テスラが『サイバートラック』デリバリーイベント開催〜日本への導入も実現してほしい!

日本時間の12月1日、コンセプトの発表から4年の歳月を経て、ついにテスラの電動ピックアップトラック「サイバートラック(Cybertruck)」の納車開始イベントが開催されました。4年前との変更点や今後の予想も含め、テスラオーナーにして翻訳者の池田篤史氏が解説します。

テスラが『サイバートラック』デリバリーイベント開催〜日本への導入も実現してほしい!

Cybertruck Delivery Event(YouTube)

※冒頭画像提供元:Tesla. Inc.

見た目が斬新なだけでなく、とにかく頑丈

サイバートラックは厚さ3ミリ(従来3mmと言っていましたが今回の動画では最大1.8mmと説明されていました)のステンレスで覆われているため、サブマシンガンで撃たれても貫通しません。日本で撃たれることはないでしょうけど、駐車場で少々ドアパンチをされても気にする必要がなくなります。

4年前はガラスも含めて「防弾」と言っていたのですが、ご存知の通り発表会で窓に鉄球を投げつけたら見事にガラスにヒビが入ってしまいました。今回は念のために野球のボールに変えてデモンストレーション。売り文句もBullet proof(防弾)からRock proof(防石?)にさりげなく変更していました。

前回ガラスを割ってしまったチーフデザイナーのフランツ氏。(解説画像はライブ動画より引用)

ガラスに厚みがあるからなのか、静粛性はとてもよいそうです。テスラは昔からガラスのしなりが少なく、どうしてもヒビが入りやすかったのですが、果たしてサイバートラックのガラスは改善されているのでしょうか……。

ボディの捻れ剛性はマクラーレンP1以上だそうで、衝突安全性にも寄与すると考えられます。テスラはいつも安全性を重視して作られているため、今後出てくるクラッシュテストの結果も楽しみですね。

側面衝突実験の結果。ほどんど凹んでいないですね。

機能性も高い

サイバートラックは働く車としても有能です。アメリカでは仕事の役に立つかどうかという目線で見ている建築業者や運送業者などがたくさんいますが、ネットの声を見ている限り概ねみんな満足しているようです。荷台は1,800ミリ×1,200ミリ。ロールシャッター式のトノカバーもついていて、人が上に乗っても壊れないほど頑丈なので、閉めておけば荷物の盗難を防止できます。

アダプティブエアサスはサスストロークが300ミリ、地上高は432ミリ(しかもセンターデフやマフラーなど、ぶら下がっているものがない)。デフロックやトルクベクタリングなど、本格的な走りを可能にする駆動系を備えており、ステアリングは車速に応じた可変レシオのステアバイワイヤシステムを採用して、4WSと組み合わせることで抜群の取り回しを実現しています。

サイバートラックからは新しくパワーシェアという、V2X(車から何かに給電する)機能が付きました。自宅のバックアップ電源として使用するなら最大11.5kWが出せて、仕事の現場やキャンプ場など、屋外での電力の供給は最大で9.6kWを発揮します。車内には120Vのコンセントが2口、荷台にも2口。最大で20A(2,400ワット)まで取り出せるため、ホットプレートや炊飯器、電子レンジも動かせます。荷台には240Vの電源も1口あり、こちらは40A(9,600ワット)までOKなので、アメリカによくある電動ツールなどもほとんどなんでも動きます。

新型ウォールコネクターでV2Hを実現!(テスラ公式サイトより引用)

気になる値段とスペック

車両価格とスペック。ここが今回のイベントの最大の注目ポイントだったのかなと思います。

●RWD(1モーター)
航続距離400km 900万円 (2025年納車開始)

●AWD(2モーター)
航続距離550km(REXなら750km以上) 1,200万円

●サイバービースト(3モーター)
航続距離510km(REXなら710km以上) 1,500万円

REXとはレンジエクステンダーのこと。ただし、テスラの場合、発電用のエンジンを搭載するのではなく、荷台に積むバッテリー(価格は約235万円)のようです。

4年前はシングルモーターで39,900ドル(585万円)、2モーターで49,900ドル(733万円)、3モーターで69,900ドル(1,026万円)と言っていたので、インフレや為替の都合もあるでしょうけど、日本円換算では、ちょっと大衆には手が届かない価格帯になってしまいましたね。

ただ、予約は200万台以上あるらしく、本気で買う人が何割いるのか分かりませんが、相当納期が長そうなので、お金が払える人から順にどうぞ、というスタンスなのだと思います。これまでの他の車種と同様にゆくゆくは当初の価格設定に近づいていくでしょう。

新しく採用された新世代4680バッテリー(サイバーセル)がうまく量産化の軌道に乗れば価格は落ちていくと思いますし、今回から電気系が12Vから48Vになったため、配線のコストを大幅に減らせるなど、生産技術の面からのコストカットも期待できます。2025年を目処に年間25万台の生産を予定しているそうですが、その頃には今より2~3割は安くなっていてほしいですね。

以下、ボディサイズなどのスペックです。

全長/5,682mm
全幅(ミラー格納時)/2,200mm
全高/1,791mm

ゼロヨンは10秒台。0-60mi/h加速のタイムはサイバービーストで2.6秒(最初の30cmのロールアウトは含めず)。最高時速はRWDとAWDが180km/h、サイバービーストが210km/h。

最大牽引能力はRWDが3,400kg、AWDとサイバービーストが4,990kg。最大積載量は1,134kgと発表されました。

日本にも導入されるのか?

まだ詳しく法規を調べていないのですが、3ナンバー登録は色々な意味で難しそうなので、1ナンバーが現実的です(初回2年車検、その後1年毎)。衝突安全性の部分で、もしかしたら日本ではどうしても認可されない部分もありそうですが、私も専門家ではないので断言はできません。今後のテスラジャパン法務部の活躍に期待しています。

また、日本では販売数が少ないと予想されるため、オーストラリアのようにピックアップトラックが売れる右ハンドル国が頑張ってくれないと、現行のモデルS/Xのように左ハンドルしか作ってくれなさそうです。

サイズ的には、都市部では駐車場探しに苦労すると思われますが、地方だとそれなりに使いやすいのではないでしょうか。参考までに都市部、郊外、大型車室のスーパーチャージャーで仮想写真を作ってみました。比較のモデルSが小さく見えますね(参考イメージのため、実寸と異なる可能性があります)。

まず、東京ベイSC。モデルXですら厳しいので、サイバートラックだと明らかにはみ出していますね。ドアを開けることすらできないので、サモンでバックするしかありません。

橋本SC。標準的な車室。隣がモデルSや3ならいいのでしょうけど、サイバートラック同士が横に並ぶと厳しいかも?サイバートラックはもう少しバックできたかな?

大宮SC。ここは珍しく車室が特大で、サイバートラックも余裕でスッポリ収まります。郊外ではこのような車室が増えるといいですね。

日本でも充分に活躍できる車だと思うので、テスラさん、ぜひとも早めの日本導入を実現できるようご検討よろしくお願い致します!

文/池田 篤史

この記事のコメント(新着順)1件

  1. ピックアップトラックは米国では一番売れているクルマなので、テスラのサイバートラックがこれからどれだけ販売を伸ばしていくか楽しみですね!ちょっと心配なのが大型ステンレスボディー車両の対人・対物に対する衝突時の攻撃性で、恐らく将来的には何らかの規制が掛かると思います。米国では年間3万人以上が交通事故で亡くなっているので、より安全なEVが今後求められると思います。

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この記事の著者


					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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