東京ベイにテスラ「スーパーチャージャー」オープンで浮き彫りになる日本国内急速充電の切ない現状

2019年10月2日、東京都江東区東雲に『東京ベイ スーパーチャージャーステーション』がオープンしました。テスラジャパンのスーパーチャージャーとしては国内で22カ所目、東京都内では六本木、丸の内、お台場に次いで4カ所目のスーパーチャージャーステーションとなります。

東京ベイにテスラ「スーパーチャージャー」オープンで浮き彫りになる日本国内急速充電の切ない現状

小型の「アーバンスーパーチャージャー」を8台設置

今回の東雲「東京ベイ」に設置されたのは、120kW(公称)のスーパーチャージャーよりも小型で出力72kWの「アーバンスーパーチャージャー」です。アーバンタイプが設置されるのは京都(リーガロイヤルホテル京都に4台)に次いで2例目となります。

設置された台数は8台。各充電器には「1A、1B」「2A、2B」「3A、3B」「4A、4B」と2台1組で番号が振ってあります。これは、各組ごとに引かれている150kWの電源を2台に分割して使用しているからとのこと。

2台の充電器がペアで元電源を分け合っているそうです。

ちなみに、120kWのスーパーチャージャーは各所で4〜6台(鳴門は8台!)設置されています。この場合もおおむね2台1組に対して145kWの電源が引いてあり、先に接続した充電器で最大出力を発揮。急速充電は常にフルパワーが出るわけではないので、後から接続した充電器では余剰分の電力が供給される仕組みになっているそうです。

10月19日〜20日には試乗イベントを開催!

テスラジャパンでは『東京ベイ スーパーチャージャーステーション』のオープンを記念して、10月19日(土)と20日(日)の2日間、この『東京ベイ スーパーチャージャーステーション』でテスラ車の試乗イベントを開催します。

モデルS、モデルX、モデル3の試乗が可能とのこと。参加希望の方は、下記リンクのフォームから申込してください。

『東京ベイ スーパーチャージャー 試乗イベント』申込ページ(テスラジャパン)

スーパーチャージャーは立体駐車場の1階、写真奥側車列に設置されています。CHAdeMOの急速充電器も1台設置されていたので、リーフをサクッと充電しました。

約150カ所の「デスティネーションチャージングステーション」も独自に整備

オープン記念のトークライブで語られているように、CHAdeMOの急速充電器や200Vの普通充電器が使えることに加えて、スーパーチャージャー、そしてホテルなどに設置されているテスラ専用の「デスティネーションチャージング」の充電設備を独自に整備しているのが、テスラの大きなアドバンテージです。

テスラ独自の充電ステーションネットワーク(テスラジャパン公式サイトより)

全国のデスティネーションチャージングステーションは約150カ所。出力は10〜16kWで施設によって異なりますが、通常の200V15A=3kWの普通充電の数倍の出力で充電することが可能です。充電料金もほとんどの場所で無料(一部有料。詳しくは EVsmart でスポット毎にご確認ください)です。

スーパーチャージャーでも、充電会員カードなどによる面倒な認証などの手間はなく、プラグを挿せば自動的に認証されて利用料金は登録したクレジットカードに課金されるシステムになっています。

このスマートさをCHAdeMOや他メーカーにも見習ってほしい

日本国内に設置されている公共の急速充電施設に目を転じてみると、テスラの専用充電設備に比べて「なんでそうなるの?」という点が目に付きます。

まず、出力とスポット当たりの設置台数です。CHAdeMOの急速充電器は最大出力が50kW。最近、新電元の90kW器が登場していますが、設置されているのはまだ全国で10数カ所程度だけ。もっとも、日産リーフe+ 以外、日本国内で発売されているテスラ車以外の電気自動車(EV)やPHEVは50kW以上の高出力を受け取ることができないので、なかなか普及しないのもやむなしではありますが。

ジャガー「アイペイス」やメルセデス・ベンツ「EQC」といった80〜90kWhの大容量電池を搭載した新登場の高級EVが、日本では相次いで「最大50kW」対応になってしまっているのは、とてももったいないことだと思います。

さらに、利用頻度の高い首都圏の主要高速道路SAですら、CHAdeMOの急速充電器が複数台設置されているのは、東名の海老名、足柄、中央の談合坂などの2台がやっと。1台だけのSAPAはもちろんのこと、2台設置のSAでも休日の午後などには充電待ちが発生するのは当たり前といった状況になってきています。

現状でも高速道路SAPAなどでの充電渋滞は深刻化しつつある。

テスラが単独で整備しているスーパーチャージャーは4〜8台の複数台設置をしているのに、より利用ニーズが高いはずの主要高速道路SAPAで1台、せいぜい2台しか急速充電器が設置されないのは、今後の電気自動車普及を考えると「まったく足りない」としか言いようがありません。

鳴門のスーパーチャージャーは120kWを8台設置。

また、道の駅やコンビニなどでは、20〜30kW程度の出力の充電器が「急速充電器」として広がってしまっているのも悩ましいところです。

前述したように、テスラのデスティネーションチャージングステーションはいわゆる「普通充電」ですが、出力は10〜16kW、多くの施設で最大16kWでの充電が可能です。経産省では充電器の出力に応じた従量課金の制度などが検討されているようですが、新しい電気自動車ユーザーが、こうした充電器の出力の違いなどを理解して適切に使いこなすのは、なかなか大変なことだと思います。

先だって、アイペイスで兵庫まで遠征した際には、コンビニの20kW充電器を活用させてもらいましたが、ほんとに、笑っちゃうくらい電気が入っていきませんでした。アイペイスの電池容量は90kWh。20kW器で30分フルに充電できたとしても10kWhで、約11%しか入らないですから、当然といえば当然の感想なんですけど。ほぼ空から満充電にする(そんなことしないけど)ためには、10回くらいおかわりしなきゃいけないことになります。

日本国内で高出力急速充電器、そして複数台設置が進まないのは、高圧受電のコストが障壁だといわれてきました。たとえば、今回の東雲のスーパーチャージャーで考えると、150kW×4系統=最大600kWですから、たとえば東京電力エナジーパートナーで契約する場合、基本料金が1,815円/1kWなので、基本料金だけで月額約109万円、電力量料金が1kWhあたり15〜16円程度必要です。

テスラジャパンでは電気料金の負担形態などについては「開示していない」ということですが、普通に考えればテスラが負担して、それが車両価格にも反映されていると思われます。つまり、高出力での充電サービスを利用できる対価としてユーザーが分担して負担している、と考えることもできます。

私は日産リーフのユーザーなので、月額2000円のZESP2、しかも中古車のキャンペーンで実質4年間無料の恩恵にあずかっていますが、高速道路に急速充電器を増設するために必要であれば、適切な負担が課せられることに異論はありません。

テスラと他メーカー、CHAdeMOというかNCS(日本充電サービス)のスタンスの差は、ユーザー目線があるかないかの違いではないかという気がしてなりません。先頃、NCSを解消して「株式会社e-Mobility Power」が事業を継承するという発表もありました。テスラの「ユーザー目線」を見習って、テスラ車以外でも快適な充電環境が日本に広がることに期待しています。

(寄本好則)

37 thoughts on “東京ベイにテスラ「スーパーチャージャー」オープンで浮き彫りになる日本国内急速充電の切ない現状”

  1. 日本ではトヨタが中心となって反EV連合を作り、それを政府がバックアップしてますから高出力チャデモや50kWチャデモ自体の設置数がスピードアップする事は当分期待できませんね。
    ですからi-PaceもEQCもタイカンも売れる道理がありません。

    と言う事で、私はModel3を買いました。今月中に納車予定です。あー待ち遠しい!

    1. どしん様、コメントありがとうございます。

      >トヨタが中心となって反EV連合を作り、それを政府がバックアップ
      ここについては明確な証明がないような気がしますのでコメントできないんですが、もし何かあればぜひ教えてください。

      >高出力チャデモや50kWチャデモ自体の設置数
      こちらについてはご指摘いただいている通り、まだ十分ではないように思います。特に長距離移動に必要な超急速充電がまだまだこれから、という状況ではありますね。

      >今月中に納車予定
      おめでとうございます!

    2. どしんさんへ
      日本の自動車メーカーが[1:トヨタ・ダイハツ・マツダ・スズキ・スバル][2:日産・三菱][3:ホンダ]の3グループに分かれているのは周知の事実。
      大雑把に言うと1.はEVを作るのに失敗した連合、2.はEVを作るのに成功したグループ、3.はEV作りの波に乗ってくる組。

      トヨタはいうまでもなくハイブリッド車とそのサプライチェーン構築が成功して逆にEVへ舵を切りづらくなり、ダイハツ・マツダ・スバルはEV製作経験があるものの市販化できず、スズキはインド向けは作れても日本向けは軽製造ラインを潰してまで作れない…言い換えるなら訳あってEVへ今すぐ手を出せない事情を抱えているんです。

      日産や三菱は以前経営的に大打撃を食らい、大幅なリストラを断行しないと生きて行けなかったから電気自動車で巻き返そうと躍起になった…ルノー出身のゴーン氏が辣腕を振るいリーフを開発、三菱もリコール信用失墜から起死回生の一環でアイミーブを開発したのが最たる証拠。
      ヨーロッパの自動車産業もかつて日本車構成の打撃でリストラがあってそこからの巻き返しにディーゼルや電動車を切り札にしてきたんじゃないでしょうか!?
      ホンダもヨーロッパでの売れ行きがよくなくイギリスの工場を閉鎖してますが、そこへ再度殴りこみをかけるには電気自動車が必要になったと見ています。

      政財官癒着で片付ける前に自動車メーカーごとの分析をしてから語るべきではなかったでしょうか!?
      あと保守的過ぎる日本人の気質が問題の根幹にあるとも思わないですか!?
      いずれにせよ日本の各種制度が時代遅れのまま放置されているのは頂けませんが。

    3. 「日本ではトヨタが中心となって反EV連合を作り、それを政府がバックアップしてます」

      どしんさんの仰っているこの件の根拠はある程度ありますよ。
      1.高速道路利用実態調査に、当時普通充電しか出来ないPHVしか持っていなかったトヨタが参加してきた事
      ETCカードや充電カードのコピーを取らされたりしていたのに普通充電しかできなかったプリウスPHVも高速道理利用実態調査の対象になったのは不思議ですよね。
      2.PHVのCEV補助金が優遇されている事
      なぜPHVは一充電での航続距離や電池容量で金額が決められず、一律20万なのか、MiEVユーザー等は納得できないと思います。
      3.電欠しない程度の間隔での設置完了をもって、高速の急速充電器設置が停滞している事
      高速での電欠は大問題だけど、EVの利便性が上がり過ぎてしまうのも困るという意図を感じるは気のせいでしょうか。
      テスラが1社で複数台設置が出来ているのに、行政が出来ないというのがおかしい気がします。

    4. シーザー・ミランさん
      >テスラが1社で複数台設置が出来ているのに、行政が出来ないというのがおかしい気がします。

      テスラは民間企業ですから自社の事は自社でプランニングし、リスクも自社で負ってバンバン進めることが出来ますが、日本の役所にそれを求めるのはなかなか厳しいかと……。トヨタ陰謀論があるようですが、それこそトヨタあたりがEVに本気で取り組む事にしてロビーイングでもしない限りは行政も地図の穴埋めに終始しそうに思います。
      モーターショー出展内容とか見ると、ようやくトヨタもEV売る気になってきたのかなと少し期待してるんですけどね。

  2. テスラのCHAdeMOアダプタも125Aまでしか受けられないのが残念ですね。
    テスラとしてはできるだけCHAdeMOアダプタに依存せず自社の充電網を構築したいのでしょうが、ユーザの利便性を考えるとここはさらなる出力に耐えられるアダプタを出していただけるとありがたいと感じます。それ以前に新電元90kWのようなハイパワーな急速充電器の設置が火急の問題なのでしょうが…。

  3. 東京ベイに設置されたのは72kWなのですね。ちょっと残念。
    近いうちに行ってみようかと思います。
    何回かここの(旧名)スーパーオートバックスには行ったことがあるのですが、たしか立体駐車場の駐車スペースって結構狭かったような記憶があります。
    モデルSやXが来てしまうとちょっと怖いかも。それともリニューアルで一台一台の駐車スペースが広くなったのでしょうかね。

    それにしてもこの記事の内容については大いに合意します。
    私も自分のモデルSでスーパーチャージャー以外の急速充電器を試しましたが、50kWのでさえ使う気がしません。なぜか50kWタイプだけ私のモデルSと相性が悪いのもありますが。
    https://wp.me/paGcvs-tM

    しかし、i-PaceもEQCも50kW制限とは・・・。
    両社共、自社で急速充電器は設置し無さそうですねし。

    今回載せて頂いた充電渋滞って、もし自分が遭遇したら絶望します・・・。

    1. パパの幸せの為に作った核廃棄物は貴方の子孫の悩みになりますよ。

  4. トヨタの充電カードでは急速充電で16.5円/分。三菱は8〜12円/分。
    電気の基本料金、電気量料金がそれだけ高ければ施設側はとてもpayできないので急速充電器を複数台設置するのは無理でしょうね。おっしゃるように急速充電器の充実のためには利用者への適切な負担を求めるのは必須でしょう。

  5. テスラユーザーの勝手な言い種‼️まるでテスラの為に作れと言っている様。バカな奴は原発云々まで。CHAdeMOあるだけでも幸せでしょ、使える訳だから。 テスラは日本中に作ってくれるの❓
    調べていないが欧州のEVのプラグ形状はどうなのだろう。テスラと共通❓それと多雨な日本 高圧に成る程 危険増す。チャージスタンドの規格もかわるだろうし。

    1. 流れ者様、コメントありがとうございます!

      >テスラユーザーの勝手な言い種
      すでに日本では、リーフが62kWhバッテリーを搭載しており、テスラモデル3SR+(55kWh)という一番売れ筋の車より、バッテリー容量は大きいです。つまり、リーフのほうが、超急速充電を必要としています。これ以外にも、ジャガー、アウディ、メルセデスが60kWhを超える電気自動車を出していて、それらは超急速充電ネットワークがないと、中距離は問題ないのですが、長距離走行が難しくなってしまいます。
      これが実例です。約1000km程度の旅行をする場合:
      https://blog.evsmart.net/tesla-model-s/roadtrip-yamagata/
      2015年のゴールデンウィークはチャデモのネットワークを使って旅行しました。30分以上の充電が4回あります。
      https://blog.evsmart.net/tesla-model-x/roadtrip-tokyo-fukui-5/
      先月福井まで往復1000km走行したときは、行きは1回帰りは2回の計3回。30分を超える充電はそのうち1回だけです。これが超急速充電の効果なのです。超急速充電があれば、近場・中距離旅行だけでなく、長距離の旅行もガソリン車とほぼ変わりなく実行できます。

      >テスラは日本中に作ってくれるの❓
      日本のテスラ以外の急速充電器は全電気自動車、プラグインハイブリッド車ユーザーのために、税金を半分以上(高速道路については3分の2以上)投入して設置されています。テスラは自社のために全額自費で設置しているので、「作ってくれるの?」という表現は妥当でない気もします。

      >調べていないが欧州のEVのプラグ形状はどうなのだろう
      欧州では、普通充電はtype 2、急速充電はチャデモまたはCCS 2というものが使われていますが、急速充電器数で一番多いのは恐らくテスラだと思います。テスラの欧州のコネクターは、CCS 2に準拠していますが、テスラの充電器で充電できるのはテスラだけです。

      >チャージスタンドの規格もかわるだろうし。
      CCS 2は1000V 350Aまで規格として策定しており、すでにポルシェのタイカンという車両が800V 350Aで充電できる仕様になっています。日本のチャデモも500V 300Aまでは規格化していますが、実際に設置されているのは500V 180Aまでです。

  6. こんな奴はほっといて。一日で早く飯田にスーパーチャージャー作らないとホントにサギで訴えるぞ。

  7. テスラは、ここまでやってスーパーチャージャーを収益源にしないと明言してるんだからすごい。

  8. 同意です。全国に150kw急速充電器を現在の2倍設置すべきですね。
    設置及び電気の費用は初期は補助金に頼らざるを得ないと思います。メーカーやユーザーに負担を強いる気持ちはわかりますが現実的ではありません、設備の複雑さも充電電気容量も補助金に支えられたリーフ初期型よ時代に比べ数倍化しているのに、ユーザーが負担出来る許容範囲が数倍に広がったとは思えません。
    もしもメーカーやユーザーに負担を強いるならば両者ともに疲弊しEVはおろかメーカーが衰亡し結果日本から雇用が激減する可能性があります。

  9. ここの議論には出てきてませんが、トヨタやホンダはやりたいのかどうかは分かりませんが、水素やらないと行けないですしね。

  10. Yasukawa様

    しつこくてごめんなさい。
    どしんさんの仰っている
    「日本ではトヨタが中心となって反EV連合を作り、それを政府がバックアップしてます」
    の件の根拠について以下に挙げてみたので、識者としての御意見を聞かせて頂けますか?
    1.高速道路利用実態調査に、当時普通充電しか出来ないPHVしか持っていなかったトヨタが参加してきた事
    ETCカードや充電カードのコピーを取らされたりしていたのに普通充電しかできなかったプリウスPHVも高速道理利用実態調査の対象になったのは不思議です。当時NEVに問い合わせたら、「高速周辺の普通充電器も調査の対象になった」という非常に苦しい言い訳をしていました。
    2.PHVのCEV補助金が優遇されている事
    なぜPHVは一充電での航続距離や電池容量で金額が決められず、一律20万なのか、三菱のMiEVユーザー等は納得できないと思います。
    3.電欠しない程度の間隔での設置完了をもって、高速の急速充電器設置が停滞している事
    高速での電欠は大問題だけど、EVの利便性が上がり過ぎてしまうのも困るという意図を感じるは気のせいでしょうか。

    既に既得権益側の人間になられているので回答できかねない様な事情があるのでなければ、御意見を賜りたいと思います。

    1. 本件について、これ以上の反論はしないのでご安心ください。コメント欄を故意に荒らすつもりはございません。

    2. シーザー・ミラン様、コメントありがとうございます。しつこくしていただいて全然構いません!議論であれば荒れるという認識はしていませんし、私もEVユーザーですので既得権益はないような、、

      (1)(2)については、私はあまりそっち方面詳しくないので分かりませんが、確かにそうでしたね。私も利用実態調査も参加しましたし、その前の100円充電のときも使わせていただいていましたが、あの時なぜプリウスが対象だったのか微妙です。まあロビーイングというやつではないでしょうか。また補助金の金額もおっしゃる通り、なぜ62kWhリーフや55kWh/75kWhのモデル3が40万円で、プリウスPHVが20万円なのかは根拠が稀薄ですね。本来はkWhあたり1万円40万円上限、とのことでしたので、8.8万円くらいが妥当でしょうか。
      (3)は恐らく、「私見ですが」経済産業省の思惑があると思います。経済産業省は、電気自動車の発達を推進するというより、産業全体を盛り上げて、税金1円に対する経済貢献効果を最大化するのがミッションですよね?そういう意味で、あの時点での投資は「バラマキ」型だったと言えます。今でも補助金の対象になるのは、空白地帯が多く、例えば高速道路の2基目や3基目はなかなか認められづらいですし、マンションの普通充電も駐車場に対し2基までなど制限きついです。これは、ユーザー側としては経済産業省に対し、または世論として、「高速道路内または高速道路沿いに固めて、超急速充電器4基以上を設置していくべき」と伝えていく必要があると思います。

      反論やご意見、歓迎しています。最初のどしんさんのご意見に対して少しネガティブな書き方をしたのは、エビデンスを伴っておらず、裏付けとなるデータが不足しているように感じたからです。

    3. Yasukawa様
      貴重な回答を頂き、ありがとうございます。
      大企業とお取引のある有名企業の社長ということで、既得権益を疑っておりました。謝罪いたします。
      ロビーイングという単語も初めて知りました。勉強になりました。
      (3)が起こっている原因として(1)(2)の前例があると、行政に対して声を挙げてもユーザーの声は掻き消されてしまって無駄な努力ではないのかと考えておりました。
      しかし、仰られるように諦めずに世論という数の力で声を挙げる事が大事ですね。

    4. シーザー・ミラン様、コメントありがとうございます!大企業とは確かにお取引はあるんですが、会ったことある方は「ああ、あいつかー」って感じだと思いますよ(爆
      今までやはり電気自動車・PHEVユーザーの声を集約するプラットフォームがなかったように思いますので、今後そのようなサービスもスタートできるといいなと思っています。

  11. Yasukawa様、シーザー・ミラン様、エビデンスを挙げる手間を怠けて「企業と政府がグルになっている!」と言い切ってしまって申し訳ありませんでした。
    今後は確たる証拠が見つからない場合でも合理的に説明できる事例を揚げる様に心がけます。
    日ごろ思っている事がブログに書かれていたので先走ってしまいました。
    EVでガラパゴスの事例をまた1つ増やしてしまうんじゃないかという不安感と不満感があります。

  12. 高圧受電に係る諸設備のコストを勘案もせずに急速充電器を語るとは楽なお仕事ですね
    むしろ普及面を考えて50kWまでとした現行チャデモの決断は結果的に良かったと思います

    1. 電機メーカーのひと 様、コメントありがとうございます!
      ユーザーに使いやすいかどうか、それが今後、ビジネスや社会で生き残る重要なポイントだと思います。50kWチャデモは、これからどんどん普及してくる大型バッテリーの電気自動車では不足。設備が大変、というのは分かりますが、米国でも中国でも、すでに40ストールのスーパーチャージャーは運用されています。
      40ストールは20x150kWですから、3MWです。もし日本にだけできないとしたら、その理由は何でしょうか?

    2. 電機メーカのひと さん、コメントありがとうございます。

      ただ、この記事は高圧受電コストは勘案した上(キュービクルのような一時的コストはさておき)で、テスラの明快なスタンスに共鳴し、日本の現状への危惧をお伝えしています。
      せめて、読んでからご批判いただけますと有意義な議論ができそうに思います。

    3. イニシャルコストのお話ならば、ガソリンスタンドや水素スタンドの方が圧倒的に高い訳なので、問題はそのコストを誰がどう捻出し合えるかという問題だけな気がします。
      どちらかというと、ランニングコストの方が問題かもしれません。
      メンテナンス費用も掛かるのに、NCSから設置者へ支払われる使用料が一律1分9.8円と決まってしまっているのは、確かに現行チャデモ規格の急速充電器普及に足枷が掛かっていそうです。安過ぎです。設置者の立場から考えると20kw程度の中速充電器でないと割に合わないですね。

    4. シーザーミランさま

      2011年か12年頃、JAFメート記事のために鳥取県が導入したアイミーブで京都府まで走る取材をした際に、県のご担当者の「急速充電器はガードレールや信号機のような社会インフラ」との言葉に共感しました。行政やあまねく税負担の範疇はすでに整ったということなのかも。複数台設置など利便性を整えるのは、これからやはりメーカーとユーザーが合理的に負担するべきなんだろうなと感じています。電気料金制度や課金システムも進化しなきゃ、ですね。

    5. YORIMOTO Yoshinoriさま
      なるほど、上の方のコメントで問題提起させて頂いた(3)の問題「電欠しない程度にQCが配備された後は停滞している謎」の回答が段々分かってきました。
      電欠しない程度に配備するのは、道路インフラ構築として行政の役目であったので、税金をバラまいてでも急ぐ必要があったということですね。
      利便性向上は、余程世論の高まりが無ければ行政としては急ぐ必要もなく、そろそろ税金ではなくビジネスとして成り立たたければならないということでしょうか。その通りかも。
      ただ、鶏と卵の問題となりますが、各SAにQCを8基程度設置していくのと、ビジネスとして成り立つ程度の充電料金システムを構築するのと、どちらが先になるのでしょう?
      仮に経路充電料金が3倍になると、ロングドライブするEVユーザーは激減し、SAへの8基設置は投資の無駄になりかもです。バランスが難しそうですね。

    6. シーザー・ミラン様、素晴らしいところにお気づきになっていると思います。

      >経路充電料金が3倍になると、ロングドライブするEVユーザーは激減
      その通りです。

      解決策は何なのか。急速充電設備はビジネスにはならないことは分かっています。そして現時点では巨額の税金を投入すべきでもありませんよね。他にも解決しなければならない国の課題はいっぱいあります。もちろん投資として投入する方法もありますが、電力料金はそこそこかかりますので、それを負担し続けなければいけません。
      ここから先は私見ですが、やはり電気自動車の充電設備は、自動車メーカー主導で進めるべきだと思っています。経済産業省はそこまで分かっていてNCSを作る方向に指導していたはず。しかし自動車メーカーは(2社を除いては)あまり積極的に動かず、結果として現状を迎えています。ここから自動車メーカーの経路充電設備への投資がさらに減少するとなると、ご指摘のような事態が発生します。間違いなくです。ここを理解すれば、なぜ、自動車メーカーが自動車のコスト(COGS)の一部として経路充電設備を理解しなければならないかが分かると思います。
      経路充電設備は、メーカーも投資し、それは自動車のコストとして認識されなければなりません。(あくまで私見です)

  13. YasukawaHiroshi様
    なるほど、解決策が見えてきました。
    経路充電設備の最低限度の設置はほぼ終わっていますので、今後はテスラ社の様に
    「自動車メーカー主導で、自社ユーザーの為に利便性を高める為の自社専用インフラを作る」
    という施策がベストですね。そうすることで、メーカー間のインフラ構築競争が生まれる事が期待できます。
    インフラ構築と維持に掛かる分だけ、バランスを取りながら充電料金を最適化していけば良いですかね。
    Chademoでは、「メーカーが違っても仲良く同じ充電器を使い合いましょう」何てやっているから、誰も投資したがらない状況になっていると思えてきました。

    急速充電単体でビジネスになる策があるなら、それが一番なのですけど。

  14. 欧州のIONITYのような取り組みの方が消費者にはありがたいと思います。誰にも公正にサービス提供しており、大出力充電器を戦略的に設置しています。

    IONITYはドイツの三大メーカーの出資ですが、ホームページによると三社の自動車以外でも同じ重量課金で充電可能としています。 会員もビジターも同じ料金で、会員も固定費はないそうです。

    そして何と言っても欧州標準のCCSで175または350kWの大出力!

    欧州のモデル3はアダプターではなくCCSポートを付けたようですし、テスラとしても英断ではないかと思います。(CHAdeMO陣営の日本としては複雑ですが)

    解散したNCSも同じように国産メーカーの出資でしたが、充電器の設置には戦略はなく、課金認証を統合しただけで終わってしまいました。 しかも、月額固定費が高額になり、ビジター料金は更に高額、結果として割安な充電費用で出資元メーカーへの囲い込みに協力していたものと思います。

    戦略的に巨大な充電施設を作り、ガソリンのように誰にでも、どのメーカーの自動車でも、同じ料金で(GSの場合、会員割引といっても数%ですよね)公正にサービスを提供する会社をEVメーカーが共同出資して作る。理想的だと思えます。

  15. テスラの車両とチャージャーの関係を見ると、
    「車両とチャージャーを合わせて一つの製品」
    と考えているのだろうなと感心します。

    ただ、専用品だからできることと、汎用品だからできることは分けて議論すべきかな?と思います。
    CHAdeMO等の汎用品タイプは、一か所で複数台対応を可能とするより、遍在することを目的としているのでしょう。
    今後EVのすそ野が広がるとすれば、近距離交通としてでしょう。(車の利用状況のデータでもわかりますね)
    その際に便利なのは遍在性です。
    その方向を向いて開発が進んでいる汎用品を、近距離長距離対応可能な高級機用専用品と比較すると
    議論は間違った答えを引き出してしまうのではないでしょうか?

    テスラのスーパーチャージャーはモデルS用に特化することでコストダウンやデザイン性向上が成され、
    一製品としても素晴らしい出来だと思います。
    アーバンスーパーチャージャーもしかりです。
    巨大かつ高温、そして安全性確保が必要な本体を別に置き(蓄電池も?)最小限のケーブル周辺機器のみを
    車両そばに置く。車両をモデルSに限定することでケーブルの長さも固定できる。日本の火災予防条例上必要な
    衝突防止支柱も設置しないでよいため、ユーザーフレンドリーな環境が作れています。
    (この支柱のせいで車椅子利用者はチャージャーに近づけなくなってしまっている所もあります)
    さらにモデルSの航続距離を基準にしてチャージャーの配置をしていくことが可能です。

    汎用品はその求められる汎用さゆえに不満点が出てしまいます。
    相手に合わせて給電速度を調整したり、ケーブルは最悪の状態を考慮して無駄に長くしたり、
    単独で機能を成立させる必要があるため、製品が大きくなってしまったり、安全確保の要件が厳しかったり・・・。
    それらの不満点を補っているのは「どの車両でも使える」という部分でしょう。(例外はありますが)
    こちらで拝見する急速充電器をめぐる「EVvsPHEV」は「このせい」ですが、
    「このおかげ」でEVのすそ野は確実に拡げられていると思っています。

    ちなみに言えば、ガソリンスタンドは究極の「汎用性」を持ってますよね?
    エンジン車ならどんな車両でも燃料補給ができます。(LPG車とかは置いといて・・・)
    しかもそこに差が生じません。どの車両でも同じ速度で燃料補給できます。
    タンクの大小があるので総時間には差が出ますが。
    遍在性でもまだまだ十分ですし。

    一つ懸念しているのは、テスラの今後のビジネスモデルです。
    テスラが今後、航続距離をどうしていくか。それによってはちょっとテスラを見る目を変えざるを得ないかなぁ・・・。

    1. メカ屋様、貴重なご意見ありがとうございます。

      私の意見を申し上げますと、現時点で、汎用品である急速充電器は、もっともっと先を見て開発すべきと考えています。そのためには自動車メーカーがもっと投資すべきであり、「電気は電気屋に作らせればいい」という考え方が、汎用急速充電器の進化を遅らせていると私は思っています。

      その上で、いただいたコメントに返信いたしますね。

      >「車両とチャージャーを合わせて一つの製品」

      そうですね、テスラでは、車両、充電器、充電ネットワーク、ソフトウェアとサービスを合わせて「車」と定義しているようです。車=サービス、なのですね。

      >CHAdeMO等の汎用品タイプは、一か所で複数台対応を可能とするより、遍在することを目的としているのでしょう。

      遍在=どこにでも存在する、ということですよね?
      これは、私見ですしデータがあるわけでもないですが、現在の遍在戦略は、そもそもEVの存在を知らしめる一つの方法、心理的ハードルを下げる方法として取られたものと解釈しています。一か所で複数基設置をしなければ、旅行計画が立てられません。
      実際に、汎用充電ネットワークの米国のElectrify Americaや、欧州のIONITYなどでは一か所で4-5基以上の設置が義務付けられています。もちろんテスラも最低4基です。実は一か所に複数基設置していないのは、上記のネットワークに含まれていない米国や欧州のディーラー設置の充電器と、日本国内になります。

      >今後EVのすそ野が広がるとすれば、近距離交通としてでしょう。(車の利用状況のデータでもわかりますね)

      これは違うと思います。電気自動車はコストが高く、これから少しずつ下がり、最後にはガソリン車より安くなります。BNEFは2022年にコストパリティを達成すると予測しています。
      https://blog.evsmart.net/ev-news/electric-vehicles-cost-parity-in-2022/
      そして、自動車産業においてスケールメリットは非常に重要です。もしフォルクスワーゲンがEVでスケールメリットを実現したら、トヨタさんは価格では勝てなくなる可能性が大です。

      >汎用品はその求められる汎用さゆえに不満点が出てしまいます。
      >相手に合わせて給電速度を調整したり

      この機能は、すべての急速充電器に共通です。テスラでも同じ。

      >ケーブルは最悪の状態を考慮して無駄に長くしたり、

      これは、各メーカーが、充電ポートの位置を統一しなかったのが原因で、充電器側の問題ではありません。今からでもいいので、充電ポートの位置は統一すべきです。現時点で、自動車メーカーは実はこんなに重要なことに気づいていないのです。自宅で2台の車両を持っている人などは、1台目は前向き駐車、2台目は後ろ向き駐車などと不格好な駐車方法を余儀なくされています。もちろんご指摘の急速充電スタンドではケーブルが長くなり、結果ケーブル冷却が必要になったり、ケーブルが太く重くなっています。
      どんな技術にも限界があります。その物理的限界とうまく折り合いをつけて、可能な限りユーザーフレンドリーに、低コストに仕上げる必要があるのではないでしょうか?

      >単独で機能を成立させる必要があるため、製品が大きくなってしまったり、安全確保の要件が厳しかったり・・・。

      これも違うと思います。機能自体は、テスラだろうがチャデモだろうがCCSだろうが同じです。サイズが大きいのは、ふたを開けてみればわかると思います。
      https://www.google.co.jp/search?q=EV+quick+charger+inside&tbm=isch
      スカスカで、ディスクリート部品ばかりなのです。それも当然、500V-1000Vの整流器やインバーターは今まで、新幹線含む電車用の巨大な部品しかなかったのです。急に、あちこちに設置するから小さくて効率が高いものを作って?といったところで、時間がかかるのは仕方がないと思います。いよいよSiCベースの高性能なパワー半導体が出てきて、これから低コスト・小型化はどんどん進むと思います。

  16. Yasukawa様は取材力のあられる方だと思いますので、急速充電器についても
    内部構造等を様々な場面でご覧になっているものと思いますが、
    そうであれば御提示のリンク先の画像は、少々ずれているかと・・・。
    急速充電器ではないものや、急速充電器の本体ではないもの、
    近年に開発されたものではないものが混在していますので。

    もう一つはテスラやIONITYの急速充電器ですが、
    こちらの内部構造についても把握されているということで
    よろしいでしょうか?
    テスラのスーパーチャージャーやアーバンスーパーチャージャーは
    国内に多く展開しているのでご覧になられているのでしょうか?
    チャンスがあれば私も拝見したいと願っていますが・・・。

    充電ケーブルについては車メーカーがまとまってくれないと・・・。
    充電速度が上がってケーブルが太くなったら女性や障碍者の方の取り回しが
    難しくなるでしょうに。
    扱いづらいと放置されやすくもなるのでケーブルの破損の問題も頻発することになるでしょう。
    で、メーカーがまとまってくれないからEVユーザーと充電器側が苦労するわけで。

    1. メカ屋様、コメントありがとうございます!

      >御提示のリンク先の画像は、少々ずれているかと・・・。

      Googleの検索結果のことでしょうか?
      Googleの検索結果ですから、合っていないものもあると思います。そこまでGoogleは正確ではないですから、、
      ポイントとしては、内部をご覧になりたい場合、こういう方法で検索できますよ、ということをお伝えするためにリンクしました。Google画像検索により、内部構造の写真を見たい場合、ある程度のことが可能になっています。

      >もう一つはテスラやIONITYの急速充電器ですが、
      >こちらの内部構造についても把握されているということで

      日本のスーパーチャージャーの建設中画像はあまり見たことがないですが、海外のものは多くありますね。
      スーパーチャージャー
      https://www.google.co.jp/search?q=tesla+supercharger+cabinet+inside&tbm=isch
      IONITYでも採用されているTritium(オーストラリア)の写真も見つかりました。よく展示会などにも出展されていますよ。
      https://fccid.io/2AFHX-TRI935001US/Internal-Photos/Internal-Photos-3059905

      >扱いづらいと放置されやすくもなるのでケーブルの破損の問題も頻発

      もうすでにそうなりつつありますね。

  17. スーパーチャージャーの「本体」が下記ページの「POWER UNITS」と「CONTROL UNIT」であるわけですが、(テスラはPUごとにCUが組まれているようです)
    >https://techau.com.au/aussie-tritium-expand-their-ultra-fast-ev-charging-to-japan-can-be-scaled-to-475kw-in-the-future/
    アーバンスーパーチャージャーを取り上げた別なサイトの記事では、さも本体が目の前にあるUUであるかのように書かれていました。記者の勉強不足ですよね。
    テスラやIONITYのシステムは大きな本体(PU)+UserUnitの組み合わせにして、UUができる限り小さく、ユーザーが安全であること、
    さらにデザイン性で自由度が高いことを求めてのことでしょう。しかし、鳴門の充電設備を見ても工事のスペースが広大だったことがわかります。
    (アスファルトの色が違うので)テスラのシステムは白いキュービクルがPUで1基でUU2基をコントロールしているようですね。
    他の設置場所ではPU2基、UU4基のセットでしたので。
    日本の企業でもこのパターンを模索している企業がありますし、蓄電システムを加えたパターンのものもあります。
    (全固体蓄電池ができればこのパターンがベターでしょう)
    tritiumのものはかなり大型ですね。高さが2mを超える急速充電器は日本では設置場所が限られてしまいます。
    完全な屋外なら問題ないですが、日本では様々なものの高さが1820mmor2000mmを基準にしているので・・・。
    日本企業は1900mm前後に抑えているはずです。
    構造は思い切っているなぁと感心します。これだけ大型のアルミ一体成型物を使うとは!
    放熱を考えれば最善ですね!SMAの太陽光発電PCSが似た構造になってますが、あれはもっと小型ですから。
    おそらくこれを見て、「日本の急速充電器は中身スカスカ」とおっしゃったのだと思いますが、冷却にアルミを使用しているか、空間を利用しているかの差です。最近はそれで足りなくなって来てますが、アルミを多用することのデメリットも考えなくてはいけないので、そのあたりはせめぎあいですね。

    前回遍在性について書かせて頂きましたが、そこを主眼に置くとこのシステムは取れません。
    専有面積が広くなりますし、初期費用がかさんでしまいます。鳴門の充電施設もかなり広範囲で地面を掘削していますね。(そういう意味でもテスラはすごいんですが)
    日本の多くの企業がこのシステムを取らず、多少大型化しても単独で成立することを目指すのはそのあたりが問題だからです。
    現状でもこの「初期費用」の問題は普及の足かせになっているので・・・。
    設置者に利益が出るシステムでないと広範な普及は難しいです。
    テスラのように車両価格に乗せるのもありでしょうが・・・。
    高速のSAPAにはPU+UUのシステムで多数設置を進めてほしいですね。テスラのように並行充電しつつ充電量のコントロールをするのはSAPAに最適でしょう。
    日本型の急速充電器は遍在性を上げ、できる限りそのグリッドを小さくしていくことが大切でしょう。
    充電待ち対策にもなりますし。

    1. メカ屋様、再度のコメントありがとうございます。確かにスカスカにして放熱、というのはありだと思います。ただ実際には放熱がちゃんとできてない機種も多くありまして、ユーザー側からは結構な不満も出ています。

      >現状でもこの「初期費用」の問題は普及の足かせになっているので・・・。
      >設置者に利益が出るシステムでないと広範な普及は難しいです。

      ここが重要です。
      多くの自動車メーカーはこのように考えていると思います。しかし私は違うと思います。充電インフラがあるからこそ、電気自動車は走行できます。例えばレストランやコンビニにトイレがなかったらどうでしょうか?レストランやコンビニにとっては、お客様用のトイレははっきり言って持ちたくないはず。汚されるので掃除の回数が圧倒的に増えますし、万引きの可能性も出てきます。電気自動車にとって充電インフラは、このレストランのトイレのようなものです。つまり、公共トイレに頼ることはもちろんできますが、例えばレストランの前にたまたま公衆トイレがあるからといって、それを使え、ということはできないですよね?
      つまりどうこうことか?レストランにおいてトイレはお客様へのサービスであるだけではなく、顧客体験の一部であるのです。つまり、トイレの値段はレストランの料理の価格に長期的に含まれているのです。

      電気自動車において、充電設備は公共のインフラで、、と考えている限り、電気自動車の普及は難しいです。米国ではElectrify America(実態はフォルクスワーゲンUS)が、欧州ではIONITY(実態は欧州自動車メーカー)が身銭を切って、充電スタンドの設置を進めています。日本では、日産・三菱・テスラとポルシェの四社が自社独自充電ネットワークの構築にコストをかけてきました。そしてこれらのインフラはかなり頻度高く利用されているのです(ポルシェさんはこれからですね)。

      コストを考えるなら、遍在性を上げた場合、土地のリースコストや工事費、自動車メーカーがまとめて資材等を調達する場合の資材費・労務費などを考えると、SAPAのみ設置(日本全国上下線合計で880か所くらいあります)より、はるかに大きなコストがかかるでしょう。そして営利企業である自動車メーカーが、よりコストがかかる遍在モデルをやりたいか?というと、答えはNOであるように思います。電池容量が増えていくと、多くの電気自動車ユーザーは月に1-2回しか外で充電しなくなります。これだけのために偏在化した急速充電ネットワークを構築するのは、コスト効率が高くないように思います。例えば現在日本国内急速充電器は7000基ほど存在しており、そのほとんどが1基設置です。その代わりに、全く同じコストで880か所に8基ずつ設置すると同じくらいの総基数になります。仮に1000億円で作ったとして(過去のNEVの補助金は一回でそれくらい出たことがあります、一年分です)一か所当たりの部材コスト・工事費・労務費は1億1千万円くらい。さすがにそんなにかからないと思いませんか??

      ちなみに自動車メーカーの「年間の」広告費は以下のような感じです。
      順位 社名 広告宣伝費(億円) 売上高(億円) 売上高
      広告費比率(%)
      1 トヨタ自動車 4,890 284,031 1.7
      2 ソニー 3,913 81,057 4.8
      3 日産自動車 3,422 121,895 2.8
      7 マツダ 1,228 34,066 3.6
      13 三菱自動車 909 22,678 4.0
      14 富士重工業 876 32,322 2.1
      16 スズキ 733 31,806 2.3
      出典:http://kei-cars.club/article/129/

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この記事の著者


					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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