ボルボ『EX30』販売好調! ちゃんと作ればEVは日本でも売れる〜LFPモデルにも期待!

ボルボ・カー・ジャパンがEX30が好調な販売を記録していることを発表した。ボルボ史上最小&最速のコンパクトSUVとして、EV専用開発。コストパフォーマンスが高く「ボルボの新しい電気自動車」を具現化したEX30。EV普及が進まない日本でも、ちゃんと作ればしっかり売れることを証明しつつある。

ボルボ『EX30』販売好調! ちゃんと作ればEVは日本でも売れる〜LFPモデルにも期待!

3月単月で車種別第一位となる523台の登録を記録

2024年4月24日、ボルボ・カー・ジャパンは2024年3月のEX30の登録台数が523台を記録して、国内外のBEVプレミアムセグメント車種でナンバーワンの台数になったことを発表した。

EX30は2023年11月から販売を開始し、納車は今年の2月下旬から始まった。3月はそれまでの受注分やサブスクリプション利用者へのデリバリーが順調に進んだため、523台の登録に至った。

なお、2024年の1月から3月の登録台数は740台で、この数字もBEVプレミアムセグメントで、首位に肉薄する実績とのこと。また、同期間のボルボ・カー・ジャパンの新車登録に占めるBEV比率(EX30、XC40、C40のBEV3モデルの合計)は過去最高の25.3%を記録した。

ボルボは2025年には日本国内でのBEV販売比率を45%に、2030年にはグローバルでBEVを100%にする目標を掲げている。その達成に向けて、EX30が良好なスタートダッシュを切ったと言える。EX30は、ボルボのプレミアムブランドとしての立ち位置を反映し価格は559万円だ。価格だけなら他にもっとリーズナブルなモデルもあるが、今回の販売実績はEX30の質の高さが評価された結果だろう。

EVシフトがなかなか広がらず、新車販売シェアも伸び悩んでいる日本市場でも「魅力的な電気自動車をちゃんと作ればしっかり売れる」ことを証明する状況と評することもできそうだ。

同様にEVシフトへの注力を明示して魅力的なラインナップを拡げつつあるアウディも、2023年度に『Q4 e-tron』を2000台、他のBEVも合わせて合計2822台を販売し、BEV比率は11.5%に達した。世間ではBEVの失速などと騒がれているが、日本でもBEVは確実に浸透しつつある。

年内にはLFP搭載のエントリーグレードも導入か

ボルボ・カー・ジャパンとして、2025年に日本でのBEV率を45%にするには、さらに20%の積み増しが必要だ。それを達成するポイントになりそうな情報を入手した。

日本で発売されているEX30は現状1グレードとなっているものの、本国には、上からウルトラ、プラス、コアの3つのグレード(トリムレベル)が存在する。

ウルトラはパワーシートやパワーゲート、パノラマルーフ、19インチホイールを標準装備する最高グレードだ。モーターとバッテリーの組み合わせは、ツインモーター(AWD、69kWh)と現在日本に導入されているシングルモーターエクステンデッドレンジ(RWD、69kWh)の2種類がある。

クラウドブルーのボディカラーとブリーズの組み合わせ。

ボディカラーは2トーンの5色を設定。インテリアは「ブリーズ」、「ミスト」、「インディゴ」の3種類のうち、ウルトラにしか設定のないブリーズとミストが日本に入っている。つまりAWDのツインモーターでないこと以外は、EX30の設定の中で、最も上位の組み合わせが日本に導入されている。価格は559万円、一充電走行距離(WLTC)は560kmだ。

モスイエローのボディカラーとミストの組み合わせ。

プラスはパノラマルーフがつかず、インテリアはインディゴかパインになる程度の装備差で、モーターとバッテリーの組み合わせはウルトラの2種類に加えてシングルモーター(RWD、51kWh)も用意されている。

そしてコアはパワーゲートやパノラマルーフはなく、ボディカラーもモノトーンの4色、インテリアもインディゴのみで、ホイールは18インチが標準。モーターとバッテリーの組み合わせは、シングルモーターエクステンデッドレンジ(RWD、69kWh)またはシングルモーター(RWD、51kWh)から選べる。

さらに重要なポイントとなるのが、シングルモーターに搭載される51kWhのバッテリーは、上位グレードが搭載するNMC(三元系)ではなく、より安価ながら長寿命な特性をもつLFP(リン酸鉄)になるということだ。51kWhのバッテリー容量があれば、実質的な航続距離も400km以上はあるだろう。もちろん、エントリーモデルだからといって、ボルボの安全性能がないがしろにされるはずもない。

前置きが長くなってしまったが、前述の「情報」というのは、現行よりも上位となるAWDモデルに加えて、LFPを搭載したシングルモーター(RWD、51kWh)モデルを「年内に導入したい」とボルボ・カー・ジャパンが考えていることだ。今年3月初旬に行われたメディア向けの試乗会では「要望があれば他のグレードの導入も検討する」だったので、状況は一歩進んだ。

降雪地域のユーザーはAWDを待っているだろう。また、搭載するバッテリーが、ほぼ日産サクラ1台分の18kWhも小さく(とはいえ51kWhは必要十分)、安価なLFPバッテリーを搭載する「シングルモーター」と、装備を抑えたコアグレードの組み合わせの導入が実現し、400万円台の価格、補助金を使って300万円台が実現するならば、さらなるヒットになる可能性が高いだろう。

なお、現在のEX30の国の補助金(CEV補助金)は45万円、東京都の場合は35万円さらに「自動車メーカー別の上乗せ補助額」の5万円もあるので、合計85万円になる。

今回のニュースリリースを受けて、ボルボ・カー・ジャパンの広報担当者に送った質問に対する回答を紹介する。

Q. 今回の販売台数に対する思い、感想をお聞かせください。
ようやくデリバリーが開始され、多くのお客様の(少し慣れたころの)感想を聞いてみたいです。

Q. 販売店からはどのような反響がありますか?
試乗車が揃い、よりお客様にお勧めしやすい環境になったと喜んでいます。

Q. お客様(来店者やオーナーになった方)はEX30に対してどのような意見や反応がありますか。
お客様からの反応はとても良いです。期待を超えている、などのお声を頂いています。

Q. (よりリーズナブルでな価格であろう)LFP搭載モデルに対する期待をお聞かせください。
今は発売したモデルに集中しています。

Q. 改めてEX30の魅力をお聞かせください。
補助金を考えると現行ボルボで最もお求めやすいのに、装備が充実しており、デザインがよく、パワフルで、安全、しかもちょうど良い大きさです。

Q. その他、アピールや伝えたいことをお聞かせください。
とりあえず実物を眺めて、触って、試乗してください。とても新しいボルボを感じていただけます。

開発段階から日本向けの配慮も

ボルボ・カー・ジャパンはEX30の開発段階から本国と協議し、ボディサイズについては、全幅は1835mm、全高は都市部に多い立体駐車場に入庫可能な1550mmに抑えることに成功した。4235mmの全長と相まって、日本でも運転しやすいコンパクトカーに仕上がっている。

しかも0-100km/h加速はRWDながらも5.3秒とスポーツカー顔負けの十分な性能を有する。なおAWDモデルは3.6秒とスーパーカー並みだ。

コンパクトカーの購入を検討している方は、全国120店舗のボルボディーラーでEX30を体験してみてはいかがだろうか。なお、いきなりディーラーは敷居が高いという方は、東京・青山にあるVolvo Studio Tokyo(関連記事)がおすすめだ。

Volvo Studio Tokyoにセールスマンはいない。その代わりにボルボブランドに精通したアンバサダーが常駐しており、ボルボについての理解を深めることができる。さらに展示車や試乗車でボルボを体験できる。EX30の試乗車は、標準の19インチとオプションの20インチの両方が揃っているそうだ。

Volvo Studio Tokyo。東京メトロ「外苑前」駅から徒歩1分とアクセスも抜群。ボルボオーナー専用の急速充電器も設置している。

ボルボ・カー・ジャパンは、しっかりと魅力的なEVを作れば、日本でもしっかりと売れることを証明してくれた。2030年にBEV 100%の目標を掲げるボルボ。EX30に続くBEVとしては、『EX90』の日本導入も気になるし、60シリーズのBEV化についても今後続々と発表があるだろう。電動化の時代にさらに勢いを増し躍進するボルボから、今後も目が離せない。

最後に、EX30とボディサイズや価格からライバルになりそうな車種のスペックを掲載する。価格や航続距離でフィルタリングしたので発売中の全車種を網羅したわけではないが、ほんの数年前と比べても格段に魅力的なEV車種の選択肢が増えたことを実感できる。一方で、日本メーカーの車種が少ない(バッテリー冷却システムをもたずモデルチェンジが近いと思われる日産リーフはあえて除外した)のが気になるところではある。

全長
全幅
全高
(mm)
車両重量
(kg)
バッテリー
総電力量
(kWh)
一充電
走行距離
(km)
EPA換算
推計値
(km)
車両本体
価格
(万円)
2024年度
CEV補助金
(万円)
実質価格
(万円)
最高出力
(kW/ps)
最大トルク
(Nm/kgm)
駆動方式
ボルボ
EX30
4235
1835
1550
17906956044855945514200/272343/35.0RWD
ヒョンデ
KONA
Lounge Two-tone
4355
1825
1590
177064.8541432.8485.545440.5150/204255/26.0FWD
BYD
ATTO 3
(2024アップデート版)
4455
1875
1615
175058.5647037645035415150/204310/31.6FWD
BYD
ドルフィン
ロングレンジ
4290
1770
1550
166058.5647638140735372150/204310/31.6FWD
フォルクスワーゲン
ID.4
Pro
4585
1850
1640
214077618494648.865583.8150/204310/31.6RWD
アウディ
Q4 40 e-tron
4590
1865
1630
21008259447563865573150/204310/31.6RWD
メルセデス・ベンツ
EQA 250+
4465
1835
1610
198070.559147377185686140/190385/39.3FWD
BMW
iX1 xDrive30
M Sport
4500
1835
1620
203066.546537271865653200/272494/50.4AWD
プジョー
e-2008
GT
4305
1770
1550
163050380304576.445531.4100/136260/26.5FWD
日産
アリア
B6(FWD)
4595
1850
1655
196066470376659.0185574.01160/218300/30.6FWD
トヨタ
bZ4X
G (FWD)
4690
1860
1650
190071.4567453.655085465150/203.9266/27.1FWD
テスラ
Model Y
RWD
4760
1925
1625
193057.5
(推定)
507406533.765468.7220/299.1350/35.7RWD
テスラ
Model 3
RWD
4720
1850
1441
178054
(推定)
573458531.365466.3208/282.8350/35.7RWD

文/烏山 大輔

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					烏山大輔

烏山大輔

1982年生まれ、長崎県出身。高校生の時にゲームソフト「グランツーリスモ」でクルマに目覚め、 自動車整備専門学校を卒業後は整備士、板金塗装工、自動車カタログ制作、 自動車雑誌カーグラフィック制作、ALPINA総輸入代理店のNICOLEで広報・ マーケティングと一貫してクルマに関わる仕事に従事。 現在の所有車はインテグラ・タイプR、ハイゼットとガソリン車のみだが、BEVにもFCEVにもとても興味を持っている。

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