韓国市場でも「モデル3」が売れてテスラが輸入車ブランド5位に躍進

モデルSやXよりも手頃な価格で買える「モデル3」の市場投入によって、テスラのグローバルな市場拡大が続いています。2019年11月からデリバリーが始まった韓国でも、モデル3のヒットとテスラの躍進が、驚きの論調で伝えられています。

韓国市場でも「モデル3」が売れてテスラが輸入車ブランド5位に躍進

韓国メディアがテスラの躍進に驚愕

韓国メディアの『中央日報』が、2019年12月4日に『テスラが輸入車の5位に脅威の躍進〜モデル3が1200台売れた!』とする記事で、モデル3の販売が快調であることと、テスラの躍進を驚きとともに伝えています。

韓国の自動車登録台数分析機関である『CAR IS YOU』が発表した統計で、11月22日に韓国でのデリバリーが始まった「モデル3」の販売台数がわずか9日間で1207台を記録。テスラ車の合計が1258台となりました。

モデル3の販売台数は、メルセデス・ベンツEクラス(2621台)、BMW 5シリーズ(1670台)、フォルクスワーゲン ティグアン(1640台)に続いて車種別登録台数ランキングで第4位。輸入車ブランド別のランキングでも、テスラを第5位に躍進させる原動力となりました。

また、12月に入っても納車は順調で、モデル3の販売好調は当面続くであろうと伝えています。

韓国におけるテスラの展開は日本と比べてもやや遅く、最初にスーパーチャージャーが設置されたのが2017年5月のこと。『中央日報』の記事では、テスラに対して充電インフラが不足していることや、アメリカ本国に比べて車両価格が高いことへの不満があるとしながらも、現在、韓国国内で24カ所のスーパーチャージャーが年内には仁川、釜山など8カ所が拡充されること。また、釜山などにサービス拠点となるテスラセンターが新たに開設されることを好意的に伝えています。

TESLA MODEL3

モデル3の好調で世界的に市場を拡大中

テスラでは日本国内の販売台数は公開していません。でも、10月23日に発表された2019年第3四半期(7~9月)の決算レポートでは、グローバルの新車販売台数が四半期として過去最高の約9万7000台となり、前年同期(約8万3500台)比で16%以上の増加を達成しています。

モデルS、モデルXと、車両本体価格が1000万円を超える高級車で電気自動車の市場を切り開き、やや大衆的な価格のモデル3投入で市場規模を拡大。さらにこれから「モデルY」や「サイバートラック」といった価格的な競争力の高いモデルが発売されることで、世界各国の自動車市場におけるテスラの存在感はますます高まっていくことでしょう。

中国のギガファクトリー3では、早くも出荷が始まったとも伝えられています。またアジアだけでなく、ドイツにもギガファクトリーの建設を発表。ポーランドやルーマニア、ハンガリーなど東欧諸国でも予約受付を開始して、2020年には納車を開始することが伝えられるなど、グローバルでの市場拡大の勢いが目立っています。

EVsmartブログでは、今年6月に『テスラが10年以内に自動車産業の世界的リーダーになるかもしれない』とするフランス人起業家の Thomas Jestin 氏の見解を翻訳記事でお伝えしました。

韓国での躍進はもとより、世界各地から届くニュースを眺めていると、テスラが自動車産業の天下を取るという説が、ますます現実味を帯びていることを感じます。

電動化への激流や、モビリティの脱炭素化に向けたライフスタイルの変革に対して、テスラが、そしてそのほかの自動車メーカーがどんな提案を示してくれるのか。これからもさらに注目していきましょう。

(文/寄本 好則)

この記事のコメント(新着順)3件

  1. この記事は2019年。本日2022年8月11日です。ソウル周辺でで大洪水になりました。6000台の自動車が水没したとのこと。高級外車も多く水没との記事あり。我がモデル3はじめとするEVはどうっだのでしょうか。もちろん過去の中国の記事で、川に落ちたモデル3の記事がありましたので、なんら問題はなかったと思いますが。どなたか現地の状況をご教示ください。

    1. K.SEKI様、コメントありがとうございます。韓国の友人に聞いてみましたが、水深が深く、テスラも他の車も同様に動かなくなったようです。Gang-nam地区では道路の水深が1mを超えたようで、このくらいになるとガソリン車でも電気自動車でも同じということですね。

  2. 人口密度が凄く高くて、良い意味で歴史が短くしがらみが少ない韓国なら、一度転がりだしたら早そう。

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					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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