プロダクトマネージャーのアレックスさんが直々に解説
10月1日、千葉県木更津市に『ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京(PEC東京)』がオープンしたことは、先日の記事でも「チャデモ150kW出力器が日本初登場!」に注目してお伝えしました。
当日は伊豆諸島近海を通過した大型の台風16号の影響であいにくの大雨。だったにも関わらず、駐車場に並べられていたポルシェ初の完全電気自動車で4ドアクーペデザイン(スポーツセダン)である『Taycan(タイカン)』と、ハッチバックのオールラウンダーモデルとして今年7月に日本でもお披露目されたばかりの『Taycan Cross Turismo(タイカン クロスツーリスモ)』の違いについて、ポルシェジャパンのプロダクトマネージャー、アレキサンダー・クワース氏(ニックネームはアレックスさん)が、傘を指しつつ直々に説明してくださいました。
アレックスさんは、ポルシェジャパンにおける技術部門の責任者でありスポークスマン。昨年11月、タイカン日本プレミア(初公開)のプレスイベントでも、社長のミヒャエル・キルシュ氏とともに登壇して、タイカンのデザインやパフォーマンスについて解説した方です。
タイカンの日本ローンチ以来、EVsmartブログでも何度かアレックスさんをご紹介しています。2020年9月には、PEC東京にも近い袖ケ浦フォレストレースウェイで開催されたタイカンのサーキット試乗会取材の際には、タイカンのデザインで大きな特徴となっているエアインテークや、911にも通じる「低く構えたデザイン」、0.22という驚異的なCD値を実現した空力のポイントなどについて、丁寧に説明してくださったのもアレックスさんでした。
また、2020年7月、有明の『Porsche NOW Tokyo(ポルシェ ナウ 東京)』オープニングイベントでは、すでにタイカンを予約したユーザーを招待して開催されたトークショーで、EVsmartブログを運営するアユダンテ株式会社代表取締役の安川さんや、モータージャーナリストの島下泰久さんとともに登壇。タイカンや電気自動車の魅力と可能性について語り合いました。
今回、雨中で『タイカン』と『タイカン クロスツーリスモ』の違いについてアレックスさんの説明を受けたのも、アユダンテ社長(EVsmartブログチームリーダー)の安川さん。タイカン購入を検討する読者のみなさんにとっても興味深いところだと思うので、サクッと編集してYouTubeのEVsmartチャンネルにアップしました。
大雨の!Porsche Taycan Cross TurismoとTaycanの比較
より実用性を高めたクロスツーリスモ
念のために確認しておくと、タイカンと、タイカンクロスツーリスモについてはポルシェジャパンの車種ページで比較しながら紹介されています。モデルバリエーションと価格は、こんな感じです。
スポーツセダン | オールラウンダー | ||
---|---|---|---|
Taycan | 12,030,000円〜 | Taycan 4 Cross Turismo | 13,410,000円〜 |
Taycan 4S | 14,620,000円〜 | Taycan 4S Cross Turismo | 15,340,000円〜 |
Taycan Turbo | 20,370,000円〜 | Taycan Turbo Cross Turismo | 20,560,000円〜 |
Taycan Turbo S | 24,680,000円〜 | 該当モデル設定なし |
※価格は税込。
最高峰の「Turbo S」には「Cross Turismo」の設定はありません。Cross Turismoはそもそも実用性を高めたモデルなので、EVスポーツカーの高みを極めることを目指したTurbo Sには今のところ必要ない、ということかと推察できます。
動画での説明も、オプションのルーフレール、リアハッチの利便性、リアシートの快適さ、オフロードパッケージなど、アレックスさんも「Cross Turismoの実用性」を強調したいことがわかります。アレックスさんは日本語も堪能で、この時も日本語で説明してくださったのですが、雨の中、音声が聞き取りづらかったので字幕を入れました。
そういえば、『Porsche NOW Tokyo』オープンをお伝えする記事の中でも少し紹介したように、デリバリー開始に向けたプレスカンファレンス動画の中で、アレックスさんはタイカンを予約した人の45%がポルシェの新規ユーザーであることを強調していました。
ご存じのように、ポルシェは2002年に生粋のスポーツカーメーカーとしては異例のSUVモデルである『カイエン』を発売。「ポルシェならではのSUV」というジャンルを切り拓き、その後、2014年にはそのエントリーモデルともいえる『マカン』も投入。大きく販売台数を向上させて、スポーツカーブランドとしての価値をさらに高めることに成功してきました。
ポルシェ初の電気自動車であるタイカンもまた、発表時のキャッチフレーズであった「Soul, electrified.」=「魂の電化」というポルシェの新たな価値を切り拓き、ポルシェファンを増やすことに繋がっていくのでしょう。
カイエンの次にマカンが登場したように、数年後には、タイカンやタイカン クロスツーリスモが磨き上げた「ポルシェの電化魂」を受け継ぐコンパクトな(そしてもう少し安価な)モデルが登場して、ポルシェブランドの底辺拡大がさらに進むのかも知れません。
ともあれ私も改めて、アレックスさんの説明動画を見ながら、タイカンへの憧憬を噛みしめたいと思います。
(文/寄本 好則)
安川さんが参加されたトークショーを見てみたいな。以前、テスラの当時マーケティングディレクターさんとの、トークショーも動画で見たことある。