電動車で放電して「実質3万円GET!」〜世田谷区で実証実験がスタート

『モニター登録募集中〜電動車の電気がポイントになる実証実験が12月から世田谷区でスタート!』でお知らせした三菱商事株式会社の『GO ECO! GET BENEFIT! 〜 電動車の電気をポイントに!』が、12月1日から東京都世田谷区の『ライフ 桜新町店』で始まりました。参加するにはモニター登録が必要で、現在も引き続きモニターを募集中です。

「電動車の電気をポイントに」世田谷区で実証実験がスタート

規定の給電回数をクリアすると30,000PontaポイントをGETできます

急速充電可能な電気自動車(EV)やPHEV(プラグインハイブリッド車)ユーザーがモニター登録し、指定の店舗で「放電」するとローソンの「Pontaポイント」などのベネフィット(特典)をGETできるという実証実験。2019年12月1日から東京都世田谷区の『ライフ 桜新町店』でのサービスが始まりました。

30,000Pontaポイントと、充電ごとにGETできる「e-ポイント」は別

まず「30,000Pontaポイント」をGETするには、定められた来店時期に「最低来店回数」以上の放電を行います。『ライフ 桜新町店』の実証実験では「12月1回、1月1回、3月1回(予定。今後変更の可能性あり)」となっています。

また、モニター登録して使用する専用アプリには、放電する度に獲得できる「e-ポイント」が貯まっていきます。

専用アプリ『Caecco』にポイントが貯まっていきます。

きちんと説明を聞くまでは、このe-ポイントが最大30,000Pontaポイント分貯まって、モニター参加の「謝礼」になるのかと思っていましたが、それとこれは別のベネフィット。

e-ポイントは貯まったポイント数に応じて、50Pontaポイントに交換(=100e-ポイント)、植林への寄付(100円相当)に交換(=200e-ポイント)、ライフカフェ(180円分)に交換(=200e-ポイント)などの特典が用意されています。

つまり、3ヶ月間で3回放電に協力するだけで、特典&「30,000Pontaポイント=3万円分」のお小遣いがもらえちゃう、ということですね。いわば、アーリーアダプターとして家族や友人の白い目に耐えながら電気自動車に乗ってきたことへのご褒美と言えるかも知れません(笑)。『ライフ 桜新町店』の近くに住んでいて、電動車に乗っているみなさん、ぜひ参加してみてください。モニター登録は公式サイトから申し込めます。

【詳細、モニター登録はこちら!】
『GO ECO! GET BENEFIT! 〜 電動車の電気をポイントに!』公式サイト

ちなみに、この実証実験は世田谷に先駆けて、千葉県千葉市の『ローソンハーバーシティ蘇我店』でも2019年6月から行われています。現在、こちらの場所でも期間を延長して機器は設置されていますが、『ライフ 桜新町店』でモニター登録した人が『ローソンハーバーシティ蘇我店』で放電してもベネフィットは獲得できません。逆もしかり、です。

さっそく放電してきました!

サービス開始前に説明会も実施されました。

サービス開始に先駆けて何度かの週末に分けて説明会が開かれるということで、私(寄本)は12月1日(日)に参加してきました。『ライフ 桜新町店』は私の自宅からほんの3kmほど。説明会は10時からだったのですが、前夜、深酒してしまって朝起きるのがギリギリになったのと、『ライフ 桜新町店』は大きなスーパーなのに周囲を世田谷名物一方通行の細い道に囲まれた住宅街の一画にあって、駐車場の入り口は見えているのに入れない! とグルグルしてしまったので、ご近所のくせに少し遅刻してしまいました。説明の担当者は、先日の記事で取材させていただいた谷さんと阪本さんでした。谷さん、阪本さん、大変失礼しました。m(_ _)m

翌日は30kWhリーフの12カ月点検でディーラーにピットイン。12月3日、平河町の仕事先へ打ち合わせに行った帰り道、昼食の弁当を買いがてら、初めての放電に行ってみることにしました。充放電器(ニチコンの『EVパワー・ステーション』)が設置されているのは地下駐車場。ぐるっと回った出口近くの4車室(1車室は軽自動車用)で放電サービスを利用できます。

現地に到着してみると、見たことのある赤いリーフが放電中。EVオーナーズクラブ代表の桑原さんが、放電しながら三菱商事の阪本さんと立ち話をしてらっしゃいました。なんと、放電渋滞初体験です。

阪本さんに「毎日張り付いてらっしゃるんですか?」と聞いてみると、そういうことではなくて、設置した機器まで引いたケーブルに駐車場利用者がつまずかないように、防御の柵を設置する工事の立ち会いに来ていたそうです。また、阪本さんが毎日張り付くことはないですが、開始後数週間は駐車場から店舗に入るあたりに係員を配置、パンフレットの配布などを行っています。さすがは三菱商事の仕事、看板といい、柵といい係員といい、ちゃんとしてるなぁ、って印象です。

看板の後ろ、説明会の時はまだコーンが立てられていました。冒頭写真では黄色い柵が完成しています。

ささやかに放電して、何になる?

しばらく桑原さん阪本さんと立ち話した後、桑原さんと放電を交替。店内の惣菜売り場で、大好物の回鍋肉丼と、8種野菜のポテトサラダ、黒ごまプリンを買いました。我が家の行きつけのスーパーは別の店なので『ライフ 桜新町店』には初めて来ましたが、弁当や惣菜だけじゃなくいろいろ品揃えは充実、広くて明るい、いいスーパーマーケットですね。いつもはついついコンビニ弁当割合が高くなってしまうのですが、回鍋肉丼、おいしゅうございました。

専用アプリを操作して、買い物したレシートを撮影して登録。きちんと見ていませんでしたが、15分ほどの放電で50%くらいだった電池が44%になり、94e-ポイントをGETできました。放電の出力は6kW。10分間の放電で72e-ポイントを獲得できます。前述のように、このe-ポイントはPontaポイントに交換できるので、36Pontaポイント(36円相当)/1kWhの特典が得られる計算になります。

いったい、こんな風に放電して何になるのか?

この実証実験を知った当初から、私の中で???だったこと。取材などを通じて、三菱商事としての意図は「V2H、VPP時代へ向けてユーザーがベネフィットや、ワクワクを得られるサービスプラットフォームを創出する」ための実証実験ということは理解しましたが、実際に放電をやってみて、「1kWh36円で電気が売れた!」とワクワク、、、はやっぱりしませんでした。

たしかに、我が家はオール電化の「電化上手」契約で、12.48円/kWhの安い夜間料金時間にしかリーフの充電はしないし、急速充電器もZESP2、しかも中古車キャペーンで実質4年間無料という恵まれた条件で利用できるので、放電すれば「お得」ではあるんですけど、ね。

モニター一人一人にヒアリングも実施。

放電してみてわかりました。放電した電力はライフ店舗の系統電力に合流します。大きな電力を使っている営業中のスーパーで、リーフから放電する電気の量などたかが知れています。つまり、放電に意味があるわけではないのです。

一方で、三菱商事の谷さん、阪本さんには、11/6の前回記事の取材時、12/1の説明会のほか、11/18にもお会いしています。モニター登録した人と個別に会ってヒアリングしているということで、お二人がわざわざ三軒茶屋の喫茶店まで足を運んでくださいました。それが仕事といえばそうなんですが、逆に、仕事として電気自動車活用に関するサービス開発に向けて、ここまで熱意をもって取り組んでいる方がいらっしゃることに、EV普及を望む私としてはうれしさや頼もしさを感じます。

放電した際に答えるアンケートはもちろん、これからも気が付いたことがあれば、どしどしお二人にお伝えしていこうと思います。

電気自動車普及は、大きな社会変革です。つまり、この実証実験にモニターとして参加することは、社会変革に向けて自らの「声」を発信する意義があるってことですね。SNSなどで挙げる庶民の声はどこに届いているのかよくわかりませんが、今回の実証実験では、熱意あるご担当者のお二人にしっかりと伝わります。

専用アプリには、モニター同士が交流できる掲示板も開設されました。と、いいつつ、今時すでに「死語?」ともいえるBBSを私はあまり使うことがないので「Facebookページとか、SNSを活用した方が活発になるんじゃないですか?」と意見をお伝えしましたが。ともあれ、いろいろ「手作り」の実証実験です。EVsmartブログ読者&EV(電動車)ユーザーのみなさん、一緒に意見を出し合いましょう!

【詳細、モニター登録はこちら!】
『GO ECO! GET BENEFIT! 〜 電動車の電気をポイントに!』公式サイト

(取材・文/寄本 好則)

この記事のコメント(新着順)1件

  1. ほうほう、最近話題のV2H放電実験ですよね!
    これは2019年問題FIT切れ家庭かつ平日自宅に電気自動車+V2Hがある家庭にとっては大チャンスじゃないですか!!これで1分8円前後でしかソーラー電力が売れない家庭がV2H導入を検討するならイイことだと思います。
    そもそも電気自動車は走る蓄電池だからこういうことができるのであって。

    千葉の大停電で電気自動車が大活躍したように、今後は「電気のおすそ分け」という概念を一般市民に植え付けるべきだと思っています。今回の試みはその記念すべきマイルストーンじゃないでしょうか!?
    自身アイミーブM乗りで容量少ないですが、災害停電時の給電ボランティアを検討している以上自宅近くにそういう店ができたら登録するつもりです。

    もし近い将来電力会社が地方へ満足に配電できなくなったとしてもV2Hあるいは給電装置をつけた車で隣人に「とれたての電気の幸じゃ!」っておすそ分けする時代がくるかもしれません!?

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					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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