自工会の豊田章男会長が示した「電動化=EV化への懸念」は日本を勝利に導けるのか?

12月17日、日本自動車工業会の豊田章男会長がオンライン懇談会で「電動化=EV(電気自動車)化」という誤った認識によって「日本の自動車産業がギリギリのところに立たされている」という懸念を示したことが大きく報じられています。発言内容のポイントを整理してみましょう。

自工会 豊田章男会長が示した「電動化=EV化」への懸念は日本を勝利に導けるのか?

※冒頭写真はトヨタ自動車『第2四半期決算説明会』での豊田章男社長。(出典:トヨタ自動車)

電気自動車を増やすだけではカーボンニュートラルは実現不可能

日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長、つまり、トヨタ自動車の豊田章男社長が、2020年12月17日に開催されたオンライン懇談会で記者の質問に答えて「自動車の電動化」や「カーボンニュートラルの実現」について話した内容が、さまざまなメディアで大きく報じられました。

豊田会長のメッセージは、大きくふたつのポイントに整理できると思います。

「電動化=EV化」という誤った認識は正すべき

先日来、日本政府や東京都が相次いで発表した2030年代のガソリン車の新車販売禁止についての報道などで、多くのメディアが「電動化」を「EV化」と混同していることへの苦言です。

まず、「電動化」に対する誤った認識を正すべきという主旨については、EVsmartブログも賛同します。

ただし、豊田会長のメッセージとしては「電動化にはハイブリッド車も含まれていることを理解して、EV化ばかりをことさらに煽動するべきでない」という意図が読み取れますが、その点はちょっと違って、「ハイブリッド車はガソリン車であり、電動化と混同して考えるのは正しくない」というのが、EVsmartブログが今までの記事でも提示してきた見方です。

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もちろん、燃費性能に優れたハイブリッド車の技術は重要だし、普通のエンジン車に比べて割高なハイブリッド車が多く選択されている日本の現状は素晴らしいことです。

でも、2050年にカーボンニュートラルを実現するという世界の、そして日本の大目標を前提とすると、あくまでもガソリンだけをエネルギー源とするハイブリッド車では不十分です。理由は、ハイブリッド車は「低炭素」ではあっても「脱炭素」ではあり得ないから、です。

カーボンニュートラルは国家のエネルギー政策が変化しないと達成は難しい

日本の発電電力量比率では石油や天然ガス、石炭などによる火力発電が約77%である点を指摘。日本として、エネルギー政策が大きく変化しないと(自動車の電動化だけで)2050年にカーボンニュートラルを達成するのは困難であるとの見解です。

電気事業連合会ウェブサイトより引用。
※クリックすると拡大します。

この点にも賛同できます。たとえ、現在の発電比率であったとしても電気自動車のほうがエンジン車よりは同じ量の石油から得られるエネルギー効率はいいですが、脱炭素への貢献は限定的になってしまいます。エンジン車を電気自動車に転換していくのは、再生可能エネルギーのさらなる普及促進とセットで進めなければ価値は半減するのです。

ただし、豊田会長の発言として「だから電気自動車化ばかりを急ぐべきではない」という見方が示されている点については、少なからず疑問を抱きます。

世界の多くの国やメーカーが「電気自動車シフト」へ進む中、国内における発電の課題は日本の自動車メーカーが「電気自動車開発よりもハイブリッド車のさらなる普及を優先する」ことの免罪符にはならないでしょう。豊田会長は、今年のコロナ禍のなかでも自動車業界では雇用を11万人増やしていることを挙げ、仮に日本で作っている車(ハイブリッド車が中心という前提でしょう)がCO2排出が多いため作れなくなれば、「現在の自動車業界のビジネスモデルが崩壊する」という危機感を示しました。

でも、世界の市場がエンジン車と比べた電気自動車のアドバンテージに気付き、世界の自動車メーカーがエンジン車に劣らぬ価格や魅力をもった電気自動車を繰り出してきたときに、日本の自動車メーカーがガソリン車であるハイブリッド車に固執していたらどうなるのか。雇用を減らすどころではなく、自動車メーカーそのものが存続の危機を突きつけられることでしょう。

といった意味で「(日本の)自動車産業はそういうギリギリのところに立たされている」という豊田会長のコメントにも同意できます。

ちなみに、17日のオンライン懇談会は、自工会が限られたメディアや記者を対象に開催したもので、EVsmartブログは参加できませんでした。また、この記事執筆にあたり動画アーカイブなどを探しましたが見つけることはできませんでした。自工会の広報ご担当部署に確認すると、今後も豊田会長の発言内容をレポートする予定などはない、とのこと。

今回の記事では、最も詳しく豊田会長の発言内容を報じていた『Car Watch』(インプレス)の『自工会 豊田章男会長、カーボンニュートラルと電動化を語る 「自動車産業はギリギリのところに立たされている」』という記事を参照させていただきました。

乗用車400万台をすべてEV化するとどうなるか?

豊田会長は「実際に乗用車400万台をすべてEV化したらどういう状況になるか」と前置きした上で、いくつかの試算を例示しています。試算の数字に異論はないのですが、見方を変えるとどうなんだ? ということを考察してみます。

夏の電力のピーク時、全部EVであった場合は電力不足。解消には発電能力を10〜15%増やさなけばいけない。

エンジン車を全部EVにすると、充電のために必要な電力量が現在の発電容量に比べて「10〜15%増加する」という点に異論はありません。EVsmartブログでも『電気自動車は火力発電の電力を使うから意味がない?』の記事中で、乗用車が全部EVになると約10%の電力増が必要である試算を示しています。
(追記:コメントでご指摘いただきましたが、「10〜15%増加する」のは年間販売台数の「400万台」ではなく、日本の乗用車全てが置き換わった場合の試算と思われます)

また、私自身、2017年に日本EVクラブで『電気自動車(EVスーパーセブン)で東北被災地を巡る旅』を行った際には、世界に電気自動車が普及すると、2030年の予測台数では世界の電力総需要が約1.5%増加すること。また、商用大型車を含む日本の自動車が全部EVになった場合、必要な電力量は日本の総発電量の16.2%(ともに日本EVクラブ代表理事の舘内端氏による試算)で、当時の再生可能エネルギー発電量とほぼ同じであることなどを提示する資料を作成して各地でプレゼンテーションを行ったことがあります。

『電気自動車で東北被災地を巡る旅』プレゼン資料より引用。
※コメントでのご指摘を受けて、画像を別バージョンに差し替えました。(2020.12.19)

でも、どうしてその電力量が「夏の電力需要ピーク時」に必要なのか、その論拠はわかりません。この点についてはエビデンスがあるはずなので、広報ご担当部署に確認してみましたが、トヨタ自動車からは「(自工会の懇談会のことでもあり)個社で回答できかねる」、自工会からは「限定的な懇談会でのことなので」ということで、回答をいただくことはできませんでした。

個人的には、「必要な電力需要の増加は再生可能エネルギーのさらなる増加に向けて突き進む」とか「電力ピーク時には電気自動車への充電は止めましょう」といった規則を策定するなどの方策で解決できるのではないかと思います。国の施策が不可欠という意味で、豊田会長の見方と同じです。

充電インフラの投資コストは約14兆円から37兆円。

自宅の普通充電設備は「10〜20万円」、急速充電器は「平均600万円」というコストを挙げて、全ての自動車をEVにするために必要なコストであるという指摘です。

わかりやすく計算してみると、自宅普通充電器が20万円とした場合、14兆円で7000万世帯に充電器が付くことになります。また、急速充電器が600万円として、1兆円で約16万基が設置できます。そんなこんなで、ちょっと過剰な試算である気がします。

14兆、37兆円と聞くと途方もない金額に打ち震えますが、たとえば令和元年度、国土交通省の『自動車燃料消費量調査』によると、日本国内で自動車が走るために消費されたガソリンは48,499,000kℓ。ガソリン代が120円として約5兆8000億円に相当します。もちろん、EVには充電の電気代も掛かりますが、充電器は一度設置すれば長く使うもの。インフラに14兆円掛かったとしても、毎年ガソリン代に消えていたおよそ6兆円が節約できる点は見逃せません。

むしろ、充電インフラ、ことに急速充電インフラが抱える課題としては高電圧高出力の電力供給に関するさまざまな仕組みの改革が必要なことだと感じています。

日本にとって軽自動車が大切。

軽自動車は日本の国民車。ことに地方では軽自動車がライフラインになっている。ガソリン車をなくすればいいという風潮の中で、軽自動車をどう成り立たせていくのか、という懸念です。試算の数字ではないですが、気になるポイントだったのでピックアップしてみました。

軽自動車には大きな電池を搭載するスペースの確保が困難で、「価格が手頃!」というメリットもあるので、カーボンニュートラルを優先するからといってすぐさま電気自動車に置き換えるのは難しいというご指摘であることは理解できます。

でも、だからこそ逆に大きなチャンスがあるのではないでしょうか。欧米メーカーが相次いで発売している電気自動車は、大容量電池を搭載した高級車が中心です。高性能な小型車を開発し、安価に提供するのはまさに日本のお家芸だったはず。さらに、電気自動車ユーザーのひとりとして「一充電で500km」なんていう航続距離伝説にはあまり意味がないと感じています。

たとえば、新車価格150万円でしっかり150km走れる(電池容量としては20〜30kWhくらいでしょうか)軽自動車のEVを、ぜひとも日本のメーカーに開発してもらいたい、というのは、個人的にここ数年来あちこちで叫び続けている「お願い」です。魅力的な軽のEVを開発できれば、ガラパゴスとも揶揄されがちだった軽自動車が世界で売れるようになるかも知れません。

日本の自動車産業がギリギリのところにあるという豊田会長の発言は、本当にその通りだと思います。燃費に優れたハイブリッド車を否定するつもりもありません。11月23日に公開して大きな反響をいただいた『トヨタ中間決算での豊田章男社長の発言に「テスラを理解していない」という指摘』という記事などでも繰り返してきたことですが、「世界と戦う魅力をもった電気自動車開発はぜひとも意欲的に進めて欲しい」と、自工会を司るみなさまにお願いしておきたいと思います。

(文/寄本 好則)

この記事のコメント(新着順)85件

  1.  友人に教えられ読まして貰い確かに分かりやすいと思ったのですが、自工会会長としての発言のはすが、トヨタ社長の発言と同義の様に書かれているのはどうかと思います。友人もそうですが、コメントの中にトヨタ社長の発言と捉えて居る人も居ます。
     立場が変われば言葉は変わります。大袈裟な表現に成りますが、自工会会長の言葉はイコール日本の自動車産業の総意に近い物に成るのでは無いのですか。
     あと個人的な意見ですが、鉄類や紙等の生産に水素が有力視されて居る以上、今の電力状態では厳しいと思って居ます。

     

    1. 佐野倉様、コメントありがとうございます!

      >自工会会長としての発言のはすが、トヨタ社長の発言と同義の様に書かれている

      おっしゃる通り、お名前も豊田氏ですしそういうバイアス的なものは掛かってしまっているかも知れませんね。そもそもこちらの会見はクローズドで行われたものでして、我々も最初は伝聞で知り、それから公開されたYouTubeを拝見したという背景もあり、自工会のメッセージとして、という点があまり明確でなかったかと思います。

      >鉄類や紙等の生産に水素が有力視されて居る以上、今の電力状態では厳しい

      水素をどうするというのは良く聞かれることですが、現実問題、現時点で日本国内での水素生産は100%天然ガスから行われています。もちろん製鉄所の中では水素は発生するわけなのですが、これは現時点では100%製鉄所内で使用されており、この水素が余るということはないし、それを余らせれば(高炉なら)もっと燃料が必要になるだけです。
      水素を使って車を走らせる=現時点では、天然ガスで走らせるのと同義です。今後、再エネが余剰するようなことがあればそれを使って水素生産させることが可能です。現時点のように、再エネが余っていない状態で再エネを使って水素生産すると、

      1. 水素生産に使った同じ電力量を電気自動車にそのまま充電して使う
      2. 水素を生産し、それを水素燃料電池自動車に充填して使う

      のパターンで、2は1の3分の1の距離しか走行できません(当然ですね)。つまり、再エネが余っている状況が発生するまではコスト的に天然ガス100%でしのぐというのが基本になります。今後、国はオーストラリアで褐炭を燃やして二酸化炭素を回収し、水素を作ってそれをマイナス269℃まで液化、その後液体水素タンカー(今は商用のものは存在しません)で日本まで輸入して、それをサプライチェーンを新規に構築して日本各地に届ける、という案を持っているようですが、全てのシステムを新規に構築する必要があり、エネルギーセキュリティとしての意味はあるかも知れませんが、ここ10-20年で何とかなるような仕組みではないことは確実です。

      今の電力状態、というのが何をさしておられるか不明ですが、例えば
      https://www.tepco.co.jp/forecast/index-j.html
      こちらをご覧ください。危ないところは赤の短い横方向の線。ここがその時間の最大供給力かつ、使用率が一日でピークを迎えると考えられる時間帯です。では時間別に見てみましょう。
      https://www.tepco.co.jp/forecast/html/images/juyo-d-j.csv
      このデータの上のほうにCSVフォーマットでデータが書かれています。0時台は68%、1時台は65%ですね。このように、深夜時間帯の電力供給には20%以上の余裕があるのです。電気自動車の充電はガソリン車のように人間が行うしかないわけではなく、コンピュータのソフトウェアで管理することも可能。つまり、ピークを避けて充電するようなサービス展開を今後10-20年かけて開発していけば問題ないのです。ちなみにすでに卸電力取引所と通信しながら、電力が一番安い時間帯しか充電しないようなサービスも海外では商用化されています。

  2. 2チャンネルの創業者のひろゆき氏も同じ事を言っています。
    「豊田勇男氏の言っていることは正しいが、間違っている」と。。
    問題はトヨタでなく、政府に問題があると。。
    リンクを貼付けておきます。(問題があれば非表示にしてください)
    財務省の緊縮財政を批判して、財務省のいいなり政治家を選挙で落とし、
    財政出動させて、充電スタンドを国や自治体が作ればいいだけです。
    トヨタが悪いので無く、政府が悪いということだろうと思います。
    話が脱線しましたが、結論は政府の対応が遅すぎるということです。
    https://www.youtube.com/watch?v=lN418d_VoqQ&t=574s
    https://www.youtube.com/watch?v=7qFt0KVtKgk&t=20s
    また、青山先生のお話では、ヨーロッパではガソリンに変わる燃料の開発をしているらしく、それは二酸化炭素を排出しないらしい(詳しいことは調べていないので。。)。その燃料を使えば既存のエンジンが使えるのでムダにはならないらしい。
    これも同じくリンクを貼付けておきます。(問題があれば非表示にしてください)
    https://www.youtube.com/watch?v=cLQf5LBtObs
    トヨタを批判する前に政治などを勉強、調査され政府に批判すべきだと思うのだが。。。どうもそこが抜けているようだ。
    財政出動を渋っている財務省がいる限り、日本は置いて行かれるでしょう!

  3. 世界の潮流と日本の事情が大きく異なっており、日本市場では豊田社長の意見は正論である。しかし、400万台市場に対し世界市場は1億台に達しようとしている。欧米、中国では日本市場とは大きく異なりEV化が急激に進んでいる。日本の自動車産業は国内市場向けより世界市場向けの方が数量が多い。豊田社長の意見を「世界的に見て」と勘違いする部品事業があった場合今後急激に伸長すると見込まれる世界市場において、LiB調達等が困難になる懸念がある。実際、日本製PHEVがLiBの隘路により数量が限定される等の現象が起こっている。それは、日本が「世界的にEVに消極的」と勘違いされているのかもしれない。そのため、日本の自動車産業は「それぞれの市場に適した」自動車を開発すると発信することが重要だと思う。

  4. 皆様の意見、いつも興味深く拝見しています。
    日本の人口は2030年までの10年間に800万人、その次の10年間に900万人、さらにその次の10年間に1000万人減少することが見込まれています。800万人は東北電力の営業エリアから新潟県を除いたいわゆる東北6県の人口に、900万人は北海道と四国の人口に、1000万人は中国地方と北陸3県の人口にほぼ匹敵します。再生可能エネルギーの比率が現状のままだと仮定しても、今後30年間で北海道電力、東北電力、北陸電力、四国電力、中国電力の電源が余る計算になります。また、蓄電システムの技術革新は、再生エネルギーシステムや水素エネルギーシステムと組み合わさることにより、系統電力システムそのものの存立基盤を揺るがす可能性があることにも留意すべきだと思います。

  5. オール電化と家庭用太陽光発電のおかげで今や夜間電力の余力のほうがピンチな時代ですが、夜間に大量のEVの充電はそれに追い打ちをかけるのではと思うのですが・・・

    1. サッカー様、コメントありがとうございます。
      https://www.tepco.co.jp/forecast/html/calendar-j.html
      ピーク時間帯は夜間ではなく、冬は朝と18時頃、夏は昼と18時頃です。夜間は発電所の出力を抑えて、無駄が出ないように制限しています。
      また電気自動車の充電時間帯は自分で決めることもできますし、海外ではすでに、卸電力取引所と接続して、電気が安いときだけ仕入れて充電するサービスも始まっています。

    2. 電力業界にいた人間よりサッカーさんへ
      夜間電力が足りなくなれば電力会社も何らかの手を打つはずでしょう。水力発電の揚水を減らす、深夜の電気代を値上げする、等々。
      そう思うと電力会社は今とても不安定な状況に置かれていると思いませんか!?
      もう当家はいつでも電力会社から縁が切れるよう、ソーラー発電・オール電化・蓄電池まで装備しましたよ。持ってるだけじゃダメ、装備してください!…なんかドラゴンクエストみたいですが(笑)
      今から電気管理技術者の世界へ足を踏み入れる僕、その手の啓蒙活動も行っていきたいです。もう不安解消には技術屋が実力行使する他ないと判断しましたので。

  6. これでは日本は周回遅れになるんだよ、過去排ガス規制で優位に立った日本が悔し涙を流している情けない。豊田佐吉が泣いている、小泉は小さい、なんで豊田を擁護するんだ。
    電力は火力発電で供給されているが、ほかにも発電方法はいくらでもある、親父を見習え供給源もさることながら,排ガスはなくならないのが問題だ本末転倒の豊田会長小泉氏には失望だ

  7. 最近EVsmartブログ様を拝読し勉強させてもらっています。
    自動車メーカー側がコメントを出すのはそれだけ急激な脱炭素の流れに危機感を抱いている表れでしょうね。
    ところでEV推進派の方々の視点には自動車メーカー側の事情があまり考慮されていないと感じています。
    例えばバッテリーコストの問題。ご存知のようにここ10年程でだいぶ安くなりましたが、最近数年のコスト低減はかなり鈍化しています(先日のテスラバッテリーデイでもスクリーンに映し出されていました)。バッテリーコストの半分は原材料費ですがコバルト、リチウム等の材料の採掘が一部の国に偏っている地政学リスクがあるうえ、コンゴで見られる資源ナショナリズム、コバルト権益を抑える中国など更なるコスト低減には不透明な情勢ではないでしょうか。コバルトフリーや全個体に期待ですが、40年近く前に実現したLiBがこの状況ですので開発から量産、実装まではかなりの時間を要するものと思います。各メーカーから新型EV発売のニュースはよく目にしますが、報道で見る限り現状EVは自動車メーカーにとって赤字です。今現在世に出ている大半のEVは自動車メーカーにとって環境規制対応用に過ぎないのでしょう。台数もかなり絞っていますし。こちらも以前触れているようですが、テスラでさえクレジット売却益無しではトントンです(そもそも欧州・米国の環境規制自体テスラのみが利する仕組みになっています)。EVの販売価格が右肩下がりになり補助金無しでICE同等になる未来はまだ近くはないと思います。
    それから市場の問題。日本の自動車メーカーにとっての市場は何処よりもまず米国です。よく車が大型化して日本に合わない、という記事を見ますが、それも米国第一の商品開発をしている表れでもありますし、他市場向けにイチから開発できる余裕がないことも物語っています。つまり米国にEVが普及しない限り(=その兆候が見られない限り)日本の自動車メーカーがEVに振るようなことは無いのではと思います。前述の通りEVは自動車メーカーにとって赤字ですのでできる限り売りたくない、故にFCAのように利益率の高い車を売り環境規制未達成による罰金を支払うという手段に出るメーカーも現れます(一方でPSAと組んで電動化技術を手に入れるしたたかさもありますが)。豊田会長のHEVも電動車という発言はこのあたりのバッテリーコストや市場という点も加味したうえではないでしょうか。これからはEVだけだと叫ばれて赤字垂れ流しでは豊田会長の言う通り日本の自動車産業は傾きます。
    欧州の急激なEV普及がクローズアップされがちですが、日本車の存在感がそこまで大きくない市場である点を見る必要がありますし、欧州メーカーにとって95g規制未達成による罰金支払いよりは収益悪化覚悟でEVを売ったほうがいいという利害があります(欧州メーカーにとって米国市場はそれほど大きくないですし)。中国でのEV普及もナンバー規制、乗り入れ規制によるところが大きいと思います。さらに権益やCATL、国を一気に動かせるお国柄を考慮すれば尚更です。

  8. 自動車メーカーと国が足並みを揃えなければ国内でのBEVの普及も難しいですし、世界中で脱ガソリンが進む中で日本の自動車産業が生き残るのも難しくなると思います。実際に国と自動車メーカーでどの程度そういった話が進んでいるのか分かりませんが、日本の自動車産業がダメになってしまえば日本経済に与える影響も大きいと思いますし、先日の会見を見ると少し不安になりました。

  9. ガソリンスタンドを営んでいる身としてはトヨタさんに頑張って頂きたいですね。
    電気自動車が主流になった時に想定されるトラブルは賢い方々なら容易に想像つくと思いますが正月の帰省ラッシュなどで車が何万台規模で動く時に充電インフラは絶対に足りなくなるでしょう。そうすれば道路で立ち往生する車が多発してレッカーや出張充電などの会社ができたとして対応しきれると思いますか?
    サービスエリアやパーキングエリアなど関東方面では駐車場にすら止められない現状でEV化になれば充電できずにバッテリー切れが多発します。30分の急速充電を何人が待ちますか?何千人でしょうか?
    どう考えてもガソリンエンジンに理がありトヨタとしても利があるのは目に見るより明らかでしょう。生活圏内で買い物にしか自動車を使わない訳ではないですからね。
    co2排出削減をやるのであればもっと多角的な角度からアプローチしていく必要があると思います。例えば工業用の熱源だったり目に見えてわかる今だに煙突モクモクしている企業とか、数多くありますよね。アホの一つ覚えみたいに思いついたから自動車からco2削減やってみよう!って言うのは非効率的であまりに短絡的です。それでは自動車産業が被害者になり得るのは当然です。日本でインフラを整える為の基盤や設備が追い付いていないにもかかわらず、とりあえず非ガソリンエンジン化でやっちゃって!2035年には禁止だよ!って言うのは簡単だけど現状で売れないのわかっている電気自動車に開発コストを何億何兆円と投資して、赤字を覚悟で開発に望んで下さいね。って馬鹿げてると思いますね。15年後ぐらいには黒字になるかもしれませんよって無責任な決定者の発言に従う理由なんてあるのでしょうか?
    事実テスラは国の補助を得て黒字企業に成り下がってますが、そんなのは本来の企業のあり方ではないですよね。
    赤字になると思いますけどラーメン屋を開いて下さい補助は出しますよ。何年出すかはわかりませんけどねって言われて誰が開業します?

    1. 哲也様、コメントありがとうございます。

      >サービスエリアやパーキングエリアなど関東方面では駐車場にすら止められない現状でEV化になれば充電できずにバッテリー切れが多発します

      します、ではなく、すると思う、ということですよね。
      実際には、ガソリンスタンドと異なり、充電スタンドは駐車場に設置することが可能です。爆発物ではなく危険物でもないため、ご自宅の駐車場にも設置することができるのです。
      https://www.youtube.com/watch?v=290OqXt8z3U&t=71s
      米国、カリフォルニア州Kettleman City、50基
      https://www.youtube.com/watch?v=X1_P-1vjem0&t=51s
      ノルウェー、Rygge、34基
      https://www.youtube.com/watch?v=v2Q0MDtFCHc&t=9s
      中国、上海、Lilacs International Commercial Centre、50基
      世界中にこういう施設がどんどん完成しています。

      >30分の急速充電を何人が待ちますか?何千人でしょうか?

      待たないんです。なぜなら、基本的に、電気自動車は自宅で充電します。つまり、家を出る時点では満タンで出発。例えば東京を西に向かって出発すると、浜松か、車によっては京都くらいまで充電する必要がないのです。そのため、高速道路等の充電スタンドを使用する人はそもそも少ないです。例えば私は年22000km走行しますが、そのうち70%が自宅充電。外の充電スタンドを使うのは僅か3割です。一般の方のように年12000km以下なら、外充電の比率は2割を切ると思います。

      >co2排出削減をやるのであればもっと多角的な角度からアプローチしていく必要があると思います。

      この辺りは、環境省の資料をご覧になることをお勧めします。
      https://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg/2020.html

      >事実テスラは国の補助を得て黒字企業に成り下がって

      これも誤りです。国の補助金はいったんは受けていますが、数年後に返済しています。
      https://www.tesla.com/en_EU/blog/tesla-repays-department-energy-loan-nine-years-early?redirect=no
      米国の自動車企業で唯一、早期返済を行った企業です。
      また収益性について誤解されているようなのでこれについても記事を出しています。
      https://blog.evsmart.net/tesla/tesla-2020-3q-earnings/
      営業利益も利益率9.2%とちゃんと出ていますし、先日12/18にはS&P500という米国の企業TOP500のようなインデックスにも採用されました。

  10. バッテリー製造時に大量のCO2を出すとありますが、これは熱処理工程で発生するものがかなり多いです。というか、製造業においてCO2の排出というのは”熱”を必要とする工程がかなりの部分を占めます。先日のテスラのバッテリーデイにてドライ電極という熱処理を必要としない技術が紹介されていましたが、熱処理が要らないとなれば、バッテリー製造時のCO2排出が多いという常識は吹き飛びます。日本が勝ち残るためにはCO2排出が多いと文句を言うのではなく、CO2排出の少ない技術開発をするというコメントが欲しかったですね。

  11. 高温超電導ケーブルが実用化段階に入ったそうです。
    これによると送電ロスを95%なくすことができるそう。
    今だいたい5%の送電ロスらしいからこれがほぼゼロになったらこれだけでEV何百万台も余裕ができますね。
    Sicパワー半導体も本格的な普及期に入ったそうです。
    これは10%省エネにできるとのこと。
    この二つだけで発電所増やさなくてもいけるんじゃないですかね。
    家庭の電気製品も省エネ化が進んでこの夏の猛暑でも電気が足りないなんて報道も全く聞かなかったし。

    1. ノビ様、コメントありがとうございます。ケーブルのロスもさることながら、SiC半導体はすでにテスラのモデル3以降、最新のS/X/Yでは搭載されていて、高電費の一因となっています。10%も行くかどうかは分かりませんが、BEV(純電気自動車)では充電ロスの低減もできるため、結果としてEPAによる航続距離の増加には役立つと思います。確かに、SiC搭載の車両では充電ロスは5%程度少ない気がします。走行時も入れると10%行くのかもしれませんね。トヨタさんもSiCは研究されているそうですし、2021年式のミライには搭載されているそうなので、来年以降メインストリーム化するのかもしれません。

  12. テスラとも提携してた時期があるぐらいには先を見据えた戦略とってたトヨタだからそれなりにかんがえてるんじゃないのかなぁ
    それに電池関係への研究投資自体は滅茶苦茶多いし将来的にEVが来るとは思ってるでしょ?

    だいたい他社が焦ってる理由はそもそも来年の排出規制すらクリアできてないからなんじゃないの…?トヨタだけ頑張ればEVやらずにクリアできる位置にいるのに他のメーカーは今まで何やってたのか…そういったメーカーが環境のためとか言い出すと滑稽に見えるんですよね

    その数字だけみるなら、まともに環境のためを意識してたのはトヨタとテスラ(ここは創業から一貫してるの凄い)だと思っちゃうし

    まぁなんだかんだ言っても時代はEV化の流れだし止められないでしょうからトヨタもそれに合わせて変化していくんでしょうね

  13. 安川様
    データに基づかない情緒だけの投稿に対し、真摯にご教授いただきましてまことにありがとうございます。
    EVは、米国・日本・EU・中国がそれぞれ自国の覇権を賭けた政治経済戦争の様相を呈しており、日本もここ10年が踏ん張りどころですね。特にEUの域内囲い込み戦略には政治力も使ってうまく立ち回って欲しいと思います。

  14. 製品の原料採掘、製造、使用、廃棄までの全ての段階でのCO2排出量を管理し、排出量が多い企業には削減のための負担金が増すようなルールをEUが策定しようとしています。
    これが施行されると、EUに輸入される製品にも適用され、EUに比べて再生可能エネルギーや原発比率が低いエネルギーで製造される日本の自動車は不利になり、国内での製造ができなくなってしまう。これはエネルギーインフラの問題なので、国全体でエネルギーの脱炭素化に取り組まないと日本から自動車工場がなくなってしまうかもしれない。
    さらには、BEVは電池の製造段階や廃棄処理時に大量のCO2を出すし、急激にBEVを増やすと電力が逼迫する。CO2削減で言うならむしろHVの方が有利なので、BEV一辺倒の認識は改めていただきたい。
    トヨタ社長の懸念はこういう諸情勢を踏まえてのものだったと思います。
    確かに、製品の製造段階だけなら自社の再生可能エネルギー比率を高めるなどの工夫で乗り切れるかもしれませんが、製品の原料から廃棄までとなると自社が管理できる範囲を超えていますから国全体の取り組みが必要ですね。
    私もまだまだHVの方が実用的で安心できる乗り物だと思いますから、BEVと共存していって欲しいです。HVのエンジン燃料をバイオマス由来などに変えていければなおいいです。

    1. bun134様、コメントありがとうございます。

      >BEVは電池の製造段階や廃棄処理時に大量のCO2を出す

      これは確かにそうですが、製造時に再エネ電力を使うことにより、排出は削減できます。豊田氏はエージング時の電力について言及したそうですが、電池メーカーは再エネによる製造やエージングを進めており、今後排出はかなり下がると思われます。

      >急激にBEVを増やすと電力が逼迫

      これは誤りです。
      https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/ev-and-fossil-fuel-power-station/
      日本の乗用車を、軽自動車も含めて全部電気自動車に変えたと仮定すると、必要な発電電力量は10%増えます。これは一朝一夕に起こることではなく、どんなに急いだところで20年以上かかると思われます。
      日本国内の新車販売は年間500万台。国内保有台数は6000万台くらいですから、今すぐに新車を電気自動車に100%切り替えても12年間かかります。

      >CO2削減で言うならむしろHVの方が有利

      これも誤りです。
      https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/ev-global-life-cycle-co2-emissions-less-than-ice/
      こちらの記事の最後のほうに書きましたが、仮にハイブリッド車の毎年の燃費改善率と、発電電力網の低排出化の比率が同じだったと仮定した場合、10年後の排出削減量は、電気自動車はハイブリッド車の2倍になります。削減効果が大きいのは、電気自動車なのです。また歴史的に見ても、発電網の低炭素化の度合いのほうが、乗用車の低燃費化の改善率より高いのが現状です。

  15. すっかり出遅れました……
    2点ほど。

    その1)
    再生エネルギーの比率については、2020年上半期(1-6月)の統計が既に出ています。
    水力込みで23%ほどとなっています。
    記事にある2018年度は17%ほどなので、再エネにそこまで熱心でない日本でもそれなりに増えているようです。

    https://www.renewable-ei.org/activities/column/REupdate/20200925.php

    記事には最新の統計データを提示して下さると助かります。

    その2)
    ピークについて。
    ここ7、8年でソーラーパネルの設置が進んだこともあって、昼間はむしろ電力が余り気味で揚水しています。
    揚水に充てていた、または揚水で吸収しきれなかった分をEVに充電できればよいかと思います。

    https://www.renewable-ei.org/statistics/electricity/#demand
    ↑左側の入力欄で日付を指定可能

  16. EVのシェアが飛び抜けているノルウェーは莫大な補助金漬けによってEVのほうが安く買えるという特殊事情があるからですよ。
    とても公正な競争とは言えません。

    1. ランソン様、コメントありがとうございます。
      そうですね、ノルウェーは様々なBEV優遇策を講じており、それが高いシェアの一因になっているのは同意いたします。
      ただもしそれで、使えないような車両を購入するでしょうか?つまり、少なくとも電気自動車は、使える車・命を預けられる車であるとノルウェーでは認識されているのです。

      さて補助金のない国の状況はどうでしょうか?
      例えば米国では、テスラが補助金を受けていたのは2018年までで、2019年1月に半額、6月に1/4、そして今年2020年には補助金はゼロになりました。
      https://www.forbes.com/sites/sebastianblanco/2019/11/30/tesla-warns-federal-tax-credit-expiring-in-5-weeks/
      月次売上で、補助金と、販売台数の関係をチェックしてみてください。
      https://www.goodcarbadcar.net/tesla-us-sales-figures/

      またスイスも電気自動車に全く補助金を出していない少ない国の一つです。
      http://ev-sales.blogspot.com/2020/01/switzerland-december-2019.html
      2018年と比較し2019年は電気自動車の販売台数は82%増、シェアは5.5%に達したそうです。(参考:日本は約0.7%です)
      2019年1年間で17176台、2020年10月には
      http://ev-sales.blogspot.com/2020/11/switzerland-october-2020.html
      対前年同期比での販売台数は71%増(2020/1-10月の10か月で22063台)、そして電気自動車のシェアは12%に達しました。

      日本国内のメディアは、あまりデータに基づかず、記事を作成する記者がいらっしゃることがあります。内容にはよく気を付けてご覧になることをお勧めします。

  17. 控えめに言って、こういう誤った暴論を大企業の社長が言うことは本当におかしいと思ってます。
    誰が電力料金が一番高い夏の真っ昼間に充電するんでしょうか。私が今契約してるプラン夏の昼間は1KWあたり40円ですよ ありえないですよ。
    対して深夜は12円ぐらいです。深夜に充電しますよ、常識で考えてほしい。
    https://www.tepco.co.jp/ep/private/plan2/old03.html

    いまの経営者たちってなんにも勉強してないんだと悲しくなる。EVsmartの記事についてもガソリン車とEVの比較をしてたが、考察が不足していると思う。
    たとえば天然ガスだと最高効率は60%です。
    https://www.nedo.go.jp/hyoukabu/articles/201205mitsubishi_j/index.html
    https://pps-net.org/column/54364
    3月27日、中部電力および東芝エネルギーシステムズは、中部電力西名古屋火力発電所7-1号において発電効率63.08%を達成し、世界最高効率のコンバインドサイクル発電設備としてギネス世界記録認定を受けたと発表しました。

    もしEVについて言及するなら、もっと幅広くエネルギー全体についての教養がなければ、報道を見た一般人をミスリードしてしまうと思っています。

    何よりも大事なことは真実を伝えることなのに、自動車工業会はそれができてない。
    大いに反省すべきです。勉強が全くたりない。

    EVsmartについてもいえば、是非火力エネルギーについての最新情報を入手してほしい。最先端でいえばカーボンリサイクル技術が進展しそうです。むしろ資源になりうる可能性が出てきてます。火力にも未来がありうる。バイオマス発電でも検索してみてください。

    ガソリン車は窒素酸化物も出す。人間に有害です。二酸化炭素だけの問題ではありません。HVは両方積んでるので最もエコから遠いと私は思っています。

    1. BEVが社会インフラとして大きなポジションを占めるようになれば当然その分を電力会社は想定しないといけません。電力は蓄積が難しいので、最大需要に応じて発電能力を高めないといけません。あなたは夜間充電をするのでしょうが、皆がそうとは限りません。
      トヨタの記者会見はカーボンニュートラルを達成するにはBEVを優遇すればよいという訳ではない、社会インフラそのものの改革が必要だと言っているのです。勿論自動車産業界としてのポジショントークもありますが、貴重な話もありました。例えばEVの生産時、完成検査に充放電が必要でバカにならない消費があることなど業界でしかわからないことでしょう。
      それに自動車業界が衰退すれば日本の産業界にとって大打撃なのは間違いありません。各国もそれぞれのお国事情でエネルギー政策を決定しています。現実に飯が食えない理想を政府が推進することなど愚の骨頂です。
      自動車はグローバル製品で、トヨタも全世界に販売しています。世界全体で970万台を販売していますが、日本国内は160万台。つまり8割以上は外国で販売しています。決して世界情勢をしらないバカではできないビジネスです。全個体電池の開発、FCVの推進、HV・内燃機関の改良とトヨタは正に全方位態勢で戦っています。又かつてテスラと提携したこともありました。その企業のトップが何故この内容を口にしたか?恐らく政治的けん制、世論への影響を加味したうえでの発言です。もう少し考察してからコメントしないと、ネットから知識を拾い集めた浅慮なコメントでしかありませんよ?

    2. 廣常敦雄様、コメントありがとうございます!

      一言だけコメントさせていただきます。他のコメンターの方にも敬意をお払いいただけますよう、お願い申し上げます。

  18. ブラウン管テレビが主流だった時代に液晶という新技術が現れましたが、視野は狭いしコントラストは低いし、残像がすごくてとても動画には使えないため、ブラウン管にとって代わる時代が来るなんて当時は誰も予想できませんでした。
    しかし、今ではブラウン管はすっかり駆逐され、液晶がディスプレーの主役になっていることはご承知のとおりです。
    EV用の今のリチウムイオン電池は、ちょうどテレビに採用され始めた頃の液晶に似ていて、TVで例えると、薄くてスタイリッシュで高価だけど、ちょっと寿命が短いとか、室温に影響を受けるとかいいながら新し物好きの人に使ってもらっている状況ですが、量産によって性能も価格も急激に進化中で、あと10年もしないうちにほとんどの問題は解決してしまいそうです。
    重要なのは、実際に量産して多くの場面で使いながらでないと進化の技術は獲得はできないことで、電池量産に腰が引けた国内の自動車大手にはそのノウハウは獲得できないでしょう。
    トヨタは、技術的には全方位なのでBEVが主流になればいつですぐに量産できるなどといっていますが、そのときにBEVのキラーモジュールである最新技術の電池をどこかに売ってもらえるという保証はありません。何より一番大事な部分が人任せではエンジンが作れない組み立てメーカーになってしまいます(すでに電池を大量生産している競合並みの価格で量産するにはウン兆円単位の投資が必要で無理)。
    NTTがドコモを作って成功したように、BEV専門の子会社を作って親会社を脅かすようなEVを作れといって自由にやらせるのが本当の全方位ではないでしょうか。
    電力が足りない、CO2の削減にはならないなんていうのは走りながら国全体で解決する問題で、今の技術をベースにして一企業(一業界団体)が憂慮しても意味が無いです。

  19. “自然エネルギーが倍増すれば…”はいささか暴論が過ぎるかと思います。
    風力や地熱など、24Hr発電できるものならよいのですが、太陽光の場合、
    日中の出先や勤務先の駐車場に北欧のブロックヒーター用電源のように
    全てに充電インフラが完備されていないと充電できませんし、走行中の車両にも
    充電困難です(非効率な走行中非接触充電もなくはないし、やればいいと仰るかも
    知れませんが)。
    また、個人的にEVの使い勝手からいえば、「夜間自宅で満充電」が理想だと思います。
    であるならば、豊田会長が言ったとされる原発10基増設の方が、再生可能エネルギー
    倍増より、よほど現実的だと思うのですが、原発が議論から外されている理由は
    何故ですか。ガソリンより割高な“再生可能エネルギー”ではEV普及の妨げになると思うのですが。

    1. RiotNa さま、コメントありがとうございます。

      >“自然エネルギーが倍増すれば…”はいささか暴論が過ぎる

      そうでしょうか。記事中にもお示ししたように、2010年に2%だった新エネルギー発電容量は2018年に9%、割合でいうと4倍以上に増えています。ソーラー発電所の大規模開発などには注意が必要だと思いますが、エネルギー地産地消型の地に足の付いた再生可能エネルギー利用はまだまだ拡大の途上です。大容量蓄電設備や電気自動車のV2G活用もまだこれから。いずれにしても再生可能エネルギーの利用拡大は、世界が目指すべき方向だと信じています。

      原発については、安全を目指した研究開発を続けるべきだと思うし、溶融塩炉などの可能性にも興味はもっています。でも、現段階の個人的意見としては「トイレのないマンション」であること、また福島の事故で明白になったように誰も責任なんて取れない事態に陥るリスクが高すぎることから、少なくとも地震大国の日本では避けて通るべき道だと考えています。ともに、あくまでも個人的な思いですけど。

  20. 電力のピークのことを心配されいるようですが、そもそもEVは電力の分散化のために考えられたものです。発電所は消費電力のピークに合わせて発電を調節します。当然、電力消費が少ないときは発電を落とします。これは無駄な電力を発電しないというメリットはありますが、本来はもっと発電能力があるのにその力を発揮していないということです。EVにはバッテリがあるので、ピークでないときに充電すればエネルギーを蓄えることができます。その電気をピーク時に利用すれば、余計に使えるエネルギーが増えることになります。EVを使うかどうかではなく、これを可能にするインフラや配電システムを構築することが重要です。EVはエネルギー不足を引き起こす悪者ではありません。

  21. トヨタ自動車社長の弁?

    四の五の言わずに!電気自動車EVを作り売りなさい!m(_ _)m

    海外で売れないガソリンエンジン自動車を作り!国内で販売ですか?

    そして、海外には電気自動車を販売?

    効率が悪いから!電気自動車を作り、国内や海外で販売しなさい!

    それが嫌なら?清く、社長を退任しなさいm(_ _)m

  22. 個人的には今回の日本における2030年問題は環境問題ではなく経済問題として捉えています。
    そもそも言い出しは環境省ではなく経産省ですよね。
    大市場の加州欧州がHV車新車販売NG、中国もいつHV車が禁止になってもおかしくない状況でアップル、中韓勢に駆逐された携帯同様このままでは日本の基幹産業である自動車産業まで国内限定のガラパゴスになる危機感が経産省にあるとの証拠でしょう。
    相手ルールに対応した、競争力がある製品をさっさと出せという経産省の親心、子の自工会に通じずといった所でしょうか。
    ホンダがHonda eを欧州で販売するも全く売れず(別記事の「欧州で年間10万台レベルで売れそうな電気自動車10選を予測!」を読むとこれでHonda eが売れると思ってたホンダ経営陣のお花畑さがよくわかります。)、来年の欧州規制の排出権をテスラに融通してもらう情けなさを露呈してますが章男会長は対岸の火事だと思っているのでしょうか?

  23. こういう話はどう思われますか?
    低温だとEVは全然走らないそうでクレームになっています。
    温度によって使い分けするのが正しいのではないでしょうか?それにEVは関越自動車道みたいに立ち往生したら燃料補充もできません。

    【悲報】 中国大手電気自動車BYDの新車EV、広告航続距離605km→実際に走ると230kmで炎上
    https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1608263745/

    1. 通りすがり さま、コメントありがとうございます。

      そうですね。冬の北海道で、i-MiEVで吹雪のなか電欠のピンチに陥って遭難しそうになったという実話をユーザーさんから伺ったこともあります。寒冷地、豪雪地でのEV利用については注意が必要だし、個人的に質問を受けた際には、気温が低いと電池性能が発揮できないデメリットなどを説明した上で、慎重に選択するようオススメしています。

      ただ、ノルウェーやスウェーデンといった北欧の国々で、すでにEV(プラグイン車)がエンジン車より売れるようになっています。要は、理解と使い方、ですよね。

      メーカーがアナウンスする航続距離と実際の性能の乖離は、自動車メーカーにぜひ是正していただきたいと思うポイントです。EVsmartブログでは、より実状に近いアメリカのEPA基準の航続距離を情報として提示するようにしています。

      立ち往生への対応は、まさにサバイバルの範疇。エンジン車であろうがEVであろうが、事態に直面した際の賢明な行動が問われるのだと思います。

    2. 通りすがり 様、ご質問ありがとうございます。
      中国での航続距離はNEDCで表され、通常の実航続距離とは大きな隔たりがあります。仮に67%程度とすると(初代リーフがそれくらい)、実航続距離405km。リンク先は拝見していませんが(すみません、信頼できないサイトは見ないようにしています)、仮に真冬氷点下になる環境だとすると、冬の航続距離は1.3で割り算するくらい。
      https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/bev-range-in-winter/
      ですので、普通に走れば310kmくらいは走行できそうに思います。実際、私もだいたい米国EPA基準を1.2から1.3で割ったくらいの距離は走行できてます。

      航続距離が減ることは充分に予想でき、これについては慣れやトレーニングが必要です。オイルやトランスミッションの知識を教える代わりに、冬に注意する点を教える必要があるんです。

      なお日本の北海道と同じくらいの気候のノルウェーでは、すでに60%が完全電気自動車になっています。

      私もサイトに自分がスキーなどに行ったときの記録をアップしていますので、ご参考までに。
      https://blog.evsmart.net/tesla/model-x/roadtrip-tokyo-karuizawa/

    3. 「低温だとEVは全然走らない」というのは、電池にもよるのだと思っています。(温度管理されているかにもよりますが)
      寄本さんが「冬の北海道で、i-MiEVで吹雪のなか電欠のピンチに」と書いておられますが、それはi-MiEV Gグレードの話ではないかと推察します。私のi-MiEV MグレードはGグレードとは違う東芝のリチウムイオン電池「SCiB」 を採用しており、冬は9シーズン目を向かえていますが「全然走らない」という感覚はありません。
      「SCiB」の紹介ページにも「低温で充電しても金属リチウムが析出しないため、-30℃の低温環境下で繰り返し充電・放電が可能です」とあります。
      https://www.scib.jp/about/index.htm

    4. Eddy さま、ご指摘の通り、エピソードのユーザーさんが乗っている(た?)のはGです。

      先のコメントで「慎重にオススメ」しているのは、その方がエンジン車と同じ感覚でEVに乗り換えようとしているような場合、です。EVとエンジン車の違いを理解して活用しないと、北海道などの吹雪にギリギリで乗り出すのはときに危険もあろうかと思うので。

      SCiBのアドバンテージもご指摘の通りで、個人的にも好きな電池ではありますが、残念ながら自動車メーカーからSCiBの長所をいかしたEV車種は繰り出されず。。。さまざまに、EVのバリエーションが増えることを願っています。

  24. 日本は2030年までに水素コストを現在の3分の1にまでコスト低減させるという政府のロードマップがあり水素基本戦略なるものがあるようです。各国でエネルギー事情も違うので豊田社長はそこのことを言ってるような気がしています。

  25. この記者会見のニュースは、海外ではトヨタのCEOが自動車の電動化に反対したとしてネガティブな評判になっています。

    テレビのニュースに豊田さんが語気を強めて話している様子が出ている程度で、発言の内容はJAMAのホームページにも出てなく、ResponseやCarwatchの記事で知る程度でした。

    このブログの「17日のオンライン懇談会は、自工会が限られたメディアや記者を対象に開催したもので、EVsmartブログは参加できませんでした。また、この記事執筆にあたり動画アーカイブなどを探しましたが見つけることはできませんでした。自工会の広報ご担当部署に確認すると、今後も豊田会長の発言内容をレポートする予定などはない、とのこと」を読んで、自工会の考えを知りました。

    私は、自工会が会見内容のビデオを公開し、口頭説明を補足する資料やトヨタによる参考資料があればそれらを積極的に公表した方が、自動車業界の考え方を理解してもらい国内外の誤解を解消するのに効果的と思っています。

    1. 電力業界に籍をおいていた人間として分析するに、豊田章男氏は交流電力での仮定をしたに過ぎないでしょう。
      だが近未来の電力は直流給電が課題になってます。データセンターなどITの現場では既にDC400Vによる電源供給設備で万一の停電に備える体制が整えられつつありますが…この電圧だと日産リーフをV2H接続するだけで何とかなりませんか?さらにソーラー発電も併用すればいいだけ。
      急速充電器のメーカー(新電元/ニチコン/東光高岳など)がソーラー用パワーコンディショナーも製造していることがヒント。しかも交流と違って直流は蓄電できる利点があり蓄電量さえ確保すればピークを乗り切れますよ!?それに送配電の電線径も交流ならではの各種電力損失がない分有利。
      今まで交流電気が主流だったのは変圧器で自由自在に電圧変換できるだけであり、蓄電やインピーダンスなどの損失は無視されてきました…しかし高調波問題など電源品質が重視され蓄電技術も進歩してきたので(電気自動車が最たる例)交流のデメリットが増えてきたと感じます。電線で使える電圧も実効値ベースで直流は交流の1.4倍ですから。交流100Vはピーク電圧141Vですよ!?(物理を習ってないとわからない話)

      直流電気が栄える三種の神器はソーラー発電・ITデータサーバー・電気自動車であるといっても過言ではないでしょうか!?

  26. 大変興味深く拝見しました。EVにはこれまで日産LEAFとBMW I3(RE)を各数日間試乗させていただき街乗りにおける利便性やGSまで10数キロも離れた山村での有用性を実感しました。CO2削減に関してはLCAを考えるとまだ懐疑的、もう少し自分なりに調べなければと思っています。
    さて、少しお聞きしたいことがございます。
    「日本の自動車が全部EVになった場合、必要な電力量は日本の総発電量の16.2%」であり、それは「当時の再生可能エネルギー発電量とほぼ同じ」であるから「ほんの少し自然エネルギーを増やせば日本の自動車は全てEVでOK。」と読めます。この理解でよろしいでしょうか?
    もしその理解でいいとすると、一つ疑問が湧きます。今(あるいは当時)再生可能エネルギーを消費していた分野はそのエネルギーをそっくりEVに持って行かれてしまうわけですから、何かで代替しなければならなくなります。その何かは多分再生可能エネルギーになるわけで、結局EVが増えた分だけコストの高い再生可能エネルギーを増やさなければならない。いかがでしょうか?
    また「どうしてその電力量が「夏の電力需要ピーク時」に必要なのか、その論拠はわかりません。」
    ご存知の通り発電は需要と供給量が瞬時にマッチしないとブラックアウトを起こします。家庭ならば5分や10分の停電は許容できても最先端の産業では人間が感知できない瞬停すら大問題を生じることを日本では2010年に経験しました。夏の電力ピーク時にEVの充電ピークが重なることは100%ありえ無いと論理的に証明されない限り、それを考えざるを得ないことは至極当然のように思います。
    またピーク時のEV充電制限等の提案もなされていますが、運輸部門はそれに備えた余分な電力の備蓄(コスト増)を求められますし、乗用車は「好きな所に」「好きな所に」移動できるというメリットを失いますね。そこがどう受け入れられるのか興味深い所です。
    ご指摘、コメントなど頂ければ幸いです。

    1. 常吉さま、コメントありがとうございます。

      記事中チャートで「ほんの少し自然エネルギーを増やせば日本の自動車は全てEVでOK」の件。先ほど別の方のコメント返信で説明した通りなのですが、大切なところですし、同様の疑問を抱いた方がすべからくコメント履歴を精査することもないでしょうから、チャートを「自然エネルギーが倍増すれば日本の自動車は全部EVでOK」バージョンに差し替えました。

      電力ピーク時の充電についても、別の方のコメントで試算してみました。ざっくり40万〜100万台くらいのEVが同時充電する計算になります。モラル頼みだけでは心許ないですが、規制を設けたりすることで、なんとなればオンラインでアラートを発する仕組みを加えたりすることで、そのような状況にならないようにすることは「できるんじゃないかな」と思います。
      ともあれ、夏のピーク時の「数字」について、論拠がよくわからないのがじれったいところです。

    2. 常吉様、貴重なご指摘ありがとうございます。EVの充電ピークシフトだけ。
      今の車両はほとんどタイマー機能が付いています。ピークは夕方ですが、夕方の料金を高くして午前中や夜間の料金を下げれば、自然とユーザーは少し時間をずらして充電するようになります。
      また今時点でも、充電器や車はコネクテッドな状態になっています。日産さんも東電さんなどと協力し、データセンターからの司令で、電力会社のピーク時間帯を避けて充電する実験は行われています。更に海外では、
      https://tibber.com/no
      # ノルウェー語を、英語翻訳して読まれる方が情報量が多いです。
      のように、卸電力取引所と連携し、最も安い電気だけを自動的に購入するようなサービスがローンチしています。技術的には日本でも可能ですね。

      このように、スマート充電が普及することにより、何十年か先の、オールEV化による10-20%程度の需要増は、充分に対応できると考えています。特に、深夜電力の火力は、部分負荷運転などで効率が低くなっている点や、夜間火力の出力調整は、ピーク電力で決まることにご注目ください。ピークが下がりさえすれば、夜間火力を下げることができ、低炭素化に貢献するのです。

      最後に、スマート充電では少ししか充電できないじゃん、という指摘もあると思います。仮に平均の走行距離を50km/日とします。平均電費を5とすると、充電電力量は一日10kWh。これを3kWで充電する場合、一日の平均充電時間は3時間20分です。つまり、先程のTibberの例では、1時間の低価格充電時間を帰宅後に4回やれば、朝までに満充電にできるということ。また50kWhバッテリーの小型EVにおいて10kWhはおおよそ20%であるため、仮に夜間1時間しか充電できなかったとすると、
      前日の朝80%=40kWh
      前日の夜30kWh=60%
      当日の朝33kWh=66%
      当日の夜23kWh=46%
      翌日の朝26kWh=52%
      翌日の夜16kWh=32%
      翌々日の朝19kWh=38%
      翌々日の夜9kWh=18%
      その次の日の朝12kWh=24%
      その次の日の夜2kWh=4%
      という具合。毎日1時間しか充電できない状況が4-5日間続いても何とかなることがお分かりいただけるかと思います。現実にはそんなに電力需給が逼迫することはないですし、不安視する必要はないと思います。

    3. >仮に平均の走行距離を50km/日とします。
      勝手に追記します。
      これがどの程度現実的であるかというと、
      http://www.garbagenews.net/archives/1678484.html
      の2009年のデータを参照しますと、1日当たり普通乗用車が38.6㎞、軽自動車が28㎞となっており、また現在では軽自動車の割合が多いので1日50㎞というのはかなり多く見積もった数値だと言えます。なので実際には4~5日よりもっと長い期間運用できる可能性が高いです。

    4. 寄元様、安川様、

      ご回答ありがとうございます。
      スマート充電ならば不要不急のマイカーEVの充電を制限することによって電力需要の集中を回避できるかもしれませんね。しかし、運輸部門はそれでは困りませんでしょうか。また一般家庭のEVの充電を一律に制限すれば色々不都合が出るのは明らかですが、どれを不要不急と決めるのか問題山積…。お答え頂いたようにスマート充電が実現したとしても、運輸部門は大容量蓄電池なり自家発電設備が必要となり、一般家庭では「好きな時に」「好きな所へ」移動する乗用車の最大メリットを放棄せざるを得なくなると思います。

      また、悪意やルール無視の行動も含めて考えてもブラックアウトが100%起きないという最低限の論理的証拠、それは可能最大供給量=最大総需要だと思いますが、がない状況でここで議論している量のEV普及があったとしたら製造業は日本を見捨てて電力事情の安定した国に生産を移さざるを得ないと思います。それは現在の私達の生活を一変させてしまう日本の大転換。そんなことはあり得ないので、為政者は必ず万が一のために可能最大供給量=最大総需要を目指して発電所を増設する道を選ぶ以外にないと考えます。

      乗用車でさえ一般家庭の平均使用量の4日分の電気を蓄えることができるEVが街中にあふれかえり、会社員やパートの奥さん方が夕方家に帰って一斉に充電を始めたらただでは済まないのではないかというのが素人なりの私の疑問の出発点です。日本の全ての車がEV化してもスマート充電の導入によって発電キャパは今と大差なく事足りる、と述べた査読済みの論文か電力会社の発表があれば教えて頂けると今後の勉強の参考になります。

      決してCO2低減に後ろ向きなわけではありません。京都会議以前からIPCC信者(笑)でCO2による地球温暖化を周囲に訴えチーム5%に賛同してきた人間です。ただEVの正義がまだ納得できないでいます。

    5. 常吉様、コメントありがとうございます。ご懸念は最もだと思います。それに対する技術的ソリューションはすでにあり、それらは、蓄電池とデマンドレスポンス、卸電力取引所連携のスマート充電でしたね。
      また課題に対する対策として、経済的な対策も打てます。それは、時間帯別、または需給に応じたダイナミックプライシングでしたね。これはすでに自然電力さんが家庭向けで実施しています。

      つまり、数十年後に電気自動車100%に向かった場合のソリューションは既に存在しているが、それが低コストで、かつ広くあまねく利用可能になっているかどうか。これが問題であると言えるでしょう。

    6. 安川様、
      エンジニアとして物事を考えるに当たり、査読を受けた論文か公的資料を参考にするようにしています。今現在そういった資料をお持ちでないという事と理解しました。今回の命題については答えをもう少し探してみることにします。ありがとうございました。

  27. 一言苦言を申し上げます。

    一般素人からすると、トヨタ社長は「電動化にはハイブリッド車も含まれていることを理解して」と言っており、EVsmartブログはそれを否定して「ハイブリッド車はガソリン車であり、電動化と混同して考えるのは正しくない」と言う。これが一番の問題ではないでしょうか。僕はこれが豊田会長が一番言いたかったことだと思います。

    言葉の統一がされていない、どの言葉がどこまでの範囲を示すか、メーカー、メディア含めごちゃごちゃ。これでは一般人には情報が正しく伝わらないし、共通認識を得ることも不可能に近いです。その認識が先走って電動化=EVになって一般国民は混乱しています。

    ここのサイトをいつも見て知識のある人など世の中にはほとんどいないのです。でも脱炭素化の社会にするには、(悪い意味ではなく)知識のない一般人たちがその方向を見て行動してくれなければ成り立ちません。そのためにも、言葉は全員が共通認識を持つための最も基本的な手段なわけで、非常に重要です。正直、世の中先ずそこから動くべきです。

    これは、自工会自体で言葉の定義をいまだに作っていないのかと思いますし、豊田会長も会見するなら、先ず自工会として自分たちで言葉の定義をして世の中に示して会見するべきだと思うので、順序がおかしいとは思います。しかし、EVsmartブログを含め、メディアの責任も非常に大きいです。「我々はこう思うからこういう認識でいる」なんて私的な思いは意味がないです。世の中の全員がそういう認識になるように、業界全体で言葉の定義をしなければ人に話は通じないのです。現に菅首相の発表以来、世の中は混乱しています。私もこのサイトを全部見てるわけではないので分かりませんが、それこそEVsmartブログはそういう話を自工会に働きかけるべきです。今こそチャンスです。

    EVや充電器の開発よりも、この業界はまず言葉の定義作りから始めるべきです。

  28. トヨタ会長の見解については色々な見方がありますが,とても分かりやすいコメントに感謝致します。
    また具体的に数値を上げて論証しておられる点も,今まで見たコメントの中で一番スッキリしました。
    恐らくトヨタとしては,今まで築き上げてきた体制,国内の下請け産業を切り捨てられない事情があるのかもしれません。
    トヨタ会長としては分かっちゃいるけど,という辛い立場におられるのかもしれません。
    一方ゴーンさんは日本の下請け産業に忖度することなく大鉈を振るうことができたというのがトヨタと日産の方向性の違いかなと推測しています。
    ゴーンさんはEVの推進には相当熱心だったと聞いています。
    国際的な感覚からするとそういうことだったのでしょう。
    私は棺桶に片足を突っ込む年齢ですが,計算尺,邦文タイプライターなどを生産していた有名企業が倒産,変遷してきた姿を見てきました。
    日本を支えてきた自動車産業が今後ガラパゴス体制でやって行けるのかどうか。
    世界各地でバッテリーのギガファクトリーを展開するテスラは怖いですね。
    あと,エネルギー問題については,メガソーラーの電力が既に北海道や九州ではピーク時には余って困っています。
    今後は蓄電池の拡充が求められますが,EVはその受け皿としての可能性が高いと考えています。
    ノルウェーなどは国の余る水力発電の受け皿としてEVを大いに活用していますが,EVの占める割合は42%を超えています。
    今後,国が世界的な視野に立ってエネルギー政策を進めるのか,主にガソリン車を生産する自動車産業に忖度するのかその点も見守りたいと考えています。
    あと,田舎の軽自動車こそ短距離EVは理想的ではないかと思います。
    拙宅にはi-miev Mがありますが,近所のガソリンスタンドが次々廃業する中にあって,自宅で充電できるEVは大活躍しています。
    近くの友人にも薦めて3人が購入しましたが皆さん大喜びです。
    三菱はi-mievをやめてしまいましたが,後継車が切に望まれます。
    なお,自宅に充電装置を設置する費用はさほどではありません。
    良心的な電気屋さんに頼めば,必要な電材はブレーカー,配線,コンセント,アース棒と後は人件費だけなので数万円で済むこともあります。
    私は自分で工事しましたのでわずかな費用で済みました。

    1. dutchdulさんの意見激しく同意!もうトヨタは下請けと仲良くなりすぎててガラパゴスどころか白亜紀の恐竜にもなってませんか!?昨今のEV化潮流とコロナ禍は新世紀突入ともいうべき大変化でもありますし。
      地方のガソリンスタンド廃業は燃料消費が減ったのが主原因ですが、同時に過疎化も進んでおり若者後継者不足も大きな痛手であります!田舎に魅力が無いのが原因ですか!?
      ただコロナ禍で密な都会を避ける「疎開」が潮流になれば空き家問題も解決へ向かい、屋根にソーラーシステムをつけるだけでエネルギー問題を一気に解決でき電動化も推し進む可能性だってあるんですよ!?
      これら問題が解決できないのは画一的に思想を押し付ける日本教育の発想、それこそが日本の癌やないですか!?(爆)
      ※ただ「この支配からの卒業」をした人だけは生き残るでしょうが!?

  29. 記事の中盤の部分について、詳しく教えていただきたく。

    『つまり、ほんの少し自然エネルギーを増やせば日本の自動車はEVでOK』

    この部分の論理が全くもって不明です。まず、「ほんの少し」を定量的に教えていただきたいです。

    「発電量中の自然エネルギーの割合15.3%」と「EV化による追加電力消費量+16.2%」の数字だけの比較ですか?
    『自然エネルギー発電量=EVによる電力消費量』
    となったからといって、何になるのでしょうか。
    EV化によって増加した分の電力消費量は、どうやって賄う論理なのでしょうか?

    もやもやして眠れません。
    必ず回答をください。

    1. てら さま、コメントありがとうございます。
      また、細部まで丁寧にお読みいただき、書き手としてうれしく思います。

      ご指摘の点、さすがです、というのも変ですけど、この部分はプレゼンでの説明によって「自然エネルギーが倍増すれば日本の自動車は全部EVでOK」とか「ほんの少し自然エネルギーが増えればEVの電力はOK」とか、表現を都度修正しながら使っていたところです。

      このバージョンは、

      EVが自然エネルギーの電気で走れば温暖化対策には最強。

      日本国内の自然エネルギー発電比率の現状。(15.3%)

      あとほんの少し自然エネルギー発電を増やせば、日本の自動車が全部EVになって必要とされる電力量(16.2%)を自然エネルギーで賄える。

      という説明に合わせたものです。

      たしかに、今回の記事文脈でこのスライドだけでは、ご指摘のような疑問を抱かれることも納得です。「自然エネルギーが倍増すれば日本の自動車は全部EVでOK」バージョンに置換してご理解いただければ幸いです。

    2. うちのアイミーブは、普通充電100Vで約860Wで入力されていますが、太陽が陰る時もあり、安定的に充電するために約2倍にあたるパネルをと設置しています。
      そのソーラーパネルは160Wを10枚で1600Wですが、どれくらいの面積に載るかというとかというと、リンク先のように小さいサイズ(約6m×約2.5m)のコンテナ上です。
      200Vであれば、この倍の3000Wクラスのパネルが必要となりますが、約6m×約5mでまかなうことができる計算となります。
      これくらいの面積で、アイミーブMグレード(10.5kWh)であれば200Vで4.5時間で満充電となります。
      先日からの雪でこちらでは計算通りにはいきませんが、太平洋側では昼休みの1時間に充電をして、昼からの走行の足しになるのではないでしょうか。
      http://evnews.blog.jp/archives/36241248.html

  30. 『個人的には、「必要な電力需要の増加は再生可能エネルギーのさらなる増加に向けて突き進む」とか「電力ピーク時には電気自動車への充電は止めましょう」といった規則を策定するなどの方策で解決できるのではないかと思います。』

    ものすごくサラッと書かれていますが、これが出来ていない、もしくは出来そうにないから、自工会として声を挙げているのだと思うのですが。

    政府は火力発電から再生可能エネルギーへの転換を進められていますか?今後の見通しや具体的な方法を提示できていますか?
    「充電なくなったけど、今は電力ピークだから充電できないや」なんて状況を受け入れる人なんていないでしょう。

    「脱炭素」が『目的』であり、「EV化」は『手段』でしかない。本気で「脱炭素」に取り組むのなら、火力発電が主になっている今の電力事情が問題であり、ここを解決しなければいけないのではないでしょうか。

    本気で「脱炭素」を目指しているのなら、「何かを燃やして発電する」といった発想か捨てた方がいいと思いますよ。
    代替「燃料」という言葉が出てくるのもおかしいと思います。

    1. 太陽光や風力を系統につないで蓄電池で調整するという方法も有りだと思いますが、水素を使って燃料電池で発電する仕組みも重要なインフラになると思います。特に季節によるエネルギー需要の変動を平準化する仕組みは蓄電池では構築するのは難しいし、出来たとしても燃料電池を使うよりも非効率な方式になるように思います。
      ですので、トヨタのいう所の水素エネルギー社会と、再エネ、蓄電池のハイブリッドな形が理想なのではないでしょうか。
      実際に、オーストラリアの砂漠に設置した太陽光発電で発電した電力で水素を製造し日本に輸入するというプロジェクトも動き出していますし、個人的には、蓄電池と燃料電池のインフラ整備が今後のエネルギー戦略の本流だと思います。

  31. 「ピーク」の件、謎が解けたかも知れません。

    商 用 車 が 昼 休 み に 充 電 し ま す !

    トヨタさん、ナビのデータを使って解析なさっているのでは。

    1. 櫻井さま。
      うーん、記事中でクローズアップしている「10%」は年間の電力量比率ですからねぇ。
      試しに計算してみると、ピーク時の消費電力量が「180,000,000kW」として、10%は「18,000,000kW」。36万台のEV(商用車?)が同時に50kWで充電することになりますね。まあ、テスラやタイカンばかりじゃないので平均的な充電出力が20〜25kW程度だとすると、夏のピーク時、だいたい100万台レベルのEVが同時充電、ってことですか。

      いずれにしても、豊田会長、もしくは試算した筋の方に、この数値のエビデンスを伺いたいところです。広報ルートでの確認は頓挫しましたけど。。。

    2. 詳細が知りたいですよね。
      電力需要って昼休みの間は凹んで、2時頃にピークが来るんですよね。
      なので普通充電を昼休みに仕掛けて、午後出かけるまで…?
      でも3kWなら600万台、6kWでも300万台が…?
      他のEVが逆にDR対応で放電したりも出来るだろうし…。
      というあたり、私も計算条件が知りたいです。

  32. 先日他の記事でコメントした電気インフラのプロ(第三種電気主任技術者資格保有)です。電気自動車急速充電器の盲点は電気事業法にあり!
    もっとも電池容量が小さかった時代は日産の44kW充電器で事足りましたが、新電元90kWが現れたあたりから「これを設置すると高圧受電設備設置や電気主任技術者の不足が起きる」と危惧してました…ただでさえ若者の理系離れで技術系職種は人手不足ですが、このコロナ禍を機に若者の就職口として理工系の求人安定性が見直されることを切に願っています。このまま電気主任技術者が不足する事態が続くと日本各地で停電が起きまくり、しかも長期化する危険大であります!!(爆)当然電動化にも大ダメージ必至
    それを以前から危惧していた当家は早々とソーラー発電を自宅へ設置し将来V2H設置も想定してi-MiEVを導入したんです。軽EVが今後の日本の救世主になるとも信じて。
    たった10.5kWhでも大容量アウトドア電源になり、ガソリンスタンドのなくなった地域なら農作業電源としても使える軽商用車の需要はなくならないとも踏んでおります。ホンダがN-VANをEV化すりゃ売れるかもしれませんよ?

  33. トヨタの思惑や言い分は理解できるけど、電力が足りないとか、火力発電だから効果は低いとか、雇用が減るとか、わかってるであろうことをあえてわからないフリ(だよね?)をしてこんなことを言うようじゃ不安になる。

    まず電力が足りないと言うが例えば、いきなり明日になったらみんながEVに乗るのか?そんなわけない。10年20年、下手すりゃ30年というスパンでゆっくり入れ替わるだろう。で、それまでに新しい発電施設を1基も作れないのか?そんなわけない。
    それにピーク時に発電が足りなくなっても、充電器をネットに接続して発電状況に応じて急速充電器には優先的に給電させて、それ以外は減らしたり給電を停止させるシステムを作ればいいだろ?それでも足りないなら可能ならばいっそ余裕のあるEV車から必要なところへ給電することも考えれば良い。
    火力だから意味がない?EVは火力だけじゃなくて原発も再生可能エネルギーも使えるんだぜ?上にも書いたように時間はたっぷりあるんだ、ゆっくり考えて必要なものを作っていけばいいだろ。
    雇用が減る?うっかりEV化の潮流に乗り損ねてシェアを落としたら、それこそごっそり雇用は落ちるだろうよ。

    これは個人的な想像だけど、もしかしてトヨタは全固体電池の開発うまく行ってないから、こんなことを言って時間稼ぎをしようとしてるんじゃないか?もしうまく行っているなら、ここまでネガティブなことを言うとは思えない。

    1. 電気軽自動車のパイオニア・三菱アイミーブMのユーザーです。
      あああさんの発言およびこのスレを見る限り、トヨタはハイブリッドに注力しすぎて電動化の方向を見誤った気がします。もう後戻りできないところまで投資してしまい、テスラや日産三菱など電気自動車に注力したメーカーの後塵を拝み続けている姿はもう落日そのものかもしれませんな。
      戦国時代で言うなら後北条家そのもの、北条氏康が小田原城を強化しすぎて北条氏政などの子孫が羽柴秀吉の兵糧攻めにあい家臣団とも小田原評定のすえ落城した構図によく似ています、つーかもうそのものかもしれませんよ!?
      全個体電池に注力するより東芝のSCiBへ投資してりゃ済んだかもしれませんが…当の東芝はすでに日産三菱との関係を強めておりトヨタの入るスキはなかったかも。
      軽の電気自動車は日産三菱が数年前からeKワゴンベースで開発を続けておりi-MiEV生産終了のタイミングで出すと思われます。電池容量が20kWh前後なら可能性はあるでしょう。しかもそれがソーラー発電一戸建の余剰電力と同等ならFIT対策も兼ねて売れるとも考えます。
      トヨタもスズキやダイハツと手を組んで軽EVの可能性を推進すればよかったのに…そう思いませんか!?[もっともスズキが軽トラベースのEVを開発中ではありますが]

    2. EVsmartブログでも「電力が足りない」関連のものがあったと思いますが、私も7年も前に書いています。
      10)EVの普及がすすめば原発が必要になる
      http://evnews.blog.jp/archives/13745748.html#10
      その当時ですら東京電力管内だけにEVが100万台があったとしても,発電能力に余裕のある時間帯(23時〜翌朝)での充電なら負荷はかからない。発電能力内ですから発電所を増やす必要もないという結論に至っています。

      ウチではソーラーパネルで日々充電していますが、100Vでよければコンテナ一つ分の面積で発電することができています。ですからEVを普及させるためには、あああさんがお書きのようにいろいろな方法を駆使し事前に対策することが必要ですね。
      そのために手を打つ時間はまだありますが、ネガティブな発言に引きづられるとその時間もなくなってしまうかもしれません。
      http://evnews.blog.jp/archives/36241248.html

    3. ヒラタツさんこんばんわ

      >テスラや日産三菱など電気自動車に注力したメーカーの後塵を拝み続けている姿はもう落日そのものかもしれませんな。

      それはまだ時期尚早だと思います。まだまだガソリン車が多い中、EVはほんのわずかですから、これから先、逆転の目は十分にあると思います。
      あると思うんですが、今回のこの発言を見るとその舵取りをうまくできるのか不安になってしまうんですけどね。

      Eddyさんこんばんわ

      >そのために手を打つ時間はまだありますが、ネガティブな発言に引きづられるとその時間もなくなってしまうかもしれません。

      本当にその通りだと思います。むしろ、いろんな可能性に備えて準備が必要だと警笛を鳴らさなければいけないはずなのに。

  34. 日経だと車関係のサイトほど、EV化に後ろ向きには書いてないんですよね。EV化に懐疑的なのは実際に商売している人たちじゃなくてその回りの現在の経済に依拠している人たちなのかもしれませんね。
    日経はフィナンシャル・タイムズと合併しているのでEV化に対する感覚が違うのかもしれませんが。

  35. 政府がEVを推すことや、ユーザーにメリットが認められEVが増えることはいいと思うのですが、政治的な問題でHVを含むガソリン車を排除しようとすることはどうなのかと思います。

    HVは低炭素であって脱炭素ではないとのことですが、EVも現状は低炭素であって電力構成と合わせて脱炭素を目指すための手段ですよね?
    ガソリン車の低炭素化のためにヨーロッパに続いて日本でも研究されているe-fuelについてはどのような見解でしょうか?
    効果の試算、EVとの比較などありましたら教えて下さい。

    あと、この記事とは外れてしまい恐縮ですが、先日の大雪は電気について考えさせられました。
    大雪の中長時間に渡る高速での足止めは燃料がいつまで続くのか不安になります。私も5.6年前に東名で半日以上閉じ込められました際は燃料の節約に気を使いました。EVでしたら暖房をつけた状態でどの程度保つのでしょうか?
    また、寄本さんの地元の近く(?)の新温泉町では夜間から続く大規模停電や孤立地域の発生がありました。EVは災害に強いといった記事かコメントを以前見た気がしますが、このような災害ではEVを使うことによって防災対策になるようなことはありましたか?私は防災のためにコンロに使える灯油ストーブとガソリン発電機を愛用しています。

    1. RN さま、コメントありがとうございます。

      記事中にも書きましたが、HVやガソリン車を排除するという意図ではありません。たしかに、ことにここ数年は、あんなに大好きだったエンジン音は「うるさっ!」としか感じなくなっていますが、あくまで個人的なこと。脱炭素を目指すにしても、さまざまな選択肢をもって進んでいくことは大切だと認識しています。だからこそ、トヨタをはじめとする日本メーカーに、世界が、そして日本の自動車ユーザーが、アッと驚くような電気自動車開発を期待したい、ということで。

      トヨタやホンダが中国限定で、本腰を入れて開発をしたとは考えにくいコンバートEVを小出しにしてたりする状況も、違うんじゃないかなぁと感じてて。。。

      e-fuel。素晴らしいチャレンジだと思います。きちんと取材したことはまだないですが、アウディ関連で少し調べたことがあり、ざっくり言って課題はコストと認識しています。

      同様の代替燃料としては、オーランチオキトリウムという藻で炭化水素(石油)を作る藻類バイオマスに興味をそそられ、筑波大学の渡邊教授を取材したり、仙台の汚水処理場に実証実験を見に行ったことがあります。

      もう何年も前ですが、日刊SPA!の記事もあるので、よかったらご参照ください。
      再生可能エネルギー「藻類バイオマス」を国策に――筑波大学・渡邉教授の思い

      ただ、どちらにしても代替燃料は発電所で集中的かつ効率的に燃やし、自動車は電気で走るのがいいな、とも思っています。

      温泉町の豪雪孤立、ニュースで見て心配してました。ご指摘の通り、郷里の隣町(町というより山1つ向こうの地域って感じ)です。電気であろうとエンジンであろうと、災害の前には無力になることがあるでしょう。電気自動車の利点としては、給電機能があれば電気ポットでお湯を沸かしたり、スマホを充電したり、命を支える機器のエネルギーとしてシンプルに使えることだと思います。なので、「コンロに使える灯油ストーブとガソリン発電機」は、賢明で正しい選択だと思います。選択肢は幅広く、賢明に生きていきたいですね。

    2. 「暖房」はどれくらいもつのかをやってみた(続編)
      http://evnews.blog.jp/archives/13746817.html
      実験してみたところ、アイミーブMグレードの場合、65パーセントの電池残量(約7kWh)であれば、最低の暖房で10時間もつという計算になりました。一晩持てば、翌日には何とかなるでしょう^_^;
      容量の大きいリーフならさらに安心でしょう。
      EVのメリットは排ガス(一酸化炭素)が入ってこないですから、外に出てマフラー周りの除雪をしなくても良いことです。ドアを開けると、せっかく暖めた空気を出してしまいますが、EVは熱の保持率は良いです(^O^)

    3. EVの場合、熱需要に関してはどうしても内燃機関に劣ることは否定できない特質だと思います。
      その意味では、内燃機関とEVが住み分けるという選択肢も有りかと思いますが、カーボンニュートラルを目指す政府の方針から考えると、寒冷地はEVではなくFCVが置き換わるという考え方も有りかもしれません。
      私はトヨタはEVとFCVの2面で今後の事業戦略を進めていくべきではないかと思っています。FCVは船や長距離トラックのエンジンとしては絶対に必要な技術なので、今後もそのプレゼンスは輝き続けると思います。
      寒冷地でEVを使用するもう一つの解決手段としては、緊急用のガス暖房装置をトランクに積んでおくという方法が有ると思います。バッテリーの電気エネルギーを移動しない自動車の中で消費するというのは非効率ですし、たまにしか起きない非常時を想定してEVを選択肢から外すのは、もったいない話だからです。車室内を温めるだけのガス暖房装置ならほとんどスペースを取りませんし、雪が降りそうだなと思ったら積んでおくという事も出来ます。一酸化炭素中毒を起こさないように社外に排気を出す仕組みが必要なので、その点を自動車に特化したものにしてイエローハットやディーラーで販売すれば良いと思います。渋滞にはまってガスボンベが無くなったら救急隊が配布すれば良いので、燃料切れで投資するという事もありません。

    4. Tora様、コメントありがとうございます。
      水素による蓄電は、バッテリーとのコスト競争になると思います。可能性として電気→水素→電気は、電気→電池→電気の約3倍効率が悪いとのことですので、競争に勝つためのハードルは比較的高い可能性はあるかと思います。

      その上で、一点コメントがあります。

      >>寒冷地はEVではなくFCVが置き換わるという考え方も有りかもしれません。

      車両に関して、これは低炭素化という観点ではなしだと思います。というのは、現在のFCVの燃料は100%、天然ガスから作られています。この部分だけ見ると排出はガソリン車よりは少ないのですが、やはり化石燃料ということで、結果なかなか低炭素化へは遠くなってしまいます。
      一般的な蓄電ソリューションとして、ある程度効率が低くても構わないニーズはあると思いますが、車は一般の消費者が使うもの。再エネ水素を供給しても、電気の3倍の値段では、到底利用者がいるとは思えません。

      もちろん政府は、オーストラリアから水素を液化して輸入することを計画しています。この水素は褐炭から作る予定で、かつこの褐炭はCCSにより、CO2を埋設する予定とのことです。もしうまく行けば、低炭素な水素が可能になることにはなりますが、まだ実験レベルです。

    5. 寄本 様

      いつも興味深いコメントを拝見させて頂き勉強になります。
      バッテリーと水素のコストについて比較されていますが、本来的に、水素はエネルギーの保存、輸送手段としては非常に優れたものです。これは、自動車用エネルギーという事以前に、自然エネルギーをどのように輸送し、貯蔵するかという点において、バッテリーと水素のどちらを用いるかという比較判断になります。
      何故ならば、今後基本的に世界中のエネルギー需要は全て太陽エネルギー等の自然エネルギーを一次ソースとしてカバーしていくという事になりますので、そのエネルギーをどこで電気エネルギーに変換し、どのように消費地に運搬し、或いは中長期的な需給ギャップの変動をどのような形てバッファリングするかという運用を考えなければなりません。そのスキームにおいては、水素というエネルギー媒体は規模が大きくなればなるほどバッテリーに比較して優位になります。逆に小規模なエネルギー媒体に関してはバッテリーの方が水素よりも優位な媒体になると言えるでしょう。すべてのエネルギーマネージメントを水素抜きでバッテリーだけでカバーするというのは、直感的には考えて資源の無駄、非効率になるという様に思います。
      その為、自動車という小規模なエネルギー媒体としてはバッテリー優位は揺らぎませんが、社会全体としてのエネルギーコストとしては、必ずや電気→水素→電気という変換の非効率から発生するロスをどこかが負担しなければなりませんので、それは結果的に自動車への充電コストに転嫁する事になると思います。
      そう考えたときに、今後、長期的にカーボンニュートラルな社会を目指すうえで、EVだけに限定すべきなのか、FCVとEVの棲み分けを図るべきなのかは、現時点でのコストの単純比較では出来ない様に思います。
      ちなみに、私が考えるFCVは純粋なFCVではなくPHEVという形態になるのではないかと考えています。特に輸送長距離トラックや船舶の場合、レンジエクステンドは事業効率を上げる上で重要ですし、発着する場所が限定的なので、水素ステーションが少ないという問題も在りません。

    6. Tora さま、コメントありがとうございます。

      私はエンジニアや研究者ではないので、現状を見ながらの直感的な思いでしかないですが、水素のエネルギー利用については Tora さんのご指摘と同様に感じています。

      たとえば、トヨタが進めようとしている Woven City で、街のエネルギーとして水素を活用する。東京都が進めているように、拠点を定めて水素供給ステーションを設けて大型車(バスやトラック)をFCV化する、といった方策が賢明だろうな、と。併せて、水素の生成方法などについても賢明な進化を遂げていく必要もありますけど。

    7. ガソリン車でアイドリング暖房をすると結構恐るべき勢いでガソリンを消費しますもんね。私もリッター8kmしか走らない車に乗ってた時は大渋滞でちょっとやばいかもと思った時もありました。
      ガソリン車は雪溜まりにスタックしてしまったら一酸化炭素中毒の危険性があるのでエンジンかけられないし、ガソリン車・EVに問わず大雪の時は毛布とカイロ10個とスキーウエアを積んどく方がいいかもしれませんね。
      寒さに関しては電気シートヒーターのある電気自動車の方が有利じゃないかと思います。5〜60wのシートヒーターなら何日でも持ちそうだし。

    8. Eddyさん
      参考になる記事を紹介していただきありがとうございます。
      思ってたよりバッテリーもつんですね!
      今は大容量の車も増えてますし、もしかするとアイドリングでガソリン消費するより長く暖とれるかもしれないですね。
      他の方も書いていたように、怪しい時には他の防寒も用意していれば長時間の閉じ込めにも対応できそうです。

  36. トヨタは会長の発言によって強いリスクを抱えることになりましたね。トヨタは、ガソリン車もハイブリッド車もEVもFCVもすべて開発・製造していくのでしょうか。それぞれのカテゴリの研究開発を行い生産技術を開発し、工場もカテゴリや車種によって変えるのであれば、大きな手間とコストが必要になります。部品調達も膨大になります。EV専業メーカーと比べてどちらが効率がよく、利益を出しやすいかは結果は明らか、また、ハイブリッドは当初中国で環境車に含まれていなかったように、常に環境車から外されるリスクを抱えています。いったん環境車から外されると、急速に売上が減り中古車の価格は下落するでしょう。
    EVの質を考えても、トヨタをはじめ国産メーカーは各国の要求に合わせて提供台数を調節していますが、このようなやり方では優れたEVを開発することはできません。もちろん、大きなマーケットシェアを獲得することはできないでしょう。
    トヨタはこれから利益率や販売台数が低下する方向に舵をとったのかもしれません。

    1. 素人考えですが、トヨタほどの大企業だから出来るというか、そうせざるを得ないんだと思います。
      集中投資は成功すれば利益は大きいですが、失敗した時のリスクが大きく、またトヨタほど体力がある企業なら、分散投資を行って生き残る可能性を上げた方が良いと思います。またせっかく培ってきたエンジンやFCVの技術を捨てるのは大きな損益になりますからなおさらです。
      現状EV、HV、FCV、のどれかに置き換わる、あるいはガソリン車に戻ることもあり得ると思います。この状況下で集中投資できるのは新興企業だけなんです。それはガソリン車のノウハウはおろかエンジンを作る工場さえ持ってないのですから、集中投資するしかないんですよ。

    2. あああ さま
      言われていることはわかりますが、会長の発言はあまりに安全策。守るべきものがたくさんあるのはわかりますが、守るだけでは最大でもローリスク・ローリターンにしかなりません。企業の大きさに関係なく、リスクをとらないと大きな果実は得られません。大企業が凋落するのは、歴史の必然なのでしょうか?ここは思いがけない博打を打って欲しいですね、と部外者は無責任に語ります(笑)。

  37. そりゃあEVもHVもすばらしい車を作った上でこういうことを言うなら分からなくもないですが….実際は「競争力のあるEV」をまだ1台も作れていないですよね。作る事が出来ないのに「”あえて”作らないんだ」なんて言われて誰が信じるでしょうか…「作る事ができない」から「そもそも作るべきじゃない」という理論を振りかざしているようにしか聞こえません。このようなコメント出すよりも、まずは年間1000台でも良いので「テスラのModelSより魅力的なEVを作って販売してみては?」と思うのは私だけでしょうか。

  38.  誰も、自動車業界だけで国内のカーボンニュートラルを達成しろとは言っていないと思いますが。各産業でそれぞれが達成するのが戦略的目標としても、クルマは現状それだけで走り続ける限り排気ガスモクモクの商品だから、それを抑えるんだ、という企業家としての気概というか時代を変える先駆性のかけらも無い発言です。特に彼に関して言えばEV化に関して前向きな発言が一つもありません。それでもTeslaの一歩先を行っているという錯乱気味の発言も耳に新しいし、全く訳がわからない会社、というか業界となりました。

  39. 文句言うんだったらアメリカEC中国に言えば良いのにと思います。
    それかいっその事トヨタは日本限定のガラパゴスを目指します宣言とか。
    世界の潮流はEV化になりトヨタとしては疑問があるもののこの流れには逆らえない。但しEV普及には自宅の充電装置、道路や駐車場の充電ステーションの整備が必要で一民間企業じゃ限界あるので国の更なる補助や投資が必要です、
    と訴えるのが筋でしょうに。

  40. 産業構造が~
    などと言っているとそのうち会社が維持できなくなるかもしれません。
    内部留保がけた違いの会社ですし、水素バスの量産もやっているのですから
    会社自体は安泰なのかもしれませんが、新車生産数1位2位を争っているVWが電動車両を次々と送り出している現状を笑ってみているのでしょうかね。
    RAV4-PHVやHONDA eが発売即注文受付停止になったりしましたが、どういう分析をしていたんでしょう?
    昔のようにトヨタと日産がシェアを競っていた時代ならトヨタの電動化も今とは違った形になっていたのではないでしょうか。
    兎に角頑張れ日産三菱!と言っておきます。

    1. 時代や規模は違うので一概には言えませんが、自動車が出てきたために廃れていった馬車や人力車を作っていたメーカーは、その当時、業務転換をはかっていったのでしょうか(^O^)

  41. 解説記事ありがとうございます。うまく整理されていると思います。
    やはり充電インフラの費用見積もりが妙に大きいですね。送電線の費用を含んでもまだ大きい(ケタで大きい?)ように思えます。
    あと1点。電力需要の増加量から考えますと、豊田会長は「400万台」を「乗用車の毎年の販売が全てEVになって最終的にストック6000万台全てが置き換わったら」というニュアンスで用いられたものと思われます。ところがご発言そのままだと「400万台売れた時点で」という意味にも取れてしまいますので、補足頂くと良いかも知れません。

    1. 櫻井啓一郎 さま、コメント&お褒めの言葉、ありがとうございます。w

      電力増加が400万台ではない点のご指摘、ありがとうございます。記事に補足しておきます!

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この記事の著者


					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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