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第2回「BYDオーナーズミーティング2026」開催/補助金の壁を超えて「信頼」のネットワークが拡大中

第2回「BYDオーナーズミーティング2026」開催/補助金の壁を超えて「信頼」のネットワークが拡大中

2023年に日本市場進出を開始して3年。2回目の「BYDオーナーズミーティング」が静岡県の富士スピードウェイで開催されました。全国各地から約150台、300名以上のオーナーや家族が集結。東福寺社長に直接「要望」を伝えるなど、オーナーとメーカーのコミュニケーションが深まっていました。

目次

150台の定員は募集開始からすぐに満員御礼に

2026年4月19日(日)、静岡県の富士スピードウェイでBYDがEV乗用車の日本市場進出を果たして以来、2回目となる「BYDオーナーズミーティング2026」が開催されました。

昨年の第1回には約80台が参加。今年は募集台数をほぼ倍増の150台としましたが、募集を開始してすぐに満員御礼になったとのこと。

【関連記事】
日本初のオフィシャルなBYDオーナーズミーティング開催/BYDの電気自動車82台が日曜日の富士に集結(2025年5月8日)

今回のイベントは「シン・モーターファンフェスタ 2026 in 富士スピードウェイ(主催:モーターファンフェスタ2026運営委員会)」内の特設会場で実施。全国からBYD車のオーナーが集結し、BYDオーナーズミーティングの会場(専用駐車場)となったCパドックには、ATTO 3、Dolphin(ドルフィン)、SEAL(シール)、SEALION 7(シーライオン7)というEVラインナップ、そしてスーパーハイブリッド(PHEV)のSEALION 6(シーライオン6)がズラリと並びました。

長崎県から約1200kmを走破して参加のシーライオン6も!

ホームストレートを見下ろすAパドックの2階には専用のミーティング会場を開設。BYDオートジャパン(BAJ)の東福寺厚樹社長をはじめ、技術顧問の三上龍哉氏、軽EV「RACCO (ラッコ)」のプロジェクトを総括している田川博英氏らがプレゼンテーション。「ここだけの話」を含めて、BYDのEVやPHEV、バッテリーや充電技術についての最新情報などの説明が行われました。

また、昨年も好評だった「社長と話そう」のコーナーを今年も実施。イベント全体を通じて東福寺社長をはじめとするBYDスタッフとオーナーのみなさんが気軽にコミュニケーションできる場となっていて、参加したオーナーの方が東福寺社長に直接、「実際にオーナーとして感じているリアルな要望」を伝えるなど、BAJとオーナー間の信頼を深める機会となっていることが感じられました。

オーナーからの質問に答える東福寺社長。

今回、最も長距離を自走して参加したオーナーに贈られる「Long Distance賞」には、宮崎県(所有車はシーライオン7)と長崎県(シーライオン6)から参加した2名のオーナーが輝きました。なんと、2名とも女性オーナーで、走破した距離はともに約1200km。その差は「わずか数十キロ」だったということで、同時受賞となりました。

長崎県から参加した「納車されたばかり」というシーライオン6のオーナーさんは、途中で念のため20Lほど給油したものの「無給油無充電でも十分に走破できた」と報告。「バッテリーとガソリンで1200km」というシーライオン6(FWD)の航続距離性能を身をもって証明したカタチになっていました。

会場にはヤンワンU9も展示。抽選で選ばれた5名のBYDオーナーが助手席に乗車してダンスパフォーマンスを体験しました。

自動車評論家の国沢光宏氏もぶっちゃけトーク

国沢光宏氏(右)。聞き手は広報部長の池畑浩氏。

ミーティングルームでのトークには、自らシーライオン7を購入。その道のプロに依頼してクルマをバラして評価する動画を公開するなどしている自動車評論家の国沢光宏氏も登壇しました。

冒頭、中国メーカーのクルマを自腹で購入したことへの批判があることに触れ「お金もらってるんじゃないかって言われることがあるのに憤慨してる。CMに出演してる長澤まさみさんはけっこうもらってると思うけど、(私は)全然もらってないからね」とアピール。

実際にバラしてみるとクルマのつくりが「手を抜いていない」ことに驚き「日本のメーカーものんびりしてたら負けるぞ」と感じていることを紹介。とはいえ「たとえばADAS。高速道路を走っててハンドルがカクッと取られたり、前に割り込みのクルマを入れようとするときに加速しちゃったりすることもある。みなさん、そう思ってますよね。僕はぜんぶ褒めてるわけじゃないからね」とぶっちゃけトーク。さらに「まあ、このあたりを含めて、OTAで改善していってもらいたい」と、ひとりのオーナーとしての気付きや期待を東福寺社長をはじめとするBAJのスタッフに伝えていました。

【関連動画】
時代遅れの足回りか? BYDシーライオン7を徹底チェック! バラして分かった驚きの品質とは!?
(YouTube ベストカーチャンネル)

ヒョンデ車のオーナーも集まってました

この日、富士スピードウェイにはヒョンデも出展。BYDオーナーズミーティング会場の隣にあるBパドック、また隣接したミーティングルームには、「Hyundai Motor Club JAPAN(HMCJ)」のメンバーが集まっていました。BYDのようにメーカーが主催するイベントではなく、オーナーグループのHMCJが呼びかけたオフ会で集まった台数や規模は小さかったものの、好天に恵まれて有意義な情報交換などが行われていました(私のマイカーであるKONA(コナ)もHMCJのみんなが集まっていたBパドックに停めさせていただきました)。

国のCEV補助金、銘柄ごとの補助金交付額が改訂されて、今年の4月1日以降の補助金額はBYDやヒョンデにとって厳しい評価になっています。令和9年(2027年)1月1日以降は、さらに減額されることも発表されています。

【車種ごとのCEV補助金額例(令和9年1月1日以降)】
※小型自動車、普通自動車ともに満額は130万円。

<BYD>
DOLPHIN/15万円
ATTO 3/15万円
SEAL/15万円
SEALION 7/15万円

<ヒョンデ>
INSTER(小型)/47万円
KONA Voyage/47万円
IONIQ 5 Voyage/47万円 ※現行の87万円から40万円減額

軽EVへの補助金は58万円が満額ですが、この流れで推測すると、もうすぐ正式発売が予定されている軽EV「ラッコ」への補助金額は10万円前後になるかも知れません。

実質的なEVとしての「価値」判断が大切

また、補助金額が厳しいのはBYDやヒョンデだけではありません。

<アウディ>
Q4 45 e-tron advanced/36万円 ※現行の86万円から50万円減額
<日産>
リーフ B5 X/100万円 ※現行の129万円から29万円減額
<フォルクスワーゲン>
ID.4 Pro/36万円
<ボルボ>
EX30 Plus Single Motor Extended Range/36万円

CEV補助金の評価基準は「日本においてEV等が持続的に活用されていく環境を構築する観点」から、車種の性能やメーカーの取り組みを評価することになっています。でも、日本市場にはEVを中心とするZEVやNEVだけを展開するヒョンデやBYD。さらに、独自の充電インフラ展開を進めてきたフォルクスワーゲンやアウディ。意欲的にEVシフトを進めるボルボ。早くからディーラー網へのEV用急速充電器設置を進めてきた日産までもが、厳しい評価結果になっているということのようです。

CEV補助金額は、執行団体である一般社団法人次世代自動車振興センターの審査委員会で決定されています。どんなメンバーで審査されているのか、また採点内容や詳細な理由などについて取材を試みているものの、審査委員会メンバーの「中立的な立場と率直な意見交換を守るため」に非公表という回答しか得られていません。

これからEVを購入しようとする方にとって、補助金は大きな選択要素になるでしょう。ただ、ひとりのEVユーザーとして気になるのは、補助金額が多いEVが、必ずしもマイカーとして優れたEVとは限らないということです。EVの新車購入に国の補助金があるのはありがたいことですが、せっかく日本でもEV車種の選択肢が増えてきた(EV普及にとって大切なポイント)のに、補助金額によって選択の幅が狭くなってしまうのは悩ましいところです。

補助金額が大きいトヨタやテスラを買いたい人には大チャンスですけど、人それぞれ、好みはいろいろあるはずです。賢いEVオーナー、消費者となるには、補助金適用後の「実質価格」はチェックした上で、自分が購入しようとする車種の実質的なEV性能や魅力を見極めて、納得できる価値判断をすることが大切になってくるのだと思います。

ニッポンのEV普及、なかなか一筋縄ではいかないですが……。BYDやヒョンデオーナーのネットワークは着実に広がっています。

取材・文/寄本好則

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この記事を書いた人

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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