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Kia PBVジャパンがディーラー第1号店オープン〜EVバン「PV5」で初年度1000台の販売を計画

Kia PBVジャパンがディーラー第1号店オープン〜EVバン「PV5」で初年度1000台の販売を計画

Kia PBVジャパンが日本国内の第1号店となる直営ディーラー「Kia PBV 東京西」をオープンし、記者発表セレモニーを開催しました。ワンボックスEV「PV5カーゴ(2人乗り貨物バン)」「PV5パッセンジャー(5人乗り乗用バン)」で、2026年度中に1000台の販売を目指します。

目次

「Kia PBV」の日本初上陸が本格始動

総合商社である双日株式会社の100%子会社であるKia PBVジャパン株式会社(KPJ)が、日本国内における第1号店となる直営ディーラー「Kia PBV 東京西」を開設。2026年5月15日(金)に営業を開始することを発表しました。

Kia Corporationのキム・サンデ副社長(左)と、KPJの田島靖也社長。

KPJは韓国のKiaが開発したEVバンシリーズ「PBV(Platform Beyond Vehicle)」の日本での販売を手掛け、新店舗ではその第一弾モデルとなる「Kia PV5カーゴ(2人乗り貨物バン)」と「Kia PV5パッセンジャー(5人乗り乗用バン)」の実車を展示、販売します。実車展示は5月下旬ごろ、試乗は6月上旬ごろからの開始予定とのこと。

「Kia PBV 東京西」概要
所在地:東京都西東京市田無町7 丁目19-25
敷地面積:2,292㎡
ショールーム面積:377㎡
常時展示台数:4~6台
サービスベイ数:3ベイ+検査ライン

新店舗にはすでに充電器も完備。

昨年のジャパンモビリティショー(JMS)でお披露目(関連記事)されたPV5によるKiaの日本初進出がいよいよ本格始動。KPJでは直営ディーラー「Kia PBV 東京西」に加え、厚木・町田・名古屋・三重・岡山・福岡にもディーラーを開設し、2026年度中には1000台の販売を計画しています。

「Kia PBV 東京西」にはマイカーで取材に行きました。新青梅街道沿いに広いショールーム(4〜6台展示可能)を備えた店舗で、おそらくキャンピングカーや車いす対応車などのカスタムバージョンの実車も見られるようになるのではないかと思います。とはいえ、国内第1号店の立地としてはやや「中心」を外れた場所である印象も。

なぜ西東京市だったのかについて、KPJ代表取締役社長の田島靖也氏は「この地域はそもそもEVの普及率が高く、戸建ての割合が高くて基礎充電環境をもちやすい方が多いこと。また、個人事業を行う人たちの割合が高い地域でもあり、初進出の場所として最適であると考えている」と説明しました。

店内にはキャンパーに改造した車両も展示されていました。

JMSでPV5を初めて見て感じたのが「キャンピングカーのベース車両に最高じゃないか?」ということでした。西東京市あたりの武蔵野&多摩エリアには、キャンピングカーが似合いそう。さらに、運送事業者などのフリート需要(企業による大口導入)が多い印象もあります。町田と厚木にもディーラーが開設されることになっていて、日本におけるKiaの進撃は首都東京の周縁を取り巻くこの地域から始まっていくことになるのでしょう。

すでに欧州で高い評価を得ているPBV

セレモニーでは、KPJの田島社長と、韓国から駆け付けたKia Corporation副社長のキム・サンデ氏のプレゼンテーションが行われました。

Kia Corporationのキム・サンデ副社長。

まず、キム副社長の説明で印象的だったのが、今回日本に導入されるPV5はすでに欧州など世界で活躍していて、高い評価を受けているという点です。

PV5は審査員26名の満場一致で2026年「インターナショナル・バン・オブ・ザ・イヤー」を受賞。2026年の第一四半期の販売台数において、EUのCセグメントEVとして第1位、小型商用EVとして第2位になっています。

また、世界の自動車市場でKiaはむしろ日本の自動車メーカーよりも先行していて、Kia全体としては2030年にはEVを中心に430万台、PBVだけで25万台の販売を目指していることも示されました。

Kiaが日本進出にあたってPBV、そしてPV5を選んだのは、日本市場のラインナップにEVバンが手薄、というかほとんどないのが理由でしょう。いわば、隙を突くベンチャー的な着眼点。でも、世界のEV市場において、Kiaはむしろ日本メーカーがベンチマークすべき成功者。なんというか、脇を固めた横綱相撲をみせてくれそうな気がします。

EVバンとして秀逸な商品力

田島社長のプレゼンテーションで印象的だったのが「SMART」というコンセプトです。大切なポイントなので説明を引用しておきます。

S :Silent Mobility=静かな走行
EVならではのスムーズな加速と高い静粛性に加え、リアサスペンションに採用されたトーションビーム式コイルスプリングにより、快適な乗り心地と安定性を両立します。ドライバーの疲労軽減に寄与するとともに、早朝・夜間の市街地でも騒音を抑えた運行が可能です。

M :Modular Expansion=架装・アクセサリーによる拡張性
国内での架装を前提とした設計思想のもと、架装メーカーとの連携を推進します。多彩なアクセサリーにより柔軟なカスタマイズが可能で、用途に応じた最適な仕様構築を実現します。

A :Accessible Low Floor=アクセスが容易な低床構造
フラットな低床フロアにより、子どもから高齢者までスムーズな乗降が可能です。貨物の積み下ろし効率も高く、作業負担の軽減に寄与します。

R :Roomy Interior=広い車内空間
専用EVプラットフォームの採用により、広く無駄のない室内空間を実現します。乗用仕様では大人5人が快適に着座でき、カーゴ仕様では大容量かつフラットな荷室により高い積載効率を確保します。

T :Total Safety=総合的な安全性能
先進運転支援システム(ADAS)を標準装備します。多方向展開エアバッグと高剛性ボディにより衝突時の乗員保護性能を確保し、良好な視界性能とあわせて、日常業務から長距離運行まで高い安心感を提供します。

「T」が「Total Safety」ってあたりはちょっと無理やりな感じもありますが、それぞれがすべて魅力的な商用バン、そしてファミリー向けワンボックスカーとするために重要なポイントです。

田島社長はさらに、販売店網やサービス拠点の構築、充電インフラやフリート導入などで関連企業とのパートナーシップを築き、「製品の品質×サービスの品質」を高めるブランド戦略を示しました。

まずは事業用のフリート導入に注力か?

気になる価格は、カーゴが619万円(価格はすべて税込)〜、パッセンジャーが679万円〜と発表されました。パッセンジャーは昨年のJMSで発表されたのと同じですが、カーゴは589万円だったのが619万円になりました。詳細は確認し忘れましたが、仕様の違いではないかと思います。

搭載するバッテリー容量はベースが51.5kWh、ロングレンジが71.2kWh。パッセンジャーのロングレンジは769万円(JMSで発表の価格)です。

国の補助金額は、カーゴが対象となる物流など事業用車両向けのLEBO補助金(環境省所管)が最大196万4000円。パッセンジャーが対象となるCEV補助金(経産省所管)は申請中で未定であるとの説明でした。CEV補助金については、現行制度でヒョンデのEVが「47万〜87万円」なので、同程度になるのではないかと推察できます。

ワンボックスEVとして日本市場では最強の1台であったとしても、補助金額の影響は大きいはず。その点からも、まずは大きな補助金を活用できるフリート需要から広げていくという方針になるのでしょう。プレゼンテーションではLEBO補助金はカーゴが対象と説明されましたが、タクシーやライドシェアなどで事業用のナンバーを取得するケースでは、パッセンジャーでも適用されるのではないかと思います。詳細は販売店などで確認することをオススメします。

ちなみに、まだ発表されていない充電性能について関係者に聞いてみました。非公式ではあるものの、急速充電は「150kW」対応とのこと。普通充電は不明とのことながら、IONIQ 5 やKONAなどグループであるヒョンデのEV(日本仕様)は最大11kW対応であり、おそらく同じだと思います。

充電口の位置やデザインはKONAと同じ感じでした。

PV5には今年はじめの「NEW YEAR EV MEET 2026」でチョイ乗り試乗して、とても気持ちいいEVであることは確認済み(関連記事)。改めて、公道でしっかり試乗するのが楽しみです。

取材・文/寄本好則

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この記事を書いた人

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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