レンジローバーとレンジローバー スポーツがPHEVの受注予約を開始

ジャガー・ランドローバー・ジャパンが「レンジローバー」および「レンジローバー スポーツ」にPHEVモデルを追加することは既報だったが、6月末よりその受注予約をついに開始した。実際の導入は2018年中が見込まれ、価格は「レンジローバー PHEV」が1508万円~、「レンジローバー スポーツ PHEV」が1185万円からとなる。

レンジローバーとレンジローバー スポーツがPHEVの受注予約を開始

英国のハイエンドSUVといえば、近頃はロールス・ロイス・カリナンが大きな話題となっているのはご存知の通り。だが英国王室ご用達の本家本元SUVであるレンジローバーは、この夏から質の変化という意味で大きく舵を切る。かねてより報じられていた通り、ジャガー・ランドローバー・ジャパンが「レンジローバー」および「レンジローバー スポーツ」にPHEVモデルを追加する。実際に受注予約が始まって、導入デリバリーの見込み時期をも発表されたのだ。

これまで、ラグジュアリーSUVとしてジャガー・ランドローバーのフラッグシップを担ってきたレンジローバーは、V6もしくはV8スーパーチャージャーのパワーユニットが主流だった。今回、追加された「P400e」のパワートレインは、2Lターボ300ps仕様のインジニウムエンジンと116ps(85kW)の高出力電動モーターを組み合わせたパラレル・ハイブリッド方式で、最高出力は404ps、最大トルクは640Nmとなる。

バッテリー容量は13kWhとアナウンスされており、NEDC(新欧州ドライビング・サイクル)における燃費は100㎞走行あたり2.8L、CO2 排出量は64g/kmに抑えられているという。一方でモーターのみで走行するEVモードでの航続距離は、フル充電状態から最長で51㎞とされている。ただし51kmはNEDC基準であり、通常当サイトですべての車両に使用しているEPA基準(米国の燃費基準で、高速道路を100km/hで走行しても達成できるような現実的な基準)は未発表ながら、約32km程度ではないかと推測されている。

充電に関しては、フロントグリル内に配された充電プラグ経由で、普通充電ケーブル(モード2充電ケーブル)が車載用に標準装備され、200Vの普通充電に対応する。ホテルやショッピングセンターなどに設置されているケーブル一体型充電器(モード3)も無論、使用可能だ。インフォテイメント・システムの「Touch Pro Duo」で、ルート上の充電拠点を表示させることもできる。

また専用のスマートフォンアプリ「リモート」では、充電量と充電率、充電時間、予測航続距離、ドアの施錠・解錠等の車両ステータスが確認できるほか、充電の開始と終了を遠隔操作できる。さらに充電中の車内でエアコンを使用中であれば、その電力はケーブルから供給される。そのため車両のバッテリーを消費することなく車内の冷暖房機能を起動でき、乗り込む前に車内を適温に保つことができる。

パラレル・ハイブリッド・モードで走行時は、バッテリーの充電レベルが設定値以下にならないよう走行する「セーブ機能」が使える。加えて、ナビゲーション・システムに目的地を入力すると、そこまでの高低差データを活用してモーターとガソリン・エンジンを最適に切り替えてエネルギー効率を高める「エネルギー最適化予測(PEO)機能」をも備える。

「レンジローバー」には「VOGUE」と「AUTOBIOGRAPHY」、ロングホイールベース仕様と「SV Autobiography」の5グレードにPHEVが選べ、車両価格は1508万~2866万円。

「レンジローバー スポーツ」は3グレード、「HSE」と「HSE DYNAMIC」、「AUTOBIOGRAPHY DYNAMIC」にPHEVが用意され、車両価格は1185万~1315万円となる。(文/ 南陽一浩)

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					南陽 一浩

南陽 一浩

1971年生まれ、静岡県出身、慶應義塾大学卒。出版社勤務を経てフリーランスのライターに。2001年に渡仏しランス・シャンパーニュ・アルデンヌ大学にて修士号取得。パリを拠点に自動車・時計・男性ファッション・旅行等の分野において、おもに日仏の自動車専門誌や男性誌に寄稿。企業や美術館のリサーチやコーディネイト、通訳も手がける。2014年に帰国、活動の場を東京に移し、雑誌全般とウェブ媒体で試乗記やコラム、紀行文等を担当。

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