元記事:Volkswagen Has An E-Mobility Plan: Make Electric Cars For Millions, Not Millionaires by Steve Hanley on 『CleanTechnica』
VW電気自動車計画の全容
フォレスト・ガンプは「行き先を自分で分かっていなければ、そこに辿り着くことはできないだろう」と好んで言ったものです。ドイツのツヴィッカウで11月5日に、フォルクスワーゲン・ザクセンの生産・物流部門専務取締役であるReinhard de Vries氏は、電気自動車の生産計画について説明しました。まず初めのスライドを見てみましょう。ここではID.3が会社の歴史にどのように納まるのか見られます。
(すべてのスライドはフォルクスワーゲンオフィシャルサイトより)
ID.3の価格について知りたかった人達用には、次のスライドが一番詳しく情報を載せています。
ツヴィッカウの工場では以前、ゴルフとゴルフヴァリアントを製造していました。2つある生産ラインのうちの片方が閉鎖され、電気自動車生産用に改造されました。もう片方のラインも来年閉鎖される予定(VWは「生産終了」と言っています)で、その際にはこちらも電気自動車用に改造される予定です。社はフォルクスワーゲン、SEAT、アウディ用に、3~6カ月に1モデル、計6種類を導入し、2021年までに33万台の電気自動車を製造する計画です。
VWはカーボンニュートラルな方法で電気自動車を生産するために積極的なステップを進めており、バッテリーと車体を作る際に、できる限り再生可能エネルギーを使うことから始めようとしています。さらにバッテリーのリサイクリング計画も見直し、電気自動車用にバッテリーが使えなくなった時の問題に対処する考えです。
次の2枚のスライドでは、工場の形態改造前、改造後の様子を見る事ができます。
次のスライドは一番パワフルなものかもしれません。ここでは会社が電気自動車を作り出すためにエンジニアリングと芸術をどのように組み合わせたのかを表しています。ドイツの素晴らしいエンジニアリング技術の例である一方、ベートーベンやバッハが世に知らしめた芸術性も内包させました。右脳と左脳が合わさって、偉業を達成したのです。
中国で試験段階に入る
VWは11月5日からのID.3の連続生産に先駆けて、数週間前にツヴィッカウで試験運転に入りました。そのローンチ・フェスティバルでCEOのHerbert Diess氏は、中国の2つの工場でも電気自動車生産の準備が進められてきたと話しました。彼がここで話さなかったことは、試運転がその同じ週に始まるということでした。
CNBCによると、その週の金曜日に発表をするため、Diess氏は上海にいました。VW社は、中国でのパートナー企業SAICと共に電気自動車を製造する工場に25億ドル(約2,726億円)を投資しました。Diess氏は工場案内の最中に「この動きはVWのe-モビリティ・イニシアティブと共にあります」 と語りました。VWは中国で二番目の電気自動車用の工場を建設中で、ここで作られる車は来年末までにお目見えする予定です。
中国で電気自動車はビッグ・ビジネスで、すべての自動車メーカーは特定の比率の電気自動車を作ることが求められ、できなければかなりの違反金を課せられます。中国のシステムはカリフォルニア州大気資源局が何年も前に整備した、電気自動車に関する命令書を元に作られています。VWはフォード、BMW、ホンダと並んで次の数年でよりクリーンな車を作る協力をすることでカリフォルニア州と合意しており、この方向性には他のメーカーが全力で戦おうとしています。
確実に言えるのは、VWは電気自動車を未来だと見ていて、e-モビリティへの変遷を現実的なプランで押し上げようとしています。社はどこに、どうやって行くのか分かっており、競合他社よりも一歩進んでいるようです。
(翻訳・文/杉田 明子)
いつも楽しく拝見させて頂いております。
ID3の登場、ワクワクしますね。
vwは、利益率が低くてもクオリティの高い車両を提供し続けてきたメーカなのでEVにも期待大です。アウディとポルシェで利益をカバーし、ID3を一気に普及させる、そんなビジネスモデルに対抗できるメーカは登場するのか?なんて夢想してます笑
ディーゼルスキャンダルがあったからこそ、ここで一気に汚名挽回して欲しいです。ほんとに素晴らしいメーカなのですから。ディーゼルスキャンもこのための伏線だったのかな?
テスラ と切磋琢磨しEVをもっと身近なものに。そう願います。