はLiイオン)を運ぶもので、電池の電気容量やエネルギー密度を大きく支配する構成部材ではありません。いわば移動手段が変わるだけです。
    しかし、電解質を変える(液とか固体とかだけでなく)ことで、新たな正極や負極材料の使用が可能になり、エネルギー密度が向上するとか安全性が高まるという可能性は大いにあります。ところが、肝心な容量やエネルギー密度を決める部分の具体的な説明がないまま電解質だけが注目されていることに問題を提起させて頂きました。
    正極や負極あるいは低温特性を改善する電解質等の研究が手薄になってしまっているのではないかということを懸念しております。

  80. >BNEFは2022年には、同一の性能の自動車であれば、電気自動車のほうが安くなるとの予測を示しています

    2022年には電気自動車のほうがコストパフォーマンスに優れるということですよね?
    BNEFの2022年の電気自動車の販売比率予想は10%未満です。
    コストパフォーマンスの予想に反して、電気自動車のほうが数が売れないというBNEFの比率予想は矛盾していると見えます。

    1. 佐藤様、コメントありがとうございます。

      >2022年の電気自動車の販売比率予想は10%未満

      2022年の時点では、まだ軽自動車やコンパクトカーレベルの電気自動車は恐らくフォルクスワーゲンのID.3くらいしかなく、それも少し高額なものになるはずです。小型のCUV、中型SUVなど人気の車種を、低価格帯から高価格帯まで揃えるには時間がかかるということです。
      また電気自動車の市場について、当記事とは関係がありませんので、こちらに関する議論をいただけるのであれば(歓迎です)、BNEFの記事のほうにコメントいただけますでしょうか?

  81. >反論される内容をお持ちなのであれば、データまたは事実をもって反論されると良いと思います!

    >>全固体電池はトヨタの時間稼ぎのネタ

    これはデータでも事実でもないでしょう。そういう目線を持つなら
    件の技術者も既存のリチウムイオン電池を推す立場からのポジショントークと取られても仕方がない。

    それがフェアな視点というもの。

    >BNEFは2022年には、同一の性能の自動車であれば、電気自動車のほうが安くなるとの予測

    これは予測であって事実でもない。
    そもそも自分に都合のいい予測を無批判に引用しますが
    逆に主張に沿わない予測(例えば全個体電池の市場は云々とか)は根拠の乏しい難癖をつけるのは果たしてフェアでしょうか?データと事実をもって示してるといえるでしょうか?
    それともそれをやるのは自分ではなくて相手で会って、自分自身には適用されない原則なのでしょうか?

    1. ando様、すでに他の方へのコメントでも書かせていただいていますが、1点目。当記事はインタビューですので、取材内容として事実で、脚色はしておりません。

      BNEFも実際にそのような予測が示されたことは事実ですよね。中身について正しいどうかは、もちろん精査は必要ですが、誰にでもできる判断ではないですし、すでにテスラモデル3パフォーマンスは、BMW M3と競合だと思いますが、コストと性能面で、BNEFが言うように、電気自動車のほうがどちらも勝っている状況になってきていると言えると思います。

      あと二点、お願いしたいです。
      一点目は、当記事は実際に先方に依頼して、世界的に有名な方に時間を取っていただいて、お伺いしてお聞きして作成しています。どこかのニュースソースをコピペしているわけじゃありません。そのため、インタビューされている方への敬意を払っていただけますようお願いします。人間として、当然のことだと思います。

      二点目、私のコメントについてご意見をいただくのは構いませんが、記事に沿った内容でお願いいたします。記事と関係ない、内容に関するコメントは、掲載をお断りさせていただくことがありますので、予めご了承ください。
      記事に沿った内容でないといけない理由は、当サイトの記事は、数年前の記事であっても毎日読まれています。そのため、読者の方に有益であることを目指したいと考えております。

      フェアかどうか、よく聞く言葉です。
      誤解がないように明記させていただきますと、フェアかどうかは重要ではなく、他の読者の方に有益かどうか、が重要なのです。当サイトはメディアですので、特定のコメンターの方のご意見が、特に他の読者の利益にならないと判断される場合には、フェアに扱うことはありません。

  82. 総論として技術の先読みなんてプロでも不可能だと思いますよ。
    (永久機関とかのあからさまなオカルトは除いて)
    「高齢で実績のある科学者・技術者が可能だといった時まずは正しいが、不可能だといった時はまず間違っている。」という話もあります。まあこの手の話は時間を限定してないので、数年後かもしれないし100年後かもしれませんが。

    プリウスは電圧が高いから感電するとか危険だとか言う話は
    電圧は同じかそれ以上に高くそれよりも電気に頼る割合が多いEVで全く聞こえなくなったのが不思議ですが、ありゃやっぱりトヨタ嫌いの人が流してたうわさに過ぎなかったのでしょう。
    まあ従来のエンジン派によってEVの欠点も誇張されてるのでしょうね.

    イーロンマスクがらみでいえば再使用ロケットなんてのはスペースシャトルが結果的に失敗したことでもう終わり、実用化するにしても素材やエンジンに画期的な飛躍がもたらされるだいぶん先の事だろう…と言われてたのに、基本的にはオーソドックスなロケットエンジンでできましたからね。

    それまで日本の「専門家・評論家」もいかにできないか、欧米で見切りをつけけられているかを延々と力説されていました。下手すりゃ黎明期のスペースXをその好例にあげてましたからね。その人たちが今になって掌返してるのはもう笑うしかありません。

  83. トヨタが乗用車のBEVの量産化に及び腰なのは単にリチウムイオン電池が高いのだという点につきます。先進国の一部の人々しか買えない高価なBEVをつくったところで、本当の環境対策にはならないからです。
    本文中で指摘されている通り、電池それ自体のエネルギー密度は変わりませんが、電池パックの単位で考えれば全固体電池はリチウムイオンに比べ小型化を目指しやすいです。そのためトヨタは、大型なリチウムイオン電池に合わせてBEV用の車体プラットフォームを作るのではなく、当分はHVやPHVで乗り切るのでしょう。そして、全固体電池を(これはリチウムイオン電池になるのかもしれませんが)リーズナブルな価格で調達できる目処が立つのであれば、それに合わせたプラットフォームの開発にゴーサインが出るのだと思います。繰り返しますが、現時点で値段の高いリチウムイオン電池を用いた高価なBEVを売り出したとしても、本当の意味での環境対策にはなりません。普及してこそ意味があるのです。それは初代プリウスを赤字で売り出していたトヨタの姿勢をみればわかると思うのですが、どうでしょうか。

    >全固体電池はトヨタの時間稼ぎのネタ
    と本文にありました。一専門家の個人的な感情が反映されていると捉えられてもおかしくない発言に、注釈を付けず、記者が納得している旨の記述が続いていきます。一連の記事の流れは読者をミスリーディングしているのではないかと感じました。

    コメント欄での
    >当サイトでは、他のメディアと異なり、できる限り事実を事実として、データに基づいてお伝えすることを目標としています。
    この文言に失笑してしまうのは私だけですかね?

    1. 確かに全固体電池は難しい 様、コメントありがとうございます。

      >>現時点で値段の高いリチウムイオン電池

      実際にはリチウムイオン電池のコストはどんどん下がっています。シンクタンクのBNEFは2022年には、同一の性能の自動車であれば、電気自動車のほうが安くなるとの予測を示しています。恐らく、日本の自動車メーカーが電池を安く入手できないのは、台数の計画が少ないからではないでしょうか?そもそも、地球の多くの方が、電気自動車を買えるようにするためには、大企業が自ら電気自動車を作って売り、それによってコストダウンを図るのが近道ではないでしょうか?実際に、「高いから作れない」のでは、問題の解決にはなっていません。「高いけど、買えるお客向けに作り、コストダウンを図る」というほうが、多くの方の利益につながるのではないでしょうか?
      https://blog.evsmart.net/ev-news/electric-vehicles-cost-parity-in-2022/

      >>読者をミスリーディング

      当記事は、主題にもありますように、インタビュー記事となっています。インタビューにより脚色しているならミスリーディングでしょうし、また内容が事実と大きくかけ離れていればそれもミスリーディングでしょう。しかし、現実には、脚色もありませんし、実際研究成果をWebで拝見する限りは、あまり事実とかけ離れているようには思えません。

      >>文言に失笑

      反論される内容をお持ちなのであれば、データまたは事実をもって反論されると良いと思います!
      実際に現在までに発表されてきた全固体電池の課題について、車載の電池に必要なエネルギー密度、出力性能、充電速度、寿命、価格のバランスが整ってきているとは言えない状況であり、かつ、特にエネルギー密度や充電速度、価格の三点において、現実的にまだ先が見えていない状況である、ということは間違いなく、分かるのではないでしょうか?

  84. 単に世界のトヨタより俺がすごいと言いたいだけにしか聞こえない。あまりにも低レベルな記事で呆れる。電池のことしかわからない研究者と車にのせるのに適した電池を探しているトヨタとでは議論にもならないでしょう。一度FMEAでもしてみたらどうですか。
    今のLiBが十分安全とか頭大丈夫かと思います。
    スマホが燃えて発売中止になったこともあればボーイングのバッテリーが燃えたりしてますよ。

    1. とたけ様、コメントありがとうございます!

      >>電池のことしかわからない研究者と車にのせるのに適した電池を探しているトヨタ

      こちらの方は、2009年に三洋でテスラにバッテリーを供給し、世界初の量産電気自動車の礎を作った方だと思いますよ。まだ量産実用車を一台も作っていない会社と比較するのはちょっとおかしいように思います。。

      >>今のLiBが十分安全とか頭大丈夫

      すでに、他の方へのコメントでデータを提示しましたので、安全性についてはある程度お分かりいただけるかと思います。スマホのように安全機構をあまり持たず、冷却機構・保護機構もない電池パックと、自動車用のバッテリーパックを比較することは、意味のないことだと思います。また当ブログでは、データに基づいて議論することを基本としています。単に「安全ではない」という場合、実際に統計値を用いて議論する必要があります。実際には、車両火災のほとんどはガソリン車であり、まだデータが少なく確実なところは言えませんが、電気自動車の車両火災はガソリン車より少ない可能性のほうが高いと思います。もちろん、全固体電池が完成し、実用になり、安全性が向上することは素晴らしいことですよね。

    2. ガソリン車の発火事故の件ですが、小生品質保証の審査の関係で大手自動車修理販売の業界団体や下請けメーカーの方、自動車用大手鉛バッテリーメーカーの品証関係の方とお付き合いがあり、自動車の発火事故の原因について伺ったことがありますが、皆さん、発火事故が起こったら表には出ないが実はほとんどが鉛バッテリーが原因と断定されていました。鉛蓄電池は今も発火リスクがあると認識しています。

  85. リチウムイオンの開発・高性能化は飛躍的に伸びてきています。一方全固体電池は鈍化しています。そこでリチウムイオンが全個体より優ってしまったら全固体電池に固執するよりリチウムイオンの高性能化・高効率化を目指すのも平行開発すべきかと。思いました。
    現実、リチウムイオンが外気に左右されやすい、発熱の問題など様々です。リーフに乗っているとそれを切に感じます。ただ、これが全固体電池なら丸っと解決するかと行ったら決して違うよということ。
    個人的にはユーザーの求める電池というのは
    劣化しない、寒暖に左右されない、急速充電の限界値がどれくらいか?
    ですよね。現状国内だと給電システムにも問題があり充電に時間を要するけど、この辺が整備されe+の60kwバッテリーにいかに早く充電できる設備がどれだけ多く設置されるかに関わってくると思いますけど。

  86. >トヨタとしては、全固体ができないと使い物になる電気自動車は作れませんよと言いたいのではないでしょうか。いわば、先延ばしのための言い訳とも感じてしまいます。

    私のような門外漢だけでなく専門家も同様に感じていると知り驚きましたね。まあ車会社にとってエンジンを捨てるという決断は中々できないでしょうが

    1. その一方でトレンドが一気に全個体電池に触れるような可能性も無視できず、経営者としては(専門ベンチャーならいざ知らず)その時に何も手を打っていませんでしたは通らないでしょう。
      実際自動車用で言えば、何が主流になるか実質何もわかっていないにもかかわらず、設備投資が膨大になることだけは分かっています。すでに実績もありある程度予測もつく現状のLi-Ion電池よりも、未知の競合技術の研究にシフトするのは当然とも言えます。表向きの理由なんて株主に納得してもらうだけの建前だと思います。

  87. 昔工業化学を学んだ人間として、全固体電池に難しい問題が山積していることは火を見るより明らか。ポリマー技術が発展した今だから全固体がある程度真実味を帯びただけでリチウムポリマー以前の電池はすべからく液体電解質が存在してますよ。
    リチウムイオン蓄電池で現在最も安全性が高いのは東芝のSCiBと考えられます。実際アイミーブMタイプで大電流充放電特性(125A/40Ah=約3C)・温度特性(-30~40℃)のよさを享受していますもので。

    化学を知らない人に技術を伝えるのは難しいですが、全固体電池もSCiBもナノテク採用や材料選びなどは同じで、前者はいまだに解決途上、方や後者は既に8年前に生産市販された…この差は余りにも大きいといわざるを得ません!!逆に言うなら東芝がいかに安全なリチウムイオン電池生産に前向きに取り組んでいたか思い知らされますよ。

    蓄電池電車に採用される電池も新幹線用は東芝製と聞きます。他社が研究してないオンリーワン商品として幅を利かせていくなら全固体新規開発より人的資源をもっとチタン酸化物系リチウムイオン電池へ投入すべきじゃないですか!?もちろん低電圧セルが原因で容量7割弱ですが容量アップの新素材が出れば全固体よりはるかに有利とも思えてならないのですが。

    1. 正論です。
      固体電池は発熱も大きく、被う金属カバーも丈夫に作らなくてはならないので、重たくなりますね。

  88. IMECの発表は正に雨堤が言及しておりますポリマー電池であり、ソニーさんが既に開発しているシステムと基本的には同等だと思います。ソニーさんのポリマー電池をどの様にお考えなのでしょうか?
    ポリマー電池を全固体電池とするならば既に実用化されています。

    1. 猫 様、私は、一件の火災がどうのこうのと言っているのではありません。トータルとして、ガソリン車の車両火災のほうが、電気自動車の電池による火災と比較して多いのではないか、と申し上げています。
      ここ5年間で、普通車・軽自動車で2283件の車両火災が報告されています。車両火災には様々な原因があり、その一部がエンジンから・バッテリーからの火災であり、さらに電気自動車の駆動用バッテリーからの火災の割合は非常に低く、問題にするほどではない、ということです。
      http://www.mlit.go.jp/jidosha/carinf/rcl/cgi-bin/accidentsearch.cgi
      ご自身で、こちらで検索してみてください。今見てみたら、リーフは国内で1件、充電中の火災がありましたね。原因不明とのことなので、正確には分かりませんが。

  89. 専門家でなければ意見の妥当性は判断出来ませんね 高齢の一技術者が言っている事なので一つの意見ということです 開発失敗したキヤノンのSEDテレビ、液晶に負けたパナソニックのプラズマテレビなど技術の潮流見間違えた日本企業は近年は多いので、オールインワンが危いという意見には妥当性はありますね

    また一方、日本企業が海外と開発競争に規模、人員、予算で大きく目劣りして負けることも数限りなく増えています

    私は企業が開発予算の多くをホットなジャンルに集中投下することが誤りではないと考えています 問題は日本企業は判断、決定が遅く、さらには決まったことの修正、方向転換がなかなか出来ない事です 悪い言葉ですが常に見直して朝令暮改が求められていると思いますよ

    1. その液晶でも最近は有機ELが伸びていますし、その液晶が実用化されされる前まではブラウン管の天下実際問題のところ全てポジショントークくらいに思っておいた方がいい。
      車でも所詮過渡期の技術という扱いだったハイブリッド車も初代プリウスから20年たってますし、リチウムイオン電池の前のニッケル水素だって一部では使われている。市場自体でいえば鉛バッテリーもでかい

      はっきり言って技術や規格の優劣は後出しなら何とでも言えますが
      技術者にしろ経営者にしろそれが本当に妥当な意見かというと疑問です
      結果的に負けた規格の技術者や経営者も負けてやろうと思って参入したわけじゃないでしょう。

  90. 取材時、雨堤さんのお話しを伺いながら腰が抜けそうな思いでしたが、やはり賛否両論さまざまなご意見があるようですね。

    安川さんの回答と重なる各論への言及は控えておきますが、大切なのは「前進するために今やるべきこと」のバランスだと感じています。

    そもそも、今回のインタビューをお願いしたのは、以前、雨堤さんから立ち話的に全固体電池への懸念を伺ったことがあり、その詳細を知りたかったからです。記事中、指摘されている実用化への課題などは、学会などでも議論されていることでしょう。雨堤さんの指摘の是非をここで論じても、ちょっと空しい議論のように感じます。(事実をご提示いただくのは大歓迎ですけど)

    まして、雨堤さんへの誹謗中傷にもとれるようなコメントはお控えいただけますと幸いです。

    電気自動車普及、そして持続可能なモビリティを活用するために、ユーザーとして何に期待して、何をすればいいのだろうか。。。私個人としても考えさせられる雨堤さんの言葉の数々でした。

    1. 「全固体電池でないと実用レベルにならない」「すでに開発できているが後はコストだけ」だと理解していたので、研究者ではなくビジネスとして実務に関わっておられる方からのお話、大変興味深く読ませていただきました。

      18650のような汎用性の高い電池で実用車としてとっくに販売してしまったテスラのアドバンテージはかなり大きくなっているであろうことも想像できました。
      実際、先日モデル3が予定より早く納車され、翌日からいきなり300km超のドライブでしたがとくに困ることはありませんでした。初EVなのでもちろん充電スケジュールにはそこそこ気を使いましたが、初めてでも平気でした。

      次のブレイクスルーは全固体電池以外のところにありそうな気がしてきたのでそれも楽しみですが、研究者が取られちゃってるのは困りますね。

    2. ITO さま、コメントありがとうございます。

      電気自動車は電池だけでできているわけではないので、いろんなチャレンジが進化を運んでくれるのだと思います。ユーザー、というか社会の意識改革もひとつのブレイクスルーといえるでしょう。
      「研究者」のことも含めて、ソリューションとしてバランスのよいチャレンジが大切、という雨堤さんの提言にドキリとしました。

    3. 研究者がとられるのは云々とか量産車がーが誹謗中傷ではないの?
      そんな魅力のない分野だとでも言いたいの?
      「現時点で」リチウムイオン電池が主流だから今後もそうなのだ、じゃ何の根拠にもなってませんよ。
      かっては鉛が主流でニッケル水素の時代もあった、今現在はリチウムイオンかもしれない、だが永久にそうである保証はない。
      だいたい今現在がーって言うなら「じゃあ何倍も売れてるガソリン車が主流では?」となるだけじゃないですか

      燃料電池車のケースにしてもそう、そも何が言いたいのかわかりません、後付けで当初の目論見の数字より普及しなかったのをあげつらいたいだけですかね?
      結局一方を偏ってるとか言いながら逆方向に偏ってるだけだと思いますが…

    4. ando さま、ご意見ありがとうございます。

      ご指摘の点は、見解と事実です。

      全固体電池の課題について、現時点で実用化されていないことが理由ではなく、雨堤さんの懸念を問題提起として挙げていること。燃料電池への連想は事実に基づいた筆者の意見であること。ご理解いただけると幸いです。

      こうした見方があると読んでいただけたら、と思います。

  91. 氏の指摘する電極材料の開発も重要と思いますが、エネルギー密度に関して下記URLに記される様に固体電解質の優位性も研究報告を目にします。特にトヨタに近い研究者では無い方々の報告です。
    短時間での充電と、高密度化による電池の体積の減少が使い易い車の性能に繋がると信じてます。
    https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00001/02611/

    1. Tak様、コメントありがとうございます。こちら、先ほどコメントいただいた「あ」様と同じ機関の研究成果ですね。
      実は、リチウムイオン電池も全固体電池も、電池である以上、必ずバランスが重視されます。なぜ今各自動車メーカーが、(トヨタさんのように量産車を出していない企業は別として)リチウムイオン電池で量産しているのかというと、それは全てのバランスがとれているから、に他なりません。そのバランスとは、エネルギー密度、出力性能、充電速度、寿命、価格です。このどれが欠けていても、自動車メーカーは電気自動車を作って販売することができません。また雨堤様がおっしゃっているのは、接合面の電気抵抗が高いのが問題だとおっしゃっているわけで、こちらの資料でもこの内部抵抗をいかに減らすかについて、言及されていないように思われます。内部抵抗が高いということは、急速充電すると発熱が凄くなるということ(=急速充電不可)。この点で日本の東工大の発表なども、超薄膜では界面抵抗を減らせる=大きな電池が作れない、という状況であり、これからのブレイクスルーがもう一段必要なのではないかと思われます。
      https://www.jst.go.jp/pr/announce/20181123/index.html
      ↑東工大と産総研のリリース

  92. 全個体電池の量産方はimecとかも研究してるし、この人の言ってることって、自分は、全個体電池を実用化できない無能ですって言ってるようにしか聞こえないんだけど

    1. あ 様、コメントありがとうございます。IMECの研究成果はこれとかでしょうかね。
      https://www.imec-int.com/en/articles/imec-partner-in-energyville-doubles-energy-density-of-its-solid-state-batteries-to-400Wh-liter
      拝見したところ400Wh/lと0.5C充電ができるようになった、とのこと。ちなみに普通に売っているパナソニックの電池(電気自動車用のものでなく汎用品)は600-700Wh/lくらいです。普通に街で買えます。そして、充電速度は2Cから3C程度です。例えば日産リーフは2011年に発売されましたが、その時から2Cで充電できています。現在のテスラモデル3は3Cを超えています。現時点での、全固体電池のパフォーマンスは、このIMECの研究成果に基づくと、8年前のリチウムイオン電池と変わらない程度の技術ということになります。
      全固体電池に未来がないかどうかについては議論・異論があると思いますが、現時点では研究中というステータスがピッタリかと思います。

  93. 普及できるかはコストと、顧客が求める性能とのバランスが重要。技術者だけの根性論で片づけない雨堤さんの問題提起に好感を持ちました。

  94. あれだけ爆発や火災が起きているのになぜ現在のリチウム電池を安全と言い切るのでしょうか?
    いかに確率が低くとも現在もリチウム電池が危険を孕んでいるのは間違いないはずです

    それと個体接地面の話は以前にトヨタ自信が困難な問題点として発表してました
    解決できたかどうかは分かりませんが

    チョット偏向し過ぎでは?

    1. 中村様、コメントありがとうございます。
      偏向ということはなく、その道の権威に対するインタビューですから、額面通り、そういう発言をする業界関係者がいる、とご理解いただければと思います。

      >あれだけ爆発や火災が起きている

      ほんとうですか?
      https://en.wikipedia.org/wiki/Plug-in_electric_vehicle_fire_incidents
      ここで報道されたような電気自動車・プラグインハイブリッド車の車両火災はほぼ掲載されていると思います。一ページに収まるくらい?日本国内ではゼロです。(訂正:1件ありました)
      https://www.usfa.fema.gov/downloads/pdf/statistics/v19i2.pdf
      米国内だけ、かつ高速道路だけで、1年間の車両火災の件数は5万7千件です。どれくらい、深刻でしょうか。

      当サイトでは、他のメディアと異なり、できる限り事実を事実として、データに基づいてお伝えすることを目標としています。

    2. リチウム電池の事故は自動車だけではありません
      心のどこかにBEVを特別扱いしてるとこはありませんか?
      燃料は漏れる+火気で危険になりますが、
      電池は漏れるだけで感電の危険があります
      しかもリチウム電池は漏れ=爆発火災につながりかねません
      もちろん確率は多くの努力で低くなっています
      しかし
      現在の危険性のままで良いとお考えですか?

    3. 中村様、コメントありがとうございます。

      >>心のどこかにBEVを特別扱いしてるとこはありませんか?

      特別扱いではなく、リチウムイオン電池は、実際のアプリケーション、すなわち利用される環境に合わせて、ケース、冷却、温度管理、充電管理などを行う必要があるのです。そのため、利用環境の異なるものを比較しても意味がないのです。
      例えば、現代のリチウムイオン電池は、ショートさせれば確実に発火します。

      >>電池は漏れるだけで感電の危険

      リチウムイオン電池の電解液のことですか?もしそうでしたら、感電の危険はありません。
      もし漏電のことをおっしゃっているのでしたら、まず漏電する可能性のことを考えなければなりません。電池パックの出口には、電池内部で、外部から12Vを供給しなければ、自動的に遮断されるコンタクターという部品があります。この内部で漏れた場合には、ショートなども原因が考えられますが、熱を検知してコンタクターがオフにされて電池パックは切り離されます。感電の危険性はほぼありません。
      電池パックが装着された状態で、車両内部で漏電することはほとんどありえません。ガソリン車と異なり、高電圧バッテリーはプラスとマイナスは別配線。プラス端子をシャーシに接触させても電気は流れません。漏電させるには、プラスとマイナス両方を近づけて接触させないといけないのです。

      >>現在の危険性のままで良いとお考えですか?

      いえ、もちろん安全性はもっと高めていくべきだと思いますが、ポイントは、リチウムイオン電池搭載の電気自動車は、ガソリン車より安全であるので、全固体電池の、より高いレベルの安全性が必要か、というと、nice to haveのレベルにある、ということです。

    4. ちなみにですが
      固体電池は接地面以外にも実用量産化のハードルはかなり高いと思います
      それでも実用化すべき技術です
      ただ燃料電池も固体も実用化量産化しても現行のリチウム電池全てを置き換えることはないはずです
      理由はどれも高コストだからです
      それでも如何なる苦労をしても実現すべき技術なんです

    5. 中村様、前回と同じ返信で恐縮ですが、

      >如何なる苦労をしても実現すべき技術

      なぜでしょうか?コストが高いなら、あまりメリットはないのではないでしょうか?私は、水素そのものの利用に異論を唱えることはありませんが、水素燃料電池車は、将来の水素サプライチェーン構築のために(いったい誰のために?)、自動車ユーザーが高コストを受け入れさせられる仕組みになっているから、なぜそういう主張をされるのか、知りたいのです。燃料電池バスの、国土交通省への提案資料には、「○○kgの安定した水素消費が見込めます」と書いてあるのです。誰のために?

    6. 申し訳ないが小さな世界の中だけでの話では無いのです

      水素だけでなく極少数の金銭的に豊かなBEVユーザーのために、他の庶民自動車ユーザーが払っているコストも同じことです
      コストを気にするならまずBEVを止めるべきです
      そしてそのコストを後進国の医療・教育に使った方が多くの人命を救えるはずです

      リチウムイオン電池搭載の電気自動車は、ガソリン車より安全であるはずがありません
      それはまだ誰にも分からないのです
      ガソリン車には絶対的な実績があるのです
      それも工学的に失敗と成功を多くの人と長い時間が積み重ねたものです
      それを言い切ってしまう感情というか考え方に恐怖を覚えます
      そうした言い切ってしまう考え方の先は何があったか思い出して欲しいものです

      現在もそしてこれからもリチウムイオン電池工場では不良品による何らかの小さな火災爆発現象が発生しています
      その不良をゼロにできる保証は無く現在も可能性を小さくするしか無いのです
      しかもコストダウンを求める自動車メーカーとユーザー要求がそのリスクを高くします
      自動車メーカーの想定した条件内での安全性に私は危惧していません
      リチウムBEVはまだ歩き始めた幼児のようなものと考えることはできませんか?
      過信せず暖かく見守ってやりたいものです

      こうした↓記事を読んでみるのもいいかもしれません
      https://motor-fan.jp/tech/10012397

      エネルギー問題は非常に複雑で政治的にも経済的にも困難を伴うものです
      リチウムイオン電池だけで問題を解決するのは困難です
      様々な新しい技術や取組が不可欠なのです

    7. 中村様、コメントありがとうございます。ただ、前回会話させていただいたあと、特に返信をいただいておりませんで、また同じことを別の言葉で書いているだけではないでしょうか?

      >コストを気にするならまずBEVを止めるべきです

      そもそもこの話はどこから出てきたのでしょうか?
      電気自動車のほうが、部品点数が少なく(ガソリン車の1/3以下)、エネルギーコストも少なく、CO2排出も少なく、現時点では高額ですが2022年には電気自動車のほうがガソリン車より安くなるのですよ?
      現時点で、競合と言われる、テスラモデル3 SR+とBMW 320iを比較してみますか?
          モデル3       BMW 320i
      価格  5,110,000      5,330,000
      サイズ 4,715×1,825×1,440 4,694×1,933×1,443
      出力  211kW 135kW
      トルク 350Nm 300Nm
      燃費  13.8km/l(WLTC) 14.3kWh/100km(WLTC)
      実燃費 10.9円/km 4.3円/km @30円/kWh

      どうでしょう?価格も安く、出力もトルクも上、ランニングコストは2分の1以下なのが、電気自動車の現実なのです。

      >リチウムイオン電池搭載の電気自動車は、ガソリン車より安全であるはずがありません
      >それはまだ誰にも分からないのです

      すでに実例をいくつか挙げましたが、中村様はプロの意見は参考にしない、ということでしょうか?日本国内で、電気自動車の火災は知られている限り国内で1件のみ(国土交通省のデータベースご覧ください)。

      >ガソリン車には絶対的な実績があるのです

      火災の実績がある、っていうだけですよね。

      >現在もそしてこれからもリチウムイオン電池工場では不良品による何らかの小さな火災爆発現象が発生

      エビデンスが必要かなと思いますよ。

      >https://motor-fan.jp/tech/10012397

      効率50%であっても、残念ながらEUの既定する排出規制には適合できません。今の最高効率が40%ですから25%しか向上できないですよね?しかも、今後ドライビングサイクルがRDEなど、実際にクルマを走行させて排出ガスを測定するようになると、WLTCやEPAにギリギリまでチューニングするような方法は使えなくなり、エンジンにとっては非常にクリアするのが難しくなります。
      またその記事には天然ガスのことが書かれていますが、現在の日本国内であっても、1kmをガソリン車と電気自動車で走行させる場合、より多くの化石燃料をガソリン車は使っているのは事実なのです。つまり、電気自動車を増やすことにより、化石燃料への依存を減らすことができます。その記事は、減らせるオプションがあるにも関わらず、減らすことを拒否し、(これから発売される新車に限定したうえで)あと25%しか改善の余地のない技術について記載されたものです。

      一方電気自動車は、再生可能エネルギー比率を高めていくことにより、化石燃料への依存は非常に少なくできます。ご存知ですか?カリフォルニア州は再生可能エネルギー比率を100%にすると宣言しています。その時点で、カリフォルニア州で走行する「全」電気自動車の排出は非常に低くなり0%に近づきます。

    8. まず返信が遅れたことと、また今までも今後とも職務上知りえた情報のソースを明かせないことをお詫びします

      >2022年には電気自動車のほうがガソリン車より安くなるのですよ?

      BEVのコスト問題は大量の電池を積まなければ売れないことです
      テスラモデル3の車両重量は1.7t~1.9tに対し320iは1.5t
      同航続距離で400㎏以上の重量差=電池の重さになります
      320iガソリンエンジンパワートレインの重量とモデル3のバッテリーパワートレインの重量差は数倍Liバッテリーが重くなります
      翻って既存エンジンの原材料は約数百円/㎏に対し、Liバッテリーの原材料コストは数千円/㎏になります
      パワートレインの組立加工費は既存バッテリーの方が今後安価になることが見込まれますが、それも重量コスト差と原材料コスト差に比べれば微々たるものです
      BEVの現行価格は戦略を含めたもので、極端な話「今さえ良ければ」いくらでも安く値付けだけはできます
      私は原価や利益を無視した表面的な値札の話はしていません
      事業や開発投資が継続的に可能となる製造コストの話をしています
      ちなみにこの話をソースを求めるなら矢野経済等の高価な専門調査資料をお買い求めください

      現在のLi電池は充分な安全性を確保されていません
      https://www.bosch-presse.de/pressportal/de/en/explosions-that-save-lives-200641.html
      ボッシュではこのような形で安全性を高めようとしています
      これだけでなく世界中の技術者たちが高容量電池の安全向上に日夜励んでいます

      我々人類は生まれて初めて高容量電気エネルギーの持ち運びを経験し始めたところです
      ごくわずかな成功例だけで安全と言うようなことは私はとてもできません

      一件の失敗例だけであれば安全ならば日本は全ての火力発電を原子力発電にすべきと言うのでしょうか?
      私にはとても言えません

      表面上に出てくる情報だけで過信盲信したくなる気持ちも分からなくはありません
      しかし
      現在のリチウムイオン電池はまだまだ発展途上の技術で「some of one」と考えて下さい
      新たな構造、新たな材料の電池の開発が今現在世界中の優秀な技術者達によって行われています

      ちなみに法規制は全くあてになりません あくまで「こうなって欲しい」希望の宣言です
      これまでの宣言通りのスケジュールで希望が叶えられたことはありません
      しかし、ゆっくりではありますがその希望が沿うように技術は発展して来ました
      おそらく、これからも希望に沿う方向で技術は発展しますが、そのスケジュールは行政機関や誰かの望みではなく、多くの技術者達の努力に積み重ねのみで決まるのです

      私の言いたいことは「過信と偏向はいかがなものか?」ただこれだけです

    9. 中村様、コメントありがとうございます。エビデンスがないと、議論はできないと思います。
      といいますのも、当サイトは投稿したい中村様のような方々のためにあるわけではなく(せっかく読んでいただいたのに申し訳ありません)、物言わぬ多くの読者の方々のためにあります。その方々が公平に判断できる材料を提供するのが当サイトの役割と考えています。ソースのない一般の方のご発言は、当サイトが大切にしている読者の方々に利益をもたらしません。

      >BEVの現行価格は戦略を含めたもので、極端な話「今さえ良ければ」いくらでも安く値付けだけはできます
      >私は原価や利益を無視した表面的な値札の話はしていません
      >事業や開発投資が継続的に可能となる製造コストの話をしています

      実際に、テスラの決算を読んでみてはいかがでしょうか?
      GMがプラスになっているということは、現時点で利益が出ていて、その状態でBMW 3シリーズは性能で負けている、ということですよね。これもデータから読み解くことができます。
      https://ir.tesla.com/node/19496/html
      PLはItem 6です。

      >現在のLi電池は充分な安全性を確保されていません
      >https://www.bosch-presse.de/pressportal/de/en/explosions-that-save-lives-200641.html
      >ボッシュではこのような形で安全性を高めようとしています

      まず、パイロヒューズは2009年からテスラには標準搭載されています。もう10年も前の話です。ボッシュがやっと製品化した、というだけですよね?またパイロヒューズの安全性と、リチウムイオン電池の安全性には何の関係もありません。またこのような緊急用ディスコネクトは米国でも欧州でも日本でも法制化されていて、リーフにもアイミーブにも方式は違いこそすれ、搭載されています。
      https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/in-case-of-accident/
      こちらに、関連法規をリンクしています。

      >ごくわずかな成功例だけで安全と言うようなことは私はとてもできません

      可燃物や爆発物だから危険だ!分からないから危険だ!と発言するのは自由だと思います!ぜひ、ご自身のブログで世界に問いかけられてはいかがでしょうか。しかし、ここで書いていただく以上、どのように危険で実データにはどういうものがあるのか、実際に書いて証明していただきたい、というのが当社の基準となります。

      >私の言いたいことは「過信と偏向はいかがなものか?」

      過信も偏向も良くないですが、データ・エビデンスなしは一番許容することが難しいのです。
      今後、データ・エビデンスなしに危険性を語るようなコメントをされた場合には、書き込みを掲載させていただくことを遠慮させていただきますので、ご了承お願い申し上げます。

    10. すいません コピペで一行抜けていました

      希望のある未来への可能性は複数広がっています
      けして一つに絞られていいものではありません

    11. 少し専門的なことを言い過ぎなのかもしれませんね
      電池デバイスとしての専門的な話を私はしていますが、御貴兄はどちらかというと消費者から見た電気自動車製品としての話をされているように感じるのでその点は全く噛み合ってないようです
      確かにご指摘通り様々な法規制や工夫で高容量電池の電気自動車の安全性は高いものになっています
      リチウム電池自動車も燃料電池自動車も安全性の確保のために様々な努力工夫がされています
      動力源エネルギーデバイス単体としては現在のリチウムイオン電池は他の電池や動力源と比較して安全面での優位性はないと言った方がいいですね
      法規制をクリアした自動車製品となってうえで自動車購入した消費者にはその安全性には大きな差異は無いという考えは私も同意します
      ちなみにM3とモデル3の比較の話も消費者目線のYasukawaさんと生産技術に関わる者としての私の目線が全く違います
      そのためYasukawaさんの資料は私には全くエビデンスにもソースにもなってないので議論にはなりません
      Yasukawaさんの提示する資料は消費者や投資家向けに編集された資料で技術的な資料ではないからです

      私と議論を続けてもらえるならばあくまで消費者目線では無く純粋な工業技術として話をして頂きたく願います

      今回の記事は工業技術としての観点からのインタビューと私は捉えています
      工業技術として固体電池は将来的に非常に重要性が高くなる社会に有用な技術だと私は考えています
      (「固体電池だけ」ではないですけどね)
      今現在、生産する工業製品には現状のリチウムイオン電池は非常に有用な蓄電デバイスだと捉えています
      また同時にリチウム電池は蓄電デバイスとして現在最も競争力が高いものだと思います
      しかし移動体エネルギー源としては理想には遠い性能しか出せないと考えています
      そのため現在のリチウム電池の投資・開発は進めるべきですが、新たな蓄電デバイスや動力デバイスの開発は非常に大切なことだと考えています
      「リチウム電池しかない」という考え方が「今だけ」だというなら私も否定はしません
      しかし将来も「リチウム電池しかない」というならば私は否定します

    12. 中村様、コメントありがとうございます。背景をご紹介いただき、ようやくおっしゃる内容の流れが理解できました。
      そういう意味では私は電池技術者ではないですし、この場も電池技術や工業技術について語る・伝える場でもありません。あくまで対象は一般の消費者の方なので、そういう技術単体でのお話をされているという認識がありませんでした。失礼いたしました。

      もちろん単体レベルでの全固体電池の安全性は、実現すれば高いと思います。なので
      >「リチウム電池しかない」という考え方が「今だけ」だ
      に、私の考え方は近いです。全固体電池には投資すべきと思いますが、それにしがみついて、すでに自動車製品としては完成度が高く、消費者も理解し始めているリチウムイオン電池ベースの電気自動車を否定するというのは間違いだと考えていますよ。

      そういう意味では、ガソリンを搭載するよりは、リチウムイオン電池を搭載するほうが、遥かに安全だと思います。万が一出火した際にも、爆発して逃げ遅れて焼け死ぬ事例というのは、恐らく一例しか報告されていません。他のすべての事故事例を見ても、火傷や車両火災による死者というのは出ていない認識をしています。

      最後に一点、
      >爆発や火災が起きているのになぜ現在のリチウム電池
      という言い方をされると、一般の消費者は「電気自動車って危ないのかな?」と感じられると思います。そのような言い方こそ、私が避けていることの一つです。消費者にとっては単体技術は関係なく、システムとしての総合的な安全性が重要です。例えば火災のリスクがわずかながら存在するリチウムイオン電池を搭載している電気自動車では、電池を底面搭載することにより、側面衝突によるリスクがガソリン車よりかなり減少します。これも、電気自動車のメリットと考えており、伝えていく必要があると思っています。

    13. >この場も電池技術や工業技術について語る・伝える場でもありません

      私には今回の記事は一般消費者向けの記事とは思えません
      この記事ではEV用の電池として何を述べているのでしょうか?
      指摘する固体電池の問題点は車載化技術ではなく、蓄電デバイス単体としての記述ではないですか?
      固体電池はEV用電池として論ずるにはまだ進化が進んでいない状態です
      「車載用電池としての量産技術での課題やコスト等のメリット・デメリットがまだ不明確であるためEV用電池の議論にはまだ早い」だけ記述であれば理解できます
      しかし、付随する否定的な論調を見ればとてもそれだけとは思えません
      極論すれば胎児の段階で「この子は長女に比べて体が弱そうだ」と言っているように思えます

      また技術的な話になってしまいますが、現在車載されているリチウムイオン電池の電極・電解質等の材料技術や生産技術は既に十分に枯れていて日本でなくとも世界で充分にが対応できると考えます
      電池技術で世界最先端を行く日本がすべきなのは十分に枯れた量産品であるリチウムイオン電池に技術者や費用を闇雲に投資するのではなく、固体電解質や高容量電極材や新たな構成・生産技術にそれを費やすことだと思いますが如何ですか?

      >リチウムイオン電池ベースの電気自動車を否定するというのは間違いだ
      私はグローバルなW2Wでの環境性や生残性ではガソリンHVを中心に据えるべきでBEVは、電力環境が良い先進国等の一部だけにすべきだと考えています
      世界の大部分を今すぐにBEVにすべきだと言うのなら大否定且つ大反対です
      ですので正確に言えば「今だけ」かつ「地域限定」でのBEV普及は私も賛成します
      ガソリン車とLiB車との安全性の比較は極寒地~灼熱地の使用地域や生産~廃車等々広範囲で考えるべきだと考えます
      先進国の一般的な路上走行での乗車員の安全だけを考慮することを私はしません

      安全性でもBEVの普及についても尺度が全く違うのではないでしょうか?

      ちなみに「電池の底面搭載」は重量・形状・安全面で発達してきた車載設計技術でコスト・重量面では不利になりますがご指摘通り安全性や走安性では有利になります
      ただこれはリチウムイオン電池だけでなく他のデバイスでも当てはまることです

    14. 中村耕平様、コメントありがとうございます。

      >「車載用電池としての量産技術での課題やコスト等のメリット・デメリットが
      >まだ不明確であるためEV用電池の議論にはまだ早い」だけ記述であれば理解
      >できます
      >しかし、付随する否定的な論調を見ればとてもそれだけとは思えません

      基本的には当記事は論文ではなく、テスラの躍進に超初期に大きく貢献された技術者の方に対するインタビューの形式を取っています。否定的な論調はインタビューの結果感じられたのかもしれませんが、それは結果で事実です。

      >電池技術で世界最先端を行く日本がすべきなのは十分に枯れた量産品である
      >リチウムイオン電池に技術者や費用を闇雲に投資するのではなく、固体電解質や
      >高容量電極材や新たな構成・生産技術にそれを費やすことだと思います

      その点に、インタビューさせていただいた方は疑問を呈しているのだと思います。そのため、この場での意見が一致していないのですね。
      そこまで今回インタビューでは突っ込めておりませんが、私見でなぜ、「固体電解質だけに投資すべきでないか」について説明します。固体電解質に投資するのはいいことです。しかしリチウムイオン電池にもしっかり投資しないといけないのです。世界は電池の生産設備を急増させています。中国・韓国・米国はすでに日本を抜いて、GWhベースで日本の数倍から、あと数年で10倍以上の生産能力を持つところまで来ると推測できています。
      このような状況で、固体電解質に注力し、リチウムイオン電池の生産技術に注目する度合いを減らして他国でのリチウムイオン電池のコストダウンを指をくわえてみているのは、非常に危険ではないかと思います。
      すでに、韓国LGはすでに納車の始まった中国産テスラモデル3にもバッテリー供給を始めています。ドイツのブランデンブルクでもリチウムイオン電池のカソード材の工場が決定し、ドイツ国内や、既報の通りスウェーデンでもNorthVoltが大容量の工場を計画しています。
      これらはすべて、生産技術を向上させ、kWh単価を下げるための研究開発という側面も持っています。いわば力業でコストを下げるということなのですよね。それに、全固体電池が対抗できるのか、不透明性が増してきているとは思えないでしょうか?

      >私はグローバルなW2Wでの環境性や生残性ではガソリンHVを中心に据えるべき

      少数派のご意見だと思います。WtWは、ご存知の通り、Wellからしか計算していません。これはBEVの排出を多く見せるためのトリックで、実際には化石燃料車は燃料の採掘・輸送・精製などの排出も計算に入れる必要があるのです。これらは国際的にも知られた事実であり、定説になっています。世界中のどこを見ても、ガソリンHVを中心に、ということを推進する国や団体はないと思います。日本を除いては、です。

      >安全性でもBEVの普及についても尺度が全く違うのではないでしょうか?

      安全性もBEVのほうが高いですよね。

      >ちなみに「電池の底面搭載」は重量・形状・安全面で発達してきた車載設計技術で
      >コスト・重量面では不利になりますがご指摘通り安全性や走安性では有利になります
      >ただこれはリチウムイオン電池だけでなく他のデバイスでも当てはまることです

      そうでしょうか。実際に、ガソリン車で燃料タンクを底面搭載することはできないので、「他のデバイスでも当てはまる」ということはないのでは?底面搭載したら、BEVより遥かに危険な車両になってしまいます。

    15. 横から失礼します。
      >先進国の一般的な路上走行での乗車員の安全だけを考慮することを私はしません
      ということは少なくとも先進国の一般的な路上走行では安全だということですか?

    16. ほぼ設計問題だろw
      粗悪な設計に粗悪な組み立て。リチウムイオン電池でなくても起こること。k国さんメーカーで大問題になったタブレットもそうだぞ。

  95. 個体電池はトヨタの時間稼ぎのネタという指摘が言い得て妙ですね。
    一連の指摘には概ね納得できました。

  96. 全固体電池にも関心が有りましたが、改めてリチウムイオン電池のパワーアップ改良技術を提供したいと思いますが、関心が有る技術者の方は居るでしょうか?

    1. 詳細はおいておいて、概要はどんなパワーアップなのでしょう?興味はあります。

  97. 長々とひたすら全個体電池の実用化は出来ない理由や欠点を述べられていますが、出来ない理由は誰でも述べられます。私も経営者ですが、こんな社員がいたら即クビにしますね。
    この方にお伝えください。

    1. テスラ0804様、コメントありがとうございます。インタビューさせていただいた雨堤様はいわば、テスラの生みの親の一人でもあり、この分野の専門家でもあると思います。出来ない場合、理由があることもありますしね。
      現時点では課題が多い理由は明らかだと思います。実際に、公開されている資料から見ても、現時点で内部抵抗に対するブレイクスルーは見つかっておらず、このままでは期待される急速充電も発熱が多すぎて難しい状態にあるように思います。期待を持ちつつ、しかし現実を見る必要はあるのかなと感じました。

    2. テスラ0804 さん、コメントありがとうございます。

      編集担当の寄本です。

      雨堤さんが危惧してらっしゃるのは「今やるべきことが滞っている」ことであり、困難な点を列挙しているのは、ともすれば「全固体電池の登場が全てを解決する」と誤解している風潮への解説です。

      雨堤さんは電池研究の第一人者ですから、もちろん全固体電池の可能性や現状の課題はご存じの上で、なぜ液体の電解質ではいけないの? という問題提起。トヨタさんが、たとえばVWのように電動化の先頭を走りつつ、全固体電池の研究を独自に進めるのであれば、それは賞賛すべきことなのですが。

      という趣旨をお伝えしたいと考えながらまとめた記事です。ぜひ、この点を踏まえて再読いただければ幸いです。

    3. 完全に同意します

      思い込み決め付けで喋っておられるのでは?と感じました。
      >「みなさんが全固体電池が優れていると思うのは、トヨタがそう言ってるからですよね。

    4. 私が経営者なら、今のトヨタのように、20年前の技術にしがみついて世界の潮流から取り残されているばかりか、追いつく努力もしない理由をグダグダ正当化するばかりの社員は即クビにしますね笑

    5. 私は、逆に、問題点を明確に上げている社員に、できない理由は誰でもできるとダメ出ししかしない上司が気に入らないですね。
      ダメ出しだけなら、経営者じゃなくても、誰でもできます。
      そこで、上司なら、ヒントを与えたり、方向性を示したり、問題を深堀してあげるなどの、アドバイスをすべきです。ダメ出しするだけの上司はいっぱいみてきました。できない理由よりも、ダメ出しするだけの上司の方が完全にブラックですよ。

    6. 歴史上エポックメイキングな発明の98%が、町の若い発明家(個人)です。それは理屈で無く偶然の発見です。ところが専門家は必ず理屈で拒絶し非難します、発明家は耐えに耐えて世捨て人まで墜ちて挙句日の果て日の目を見たのが今のインフラ技術です、ダイオード、光ファイバー、ペニシリン、ナイロン、・・・皆30前の若い人です、残念ながら大企業は墓場です、スポーツでも世界で競う人は皆20代です、知能もそうです、残念ながら日本には「若い天才を探す」土壌がありません、発掘はジャーナリストの役目かも。

    7. この方が仰ってるのは否定批判ではなくあくまで研究者目線。トヨタが多くの部分で社会を支えている一方で大きな責任を担っています。もう2020年前半なのでそろそろトヨタが革新的な電池の発表でもするんかなw

    8. ずいぶん判断能力のない経営者だな。
      自然科学は自然が相手だから精神論でどうにかなったりしないよ。
      戦前に逆戻りですな。社員を精神注入棒で殴ってそう。
      俺が部下なら使えない経営者なんか会社から追い出してるわ。

    9. 欠点を並べ立てて全固体電池以外の研究開発をないがしろにして、一極集中させているトヨタこそが言わば「年寄りの権威」なんですけどね。
      「若い天才」がいるのではなくて、既存の技術に縛られない若手がいて、その若手に自由に研究開発させることがブレークスルーに繋がってきたんです。現在の経済状況と、企業が冒険を避けるようになったせいでそのあたりへの予算付けや人員確保が成されていないとは思いますが。
      全固体電池だけに人員と予算をつぎ込むことが、電池研究者のすそ野と行く先を狭くしている。それでいいの?
      とおっしゃりたい記事だと思いますけどねぇ。
      全固体電池ができたその次、と言われたときに「そんなの研究している若手はいません」なんてことにならなきゃいいですね。

    10. 編集担当さんのVWの様に電動化の先頭を走っていればってのは、まるでトヨタが電動化の先頭を走っていない様な言い回しですね

      これまで電動化の先頭を走って来たのは間違いなくトヨタでしょう。
      HVが発売された時に他のメーカーは何してましたっけ?

      トヨタは全方位戦略を取ってますので
      それこそ使い捨ての電池も研究してると言った報道も過去にありました

      商品として世に出していないから先頭を走ってないは考えが浅い

      トヨタはかなり慎重な企業だと思うので
      そのトヨタが全固体電池を出すと言った以上
      その時点で道筋を描ける段階まで開発が進んでいたんだろうと私は推察します

    11. 「EVでなければならない理由はない」様、コメントありがとうございます。

      >>電動化の先頭を走って来たのは間違いなくトヨタでしょう。

      電動化、の定義によるかと思います。HVメインで、電池駆動割合を50%以上には増やさない程度止まりも電動化に含むなら仰るとおりですし、電動化の最後にはBEVがあり、BEVまたはPHEVでなければ排出量の削減は難しい、という考え方に基づけば、電動化は進んでいないと言う他ないと思います。

      特に、BEVは車の車体は車の半分でしかなく、充電ネットワークが残りの半分となります。今まで電動化に成功してきた日産、三菱、テスラは全て、充電ネットワークへの投資を行い、車両とセットで提供してきています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


この記事の著者


					木野 龍逸

木野 龍逸

編集プロダクション、オーストラリアの邦人向けフリーペーパー編集部などを経て独立。1990年代半ばから自動車に関する環境、エネルギー問題を中心に取材し、カーグラフィックや日経トレンディ他に寄稿。技術的、文化的、経済的、環境的側面から自動車社会を俯瞰してきた。福島の原発事故発生以後は、事故収束作業や避難者の状況のほか、社会問題全般を取材。Yahoo!ニュースやスローニュースなどに記事を寄稿中。原発事故については廃棄物問題、自治体や避難者、福島第一原発の現状などについてニコニコチャンネルなどでメルマガを配信。著作に、プリウスの開発経緯をルポした「ハイブリッド」(文春新書)の他、「検証 福島原発事故・記者会見3~欺瞞の連鎖」(岩波書店)など。

執筆した記事