東京モーターショー2019で日本初登場『Honda e』の「質感」を確かめてみた

2019年10月24日(木)~11月4日(月・祝)まで開催される『第46回東京モーターショー2019』。10月23日のプレスデーにEVsmartブログ編集部も突撃してきました。いくつかのトピックに分けてご紹介しますが、まずは日本初登場となったホンダの電気自動車『Honda e』。カンファレンス後に独占撮影時間をいただいて、気になっていた「質感」を中心に確かめてみました。

東京モーターショー2019で日本初登場『Honda e』の「質感」を確かめてみた

電動化で「生活の可能性を拡げる提案」を

8時45分から行われたカンファレンスには、八郷隆弘 代表取締役社長が登壇。壇上にはベールを掛けられた世界初公開の新型FIT(フィット)もありましたが、プレゼンテーションの軸となったのは「電動化」というキーワードでした。

八郷隆弘 代表取締役社長

大きく画面にも掲げられたのが「すべての人に、『生活の可能性が拡がる喜び』を提供する」という2030年ビジョン。培ってきた高効率の電動化技術を『Honda e: TECHNOLOGY(ホンダ イー テクノロジー)』と定めて、「移動と暮らしの価値創造」 を具現化する思いを表明。発電機やクルマからの給電機器、持ち運べる着脱式バッテリーなどの製品群によって「エネルギーを「つくる、つかう、つながる」というサイクルを循環させて、移動と暮らしをシームレスにつなぐ新しい価値を提供していく決意が述べられました。

ちなみに、新型FITや新型ACCORD(アコード)に搭載される高効率・低燃費の2モーターハイブリッドシステムを『e:HEV(イー エイチイーブイ)』と命名。2030年までにグローバルで四輪車販売台数の3分の2を電動化する計画です。

興味しんしん! 『Honda e』の実車に触れました

カンファレンス終了後、タイミング良く壇上での独占撮影の順番を確保できました。5分間という短時間ではありましたが、気になっていた『Honda e』に実際に触れ、その質感を確かめることができました。今回のTMSに出展されているのはいわゆる「試作車」ではなく、実際に寄居の工場のラインで組み立てられた個体(ご担当者との立ち話情報ですけど)とのこと。実際に触ってひねって確かめてみた、正直な感想をお伝えします。

サイズ感は、並んで展示されているフィットよりも、全長と全高は少し小さく、全幅が少し大きい(いずれも数センチの差)くらいのはずですが、見た目の印象はほぼ同じくらい。ただ、電気自動車へのひいき目があるせいか、『Honda e』に意外と奥深い「品格」を感じます。ミラーがカメラという新しいフォルムも好印象でした。

サイドミラーより出っ張り幅は小さいので、狭い道などでの取り回しにも有利そう。でも、ぶつけちゃうとミラーより修理代は高いでしょうね。

リアにも左右2つのカメラ。

細かい機能まで試す時間はなかったですが、大画面モニターは「もし買ったらきっと友達に自慢したくなる」ワクワク感十分。インパネやスイッチ類の感触も期待通り(個人的な期待なので上手く伝えるのが難しいですけど)でした。

「OK、ホンダ」で会話する『パーソナル・アシスタント』のキャラを呼び出してみました。会話を交わす時間はなかったので、このキャラの名前は聞けませんでした。

サイドミラー(カメラ)の映像。当然ですが、とてもクリアです。ジャーナリストの諸星さんが編集部枠の撮影に乱入してきたので、罰としてミラーに映ってもらいました(笑)。

AC100V(1500W)のアウトプットも付いてます。これはオプション設定とかではなく、標準装備して欲しい(詳細は未確認)!

フロントのボンネット内、モータールーム(?)。さすがに、まだ高性能エンジン車のような様式美は感じられません。BEVの歴史を重ねる中で、きっと何か「かくあるべし」的な美しさが生まれてくるのでしょう。

充電口は日産リーフと同様にフロント中央に配置。左が急速充電、右側が普通充電用の差し込み口。内蓋はややカジュアル。差し込み口自体がかなり上向きなので、土砂降りの時はちょっとナーバスになりそうな予感も。

それぞれ内側に開くので、同時に開くことはできません。同時に開く必要はないですけど、念のため。

コンパクトな車体だけに、荷室の容量は「それなり」です。でも、リアハッチやドアの開閉時の質感が、とてもいい感じだったのが印象的でした。コンパクトカーにありがちな安っぽい「ベコンッ」みたいな音と手応えではなく、作りの良さが伝わってくる「ボンッ」と閉まる感じ。細かいですが、購入すると満足度高まるポイントではないかと感じました。

LPLの人見康平氏と少しお話しできました

『Honda e』開発のキーパーソン。LPLの人見康平氏。

カンファレンスが終わって、撮影時間を待ちながら、ふと隣りをみると「技術説明員」の名札を付けて立っていらしたのが、なんと、本田技術研究所商品企画室 LPL(ラージプロジェクトリーダー)主任研究員、この『Honda e』開発責任者である人見康平さんでした。

突然ではありましたが「こだわったポイント」を伺うと……。「EVとしてのあり方を提言したかった。一充電の航続距離は220kmでいいと割り切ったところから、デザインやインテリア、機能などが決まっていきました」とのこと。

短時間のフランクな立ち話だったにも関わらず「(航続距離を欲張って大容量電池搭載のEVばかりを並べるのは)本当はスマホで十分なユーザーにタブレットを押しつけるようなもの」とか「(大画面液晶はホンダ車共通の仕様には当分ならない、なぜなら)いち早く『Honda e』を買ったら、自慢したいじゃないですか(つまり、大画面液晶などの装備はBEVスペシャル!)」など、EVファンとして共感できる言葉を聞かせていただくことができました。

ここのところ、アイペイスや日産リーフe+など大容量電池搭載車でのロングドライブレポートを立て続けにやってきました。正直な実感として、高速道路SAPAの充電インフラが最大出力50kWである現状や自らの懐具合を踏まえ「私のマイカーである30kWhよりもう少しだけ余裕があるくらいがちょうどいい」と感じていました。35.5kWhという『Honda e』の電池容量は、体験的要望にもドンピシャです。

今回、東京モーターショーで日本発売の時期や価格が発表されるかとも期待していたのですが、そこはまだ未発表。でも、実車に触れる機会を得て、2020年夏の発売が待ち遠しく感じるほどに、物欲を刺激される取材となりました。

一般公開日に来場者が実車に触れられるかどうかを確認するのを忘れましてしまいましたが、機会があれば、ぜひインパネの手触りを確かめて、リアハッチを開閉してみてください。w

働く電気バイク『BENLY e:』も発表されました

『Honda e』と同じ壇上に並んでいたのが、新型電気バイクの『BENLY e:』と、三輪タイプの『GYRO e:』です。さすが、モーターショーのプレスデーというべきか、こちらも独占撮影の枠を申し込んで撮影していると、開発責任者である 本田技研工業二輪事業本部ものづくりセンター完成車開発部完成車統括課 技術主任の武藤裕輔氏にお話しを伺うことができました。

価格や詳細なスペックなどは未発表ですが、『BENLY e:』は来年、2020年春には発売予定。

『GYRO e:』も、時期はまだ未定ながら発売が予定されています。

ともに、2018年からリース販売されていた電気バイク『PCX ELECTRIC』のノウハウを活用して開発されたとのことで、電池は着脱式の「モバイルパワーパック」を2個搭載。モバイルパワーパックは1個が約1kWhなので、合計2kWh。『PCX ELECTRIC』はモーター出力が大きい原付二種ですが、この『BENLY e:』と『GYRO e:』には原付一種(いわゆる50ccクラス)も用意される予定とのことなので、その場合一充電で、欲張って見積もれば70km以上くらいの航続距離が期待できる、はずです。

それにしても、世界初公開となった新型FITの高効率ハイブリッドシステムを含め、このステージの主役は「電動化」でした。久々にF1GPでも優勝を果たしたホンダ。モビリティの電動化でも、がんがんファステストラップを刻んでくれることを願っています。

(寄本好則)

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