『GLC 350 e 4MATIC Coupé』に続く日本導入
2020年1月7日、メルセデス・ベンツ日本株式会社(MBJ)が、プレミアムミドルサイズSUVの『GLC』に、MBJでは「EQ POWER」と呼ぶプラグインハイブリッド(PHEV)システムを搭載した四輪駆動モデル『GLC 350 e 4MATIC』の日本発売をスタートすることを発表しました。全国の正規販売店で予約注文の受付を開始して、納車は4月頃からになる見込みです。
MBJのPHEVモデルは、2020年4月に導入された『GLC 350 e 4MATIC クーペ』に続き7車種目となります。
どんなクルマなのか、のその前に、MBJのPHEVモデルと、GLCのエンジン車モデルを並べたプライスリストを見てみましょう。
MBJのPHEVとGLC、EQCのプライスリスト
モデル名 | 価格(税込) |
---|---|
GLC | |
GLC 350 e 4MATIC | 8,990,000 円 |
GLC 220 d 4MATIC | 7,080,000 円 |
GLC 220 d 4MATIC Night Edition | 7,940,000 円 |
GLC 300 4MATIC | 7,960,000 円 |
Mercedes-AMG GLC 43 4MATIC | 9,730,000 円 |
Mercedes-AMG GLC 63 S 4MATIC+ | 15,260,000 円 |
PHEVモデル(EQ POWER) | |
E 350 e Sports | 8,950,000 円 |
E 350 de Sports | 9,180,000 円 |
E 350 e AVANTGARDE Sports | 8,520,000 円 |
E 350 de AVANTGARDE Sports | 8,750,000 円 |
S 560 e long(受注生産) | 17,280,000 円 |
GLC 350 e 4MATIC Coupé | 9,320,000 円 |
BEVモデル | |
EQC 400 4MATIC | 10,800,000 円 |
最初の行が今回発表されたGLC 350 e 4MATICで、899万円です。1991ccのDOHC 直列4気筒 ターボエンジンを搭載した『GLC 300 4MATIC』は796万円なのでおよそ100万円高いですが、GLC 300 4MATICの最高出力が190kW、最大トルク370N・mに対して、エンジン+モーターを搭載したGLC 350 e 4MATICは、システム総合で最高出力235kW、最大トルク700N・mとパワフルです。
GLCのラインナップのなかでもAMGモデルは1000万円級ですし、PHEVモデルのバリエーションで比較しても約900万円のクルマを「むしろお買い得じゃないの?」と感じてしまうのは、高級車ブランドのメルセデス・ベンツならでは、ですね。
電池容量は13.5kWh。急速充電には非対応
搭載する電池容量は13.5kWh。EV走行換算距離は46.8km(国土交通省審査値)とアナウンスされています。アメリカのEPA基準ではEVとしての航続距離は22マイル(約35km)となっています。
MBJのプレスリリースでは、搭載するリチウムイオン電池はダイムラー社の完全子会社である「Deutsche ACCUMOTIVE」で生産されたものであることとともに「小型化されたこのバッテリーは、複数のモデルに搭載することを前提として汎用性が高い設計」となっていることを紹介。『ダイムラー社CEOが「すべての新型車はEVから開発」すると表明』(2020年9月15日)でも紹介したように、メルセデス・ベンツの電動化戦略が着々と前進していることを感じます。
充電は交流電源からの普通充電のみ。チャデモなどの直流急速充電には対応していません。普通充電は6kW出力に対応しており、『メルセデス・ベンツがPHEVの新『GLC 350 e 4MATIC クーペ』を日本導入』(2020年4月18日)で詳しくご紹介しているように、6kW(30A)対応のケーブル付きウォールユニット(普通充電器)を無償提供。自宅ガレージに充電器を設置する費用を10万円を上限にサポートするサービスが用意されています。
また、外出先での充電のために、NCS(合同会社日本充電サービス)加盟の普通充電器を定額(月額3000円 ※税込)で利用できる充電サービス『Mercedes me Charge AC』を新たに導入したことも発表されました。
ん? 普通充電で3000円の定額はどうなんでしょう? たとえば、自宅から20km程度離れた通勤先の駐車場にNCS加盟の普通充電器がある場合、毎日4kWh程度×20日間充電したとして月間で80kWh。自宅で充電する場合の電気代が27円@kWhで計算しても2160円なので、コストだけを考えると微妙にあまりお得ではありません。
NCSの普通充電専用カードは月額1400円で都度利用料金が2.5円/分なので、3000円で640分、11時間40分まで充電できます。なんていう細かい計算は、ベンツユーザーのみなさんはあまり気にしないのでしょう。カードがないと充電の度の認証が面倒だし、どうせカードを所有するならメルセデス・ベンツブランドのほうが気分いい、ですもんね。
(文/寄本 好則)