第1回『ジャパンEVオブザイヤー2022』/みんなが選んだグランプリは日産サクラ

EVsmartブログとENECHANGEが実施した「Japan EV of the year 2022」に、たくさんの投票をいただきありがとうございました。一般投票とエバンジェリスト投票の結果、グランプリは「日産 サクラ」。優秀賞の2台に「ヒョンデ IONIQ 5」と「テスラ モデルY」が決定しました。

第1回『ジャパンEVオブザイヤー2022』/みんなが選んだグランプリは日産サクラ

上位3車種が大きな支持を獲得

有効ポイントの総数は、一般投票が800ポイント、エバンジェリスト投票(29名)572ポイントで、合計1372ポイント。1位のサクラは397ポイント、2位のIONIQ 5が286ポイント、3位のモデルYが225ポイント(3車合計で908)となり、上位3車種が全投票ポイント中の約66%の支持を集める結果となりました。

EVsmartブログ編集部として、推薦コメントの内容を拝見した上でまとめた「受賞理由」を紹介します。各車それぞれにいただいたみなさまの推薦コメントは追って車種別で詳細にご紹介する予定です。

日産 サクラ/397ポイント

軽自動車規格のEVとして久々に日本市場に登場。庶民も購入を検討しやすい価格でありながら、内装や運転支援機能など質の高いパッケージを実現していることが高く評価されました。バッテリーが小さく航続距離は短いものの、EVならではの力強い走行性能を日常生活で活用できることから、EVの使い方を成熟させることへの期待が寄せられています。軽自動車として日本カーオブザイヤーを受賞、国内の新車販売台数におけるEVのシェアを押し上げるほど売れていることへの賛辞も多くいただきました。

ヒョンデ IONIQ 5/286ポイント

前席ウォークスルーやフランクなど、EV用プラットフォーム採用ならではのパッケージングが秀逸。チャデモ規格による急速充電でも、他車をしのぐ性能を発揮してくれます。ステアリングパドルでの回生ブレーキコントロールやV2L対応など、テスラとはまたアプローチの違う「EVとしての魅力」をコストパフォーマンス高く実現していることが高く評価されました。

テスラ モデルY/225ポイント

卓越したユーザーインターフェースに加えて、オートパイロットやOTA、充電性能、バッテリー温度管理などEVとしての先進機能を備えた完成度の高さが評価されました。また、テスラが独自に拡充を進める高出力急速充電インフラであるスーパーチャージャーの存在が、チャデモ規格の急速充電器しか使用できない他車への大きなアドバンテージとして評価されています。

●車種別獲得ポイント最終結果(全体)

一般エバンジェリスト合計ポイント
サクラ208189397
IONIQ 5153133286
Model Y15372225
eKクロスEV5259111
BMW i4372360
ELEMO-K382260
FIAT 500e321547
BMW iX182240
Audi e-tron GT241438
BMW i7111021
bZ4X10616
Ë-C4 ELECTRIC14115
EQS11415
C40 Recharge11112
EQB10010
C+pod606
EQE415
BMW iX3303
ソルテラ303
XC40 Recharge202

推薦コメントを添えて433名が一般投票

一般投票の有効投票者数は433名でした。車種を選択した上で必ず推薦コメントを添える規定であり、コメントが無かったり、意味をなさない文章など推薦コメントとして不適切な場合は無効票とさせていただきました。ネット投票としてはかなり手間が掛かる方法だったにも関わらず投票いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

投票者のうち「EVを所有している」方は297人で68.6%。「PHEVを所有している」方が8人で1.8%。「EVとPHEV、ともに所有している」のが13人で3%と、合わせて318名、約73%の方がプラグイン車のオーナーです。また「EVまたはPHEVの購入を検討している」方が61名(14.1%)でした。

一方で、「上記のいずれにも当てはまらない」、つまりEVなどを所有しておらず購入の検討もしていないという54名(12.5%)の方からも投票をいただきました。Japan EV of the year の実施を知り、コメント必須のハードルを越えて投票してくれたのは、「まだ購入を検討するまでではないけれどEVには興味がある」からこそだと思います。今後、世界の自動車メーカーが社会により大きなインパクトをもたらすEVを開発しヒットさせるには、こうした潜在ユーザーともいえる人たちの興味をどう掘り起こし、購入を検討してもらえるようなEVを具現化できるかというところがポイントに違いありません。

●一般投票結果

1車種目2車種目3車種目合計
サクラ1255330208
IONIQ 5864621153
Model Y983322153
eKクロスEV19221152
ELEMO-K296338
BMW i42015237
FIAT 500e9121132
Audi e-tron GT87924
BMW iX84618
Ë-C4 ELECTRIC61714
BMW i727211
C40 Recharge45211
EQS36211
bZ4X43310
EQB42410
C+pod1146
EQE1124
BMW iX33003
ソルテラ2013
XC40 Recharge1102
有効投票総数800

今回、一般投票では、投票者1名につき3車種まで選択可能。投票した車種に各1ポイントを加算する方法で行いました。投票には推薦コメントが必須ということもあり、1車種目の有効投票数が「433」ですが、2車種目は「225」、3車種目が「142」で、合計800ポイントになりました。

車種別の得票数は、グランプリのサクラが「208」、優秀賞のIONIQ 5とモデルYがともに「153」で、4位の三菱 eKクロスEVの「52」のほぼ3倍以上という結果です。

広く社会を変える力がある電気自動車とは

「Japan EV of the year 2022」は「広く多くのユーザーが求める1台を選んで讃えたい」という主旨で実施した企画です。EV普及は脱炭素社会実現のためのひとつの策として語られることは多いですが、そのためにはEVが広く社会に普及することが不可欠です。

化石燃料を燃やす自動車によって高まった移動の自由を、EVでどのように守っていくかということは重要な課題です。でも、もしかするとEVだからこそ実現できる新たな「移動の自由」を楽しむライフスタイルがあるのではないかと考えることもできます。

多くの人が求める「いいEV」とは何なのか。EVsmartブログではこれからも、ユーザー目線を大切にしながらさまざまな記事をお届けしていきます。

たくさんの投票をいただき、ありがとうございました。

文/寄本 好則(EVsmartブログ編集長)

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この記事のコメント(新着順)2件

  1. 結果は当然でしょ。日本の一般庶民にとって高嶺の花といわれた電気自動車の世界をサクラ/eKXEVが身近にしてくれましたんで。
    むしろ目を向けたくなるのは実質国民所得を上向かせられない政府行政の失策の数々だと思いますよ。ただでさえ電気事業法の低圧電力供給49kW制限で50kWオーバーの急速充電器が普及しにくいから…電気主任技術者の資格持ちにはすぐピンとくる話です。

    さらに悪弊なのは電気自動車で長距離走るYouTuberが人気を博していること!!そんな連中がEVのネガを根掘り葉掘り動画で語るせいで開発費や電池代がかさみ庶民への電気自動車普及を妨害しているようにも見えますよ。
    方や世界初の量産電気自動車アイミーブはそんな連中とは一切無縁!!シティコミューターとして近距離モビリティとして一定の地位を獲得、そこへ主婦目線で軽トールワゴンが出たんだから売れない訳がないです。これもEV系YouTuberが軽視してきた事実!!

    …駄目出しばかりになりましたが、何も知らない一般庶民への誤解悪弊をいかに消していくかが電気自動車普及の鍵やないですか!?アイミーブ系YouTuberとして思ったことでもあります。
    そのアイミーブを電気設備点検自営業の作業車に使い平日の空いている充電インフラを駆使してます…当然距離数が伸びればサクラ・eKクロスEVへの買替えも視野に入りますよ!?

  2. 結果の順位自体にはサプライズは全くない、と個人的にもおそらくは投票した多くの方も感じるところなのではないでしょうか。

    だからこそ、なのだとも言えるかもしれませんが、大きく分ければ上位/中位/下位の三つ、ないしはさらにざっくり上位とその他という形にきれいに分類できるかと思いますが、何にしろ特筆すべき点は、bZ4X/ソルテラの得点の低さですよね。太字にして文字サイズも大きくしたいくらいに。
    同等のポイントだとしても、メルセデスとは明確に理由が異なっているでしょうしね・・・

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この記事の著者


					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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