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目次
100km/h巡航で約164kmの航続距離性能
N-ONE e:は、ガソリン車のN-ONEベースにした電気自動車(BEV)で、2025年9月に発売されました。基本的なスペックは、全長3395mm、全幅1475mm、全高1545mm、ホイールベース2520mm、車重1030kg、モーター出力47kW/64ps、トルク162Nm、バッテリー容量29.6kWh、一充電走行距離295km(WLTPモード、EPA換算推計値は236km)です。 N-ONE e:はベーシックなe: Gグレードと急速充電口やセンターディスプレイが標準のe: Lグレード(319.88万円、金額は全て税込)があります。テスト車であるe: Gの車両本体価格は269万9400円で、両グレードともに国の補助金(CEV補助金)は58万円(2026年4月登録以降)です。 今回の注目点は、N-VAN e:とはカタログスペックの一充電走行距離が1.2倍の差があるので航続距離も1.2倍になるのか、N-VAN e:の検証時(関連記事)と同様に電欠のおそれから緊急ピットインが必要になるのか、バッテリー容量がライバルのサクラ(20kWh)よりも1.5倍大きいが航続距離にも同程度の差は出るのか、目標電費は過去最高値だが厳冬期の実測電費はどうなるのか、など多岐にわたります。 N-ONE e:の一充電走行距離295kmを、バッテリー容量の29.6kWhで割った目標電費は9.97km/kWh。2026年2月某日、計測日の外気温は最高11℃、電費検証に臨んだ深夜は−2~6℃とこれまでで最も厳しい冷え込みの中での検証になりました。 各区間の計測結果は下記表の通りです。通常は目標電費を上回った区間を赤太字にしています。 【今回の計測結果】
往復の電費は、各区間の往復距離を、その区間の往路と復路で消費した電力の合計で割って求めています。
| 各巡航速度 の電費 km/kWh | 航続距離 km | 一充電走行距離 との比率 |
|
|---|---|---|---|
| 80km/h | 6.79 | 200.9 | 68% |
| 100km/h | 5.54 | 163.9 | 56% |
| 120km/h | 5.00 | 148.0 | 50% |
| 総合 | 5.68 | 168.2 | 57% |
| ベースの速度 | 比較する速度 | 比率 |
|---|---|---|
| 80km/h | 100km/h | 82% |
| 120km/h | 74% | |
| 100km/h | 80km/h | 123% |
| 120km/h | 90% | |
| 120km/h | 80km/h | 136% |
| 100km/h | 111% |
| N-ONE e: e: G | N-VAN e: e : L4 | サクラ G |
|
|---|---|---|---|
| 全長(mm) | 3395 | 3395 | 3395 |
| 全幅(mm) | 1475 | 1475 | 1475 |
| 全高(mm) | 1545 | 1960 | 1655 |
| 車重(kg) | 1030 | 1130 | 1090 |
| システム出力(kW/ps) | 47/64 | 47/64 | 47/64 |
| システムトルク(Nm) | 162 | 162 | 195 |
| バッテリー容量(kWh) | 29.6 | 29.6 | 20 |
| 一充電走行距離(km) | 295 | 245 | 180 |
| 目標電費(km/kWh) | 9.97 | 8.28 | 9.00 |
| 車両本体価格(万円、税込) | 269.94 | 269.94 | 308.22 |
| N-ONE e: | N-VAN e: | 電費差 km/kWh | 航続距離の差 km | 電費比率 | 航続距離比率 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 80km/h | 電費 | 6.79 | 6.95 | -0.16 | 98% | ||
| 航続距離 | 200.9 | 205.7 | -4.8 | 98% | |||
| 100km/h | 電費 | 5.54 | 5.24 | 0.30 | 106% | ||
| 航続距離 | 163.9 | 155.2 | 8.7 | 106% | |||
| 120km/h | 電費 | 5.00 | 4.04 | 0.96 | 124% | ||
| 航続距離 | 148.0 | 119.6 | 28.4 | 124% | |||
| 総合 | 電費 | 5.68 | 5.38 | 0.30 | 106% | ||
| 航続距離 | 168.2 | 159.2 | 9.0 | 106% |
| N-ONE e: | サクラ | 電費差 km/kWh | 航続距離の差 km | 電費比率 | 航続距離比率 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 80km/h | 電費 | 6.79 | 10.01 | -3.22 | 68% | ||
| 航続距離 | 200.9 | 200.2 | 0.7 | 100% | |||
| 100km/h | 電費 | 5.54 | 7.71 | -2.17 | 72% | ||
| 航続距離 | 163.9 | 154.3 | 9.6 | 106% | |||
| 120km/h | 電費 | 5.00 | 5.58 | -0.58 | 90% | ||
| 航続距離 | 148.0 | 116.9 | 31.1 | 127% | |||
| 総合 | 電費 | 5.68 | 7.51 | -1.83 | 76% | ||
| 航続距離 | 168.2 | 150.2 | 18.0 | 112% |
LKAはふらつきがある
東名300km電費検証では、毎回同じ区間を3つの速度で定速巡航するため、巡航中は基本的にACC(アダプティブクルーズコントロール)を使用します。さらに交通量の少ない深夜に走行することで、渋滞に遭遇する可能性を極力低下させ、ブレがでないよう留意しています。 N-ONE e:のACCはステアリングホイール右スポークのスイッチで操作します。設定速度は1クリックで1km/h、長押しで10km/hごとに変わります。ただしACC速度設定上限は115km/hまで(N-VAN e:やサクラと同じ)なので、120km/h巡航時はアクセルペダルを操作する必要があります。先行車との車間距離設定は左下のスイッチで4段階から選択可能です。
LKA(レーンキープアシスト)は、この検証コース中で最もきついカーブである鮎沢PA手前の300Rを曲がり切れますし、その後の連続カーブも白線を超えることはなく、信頼できる性能ではあります。しかし走行中の車線の中で左右にふらつくことが気になりました。
ドライバーがステアリングを握っているか否かは保持警告が出やすいトルクセンサーによる判定ですが、その精度は高く警告表示はほぼ出ないので、接触センサー並みに快適です。ACCでの停車時はノーズダイブのショックを感じる「かっくんブレーキ」になることが多く、また渋滞時には先行車に近づきすぎては少し強めのブレーキを繰り返す印象の速度制御でした。これは先行車との車間距離を最長にしても、その頻度が下がるだけで、基本的な制御は変わらないように感じました。
スピードメーター表示とGPSによる実速度の差は3~4km/hで、実速度を100km/hにするため、メーター速度は104km/hに合わせました。
| 80km/h 巡航 | 100km/h 巡航 | 120km/h 巡航 |
|
|---|---|---|---|
| メーターの速度 km/h | 83 | 104 | 124 |
| ACC走行中の 室内の静粛性 db | 68 | 72 | 70 |
30分で14.028kWhを充電

N-ONE e:に150kW器はtoo muchですので、充電中はクルマから離れず、すぐに他車に譲れるようにしていました。

●クリックすると拡大表示します。
※「外気温」は車内メーター表示の温度。
※「充電時最大出力」は、車両もしくは充電器で確認できた数値。
※「航続距離表示」は、エアコンオン時に確認。
※「充電器表示充電電力量」は充電器に表示、もしくはアプリなどに通知された電力量。表示がない場合は不明としています。
N-ONE e:とN-VAN e:の先に期待するホンダの本気
N-ONE e:は、冒頭の注目点の答え合わせをすると……。 ●航続距離がN-VAN e:の1.2倍になったのは120km/hのみ。 ●充電のための緊急ピットインは不要だった。 ●サクラの1.5倍の航続距離にはならず総合で12%増にとどまる。 ●9.97km/kWhの目標電費に対して総合は5.68km/kWhで比率は57%と過去最低レベル。 という結果になりました。今回は厳冬期の計測になったので、サクラと気温を合わせるべく暖かい季節に再度計測できたらと思います。 下道28.9kmで暖房を使用しながら、一切のエコドライブ走行もせず、普通に走らせた電費は「7.5km/kWh」でした。この数値なら220kmほどの航続距離が期待できます。 その一方で、駿河湾沼津SA下りでの充電結果で、SOC増加分から推計した充電量(19.832kWh)と実際に充電器に表示された充電量(14.028kWh)の差が大きいことが気になります。そして上記の下道の電費はSOCが17%下がった結果でした。29.6kWhの17%は5.032kWhになり、この消費電力で求められる電費は「5.7km/kWh」ですので7.5km/kWhとは開きがあります。28.9kmを走って電費が7.5km/kWhになる場合のバッテリー容量を計算すると22.7kWhになります。 電気自動車の駆動用バッテリーに用いられるリチウムイオンバッテリーは充電量が完全にゼロ(完全放電)になると、バッテリーの劣化が進む可能性があり、メーター上ではSOCが0%になっても、実際には保護領域として一定量の電力を残す仕様になっています。 バッテリーの総容量はグロス値、ユーザーが使用できる容量はネット値です。N-ONE e:のネット値が22.7kWhだとすると、グロス値とは6.9kWh(23%)の開きがある可能性があります。 仮にバッテリー容量を22.7kWhで計算すると、総合電費5.68km/kWhでの航続距離は約129kmで39km減になります。この検証ではあくまでも誰でも確認可能な公表されている情報を元に検証を行います。N-ONE e:の公表値は29.6kWh(便宜上グロス値といえます)ですが、ネット値は非公表です。 もしバッテリーのマージンが6.9kWh(23%)もあるとしたら、ちょっと余裕を持たせすぎの気もしますが、メーカーとしても様々な状況を想定しての決定だと思いますので、致し方ないところです。ちなみにサクラも同じ計算方法で求めてみるとマージンは1.1kWh(5.5%)でした。
ここで思い出されるのはトヨタ「bZ4X」です。同車は2022年の発売当初、一日に可能な急速充電の回数が2回までなど、かなりバッテリーに対しての安全マージンを持った設計になっていました。それがわずか1年後のアップデートで緩和されとても使いやすくなり(納車済みの車両も無償でアップデート)、2025年10月のマイナーチェンジでさらに進化し「トヨタの本気」を見せてくれました。
【関連記事】
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ホンダも「Honda e」の経験を活かし、N-VAN e:とN-ONE e:での実績も積み重ねたのちに、安全マージンを少なくできれば、もっとユーザーにとって使いやすいクルマになると思います。同様に暖房システムについてもヒートポンプを採用するなどして、航続距離の短縮幅を小さくしてもらえるとさらに良いかなと思います。この軽EVの2モデルはベース車ありきなので色々と制限もあると想像します。今後開発されるEVでは「ホンダの本気」がみられることを期待しています。
今回試乗したe: Gグレードは269万9400円でCEV補助金の58万円を活用すると実質211万9400円になります。これはガソリンエンジンのN-ONEだとターボエンジンの「Premium Tourer」の217万3600円を下回ります。急速充電ポートはオプションでセンターディスプレイはありませんが、いつもの街を日常の足として使用するには問題ありません。V2Hにも対応しているので、大型蓄電池としても活用できます。
N-ONE e:は街中をスイスイ走れて、立体駐車場にも入る全高がサクラやBYD「ラッコ」にはない強みであり、厳冬期でも下道なら200kmは走行可能な電費性能もあります。真冬な過酷な電費検証で実感したのは、やはりシティユースやセカンドカーにぴったりの「軽EV」ということでした。
| ホンダ N-ONE e: e: G |
|
|---|---|
| 車両型式 | ZAA-JG5 |
| 全長(mm) | 3395 |
| 全幅(mm) | 1475 |
| 全高(mm) | 1545 |
| ホイールベース(mm) | 2520 |
| トレッド(前、mm) | 1305 |
| トレッド(後、mm) | 1305 |
| 最低地上高(mm) | 140 |
| 車両重量(kg) | 1030 |
| 前軸重(kg) | 610 |
| 後軸重(kg) | 420 |
| 前後重量配分 | 59:41 |
| 乗車定員(人) | 4 |
| 最小回転半径(m) | 4.5 |
| 交流電力消費率(WLTC、Wh/km) | 105 |
| 一充電走行距離(WLTC、km) | 295 |
| EPA換算推計値(km) | 236 |
| バッテリー総電力量(kWh) | 29.6 |
| 急速充電性能(kW) | 50 |
| 普通充電性能(kW) | 6 |
| V2X対応 | V2H、V2L(最大1500W) |
| モーター数 | 1 |
| 駆動方式 | FWD(前輪駆動) |
| モーター型式 | MCF7 |
| モーター種類 | 交流同期電動機 |
| フロントモーター出力(kW/ps) | 47/64 |
| フロントモータートルク(Nm/kgm) | 162/16.5 |
| フロントサスペンション | マクファーソン |
| リアサスペンション | 車軸式 |
| フロントブレーキ | ディスク |
| リアブレーキ | リーディング・トレーリング |
| タイヤサイズ(前後) | 155/65R14 75S |
| タイヤメーカー・銘柄 | ヨコハマ・ブルーアースFC8V |
| 最高速(km/h) | 130 (瞬間30秒間) |
| 車両本体価格 (万円、A) | 269.94 |
| CEV補助金 (万円、B) | 58 |
| 実質価格(万円、A - B) | 211.94 |






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