ヒョンデのEV用超急速充電設備『E-pit』でIONIQ 5の充電性能を実感〜日本は謙虚に学ぶべき

ヒョンデが韓国に展開する超急速充電ステーション『E-pit』で IONIQ 5 の充電を取材。12〜80%まで約16分、最大223kWの急速充電性能を確認できました。電気自動車用充電インフラへの姿勢を含めて、日本が学ぶべきヒョンデの「本気」を実感しました!

ヒョンデのEV用超急速充電設備『E-pit』でIONIQ 5の充電性能を実感〜日本は謙虚に学ぶべき

『E-pit』急速充電器の出力は最大350kW

ヒョンデが実施した『Hyundai Media Tour 2022』に参加してきました。メインイベントは14日、釜山インターナショナルモーターショー2022で実施された新型電気自動車『IONIQ 6』のワールドプレミアでした。そして、翌日の15日、ソウル市内の「Hyundai Motor Studio」の地下駐車場にある『E-pit』で IONIQ 5 を実際に充電するデモンストレーションを取材することができたのでした。

Hyundai Moto Studioは、昨年閉館したトヨタ『MEGAWEB』のような施設です。

『E-pit』とは、ヒョンデが韓国国内に展開する超急速充電ステーションの名称です。3m弱ほどの高さがある急速充電器の最大出力は、欧州の充電インフラネットワークである『IONITY』や、アメリカの『Electrify America』と同様に350kW。日本国内にようやく設置が進みつつある90kW器の、4倍ほどの速さで充電するポテンシャルを持っています。

E-pit のシステムはテスラスーパージャージャーと同様に、最大350kWの電源を2基の充電器で共用。2台のEVが同時に充電する際は350kWをシェアして、1基分は最大175kWになるとのこと。それでも、90kWのほぼ倍のポテンシャルです。

今回「Hyundai Motor Studio」地下駐車場の E-pit には2基が設置されていました。ただし、E-pit の基本は1ステーションに6基を設置して、全体をキャノピー(屋根)がカバーするプランになっています。

E-pit

ヒョンデでは、韓国の高速道路ネットワーク上に12カ所(充電器数は72基)、また国内の主要地点26カ所(130基)のE-pit を独自に整備する計画を進めています。

約52kWhを16分ほどで充電。料金はPnCで約1600円

なにはともあれ、実際の充電の様子などを紹介しましょう。

充電口右側のピクセルライトは充電量のインジケーター。実は、この写真は充電終了後に撮影したので、80%以上であることを示しています。日本仕様では、この位置に普通充電口が配置されています。

本国仕様の IONIQ 5、充電口は北米と同じCCS1規格です。挿入しているのは、説明してくれたショールームの女性スタッフの手。チャデモと較べて充電ガンがコンパクトであることがわかります。

350kW用、水冷のケーブルはそれなりの重さ&硬さでした。チャデモ90kW用ケーブルと同じくらい、の印象ですね。でも、E-pitの充電器ではケーブルが上部からの吊り下げ式になっているので、取り回しは楽でした。

充電時には、一般利用(画面左)か、IONIQ 5やKIA『EV6』オーナー用の「PnC(Plug&Charge=プラグを繋ぐだけで認証されて充電開始&課金が行われる)充電」かを選択。テスラ車はスーパーチャージャーでPnCができますが、現状、それ以外でPnCが可能なソリューションを提供しているのはヒョンデグループの E-pit だけだと思います。出力だけでなく、事実上テスラのライバルと呼べるのはヒョンデグループのBEVだけ、という現実を象徴しているようです。

SOC(電池残量)12%から充電開始。液晶の表示はハングルのみで、英語表示などはできません。中段の表示は左から、出力(kW)、残り時間(18分から1分ごとにカウントダウン)、充電電力量(kWh)、充電料金(ウォン)を知らせてくれます。

残り17分台(経過1分台)で、SOCは15%になり、出力が200kW超え。

8分経過。SOC44%、充電電力量はすでに24.2kWhと、チャデモ50kW器30分の理論値充電量(ロスを10%とすると22.5kWh)を超えています。出力は221kWと200kWオーバーで安定。この直後に、今回デモンストレーションで最高値の223kWまで上昇しました。

SOCが50%近くになって少しずつ出力が落ち始め、IONIQ 5 から電池冷却のファンの音が聞こえてきました。残り1分、79%の時点で出力は111kW。

SOCが80%に達して自動的に充電終了。18分には少し早かった? と思ったら、充電時間は「16分04秒」と表示されています。充電電力量は52.16kWh。電費が6km/kWhとして、約313km走行分の電力を補給できました。料金は1万5597ウォン(約1636円)。

その下には「15分以内にコネクターを所定の位置に戻して出庫してください。未出庫の場合、1分あたり100ウォン(約10円)の手数料が加算されます」という注意書きがあり、15分へのカウントダウンが行われています。

E-pit の利用料金。上段が「超急速」で下段が「急速」。その場でハングルが読めなかったので確認できませんでしたが、おそらくテスラスーパーチャージャーのように、利用時の出力によって課金される金額が変わるのでしょう。

左から、「Primeメンバー:超急速=299ウォン/kWh、急速=265ウォン/kWh」「一般会員:超急速=460ウォン/kWh、急速=370ウォン/kWh」「非会員:超急速=500ウォン/kWh、急速=450ウォン/kWh」となっています。レートの目安は10ウォン=1円なので、非会員の超急速でも50円/kWh程度。便利で安い! ことがわかりました。

日本の充電インフラが学ぶべきポイントとは?

帰国する当日の午前中、駆け足で18分間の充電デモンストレーションを見せていただいただけではありますが、日本の充電インフラ、そして自動車メーカーが学ぶべき「ヒョンデの本気」と「急速充電インフラのあるべき姿」を見せつけられた気がします。重要なポイントを整理しておきましょう。

●高出力器複数台設置が世界の常識。

まず、電気自動車用の急速充電インフラは、テスラのスーパーチャージャー、欧州のIONITY、アメリカのElectrify Americaが進めているように、200kWを超える高出力器を1カ所のステーションに複数基(台)設置することが、世界の常識になっていることを、改めて痛感しました。

「大容量バッテリーを搭載して高出力で充電できる」ばかりが正しいとは思いません。でも、高性能電気自動車を使うユーザーが利便を享受できて、そんなに高出力で充電する必要はない庶民派EVのユーザーにも便利な急速充電インフラとするためには、高出力器複数台設置が必須であることは間違いありません。

一点、IONIC 5 がこんなに長時間200kWを超えるほどの圧倒的な急速充電性能を発揮できるのは、ポルシェ タイカンなどと同じ800Vのシステムを採用してるから。400Vシステムで40kWhのリーフなどでは、50kWが幸せです。

●PnCの導入と理に適った従量課金システム。

充電ケーブルを繋ぐだけで認証&課金が行われるプラグアンドチャージ(PnC)は、とても便利です。欧州ではフォルクスワーゲングループなどが導入に向けて取り組みを進めているようですが、現時点で実現しているのは、テスラ車のスーパーチャージャーと、韓国でのヒョンデ E-pit のみ。

合理的な従量課金制度と、充電終了後の放置に対するペナルティも、EVユーザーにとっては「そうだよね!」と賛辞を送りたいポイント(もっと高額でいい気もします。ちなみにテスラは日本では1分50円、SC満車時は100円)です。そして、PnC、従量課金、放置へのペナルティの全てが、日本のチャデモ急速充電器と e Mobility Power の仕組みでは、まだほぼ手つかずの状況です。

●自動車メーカー主導で充電インフラを整備。

充電、ことに急速充電は電気自動車にとって重要な「性能」の一部です。テスラは当初から自らの手で世界各地に独自にスーパーチャージャー網の整備を進めています。ヒョンデが韓国国内の高速道路をはじめとする主要地点に超急速充電インフラである E-pit を設置するのは、テスラに倣い、テスラを超える利便を自国内の電気自動車ユーザーに提供しようとする取り組みであると評価できます。

E-pit 急速充電器は韓国国内で採用しているCCS1規格なので、ヒョンデやジェネシス、キアといったグループ内のメーカーが販売する車種以外のEVでも、E-pit の恩恵を利用することは可能。非会員でも50円/kWh(充電器にクレジットカード決済のリーダーが付いていました)で超急速充電を活用できるのは、韓国内の電気自動車普及を後押しする力になるはずです。

日本を見ると、EVを発売する自動車メーカーが主体的に設置しているのは自社ディーラー網だけ、というのが実情です。もちろん、ディーラーに急速充電器があるのはありがたいのですが、切実に急速充電が必要となるのは、おもに高速道路を利用するロングドライブの途中です。高速道路のSAPAに、超急速充電器を複数台設置することは、事実上、日本を走る電気自動車そのものの性能をアップさせることでもあります。ヒョンデの母国での取り組みを目の当たりにして、自動車メーカー各社が高速道路ネットワークの急速充電インフラ拡充にもっと深く関与することが、健全なEV普及のために必要なことではないかと改めて感じたのでした。

EVsmartブログも「メディア」として成長中?

ツアーのメインイベントは14日、釜山モーターショーのプレスデーに行われた IONIQ 6 のワールドプレミアでした。

ところで、今回のメディアツアーは、Hyundai Mobility Japan がカーオブザイヤー選考委員の自動車評論家などを招待して実施したものです。そこになんと、EVsmartブログから私と、YouTubeで電気自動車情報を発信するEVネイティブさんの2名が、いわば「新参ネットメディア枠」的に招待されたのでした。

13日の夜、評論家のみなさんが先行して韓国入りしていたツアーに合流。14日の釜山モーターショーなどを取材して、15日にはツアー本隊とは別行動で私とEVネイティブさんの2名を E-pit に案内いただき、そのまま仁川国際空港へ駆けつけて帰国、という慌ただしい日程ではありましたが、内容の濃い、有意義な取材をすることができました。Hyundai Mobility Japan さん、ありがとうございました。

最近、各社の新型EVの試乗会にメディアとして声を掛けていただけるケースも増えてきました。1日1記事更新が基本の、まだまだ小さなウェブメディアではありますが、EVsmartブログではこれからも、是々非々でユーザー目線の「正しいEV情報」をお届けするよう精進を重ねていく所存です。

是々非々といえば、旧知の先輩でEVsmartブログにも寄稿してもらったことがある国沢光宏さんも自身のブログで書いていて、ヒョンデの関係者を含めたツアー中の立ち話で聞いた情報ではありますが。日本でも報じられた IONIQ 5 の炎上事故。「時速90km/hほどのままノーブレーキで中央分離帯に突っ込んだ」ということで、ヒョンデから説明がないのは当局の調査が終わるまで公表を止められている状況であることがわかりました。

ちなみに、ヨーロッパの安全性能評価機関である「Euro NCAP」が2021年に実施したテスト結果による格付けで、IONIQ 5は「Moderate(適正)」となっています。他車との比較や結果内容について興味のある方は、Euro NCAP の公式サイトで公表されているのでご確認ください。ともあれ、事故についての詳細は、当局の調査結果を待ちましょう。

さて、メディアツアーのレポートはこれで終わりではありません。次回は、釜山モーターショーで行われた『IONIQ 6』のワールドプレミアなどについてのレポートをお届けする予定です。

(取材・文/寄本 好則)

この記事のコメント(新着順)17件

  1. >PnC、従量課金、放置へのペナルティの全てが、日本のチャデモ急速充電器と e Mobility Power の仕組みでは、まだほぼ手つかずの状況です。

    残念に思います。それとSA、PAへの急速充電器設置台数の少なさ。

    法律などで規制されて難しいのかもしれませんが、日本のEVのために手をつけて欲しいです。

    せめて、
    PnCでなくてもいいからガソリンスタンドのようにクレジットカード払いにする
    とか、
    従量課金でなくてもいいから、充電器出力によって時間あたりの料金を変えるとか、
    放置ペナルティでなくてもいいから、充電器に繋いでいる間は料金をとるとか、
    出来ることから手をつけて欲しいです。

  2. 世間的には急速充電の電力をあげ、バッテリーの容量も上げて航続距離を増やし充電時間を減らす流れなんでしょうか。

    サクラなどのBEVを検討していました。
    急速充電器まで片道10km以上走らないと辿り着かないほどの地方です。
    自宅での普通充電を基本で相談してみてみましたが、家が古く契約アンペアも低かったため引込みや家の中の配線を太いものに変えることを勧められました。
    思ったより敷居が高いので驚きました。

    ガソリンスタンドが消えるような田舎こそと言う声に確かにと思い検討しましたが、あんまり田舎ではBEVは向かないのかもと感じた次第です。
    ガソリンスタンドも近くはありませんが、週末の買い物ついでがほとんどなので自宅充電のメリットもあまり見いだせませんでした。

    BEV自体は、試乗車を1日借りて乗り心地の良さに感心しました。それもあり導入を検討したぐらいです。
    バッテリー30kWh前後で電費が20km/kWhぐらいになるような技術革新があればと思いますが、BEVが出てそれなりに経つものの電費はあまり変わらず、急速充電の電力アップに力を入れているようなので期待薄なのかもしれません。
    モーター等々も現時点でかなりの高効率と聞きますし、逆に言えば伸び代はあまり無いのでしょうか。寂しい話ですが。

    BEV化は避けられないと思います。その時に今より移動を制限されないように進歩に期待したいと思います。
    それまで当面の間の最適解はe-powerやe:smartなどのシリーズハイブリッドやPHEVかと思います。 長々と失礼しました。

    1. 地方より期待を込めて 様、コメントありがとうございます。

      >家が古く契約アンペアも低かったため引込みや家の中の配線を太いものに変えることを勧められました

      電気工事士の方に相談されたのですね。
      もし他にいらっしゃるなら、電気自動車に詳しい電気工事士の方にも相談されると良いと思います。弊社にも電気工事士の方々からお問い合わせが入りますが、案外皆さんどうすべきか迷っていらっしゃることが多いです。ご自宅が現在40Aであれば、通常引き込み(=電柱または地下からご自宅の分界点まで)は60Aあると思います。なので、これを活用すれば引き込みは変えなくて良いことが多いと思います。
      もちろん実地調査が重要です。

      次に家の中の配線ということですが、引き込みは分電盤にまず入ります。そこで分岐するわけですが、まずこの分電盤も60A対応というのがほぼ最低限となっており、取り換えは不要です。
      さらにそこから屋内配線に入るわけですが、電気自動車の充電は屋外で行うため、もし屋内配線を通す場合には「家の中の配線を太いものに変える」必要が出てきますが、分電盤から直接屋外に電気を引くように工事すれば、家の中を太いものに変えるのではなく、充電器用の配線を増設する工事になると思います。結果として15万円以内の工事に余裕で収まることが多いのではないでしょうか?ただ私は配線を確認させていただいたわけでもございませんので、このメッセージを工事士の方にお見せいただいて、ご相談されてはと思います。

      最後に契約アンペアについて、これの変更は電力会社の管轄によってやり方が異なりますが、変更すること自体は大変ではなく、古い形式のアンペアブレーカーでも、それを交換するのみです。40A→60Aに仮に変更したと仮定すると、20Aの増加で、基本料金は東京電力の場合、月572円増加します。

      充電中はサクラの場合、200Vx約15Aの電流が連続して流れますので、100V換算ですと30A分となります。つまり、40→60で20増やしていますが、実際に必要なのは30なので、10不足となります。
      もちろん契約を更に上げて70Aでもいいのですが、通常そこまで上げるとそれこそ、最初に相談された電気工事士の方がおっしゃったように、引き込みなどを直さないといけなくなったりする可能性が出てきます。そのため、充電は電気をあまり使わない時間帯に行うように設定します。一般家庭では、ピークの消費電力は夕方から20時くらいまでになりますので、21時くらいもしくはそれ以降から、毎日充電開始するように設定しておけば、60A契約で余裕を持って生活できます。

      ご参考までに。

    2. 安川様

      ご丁寧なご助言ありがとうございます。

      なにぶん祖父母の代からある築6,70年以上の家でして、柱にコンセントや電線を柱に打ち付けているような古さです。古民家といったほうが分かりやすいでしょうか。
      引込線もいつ引いたのか定かではありませんが、聞いたところ今どきの14sqという太いものではないそうです。
      このような家ばかりなのが田舎らしいと申しますか…。

      契約アンペアも昔から30Aです。これをあげようと相談したところ今回のような指摘をいただきました。

      ついでに電費の改善も聞いてみましたが、20km/kWhぐらいになると軸出力や使用できる電力から原付並みの馬力のエンジンで車を走らせるようなもの、と言われました。なかなか理解できていませんがうまく行かないものですね。

      戯言にお付き合い頂きありがとうございました。

  3. トヨタの本気はいつ頃見られるんでしょうか?

    各メーカー協力して充電ステーション(複数台の急速充電設置)がユーザーの利便性もコスト的にも良さそうですが。

  4. 高速充電も良いことばかりではなくバッテリーに負荷がかかりやすいという懸念もあります。特に韓国製バッテリーは充電時に発火した事例など多いのでその点も気にした方がいいのではないかと思います。

    1. 電池マニア様、コメントありがとうございます!

      >>韓国製バッテリーは充電時に発火した事例

      確かにそういう不良品は存在していましたね。日本製は電気自動車でも、工場内でのミスによるトラブルはありましたが、充電中はほとんど火災は出ていないです。
      しかし、重要なことは、火災事例などのネガティブ情報は拡大されやすく、正しく伝えないメディアがほとんどであるという事実。ガソリン車の火災もかなりあり、電気自動車と同等か、電気自動車より多いと考えられています。
      https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/electric-vehicle-fire-risk/

      超急速充電は2013年にテスラが商用運用を開始してから、既に9年が経過している枯れた技術です。仰るほどの心配はご無用と思います。

  5. 米国バイデン政権は、150kWクラスのDC急速充電器を整備していく計画なので、
    (https://www.fhwa.dot.gov/environment/alternative_fuel_corridors/nominations/90d_nevi_formula_program_guidance.pdf)
    韓国(ヒョンデ)も北米市場を考えて超急速充電設備『E-pit』を開発したのではないでしょうか?
    韓国自動車産業の積極的なEV事業展開を見ていると、日本は既にかなり危ういと思います。ハイブリッド技術に固執する余り、スマホに負けたガラケーや、価格競争に負けた液晶テレビと同じ事が、日本の自動車産業に起きていると思います。

  6. EVSmart担当者様
    興味深い記事をありがとうございます。テスラのスーパーチャージャーのように、EPitも日本進出は予定されてるのでしょうか?。そうであるならヒョンデのevはとても魅力的です。

    1. Takaki さま、コメントありがとうございます。

      E-pit 進出、もしくは自社施設以外の日本のEV急速充電インフラへの関与、いずれも、現時点では「ない」と聞いています。
      IONIQ 5 をはじめとするヒョンデグループのEVが、日本でもいっぱい走るようになれば、可能性はあるでしょう。

  7. バッテリーの寿命に関して、取材されましたか?
    早くても、バッテリーがすぐに劣化しては意味がないのですよ。早さだけに踊らされて買うと痛い目に会います。
    金持ちで、バッテリーが傷んだそばから新車買い換え出来るなら話は別ですが。

    1. ちゃま~ さま、コメントありがとうございます。

      安川さんが回答している通りなのですが。
      ことに日本では最大90kWに抑えているので、ますますバッテリーへのダメージは緩和されるでしょうね。

      日本でEVのバッテリー劣化が注視されるようになったのは、良くも悪くも初代リーフが「攻めて」くれたからでしょう。リーフもアップデートしています。メーカーを超えて、EV用バッテリーのさらなる改善やコストパフォーマンスの向上に期待しています。

    2. 私も ちゃま~さん に同感です。
      本サイトの最近の記事は、とかく高出力での充電を前面に出している気がしますが、車両側のシステムが許容しても充電時の発熱(バッテリー劣化)を考慮すると高出力充電器は緊急時以外は使用したくない・・が、EV運用16万km(現在も継続中)ユーザーの本音です。

      安川様は、Bクーラー搭載車種では問題なしとの見解ですが、急激な充・放電時の発熱量はBクーラーで冷却しきれ無いと思います。
      (当方の居住地東北の冬に外気温-2℃の ”天然クーラー” 環境下で、ふんわりアクセル&エアコンOFFの極耐運転しても、放電発熱が冷却を上回ってB温度は上昇してきます。急速充電の発熱量は言わずもがな・・ではと。)

      Bクーラーが付いているテスラ中古車を検索すると、走行一桁万kmでB交換している個体もありますし。
      (テスラの中古を狙った時期があったため。)

      因みに、私の運用する初代後期30kmリーフは、走行距離17万kmでフルセグ(B劣化85%以内)をキープしています。

    3. ヒダルマ様、コメントありがとうございます!

      https://blog.evsmart.net/tesla/model-x/roadtrip-tokyo-osaka-6/
      こちらでもお分かりいただけるように、それなりの速度(平均が100km/hになるような速度を新東名経由で出しています)で230kmをノンストップ連続走行して、バッテリー温度は43.2℃。超急速充電後(100kWhバッテリーを27%→87%まで充電)、バッテリー温度は38.9℃に逆に低下しました。

  8. 寄本様,EVSmart担当者様
    私は単純に急速充電は高出力化すればいいというわけではないと考えています

    なぜなら経路充電を速くて便利にしすぎると、誰も基礎充電を設置しなくなります。そうすると人間が起きて移動する昼間に充電することになり、ピークシフトが遅れるからです。
    基礎充電がしっかり行き渡ってから出力を上げて経路充電を便利にするCHAdeMOの計画に賛成しております。

    経路充電としてスーパーチャージャーや、EPitで一番見習うべきなのは記事にもありますが一箇所のストール数です。
    チャージに来た際に充電しないで待つ時間は極力0にする必要があると思います。複数台の設置があれば、仮に全ストールが埋まっていても待つ時間は減るはずです。
    ただし、これは50kwを超えると設置費用もランニングコストも上がってしまう日本の電力料金制度にも問題があるので、そちらをまずなんとかしなければならないと思います。

    1. 友田さま、コメントありがとうございます。

      >急速充電は高出力化すればいいというわけではない〜

      はい。私もそう思います。

      今後、大衆車たるEVの搭載バッテリー容量は30〜50kWhくらいが適正なんだろうなと感じており、だとすれば大衆車にも冷却とか頑張ってもらって90kW器の恩恵を活用できれば十二分でしょうから。とはいえ、60〜70kWhを超える大容量バッテリーを搭載したEVを所有した場合に、「150kW プリーズ!」と感じる気持ちも理解できます。
      ことに高速道路網への複数台設置は絶対条件。出力については、電力会社由来のeMPがエネルギーサービスとして設置したり、社会インフラとして税金投入して設置するなら90kW器で十分であり、150kWを超えるような超高出力器については、「高級車の性能の一部」として、自動車メーカーがある程度のイニシアチブをとって設置計画を立案&遂行し、コスト負担するべきではないか、と、今回の韓国取材でますます身に染みて感じた次第、です。

      計量法やデマンド料金、高圧受電など、電力料金や規制などの制度も、アップデートしてほしい(まだきちんと取材できていないので、あくまでも「感触」ですけど)ですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


この記事の著者


					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

執筆した記事