新型リーフ専用急速充電停止コントローラー『QCS1』〜開発&販売者の思いを聞いてみた

三重県四日市市の小さな会社が、『QCS1』という新型リーフ用の急速充電停止コントローラーを発売したという情報が飛び込んできました。充電器の認証器を操作せずとも、10分、20分、30分で自動停止できるパーツです。いろいろ大丈夫なのか? を確認するために開発者に取材してきました。

新型リーフ専用急速充電停止コントローラー『QCS1』〜開発&販売者の思いを聞いてみた

急速充電器を自動停止できるアフターパーツ

日産リーフ・オーナーの会の知人から「リーフ用の面白いパーツを作った人がいるから取材しませんか?」とFacebookのメッセンジャーで連絡をいただいたのは、9月5日のことでした。少しやりとりすると、10分、20分など自分が設定した時間で急速充電器を車両側からのコントロールで自動停止できるパーツとのこと。ちょうど、大容量電池搭載車がJFEの蓄電式急速充電器を使うと、21分とかで勝手に停止してしまう現象の取材を進めていたこともあり、「ぜひ取材したい!」と連絡先などを伺いました。

『QCS1』と名付けられたパーツを紹介する公式サイトがこちらです。

【公式サイト】
QCS1 (急速充電停止コントローラ)

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新型リーフ(ZE1)専用で、急速充電の停止を10分単位でタイマー設定、車両側からの信号で自動停止できるアイテムです。フロントパネルの余っている部分を活用して、スッキリ取り付けられます。取り付け箇所の形状によって「TYPE A」と「TYPE B」の2種類がラインアップされていて、価格はともに2万1780円(税込)です。

公式サイトには取り付け方法なども写真付きで丁寧に説明されていました。

とはいえ、こうしたサードパーティ製、しかも小さな会社のパーツをマイカーに装着して大丈夫なものなのか。私自身は電装パーツの知識に明るいわけでもなく「記事にするからにはきちんと取材をしてから」と思いつつ、ズルズルと時間が過ぎて……。QCS1を開発して販売しているのは、三重県四日市市にある株式会社サンワークスという会社。代表の山中祐(たすく)さんに会って取材することができたのは、10月16日のことでした。

自らZESP3ユーザーになったのを機に開発を決意

山中さんがリーフオーナーになったのは2015年。もともとロータリーエンジンなどハイパワーなスポーツカーが大好きだったそうですが「電気自動車の加速に惚れて」AZE0中期24kWhのSグレードを新車で購入。今年1月にはZE1の40kWhを中古で購入したそうです。

今年1月に購入したので、充電カードはZESP3になりました。そもそも、初期型中期までは車両側でSOCを設定して充電をストップする機能がありました。でも、初期型後期のAZE0から、現在のZE1にも車両側で充電量を設定する機能はありません。おまけにZESP3で課金が10分単位となり「いちいち認証機を操作して急速充電を途中停止する煩わしさ」が気になりました。

初代型中期までは車両側から途中停止できていたのだから、ZE1でもきっと方法はあるはず。新型コロナウィルス拡大の巣ごもり期間を活用して研究開発を進め、ついに完成、9月に正式に発売した、ということです。

山中さんはもともとエンジニアとして会社に勤務していました。2001年には現在も自社商品としてラインアップしているロータリーエンジン用のコンプレッションテスター「COMP07」を開発してネット販売を開始。2015年には撮影を本業とする会社、(株)サンワークスを起業して独立。2020年9月にウェブシステム開発やパーツ製作販売などを事業内容に加えました。

QCS1は、山中さん自身の「こんなパーツがあったらいいな」から誕生した、渾身の新商品というわけです。

中国の部品工場と繫がってスムーズに商品化

ひとまず、販売目標はZE1オーナーの1%程度を目安に500個程度とのこと。小ロット製品であるにも関わらず、表示部とかの作りが完成度高いですね? と尋ねてみると、「製造方法などを検討する過程で、3Dプリンターで小ロットでも安価で部品を製造してくれる中国の工場と繫がった」ということで、今回、設計図を送って発注してから約1カ月で無事にパーツが届いたそうです。

公式サイトには操作方法や取付方法も写真付きで紹介されています。操作方法は簡単そうで、リモコンキーからも充電停止の操作ができるのが便利そう。取付についても「エンジンルームと車内を繋ぐ配線の引き回しが不要だから、簡単ですよ」と山中さん。でも、私の感覚としては、工具もないし自分でキレイに取り付ける自信がない、のが正直な感想でした。

私同様に自分で取り付ける自信がない人は、「パーツ持ち込みで取付をしてくれる整備工場を探せる『グーネットピット』で、近所の整備工場を探すといいですよ。取付工賃はおおむね1万〜1万5000円くらいだと思います」ということでした。

今後も便利なアフターパーツを開発したい!

こうしたアフターパーツを取り付けて、日産のメーカー保証とか車検は大丈夫? というのも気になりました。山中さんによると「調査中ではありますが、スロコンとかと同じなので車検も保証も問題ないはずです」とのこと。さらに「全ての配線がカプラー取り付けなので、元に戻すのも簡単」らしいです。

今のところ新型リーフ(ZE1)専用ということで、限定的なユーザーを対象としたパーツですが、発売にあたり製造者責任保険にも加入。2020年モデルで変更になったカプラーにも対応済みです。

リーフオーナーが自ら感じた不便を解消するために開発&発売した心意気の新商品。マイカーリーフはAZE0なのでQCS1は装着できないですが、「要望があればAZE0用も開発したい」という山中さんの心意気を応援したいと思います。興味のある新型リーフユーザーの方、まずは公式サイトをチェックしてみてくださいね。

ところで、今回の開発過程で小ロットでも安価にパーツを作ってくれる中国のファクトリーと繫がったのは山中さんにとっても収穫でした。「たとえば、電気自動車が出す車両接近の警告音をもっと楽しいものにするとか。最新型のEVに乗って感じた不満を解消できるようなアフターパーツを開発したい」と山中さん。読者のみなさんも「こんなの欲しい!」というアイデアがあれば、この記事のコメント欄などでどしどし意見をお寄せください。

(取材・文/寄本 好則)

13 thoughts on “新型リーフ専用急速充電停止コントローラー『QCS1』〜開発&販売者の思いを聞いてみた”

  1. 日産自動車に正規OPとして販売して欲しいぐらいですね、ZESP3には必須かも?

    贅沢を言えばスマホにメッセージが!(これこそ日産がやらないと)

  2. 新型リーフZE1に乗っています。
    ちょっと地味な企画アイデアですが、今の仕様では車両接近音のオンオフができなくなっていて、夜の帰宅時に音を消したいようなことがあります。
    もし接近音の音色を変えることを考えているなら、音のオンオフ機能もぜひお願いします。

  3. 仕組みとして出来るということは朗報ですね。

    しかしながらネットワーク事業者によって
    料金の繰り上げタイミングが異なるので
    いろいろ使ってみてから、ってところでしょうか。

    どのタイミングを終了とする(例えばコネクター戻すまで)など
    検証が必要そうですね。

    1. 課金の始まるタイミングはテスト充電が始まる時点だと思っていますが、認証した時点であったりするかもしれませんし。
      その辺りの情報ってどこかにないのでしょうか?少なくともNECさんにおいては知っておきたいですね。
      で、
      EVsmartさんにおいては最低でもRAPIDASで試してもらいたいです。

  4. これはいいですね。
    できることならAZE0用もお願いしたいところです。
    あと、欲しいのは急速充電時の電流調整です、夏季に残量が少ない時にバッテリー温度が上昇しすぎないように、任意で設定したいです、小さい充電器を探したりして回避していますが、高速ではそうもいかず。

  5. これはいい便利アイテムじゃないですか!?日産リーフのみならず三菱ミーブユーザーも欲しがりますよ!!(笑)アイミーブMタイプ乗りにとって自動で途中充電終了してくれるだけでも恩恵ありますから。電池容量的にプリウスPHV/アウトランダーPHEVにも恩恵あると思いますよ!?
    当然CHAdeMO対応ならホンダeにも付けれるようにするんでしょうか!?

    これが売れて市場が形成されればEVの課題でもある電力量課金体制の構築への道がひとつ増えることにもなりますよ!?充電の効率化で割を食うのは充電課金サービス提供者ですんで…これはアイミーブMに乗り続けてきた電気技術者の直感。

  6. どうせならカウントダウンだけにとどまらず1分単位で設定できると他社のEV/PHEVユーザーにも便利でしょうね。
    でもそうなると今の値段では済まないですよ。

    SCiBユーザーの私としては入力アンペア数が下がりだしたら止めてくれるとうれしいかな。
    でも今の10分単位でも三菱ユーザーとしては日産やホンダの50㎾充電器を150円で終わらせることができるので有効な手段ではあります。

    1. 同じSCiB仲間です(こっちはi-MiEV Mタイプ)
      三菱電動車両サポートプレミアムプラン、商業施設1分8円の場合は5分単位の設定なら10円未満を気にせず充電できますよね。僕は普段から5分単位での充電にこだわってます。
      一方三菱ディーラーだと1分5円なので8分単位のほうが都合がよろしい…そう考えると1分単位も欲しくなりますが別途ディスプレイを設定しなきゃならない可能性も出てきませんか!?当然価格もそれなりに上がりますが。
      三菱の電動車を使う場合、三菱ディーラーの数が少ないことを逆手に道の駅向け1分8円向けに5分ごと設定の単機能で出したほうが無難と考えます、自身の利用経歴から逆算して。

      開発元のサイトも確認しました…どうやら東光高岳の最新型はエラーで止まるケースが多いですね。終了操作後30秒近くかかる機種には強制終了信号を送ってる可能性がありますよ!?もっとも開発元はそれを「仕様です」ととらえているみたいですが!?

  7. コレは商品化してはいけないアイテムですね。
    充電中に車から離れ、充電終了後も戻ってこないユーザーを増加させることにつながります。

  8. ZESP3の1回10分が充電器に表示される充電時間と同じなのか?違うのか?を確認したうえでタイマーの時間を設定をする必要が有ると思います。

    ちなみに三菱自動車 電動車両サポート サービスガイド3ページに「充電器利用料について」冒頭の記述を転記します。
    -ここから-
    NCSネットワークで認識される充電器利用時間には、充電開始処理・終了処理等の時間が含まれるため、
    充電器に表示される充電時間とは異なります。充電器利用料は、NCSネットワークで認識される充電器利用時間を元に計算いたします。
    -ここまで-

    引用元:三菱自動車 電動車両サポート サービスガイド
    http://ev-support.mitsubishi-motors.co.jp/support/pdf/densapo_guide202001.pdf

    私はアイ・ミーブXに乗っていますが、充電器によって充電開始処理・終了処理等の時間が違うのを実感しています。
    新東名高速道路 岡崎SA等に設置されているJFE製や滋賀日産自動車 大津店等の東光高岳(高岳製作所)製の新型、
    高速道路に多いNEC製認証機が別置きのタイプなどは、充電器の充電時間が30秒になったら
    (10分で止めたい場合は9分30秒になったら、20分の場合は19分30秒になったら)充電終了操作しないと間に合わない場合が多いです。

    また、充電さんが2020年11月5日10:19AMのコメントでも書かれていますが、
    現状のままだと充電中に車から離れ、充電終了後も戻ってこないユーザーを増加させることにつながる可能性が高いです。

    付帯設備として、タイマーを使って充電が停止した場合、
    停止後5分以内に車を動かさないと盛大にアラームが鳴るようにして充電終了後の放置をさせないようにしないとダメです。

    少ない充電設備を短く利用して多くの人が譲り合って充電設備を利用する仕組みの一助になれば良いと思います。

  9. 興味深い記事をありがとうございます。
    しかし、充電終了前に戻って来ないと他の人に迷惑なってしまうシステムとか19分30秒で切らないと30分の料金を取られてしまうとか、それも充電器によってまちまちとか頭痛のするような話ですね。
    これでは日本がev後進国を意図的にやっているとしか言いようがないですね。日本のメーカーや行政はどうなっているんでしょうか?

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この記事の著者


					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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