ロータスがBEVのSUV『エレトレ』を日本発売〜EV専門メーカーとしての最先端車種

ロータスがブランド初のSUVであり完全電気自動車の『ELETRE(エレトレ)』を日本でも発売することを発表しました。今後、BEV専門メーカーになることを表明しているロータスが送り出す量産車第一弾モデルとなります。

ロータスがBEVのSUV『エレトレ』を日本発売〜EV専門メーカーとしての最先端車種

実用的なピュアエレクトリックハイパーSUV

2023年9月1日、ロータスがブランドで初となるSUVであり、初めての量産BEVとなるLOTUS『ELETRE(エレトレ)』を日本でも発売することを正式に発表し、販売価格などを公表しました。

すでに欧州などでは『エレトレ』『エレトレS』『エレトレR』の3グレードで発売されていて、日本に導入されるのはまず、エレトレS とエレトレR の2グレード。車両本体価格はエレトレSが2332万円(税込)〜、エレトレRが2585万円(税込)〜となります。

ロータスといえばライトウェイトスポーツカーの代名詞ともなっており日本でも熱烈なファンが多いブランドです。昨年、欧州で完全電気自動車のSUVを発売された際には、SNSや各種自動車メディアの報道で「ロータスよ、お前もか」的な、SUV参入を意外かつ残念に捉えた意見が散見されました。

でもロータスとしては、エレトレは「ピュア・エレクトリック・パフォーマンスの第一弾」で「ロータス史上最も先進的なモデル」であると自信満々。「快適性、実用性、多用途なスペース、最先端技術、モダンなラグジュアリーデザインとそのパフォーマンスを融合させ、ロータスを初めて体験する全く新しいお客様方に提供するクルマ」と、むしろロータスの顧客層拡大に貢献する車種であるとしています。

ロータスらしい走りを実現するために、EV専用プラットフォームであるEPA(Electric Premium Architecture)を採用。エレトレS とエレトレRともに、搭載するバッテリー容量は112kWh。駆動方式はともにデュアルモーターのAWDで、エレトレSで450kW(612ps)、エレトレRは675kW(918ps)という最大出力を与えられています。

おもなスペックなど

ELETRE SELETRE R
車両価格(税込)2332万円2585万円
バッテリー容量112kWh112kWh
最高出力450kW675kW
最大トルク710N・m985N・m
0-100km/h加速4.5秒2.95秒
駆動方式AWDAWD
トランスミッション1スピード2スピード
航続距離(WLTP)600km490km
全長5103mm5103mm
全幅2060mm(ドアミラー収納時)2060mm(ドアミラー収納時)
全高1630mm(20インチホイール装着車)
1636(22/23インチホイール装着車)
1636mm(22/23インチホイール装着車)
車両重量2595kg(ドライバー75kg含む)2715kg(ドライバー75kg含む)

先進運転支援機能などはもちろん充実。2000万円オーバーの新型車について細かな特徴を評するのも空しいので、詳しくはロータスの公式サイトをご参照ください。

日本仕様の車両は2024年1月ごろから入ってくる予定で、夏頃までをメドにディーラーに試乗車を配備。デリバリーの開始は2024年夏以降になる見込みとのこと。すでに受注は受け付けています。

日本仕様の急速充電はCHAdeMO規格に対応

発表会の車両の充電口はまだCCS2でした。

プレスリリースでは、普通充電最大22kW、急速充電最大350kWと、欧州仕様の説明が翻訳されていましたが、日本仕様は普通充電はタイプ1、急速充電はCHAdeMO(チャデモ)規格に対応するとのこと。まさにこれから、親会社であるジーリー(吉利汽車)のエンジニアなども来日して「急速充電しながらの走行テストや急速充電器とのマッチングテスト」を行っていくということでした。

おそらく、普通充電は最大8〜11kW、急速充電は最大150kWの対応になるのではないかと思います。

エレトレの駆動用バッテリーはポルシェ タイカンやヒョンデ IONIQ 5 と同様の800Vシステムで、ほとんどの急速充電器が400Vシステムを前提にしているチャデモとの相性はちょっと気になるところです。

実は、2019年にロータスがフル電動ハイパーカー『エヴァイヤ(Evija)』(ほぼ手作りで1台2億円以上のスーパーカー)を発表した際、お披露目会場(関連記事)で「チャデモ対応は大丈夫?」と質問したところ、本国のエンジニアの方から「今は世界で規格がバラバラだけど、そのうちコンボ2になるから大丈夫!」という回答が返ってきて面食らったことがあるのですが……。日本でロータスのPRを担当するLCIの方に確認したところ、「(量産車開発に向けて開発担当者は一新されていて)ロータスの態勢もEVシフトに向けて大きく進化している」ということでした。

先だって、経産省の充電インフラ検討会(関連記事)でお伝えしたように、今年度中にはチャデモ協議会によるマッチングテストセンターが設立されるはずなので、ぜひ上手に活用して、万全の状態でエレトレを日本の道に送り出してほしいと期待します。

販売拠点拡充&新型車投入で日本でもEV販売を加速

ロータスはすでに、EV100%のメーカーになることを表明しています。今後、現在は国内9店舗の正規ディーラーを20店舗に拡大し、今後5年間ほどでさらに3車種の新型EVを投入し、世界はもとより日本国内での存在感をさらに高めていく決意を示しています。

思い起こせば、テスラが最初の市販車として世の中に送り出した初代ロードスターは、ロータス エリーゼをベースにした電気自動車でした。個人的なことで恐縮ですが、私が愛車のアルファロメオを売り払って「もうEVしか買わない」と決意したのも、ロータスがルーツのケータハムスーパーセブンを改造した電気自動車による日本一周の旅で電気自動車の気持ちよさに心酔したからです。

搭載するバッテリー容量の最適解を示すといった困難な課題があるものの、モビリティ的なDNAとして、ライトウェイトスポーツとBEVの相性は悪くない、と思っています。

EV普及の進展は、つまるところヒット車種の積み重ね次第です。今回はプレミアムSUVですが、さらにロータスのEV車種選択肢が広がることはEVユーザーとしても大歓迎。スポーツカーのプレミアムブランドであるロータスに「大衆車を」とはいわないけれど、アッと驚くEVスポーツカーが登場する日を期待しています。

文/寄本 好則

この記事のコメント(新着順)2件

    1. 本田和博 さま、コメントありがとうございます。

      親会社はジーリーで同じで、中国で製造、はその通りかと思います(未確認ですけど)が。
      値段もパワーも段違い。UIやソフトウェアはグループ内で共通点はあるかもしれません(これも未確認)が、兄弟車、という表現はロータスにとって心外なのではないかと推察します。
      さらに詳細なジーリー事情など、機会があれば記事にしてみるのもアリかもですね。

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					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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