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ID.4日記【005】10カ月のブランクで再確認した「やっぱりEVっていい!」

ID.4日記【005】10カ月のブランクで再確認した「やっぱりEVっていい!」

フォルクスワーゲンの電気自動車『ID.4』との生活も、気づけば4年目に突入しました。3年目には車両トラブルによって、約10カ月もの間ID.4が不在になるという、なかなか大変な出来事も経験しました。その顛末と、久しぶりにEVへ戻ったことであらためて実感したEVのよさについてお話しします。

目次

トラブル発生〜急速充電が遅すぎる!

2022年に新車で購入した『ID.4 Pro Launch Edition』は、2024年12月に2回目の1年点検を終えた時点で走行距離が3万2400km。途中、充電を制御するコンピューターの不具合はあったものの、それ以外は大きな問題もなく快調に走っていました。

ところが2025年の春ごろから、急速充電時に受け入れ電力が上がらないという症状が発生。それまでは90kW急速充電器を使用した場合60~70kW台の出力だったのが、50kWを超えなくなってしまったのです。

ID.4には、寒い時期にバッテリー温度を最適化するプレコンディショニング機能が備わっていないので、「気温のせいかな?」とも思いました。しかし、暖かくなっても状況は変わらず、「これはさすがにおかしいぞ……」とトラブルを疑い始めました。

しかも気になったのが、リコール対策でフォルクスワーゲンディーラーへ入庫したあとから症状が出始めたことです。書き換えたプログラムに原因があるのではと思っていたところ、ちょうど同じ時期にID.4 Pro Launch Editionで似た症状が出ているという話が耳に入り、「やはり不具合だ」と確信。いつもお世話になっているディーラーへ愛車を持ち込みました。

この時点で、「これは長引きそうだな……」という予感はしていました。ディーラーからは代車の提案もありましたが、私はID.4以外にフォルクスワーゲン『ゴルフ』も所有しているので、「しばらくはゴルフ生活でいこう」と決め、代車は辞退しました。

結果として、不具合の調査と対策には約10カ月を要しました。原因はやはり、リコール対策で実施されたインフォテインメントシステムのソフトウェアアップデート。ID.4ではインフォテインメント系ECUが急速充電も管理しており、そのソフトウェア不具合によって急速充電に支障が出ていたそうです。

フォルクスワーゲンではテストを重ねながら改修を進め、2026年2月ごろにようやく対策プログラムが完成。私のID.4にも4月にインストールされ、無事に症状は解消しました。

そして久々に試した急速充電。90kW器や150kW器につなぐと、70~90kWの出力がしっかり出ているではありませんか。「おお、戻った!」と思わずうれしくなってしまいました。

バッテリー残量(SOC)25%から、しっかり90kWで充電中。

「やっぱりEVっていい!」を再確認

10カ月ぶりにID.4のステアリングを握って、まず感じたのは「やっぱり気持ちいいなぁ」ということでした。

スムーズで穏やかな走りはもちろん、フォルクスワーゲンらしい親しみやすいインテリアや居心地のいい室内空間はもちろん健在。初めてID.4を運転したときの感動が、ふっと蘇ってきました。

(写真:フォルクスワーゲン ジャパン)

そして、久しぶりにEVへ戻ってみると、その魅力をあらためて実感します。まずは何といっても静かさ。エンジン音や振動がないだけで、移動の快適さってこんなに違うのか……と、しみじみ感じました。

高速道路を長時間走っても疲れにくいですし、ロングドライブが本当にラクなのです。

もちろん、エンジン車のスポーツカーでワインディングを走るときの、エンジン音や排気音が加速とシンクロする高揚感も大好きです。でも、毎日の移動となると、やっぱり静かなほうが快適。EVに戻って、「静粛性って大事だなぁ」と再認識しました。

レスポンスの良さや「待ち時間」が気持ちいい!

運転の楽しさも、やはりEVならではです。加速がスムーズで力強いのはもちろんですが、アクセル操作に対するレスポンスの良さが気持ちいい。クルマとドライバーがダイレクトにつながっているような感覚があります。

さらにお気に入りなのが、アクセルペダルだけで加速も減速もコントロールしやすいところ。回生ブレーキのおかげで、微妙な速度調整がとてもやりやすいのです。

そして、エンジン車と決定的に違うと感じるのが、「待ち時間」の快適さです。

約束の時間より少し早く着いたときも、エアコンをつけたまま静かに待機できます。ここで大きいのが、「アイドリングしなくていい」こと。

私は以前から、駐車場やサービスエリアで長時間アイドリングしているクルマが嫌いでした。燃料の無駄遣いというだけでなく、周囲にエンジン音を響かせ、排ガスを出し続けているのがどうしても気になってしまうのです。

その点、EVは停車中でも静かなまま快適。夏でも冬でも気兼ねなくエアコンが使えますし、それでいて周囲にも迷惑をかけません。「アイドリングしなくていい」というだけでも、私にとってEVはかなり大きな魅力なのです。

ガソリン価格の変動も気にならない

ここ数年で、複数口設置の急速充電スタンドが増えました。

メインカーがガソリン車だったこの10カ月間は、ガソリン価格の上下に一喜一憂していましたが、ID.4が戻ってきたことで精神的にも経済的にもかなりラクになりました。

給油しなくなった代わりに、急速充電スタンドに立ち寄る回数は増えました。ただ、自宅に普通充電(基礎充電)設備がない私でも、不思議とそれが苦になりません。充電そのものは給油より時間がかかるのですが、車内で快適に過ごせるので、「待たされている」という感覚が意外と少ないのです。

むしろ最近では、高速のサービスエリアで「ここ、充電できるのに普通に休憩だけするのはもったいないな」と思ったり、ホテルの充電器が空いているのを見ると「今日はEVで来ればよかった!」と後悔したりすることもあります。

久しぶりに愛車が戻ってきたいまは、「今日はどこで充電しようかな」と考えること自体が、ちょっとした楽しみになっています。買い物のついでに少し充電したり、食事中に充電を済ませたり。そんな「EVのある生活リズム」が戻ってきたことを、なんだかうれしく感じています。

のんびり走るのも心地いい

クルマの走らせ方も、以前より少しのんびりになりました。EVだと高速道路でも速度を控えめに走りますし、あえて一般道を選ぶことも増えました。

エンジン車だと、「早く着きたいから高速を飛ばしたい」と思いがちですが、EVだと一般道をゆったり走るのが妙に心地いいのです。速度域が低いぶん電費も伸びやすいですし、静かなEVとの相性も抜群。景色を眺めながらのんびり移動する。そんなクルマとの付き合い方を、EVは自然と提案してくれる気がします。

10カ月ぶりに戻ってきたID.4は、単に「久しぶりの愛車」というだけではありませんでした。

「やっぱりEVっていい!」

そんなことを、あらためて実感させてくれる存在だったのです。

私のID.4(2026/5/1現在)

総走行距離:3万8200km
平均電費:6.1km/kWh

取材・文/生方聡

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この記事を書いた人

1964年生まれ。大学卒業後、外資系IT企業に就職し、システムエンジニアを経験。しかし、クルマに携わる仕事に就く夢を叶えるべく、1992年から「CAR GRAPHIC」記者として、新たなキャリアをスタート。その後、フリーランスのエディター/ライターとなり、現在はモータージャーナリストとして自動車専門メディアに試乗記やレースレポートなどを寄稿する一方、エディターとしてウェブサイトの運営などに携わる。愛車はフォルクスワーゲン『ID.4』。

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