電気自動車のメーカー別一覧

【保存版、2017/10/26更新】日本国内で購入できる電気自動車/PHEVのメーカー別一覧を作成してみました。EV走行・バッテリー容量・ハイブリッドのタイプ・価格に加え、どんな人向きかの一言コメントも解説しています。

目次

  1. トヨタの電気自動車
  2. 日産の電気自動車
  3. ホンダの電気自動車(現在なし)
  4. 三菱の電気自動車
  5. BMWの電気自動車
  6. BMW MINIの電気自動車
  7. テスラの電気自動車
  8. フォルクスワーゲン(VW)の電気自動車
  9. メルセデスベンツの電気自動車
  10. ポルシェの電気自動車
  11. アウディの電気自動車
  12. ボルボの電気自動車
  13. 電気自動車比較

トヨタの電気自動車

新型プリウスPHV(2016)

電気自動車といえばトヨタが出しているだろう、、皆さんそう思われる方も多いのではないでしょうか。実は、電気自動車には二種類あり、厳密な意味でガソリンを全く使わず、電気だけで走行する純電気自動車(BEVと呼んだりします)と、電気だけで通勤程度の距離は走行できるが、エンジンも搭載していてガソリンでも走行できるプラグインハイブリッド車(PHV、PHEVと呼びます)があります。トヨタ自動車本体からは、プリウスPHVがPHEVとして販売されているのみで、BEVはラインアップにありません。
プリウスPHVはハイブリッド車の「プリウス」と名前こそ似ていますが、中身は別物です。通常のプリウスは家を出発して最初の1-2km走行するとエンジンがかかりますが、プリウスPHVは40km(EPA基準)までガソリンを使わず走行できます。そのため、通勤が10km未満の方などは、1か月間、通勤では1リットルのガソリンも使わずに走行することができます。
※本記事では、PHVとPHEVは同一のものとして扱い、PHEVという呼び名で統一します。
2015年12月に新型プリウスがリリースされたことに伴って、2017年2月に新型プリウスPHVが発売されました。PHEVとして、EV走行距離=ガソリンを使わずに走れる距離を40kmとし、より短時間で充電できる急速充電に対応することが発表されました。バッテリー容量は旧型比倍増の8.8kWhです。プリウスPHVは、毎日通勤で車を使われる方、自宅または会社などの常置場所で充電ができる方で、遠出もされるような方に向いている万能な車です。自宅充電ができない場合は、普通のプリウスに比べてメリットはほとんどなくなるでしょう。
なお、新型プリウスPHVにはソーラー充電システムが搭載可能。これ一見面白いのですが、パネル出力は180Wとのこと。簡易的に常に屋外駐車・常時屋根に日が当たる環境と仮定して、1週間でどのくらい充電できるか計算してみましょう。180W x 12%(設備稼働率)x 89%(車の屋根は南を向いていないので)x 24 x 7 = 3.23kWh。200V 15Aの通常のEV用充電器は1時間で3kWhを充電できますから、家庭用EVコンセントで65分程度充電するのと同じくらい充電できます。そして、8.8kWhバッテリーでEPA 40km走行できるわけですから、実際に使える電池容量を90%と仮定すると、EPA予想電費は40 / (8.8 x 90%) = 5.1km/kWh。太陽光充電1週間分の3.23kWhがあれば、週末には16.3km、太陽光エネルギーだけで走ることができるわけです。1日の太陽光による充電では、約2.3km走行できます。コストパフォーマンス的に元が取れることはあり得ませんが、技術が好きな方・環境を大切にしたい方には最適な装備だと思います。なお新型プリウスPHVは4人乗りなので5人乗りが必要な方はご注意ください。
※2017/8/21更新:ニューヨークモーターショーの時点ではEPA航続距離35.2kmとされていましたが、その後40kmに上方修正されているようですので、それを反映しました。

トヨタ車体 コムス
トヨタ車体 コムス

トヨタグループのトヨタ車体からは、超小型EVコムスが出ています。超小型EVは厳密には普通車でも軽自動車でもなく、ミニカーの分類となり、原付の仲間になります。高速道路/自動車専用道路不可、ヘルメット不要、エアコンなし。衝突安全性にも大きな課題があり、主に配達用・高齢者用などとして使用されています。最近、日本航空がコムスを整備士の移動用に導入したことが話題になりましたが、実はピーチ・アビエーションのほうがコムスを先に導入していたりします。コムスはバッテリーに鉛蓄電池を採用しているなど、電気自動車としてはかなり枯れた技術を採用しています。

日産の電気自動車

日本の電気自動車業界をリードする日産自動車からはリーフが出ています。2010年に発売され、途中2012年に1回目のマイナーチェンジ、そして2015年12月にバッテリーの容量を24kWh→30kWhにアップするマイナーチェンジ。2017年10月には容量が30kWh→40kWhにさらにアップ。フルモデルチェンジが行われました。全世界で20万台以上を販売し、世界で一番売れている電気自動車になります。
リーフはリリースから7年目を迎えましたが、日産も日本国内1760か所のディーラーに急速充電器を設置し、月額2000円でこれらを無制限に利用可能な「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム(ZESP2)」を提供するなど、電気自動車の普及に大きな役割を果たしていると言えるでしょう。

新型日産リーフ

リーフはJC08という基準で400kmの航続距離を持つとされていますが、JC08基準はあてになりません。この記事の一番下に比較表を入れていますが、私の経験から、米国のEPA(環境保護庁)が認定している数字は比較的現実に即しており、高速道路と一般道路の組み合わせで夏なら達成可能な数字だと思われますので、本記事ではEPA基準を使用します。リーフ2017年モデル(40kWh)のEPA航続距離は241kmです。
PHEVとは異なり純粋な電気自動車(BEV)であるリーフは、自宅充電が必須になります。自宅で充電でき、往復400km以上の長距離移動をあまりしない方に向いています。往復300km程度までなら、行った先で1回充電するだけで帰宅できるからです。またリーフはプリウス同様3ナンバーになりますのでコンパクトカーではありません。サイズには注意が必要です。
貨物車としてe-NV200というBEVバンも出ています。汎用的な配送や工事などにも最適で、長距離移動が必要ない貨物用途には最適な車両と言えると思います。

ホンダの電気自動車

ホンダは電気自動車に力を入れているメーカーとは言えません。国内ではフィット EVアコード プラグイン ハイブリッド(PHEV)の二車種を、リース専用としてリリースしていましたが、2016年3月時点で販売が終了し、現在は購入することはできません。

三菱の電気自動車

三菱 i-MiEV

三菱自動車は、日産と並んで電気自動車(三菱では電動車両というくくりになっています)に力を入れている会社です。軽自動車のアイミーブ、軽バンのミニキャブ・ミーブ バン、SUVのアウトランダーPHEVの四車種。ミーブ(i-MiEV)シリーズは全てBEVで、アウトランダーはPHEVとなります。
ミーブシリーズのバッテリーには10.5kWhと16kWhの二種類あり、16kWhバージョンは通常のリチウムイオン電池ですが、10.5kWhバージョンであるi-MiEV Mグレードは同じリチウムイオン電池の仲間でも充放電性能の高い東芝のSCiBを採用しており、15分で80%まで充電することができます。i-MiEV Mは米国で販売されていませんのでEPA航続距離は未公表ですが、おおよそ66km程度であると想定できますので、1日の走行距離が50km未満の近場での利用には非常に経済的です。実際にミニキャブ・ミーブ バンは近隣での配送業務に使われています。

三菱 アウトランダーPHEV

アウトランダーPHEVはその名の通りPHEVであるため、自宅充電ができないマンション等でも導入することができ、販売を伸ばしています。SUVは日本だけでなく米国や中国でもスタイリッシュであると考えられており、EV・PHEVのSUVがアウトランダーPHEVとテスラ モデルXの2車種しかないことから競合が少なく、欧米でも人気です。EV航続距離もEPA値は未公表ですが32-35km程度であると予測されており、日本では平均的な往復通勤距離を余裕でカバーできそうです。
BEV・PHEVの中でも、ここ数年で最もバランスの取れた車との評判も高いので、PHEVを検討される方にはまずアウトランダーPHEVをチェックされることをお勧めします。2017年2月にマイナーチェンジが行われ、80%までの急速充電時間が30分から25分に短縮されました。

BMWの電気自動車

BMWからは非常に多くのBEV・PHEVが出ています。

BMW i3

まずBEVでは、BMW i3があります。60Ahバージョン(21.8kWh)と94Ahバージョン(33kWh)の二種類がありましたが、後者が2016年10月から発売開始され、現在は94Ahバージョンのみになっています。94Ahバージョンは30kWhリーフの1割増しのバッテリーを搭載しているため、EPA航続距離は182kmとリーフより少し長く、カーボンファイバーのボディ(普通、ボディは鉄かアルミでできてます)とも相まって、電費が良いのがポイントです。LifeDriveという、BMW iシリーズ専用のボディ構造により、バッテリーやモーターなどの重量物をフロア下に格納できるので、重心が低く車両が安定し、またセンターコンソールなしにできるため運転席と助手席の間にも大きな空間が生まれます。
BMW i3以外の車は全てPHEVとなります。BMW i3に航続距離を伸ばすための緊急用のエンジン(=レンジ・エクステンダー)をオプションで搭載することができます。この場合はエンジンだけでなく、燃料タンクやラジエーター、セルモーター、オルタネーターその他の補器類もすべて搭載されますので、重量は1260kgから1390kgへと130kg重くなります。
BMW i3の燃料タンクの容量は9lと少な目に設定されていますが、これは米国CARBの規制をクリアするため。何100kmもの距離を頻繁に移動するための車ではありません。基本的には普段は電気自動車として使用するように設計されているのです。そのため、この車は長距離中心に乗らない方、そして先進のカーボンファイバーボディを始め、BMWのテクノロジーが好きな方に向いています。

BMW i8

BMW i8は2000万円以上するスポーツカーPHEV。これは40lガソリンタンクを備えており、長距離ドライブなどにも対応しています。i3と同様、カーボンファイバーのボディを与えられています。
2015年12月に日本市場に導入されたのは、BMW X5 xDrive 40e。BMWのSUVであり、XがSUV、5がクラス、xDriveはAWD=四輪駆動を意味します。40の後ろについている小さな「e」がPHEVを表しているサイン。iシリーズと比べて、それほど電動であることを大きくアピールはしていません。この車両やBMW i8は、BMW i3と異なり、バッテリー容量が小さく、急速充電には対応していません。基本的には、自宅に普通充電器を設置し、夜のうちにバッテリーに充電しておいて、通勤・近隣での買い物等はバッテリーのみで走行し、長距離の移動時は100%ガソリンを使うという考え方です。このBMW X5 xDrive 40eは、PHEVの最高級SUVが欲しいという方に向いています。ただし急速充電には対応していませんので、その点は注意してください。出先では、主にガソリンを使うことになります。

BMW X5 xDrive 40e

そういう意味では急速充電できるPHEVは今のところアウトランダーPHEVと新型プリウスPHVだけ。急速充電がPHEVに必要かどうかも含めて、これから評価されることになるでしょう。私見では、経路充電が不要なPHEVでは、必ずしも急速充電はなくても困らない、と考えていますが、一度モーターの走りに慣れてしまうと、充電してでもモーターで走りたくなる方も多く、悩みどころかも知れません。

BMW 225xe

2016年1月、2シリーズアクティブツアラーのPHEV版であり、5名乗車のミニバンという位置づけになる、BMW 225xeが日本でも発売されました。詳細なスペックはこちらこちらをご覧いただくとして、バッテリーは7.7kWhを搭載、EV走行距離はNEDC基準で41kmとされていますが、EPA基準/実航続距離はおそらく22km程度と想定されます。米国導入予定がないのでEPA航続距離の正式なデータはないのですね。プレミアムな四輪駆動のミニバンが欲しい、という方には最適です。なお型番のxはxDrive、すなわち前輪をエンジンで駆動し、後輪をモーターで駆動するというタイプの四輪駆動となります。
価格的にはちょうどアウトランダーPHEVと競合になりますので、悩みどころですね。

BMW 330e

同じく2016年1月には、3シリーズセダン、BMW 330eも発売になりました。バッテリーは7.6kWh、EV航続距離は22.4km(EPA基準)です。プレミアムセダン、高級ファミリーカーのど真ん中ゾーンですね!さすがにカッコいいです。ちなみにX5 xDrive 40e、225xe、330e、530e、740eはどれも車両のフロント左に充電ポートがあります。リーフはフロント中央、アウトランダーPHEVとBMW i3はリア右、アイミーブとテスラモデルS/Xはリア左、ミニキャブミーブは自社内で統一を図ることもなくボディ中央左。実は左ハンドル前進駐車の場合は左前が充電ポートだと挿しやすいことは挿しやすいのですね。車を降りてすぐ充電コネクタを接続できるわけです。BMW 330eはプレミアムなファミリーセダンが欲しい方、そして通勤や近場の買い物等ではガソリンを使用したくない方に向いています。

BMW 740e

次に発売されたのはフラッグシップ(最上位車種)、7シリーズから740e iPerformance PHEVが2016年の10月に発売されました。この車の特徴はモーターとエンジンが同軸に入っていて、モーターも変速機を介するという変わった設計であることです。詳しくは上記詳細記事をご確認ください。バッテリーは9.2kWh、EV航続距離は22.4km(EPA基準)です。330eと比較すると、バッテリー容量は740eのほうが多くなっていますが、EV航続距離は同じになっています。BMWとしては、22.4km程度のEV航続距離があれば充分と考えているのかも知れません。三菱自動車やトヨタは(米国EPA基準で)35-40km程度としていますので、PHEVとしては少し控えめとなっています。BMW 740eは最高級のエグゼクティブセダンが必要で、かつ環境に配慮したイメージが気に入る方向けです。

BMW 530e

そして最も最近の2017年7月には5シリーズに530eが追加されました。これも740eと同様、ZF製のトランスミッションの前にモーターが入っている設計です。どうもこれはBMWの今後のPHEVの標準デザインになるのかも知れません。確かに高速道路などでの追い越し加速が、パワー一定のモーターで1段しかないギアだとどうしてもトルクが少なくなり、パンチを感じられないというのがあるのかも?ただモーターをトランスミッションの前に入れるとトランスミッションの受ける負荷は大変なものになるので、ソフトウェアで制御することが必要だと思います。バッテリーは9.2kWh、EV航続距離は25.6kmと通勤専用な感じです。BMW 530eは330eと740eのちょうど中間、エグゼクティブカーとしてビジネスを強く意識していますので、ビジネスオーナーの方や企業役員の方などで、通勤や普段の近場の移動などにガソリンを使いたくない、環境に配慮したい方に向いています。

BMW MINIの電気自動車

MINI Cooper S E Crossover ALL4

2017/7/24追記:2001年にBMW傘下になってからはEUの安全基準に準拠したクルマ作りを進めてきたMINI。ここではBMW MINIと呼ぶことにします。そのMINIからMINI Cooper S E Crossover ALL4公式サイト)が登場。長ーい名前ですが、要するにCUVバージョンのMINIでPHEV搭載なわけです。7.6kWhバッテリーとPHEVとしては少な目のバッテリーでEPA航続距離19kmと、プラグインハイブリッド機能自体は控えめではありますが、通勤や買い物にはこのEV航続距離で充分。普段の生活ではほとんどエンジンをかけずに走行できると思います。以前販売されていた旧モデルのプリウスPHVのEV航続距離は9.6km。当時はこれでほぼゼロエミッション化できるとトヨタさんはうたっていたわけで、19kmといえばその二倍に当たることになります。
クロスオーバーは全5モデル展開のうち、なんとPHEVモデルだけがガソリンエンジンで、それ以外はすべてクリーンディーゼルエンジンとの組み合わせ。普段EV走行に慣れ親しんだオーナーが、エンジンがかかっても静かなドライビングを楽しめるように、との配慮なのかも知れません。実際ディーゼルに比べると低速トルクが少なくなりがちなガソリンエンジンと、発進時からフルにトルクが出るモーターの組み合わせは最適。他のモデルとは全く異なる乗り味になると考えられます。

一つ注意していただきたいのは、MINIは特に小型車ではないということ。4315 x 1820 x 1595mm、1770kgとそこそこ大きい。日産リーフが4445 x 1770 x 1550、1450kg、トヨタプリウスPHVが4645 x 1760 x 1470、1510kgであることを考えると、全長こそ短めではあるものの、幅が結構あります。想像ではありますが、幅が広いほうがカッコいいこと、車内が広くなること、クラッシュテストの一種である横転テストで良い成績を出すため(日本のJNCAPの自動車アセスメントには横転テストはありません)、そして側面衝突性能の向上のためなどいろいろな理由で広くなっているのでしょうね。
ただ今後、電気自動車の電池は底面搭載が普通になっていきます。そうなると、前後に長く搭載すると車が長くなってしまいますし、上下に厚く搭載するとフロアが上がってしまいますので乗り降りが大変に、結果として横幅を広く搭載するしかなくなってしまいます。トレンドとしては、輸入車を中心に横幅はだんだん広くなる方向になっていくと思われます。

テスラの電気自動車

テスラ モデルS

現在、テスラからは大型セダンのテスラ モデルSと大型SUVのテスラ モデルXの二車種のみがラインアップされています。モデルXは2017年1月より日本でも納車開始されました。
テスラ自身は、BEVの専門の会社であり、パナソニックと協業して電気自動車用のバッテリーを開発しています。モデルSは世界で初めての長距離BEVであり、EPA航続距離500kmを一充電で走行できます。またモデルSは世界で最も安全なセダンでもあり、米国NHTSAや欧州Euro NCAPの両方で最高の評価を獲得しています。例えば米国では高速道路の走行が多いため、自動車が横転し、ルーフがつぶれるシナリオでのクラッシュテストが行われるのですが、このテスト用のマシンの4Gという力に耐え、ルーフがつぶれなかったばかりか、このテストマシンが壊れてしまったとの報告がされています。この4Gという力は、モデルSが四台上に積み重なったくらいの力だそうですね。
EPA 500kmをもってしても、200km先の場所への往復には注意が必要ですし、場合によっては経路充電が必要です。そのため、モデルSはメルセデスSクラス・BMW 7シリーズ・アウディ7/8シリーズを検討している人で、かつ、長距離のドライブ時は充電計画を立てられる人に向いていると言えます。
初代2012年モデルでも最新型のポルシェ911カレラに匹敵するほどの発進加速を誇るモデルS。最新のP100Dは市販の量産車のなかではほぼ最速で、0-100km/hに2.7秒で達してしまいます。この時の加速度は1G超え、すなわち、ビルの屋上から落下するより速く加速するわけです。最近の日産のCMでも話題になりましたが、電動車両は電池さえ増やせばいくらでも高出力が取り出せます。エンジンの排気量に(いろんな意味で)限界のあるエンジン車との性能比較は、もう意味のないことかも知れません。

モデルXはちょっと変わった車です。まず後席ドアが普通のドアではなく、ガルウィングに似た、ファルコンウィングドアを採用。腕の関節のように、肩と肘に当たる部分が折れ曲がって上に上昇します。30cmの隙間があればギリギリ開閉可能とのことです。またシート構成が5,6,7人乗りにカスタマイズできるのも特徴。5シートは2-3構成、7シートは2-3-2構成。5シートの3人掛けシート、7シートの2列目シートと3列目シートは可倒式で倒せます。6シートは2-2-2構成なのですが、2列目は特殊な「モノポストシート」となっており、シートの脚が1本しかなく、確かに3列目シートに座った人は足が2列目シートの下に入るので広く感じるのですが、この2列目は可倒式ではなく、リクライニング機能も備えていません。ポピュラーなのは6シート構成だそうです。

フォルクスワーゲン(VW)の電気自動車

e-ゴルフ

2017年10月19日、BEVであるe-ゴルフが発売されました。本国では2世代目のe-ゴルフとなるこの車両はEPA航続距離201kmと、旧型リーフ30kWhの171kmと新型リーフ40kWhの241kmのちょうど中間くらいの航続距離を持ちます。バッテリーが35.8kWhと中間サイズなので当然とも言えますね。このくらいのバッテリーサイズがあれば片道100kmくらいの場所への往復は簡単。冬でも宿で充電するか、帰りに急速充電1回で余裕です。チャデモ急速充電に対応しており、80%まで35分間で充電が可能です。Traffic Assistという渋滞時追従支援システムが搭載されており、0-60km/hの範囲で運転支援(ハンドル、アクセル、ブレーキを自動で操作)機能が搭載されています。テスラがリードしていたこのあたりの機能も、だんだん多くのメーカーで搭載されるようになってきました。
このモデル、バッテリーが大分進化してきているようで、トランクなどはガソリンモデルと同一容量が確保されています。トランクを上げ底にするのは多くのPHEVモデルで行われていますが、フォルクスワーゲンは容量を抑えてトランクを確保したということになるかと思います。上げ底トランクは荷物の載せ降ろしも大変ですしね。
e-ゴルフはオールマイティなBEVが欲しい方で、プレミアムカーが良い方に向いています。BMW i3より後発なだけに、より普通の車っぽく、実用性も高いです。

フォルクスワーゲン ゴルフGTE

フォルクスワーゲンはPHEVモデルも出しています。ゴルフGTE PHEVパサートGTE/パサートGTEヴァリアント PHEV。GTEモードという、モーターとエンジンを協調させてハイパワーを生み出す機能が一つの特徴で、スポーツ性をアピールしたハッチバックになります。
まずゴルフGTE。EPA航続距離は32km(推測)、バッテリー容量は8.7kWhと、PHEVの中では長めの距離をモーターのみで走行できるため、電気自動車に近い使い方をしたい方にも向いていると思います。国産のアウトランダーPHEVと比べてバッテリーが小さいのにEPA航続距離がほぼ同じ理由は空力(=空気抵抗)。前面の大きなSUVはどうしても空力が悪化してしまうので、ある程度仕方ないかも知れませんね。
# 空力の小さい車両をイメージするには、、新幹線をイメージしてみてください。
ある意味オールマイティなゴルフGTEですが、急速充電のサポートはなし。通勤に使わないのであれば、ガソリン代の節約はあまり大きくならない点に注意してください。したがって、この車は通勤など毎日近距離の走行ニーズがあり、もちろん長距離のドライブも楽しみ、スポーツ風な走行を楽しみたい方に向いているでしょう。

パサートGTEはゴルフのセダンバージョンで、パサートGTEヴァリアントはゴルフのステーションワゴンバージョン。荷物が積める量で言うと、ゴルフ<パサート<パサートヴァリアント、となります。パサートGTEのEPA航続距離はゴルフGTEと同様に32kmと推測されており、バッテリー容量は9.9kWhとなります。パサートGTEのほうがゴルフGTEより大きい分、より大きなバッテリーでも同じだけの距離しかバッテリーのみで走行できないのですね。同様に急速充電のサポートはなく、基本車通勤であり、自宅充電環境があって、休日は長距離ドライブあり、スポーツ風走行の好きな方向けということになります。
このほかに、海外では、e-Up!というBEVが発売されています。残念ながら日本ではまだ発売の予定になっていません。e-Up!のEPA航続距離は128kmと、航続距離で見るとリーフの競合車種となります。

メルセデスベンツの電気自動車

メルセデスは以前smart fortwo electric driveという2人乗りの軽快な電気自動車(BEV)を販売していましたが、今はPHEVのみのラインアップとなっています。

メルセデス S 550 e long

PHEVは今後いろいろな車種に搭載する予定のようですが、最初に搭載されたのはなんとS 550 e long!車両価格1638万のSクラスロングです。ロングというのは後席メインで使用する、ショーファー(運転手付き)用の車。EV走行で住宅街を静かに出発、仕事を終えた帰宅時もあくまで静かに、そして追い越しなどはモーターであくまでスムースにパワフルに、、という感じなのでしょうか。
環境を意識するエグゼクティブの方に向いていそうですね。Sクラスですから衝突安全性もばっちりです。なおこの車両も急速充電に非対応。バッテリーは8.7kWhでEPA航続距離は19.2km(!!)と、車が大きく居住性が高いだけに、帰宅時もモーター走行するためにはオフィスの駐車場にも充電器が必要そうです。

C350e AVANTGARDE

2016年1月、BMW 330eに対抗してか、C 350 e アバンギャルドが日本で発売されました。これ以降のPHEVは型番の最後にeが付くんでしょうかね?売れ筋CクラスにPHEVを投入してくるとなると、今後は全グレードにPHEVが搭載されてもおかしくないのでしょう。面白い追加機能として、アクセルを踏み込むときに、パワーが不足してエンジンが始動する直前でアクセルに抵抗感が出るとのこと。できる限りガソリンを使いたくない方には便利な機能です。バッテリーはトランク内とのことで、トランクスペースは335lと、ある程度犠牲になっているようですね。バッテリー容量は6.2kWh、EPA基準/実航続距離は16kmです。
価格的には721万円からということで、BMW 330eの579万円より高めとなりますが、PHEV的には競合車種といえるでしょう。

Mercedes-Benz GLC 350 e

2016年9月、SUVのGLC 350 e 4MATIC Sportsが日本でも発売されました。GLCはCクラスなのでBMW X5 xDrive 40eの968万円に対し873万円と少しだけ下げられています。BMWと同様、自宅に充電環境を用意し、通勤・近隣での買い物等はバッテリーのみで走行、長距離の移動時は高性能なハイブリッド車として100%ガソリンを使う考え方の車です。急速充電は非対応。この車を選ぶ方は、最高級SUVのPHEVが欲しい方で、BMWブランドよりメルセデスブランドの好きな方となるでしょう。なお海外ではGLEのPHEVも出ています。EPA基準のEV航続距離はX5とほぼ同様、約20kmと想定できます。

メルセデスE 350 e アバンギャルド スポーツ

Cクラスの上位クラス、Eクラスにも2017年8月24日、プラグインハイブリッドモデルE 350 e アバンギャルド スポーツが登場しました。この車両からEQ Powerというサブブランドが与えられていて、AMGはEQ Power+となるそうです。メルセデスの電気自動車のブランドを意味するのでしょう。このモデルは米国で販売されていないので肝心なEPA航続距離が分からないのですが、6.2kWhのバッテリーで18.6マイルのNEDC航続距離とのことですから、EPA基準では12kmくらいと推測されます。C 350 eと共に、行きはバッテリーのみで走行し、帰りは途中でエンジンがかかるような使い方になるでしょう。
またこのPHEVは2016年からEクラスに搭載開始されている最新型のDrive Pilotという運転支援システムが付いています。0-210km/h(!!)までで、ドライバーのウィンカー指示で開始する自動車線変更など、機能はほぼテスラのオートパイロットと同様。これが大きな差別化になっているので、798万円とC 350 eよりちょっと高めの価格も、Cクラスより大きいサイズと相まって当然と考えられます。

ポルシェの電気自動車

ポルシェ ミッションEコンセプト

先日ポルシェ ミッションE コンセプトというBEVのコンセプトカーでフランクフルトモーターショー2015の話題をさらったポルシェ。実はBEVはこれが初めてで、現在市販している車両は二車種ともPHEVとなります。このコンセプトEはかなり大胆なもので、800V充電システム(既存の充電インフラにはありません)を使って15分で80%まで充電できるというもの。現在の世界の急速充電インフラは400-500V程度となっており、800Vにすると高速に充電できる、、というイメージを与えたいのだと思いますが、実際には電圧を上げても高速に充電できるわけではありません。バッテリーの充電速度はケミストリーと呼ばれる内部の化学物資によって決定されていて、200Vだろうが800Vだろうが、特に速度は変わらないのです。つまり、このコンセプトEが意味するところは、「現在はまだ実用化されていない新技術の電池の量産化を前提とした車」。なかなか強い意気込みを感じさせる発表でした。

ポルシェ パナメーラ4 E-ハイブリッド

現在手に入るポルシェのPHEVには、パナメーラ 4 E ハイブリッドパナメーラ ターボ S E ハイブリッド、そしてカイエンS E-ハイブリッドがあります。パナメーラは4名乗車の大型スポーツセダン、カイエンは5名乗車の大型SUVです。あれ、どこかのラインアップと似ていますね。そうです、テスラのモデルSはパナメーラの競合、そしてモデルXはカイエンの競合車種として設計されているのだと言われています。
パナメーラは14.1kWhのバッテリーでEPA航続距離は申請中、カイエンは10.8kWhのバッテリーでEPA航続距離は22kmと、必要最低限のEV走行距離です。もともとどちらもスポーツカーですから、あまり大きなバッテリーを積むと重量バランスが難しくなり、運動性能に影響するでしょうから、バッテリーは必要最小限に留めているとも考えられます。ただパナメーラのほうは以前「パナメーラS」という車名でもPHEVを出していて、その時のバッテリー容量は9.4kWhでしたからパナメーラ4になったと同時にバッテリー容量が50%増しにもなっているわけで、モーターのスポーツ性能を強くアピールする意図があると考えられます。
この三車種とも、やはり急速充電には未対応。ポルシェが好きな方・PHEVスポーツカーが欲しい方で、通勤でのCO2等の排出をゼロにしたい方・ガソリンを使いたくない方向きの車です。なお、似たような名前の、「パナメーラSハイブリッド」や「カイエンSハイブリッド」という車も以前存在していました。これらはハイブリッド車であり、PHEVではありません。ハイブリッドモデルはディスコンになったようなので、今後はPHEVとBEVに注力するものと思われます。

アウディの電気自動車

アウディ A3 スポーツバック e-トロン

2015年11月12日、初めてPHEVであるアウディ A3 スポーツバック e-トロンが発売日を迎えます。ゴルフGTEの兄弟車?とも考えられるこの車は、ゴルフGTEと同様、現時点では未公表ですが32kmのEPA航続距離を持つと推測されています。
アウディはアウディの主要車両を全プラグイン化の記事にもあるように、A3を皮切りにSUVのQ7, セダンのA6, A7, A8をすべてPHEV化するだけでなく、今後はBEVも(参考:アウディQ6?コンセプト)出すということのようです。メーカーの電動化への真剣度という意味では、電気自動車専業のテスラを除くと、アウディは一番真剣になっているように見えますね。アウディはフォルクスワーゲングループ。世界最大級の自動車メーカーですから、次世代自動車への投資は欠かせないということでしょうか。
アウディ A3 Sportback e-tronは、やはり通勤で車を使う方、そしてアウディのスポーツ性が好きな方に向いているということになると思います。

ボルボの電気自動車

XC90 T8 Twin Engine AWDプラグインハイブリッド

スウェーデンの自動車会社(Geely傘下)で、安全性に最も強くコミットしていると言われるボルボも、2016年1月にXC90 T8 Twin Engine AWDプラグインハイブリッドを日本で発売しました。長い名前ですが、要するにPHEVですね。バッテリーは9.2kWh、EPA航続距離は20.8kmと短めですが、BMW X5と同じくらいの大型SUVですからある程度は仕方ありません。ちょうど1千万円くらいの価格ということで、BMW X5 xDrive 40e、テスラモデルXなどが競合になりそうです。
なおボルボは2019年よりすべての新車を電動化する、すなわちBEVとPHEVにすると発表しています。

電気自動車比較

テスラ モデルX

ずいぶん長い記事ですね!全部でBEV・PHEV合わせてたった30車種程度しかないのに、各車両それぞれに特徴があります。そして、一般のメディアの記事はあまり電動車両に詳しくない方が書いているせいもあり(スミマセン)、肝心な情報が欠けていることも。以下にEVsmartブログ独自の比較表(貨物車は除きました)を作ってみましたのでご覧ください。
なお、米国で販売されていない車種、もしくは販売開始されて間もない車種については、EPA航続距離などのデータが公表されていませんので、予測値を記載しています。予測値は間違っているかも知れませんが、私に責任があります。メーカーからの情報を使用しているわけではありませんのでご注意ください。
2017年7月20日追記: 各車両の標準的な税込価格を表に追記しました。ほとんどがベースグレードとなり、オプション等は一切含まれない、最低の価格とお考えください。

01メーカー車種タイプEV走行(JC08)EV走行(EPA)バッテリー容量急速充電車両本体価格(税込)
02アウディA3 スポーツバック e-トロンPHEV52.825.68.7×5,640,000
03BMWi3 (94Ah)BEV390182335,090,000
04BMWi3+REX (94Ah)PHEV288155335,570,000
05BMWi8PHEV35247.2×20,290,000
06BMWX5 xDrive 40ePHEV30.8209×9,680,000
07BMW225xePHEV42.422 (未公表)7.7×5,200,000
08BMW330ePHEV36.822.47.6×5,790,000
09BMW530ePHEV52.525.69.2×7,930,000
10BMW740ePHEV4222.49.2×11,920,000
11BMW MINICooper S E Crossover ALL4PHEV(未公表)197.6×4,790,000
12ホンダ フィット EV
(2016年3月終了)
BEV225131204,000,000
13ホンダ アコード プラグイン ハイブリッド
(2016年3月終了)
PHEV37.6206.7×5,142,857
14メルセデスS 550 e longPHEV29.119.28.7×16,386,000
15メルセデスC 350 e アバンギャルドPHEV28.6166.2×7,210,000
16メルセデスGLC 350ePHEV30.1(未公表)8.31×8,730,000
17メルセデスE 350 e アバンギャルド スポーツPHEV20.112 (未公表)6.2×7,980,000
18三菱自動車i-MiEV XBEV18099162,624,400
19三菱自動車i-MiEV MBEV12066 (未公表)10.52,273,400
20三菱自動車アウトランダーPHEVPHEV60.235 (未公表)124,789,260
21日産新型リーフ (40kWh)BEV400241403,150,360
22日産旧型リーフ (30kWh)BEV280171303,197,880
23ポルシェパナメーラ 4 E ハイブリッドPHEV50(未公表)14.1×14,360,000
24ポルシェパナメーラ ターボ S E ハイブリッドPHEV50(未公表)14.1×28,310,000
25ポルシェカイエンS E-ハイブリッドPHEV362210.8×12,110,000
26テスラモデルS 75BEV(未公表)398.4759,000,000
27テスラモデルS P100DBEV(未公表)50410017,679,000
28テスラモデルX 75DBEV(未公表)380.87510,780,000
29テスラモデルX P100DBEV(未公表)462.410018,450,000
30トヨタ新型プリウスPHV(2017)PHEV68.2408.83,261,600
31フォルクスワーゲンe-ゴルフBEV30120135.84,990,000
32フォルクスワーゲンゴルフGTEPHEV5332 (未公表)8.7×4,690,000
33フォルクスワーゲンパサートGTEPHEV51.732 (未公表)9.9×5,199,000
34ボルボXC90 T8 Twin Engine AWDプラグインハイブリッドPHEV35.420.89.2×10,490,000

この記事のコメント(新着順)66件

  1. 初めまして!

    EVについて調べていたら、このブログを見つけました!
    急で申し訳ないのですが、すごく詳しく書かれているので
    ぜひ自分のブログにもこのブログを貼らせていただいてもよろしいでしょうか?

    無理でしたら、諦めます・・・

    1. あじゃーる様、コメントありがとうございます!
      はい、リンクを貼っていただくのはぜひお願いいたします。コンテンツの引用に関しましては、申し訳ないのですが必要最低限でお願いできればと思います。

  2. 始めまして。
    BEVを検討していますが、衝突被害軽減ブレーキも搭載されてるとなると
    現状まだないのでしょうか?
    自分でも少し調べましたが、
    http://car-moby.jp/247237
    こんな記事がありました。海外の車については触れていないようです。
    解かる範囲で構いませんので教えてください。

    1. たつ 様、ご質問ありがとうございます。
      日産リーフ:https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/leaf/advanced_technology.html
      アウトランダーPHEV(BEVじゃないけど):www.mitsubishi-motors.co.jp/outlander_phev/safety/
      e-ゴルフ:https://www.volkswagen.co.jp/ja/models/egolf.html#23d782bed225d62f94601f87eb9c5fb5&item=1&gallery=150778325012541842&powerLayer=models/egolf/FrontAssist.display
      テスラモデルS/X:https://www.tesla.com/jp/models
      主要なBEVには搭載されていますよ。

  3. 現在、30kWhを乗っておりますが、新型40kWhを購入の検討しておりますが、走行距離250㎞位だとあまり魅力が無いと感じました、季節と天候、時間帯など考慮して300㎞走行出来るかなと思っておりました。

    1. たなはし様、コメントありがとうございます!ニューヨークモーターショーの発表時と変更になったのですね。こちら、当記事とプリウスプライムの記事を修正させていただきました。

      またEPA電費につきまして、EPAでは確かに車両のバッテリーを空にして走れなくしてから、測定器を付けて充電し、満充電まで充電した電力量をベースに認定しています。しかしこの電力量の測定方法は電気自動車の場合、正確ではあるのですがユーザーからしてみるとなかなか理解しづらい指標となっています。というのも、ユーザーはなぜEPA電費を気にするのかという理由は、「あとどのくらい走行できるか」を知るためであって、「そこから満充電まで充電したらどのくらい充電できるか」ではないからです。またユーザーにとって、バッテリーが残40%になったところからEPA電費によって残電力量が分かっても、車載のメーターでは(本来充電するときに必要な電力量は計測できず)実際に使用した・これから使用する電力量が分かるだけだからです。

      一つ例を挙げてご説明したいと思います。仮に計算を簡単にするため、100kWhのバッテリーに110kWhを普通充電する(=10kWhは普通充電時の損失)車で、空からEPAの計測方法で500km走行できるとします。
      EPAの正しい電費計算方法によると、この車の電費は4.54km/kWh。当ブログの方法では5km/kWh。
      ではバッテリーの残量が40%になったと仮定します。車は走行可能距離を計算するとき、100kWhx40%=40kWhですから、40kWhx5km/h=200kmと表示するのです。この時、4.54km/kWhという数字は使われません。
      次に車の画面のメーターで10kWh急速充電したとします。もちろん5%くらい急速充電器内でロスが出るわけですが、それは車の外で起こっていることで車には知りようがありません。するとこの10kWhでは何キロ走れるのでしょうか?やはり10kWhx5km/kWh=50kmですね。ここでも4.54km/kWhという数字は使われないのです。また急速充電時は普通充電時とロスの量が異なります。急速充電器と電力網の間に積算電力計を設置して充電量を測定しても、その時の電費は4.54km/kWhより悪くなってしまいます。つまり4.54という数字は、充電方法によっても影響を受けるわけです。

      ガソリン車の常識で考えると「こんだけガソリン入れたんだから」という考え方をされるのは当然だと思いますが、充電する際にロスがあり、かつ自然放電もある電気自動車の場合はガソリン車の方式で考えるより、実際にバッテリーにたまっていて使える電力量をBMSで計測し、それをベースに電費を計算する方が分かりやすいと考えられます。先ほどの500kmはEPAのAll Electric Rangeを使用していますので、500kmを実容量で割り算すれば、車のメーターで確認できる電費が割り出せるというわけです。
      こちらは当ブログにおけるポリシーとなりますので、ご了承いただければ幸いです。基本的に、ユーザーに分かりやすく、計算しやすいことを目指しております。

    2. YasukawaHiroshi様、コメントをありがとうございます。
      「実容量」とはモデル名で示されている数値ですか?
      例えばS75Dは75kWhでS100Dは100kWhで正しいですか?

    3. たなはし様、ご質問ありがとうございます。
      >「実容量」とはモデル名で示されている数値
      正確なバッテリーの容量は、EPAに申請している文書には間違いが多く(例えばプリウスプライムのモーターはAC Inductionであると書かれていたりします)、あまり信頼できないと考えています。そのため、公称容量を発表している車両の場合はその公称容量を、テスラのように発表していない会社の場合は、モデル名の数字を使っています。実際にテスラの場合は、BMSファームウェアの解析により、90kWhモデルなどでは実容量は90kWhより少なく、逆に60や100ではモデル名の数字より実容量が多いことが分かっています。

  4. 現行のルノーとの共同開発スマートではまだ設定はないが、ディーラーの噂話ですと来年販売されるとのこと。しかもカブリオレが加わるとのことで今から楽しみです。
    今乗っているタイプはブラバスのチューンした車で、とてつもなく早いです。隣に誰かを乗せてスポーツモードでフル加速すると「やめてくれ、気持ち悪くなる」と言われるくらいすごい加速です。
    日産の技術が入ったルノーか、電気自動車に力いれているフォルクスワーゲンあたりから良いのが出てくるんじゃないかなって、期待しています。

    1. 家政婦のミタ様、再び情報ありがとうございます!本当ですか!それは結構楽しそうですね。晴れた日はカブリオレで買い物。

  5. スマートの電気自動車に乗っています。急速充電は出来ませんが、毎日、往復30キロ程度の通勤で時々立ち寄りしますが、全く不自由はなく、ガソリンを入れることから解放されて120%満足しています。エコ運転で150キロは問題なく走れます。万が一のためにリーフ用の家庭用百ボルト充電器を載せています。これがあればどこで完全に無くなっても安心です(^-^)
    300キロ程度をエアコン効かせて走行が出来る電気自動車が発売されたら、今乗っているガソリン車を手放して買おうと考えています。
    あと、もう少しって感じですね。待ち遠しいです。
    これからも電気自動車の情報をお願いします。

    1. 家政婦のミタ様、コメントありがとうございます!スマート乗っている方結構いらっしゃいますよね。取り回しもしやすくて電費もよいので近場には最適かと思います。私も一台欲しいくらいなのですが、もう販売していないんでしょうか?

  6. 先のコメントですがPHVプリウスと新プリウスの比較です。

    1. 田中様、ご意見ありがとうございます。当ブログでは、大変申し訳ないのですが、電動車両を以下のように分類しています。
      https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/facts/
      そして、充電できないノートe-POWERのような車両はハイブリッド車に分類しているのです。また上記記事の表にはノートe-POWERのシリーズハイブリッドというのがないのですが、これは新しいジャンルであり、完全にエンジンを車軸から切り離したハイブリッド車は実はノートe-POWERしかないのではないかと思います。今後この形式が増えるかどうかはちょっと分かりませんが、人気になっているようですので、案外純粋なシリーズハイブリッドというジャンルが確立したりするのかも知れません。なおシリーズハイブリッド式は、モーター駆動ですので、乗り味は電動車両のそのもの、クイックで加速が良く、乗り心地が非常にスムースになります。半面デメリットもあり、高速道路でエンジンを使って走行できないため、高速燃費がどうしても悪化するということになります。特に米国ではEPA燃費基準に従って車のエコ性能が評価され、この基準では時速100km前後での高速走行が長時間含まれるため、EPA基準では燃費の悪い車に見えてしまいます。実際日本では、ノートe-POWERを100km/hで連続走行させるような使い方はほとんど想定されないでしょうから、上手い技術の使い方なのではないでしょうか。

    2. ノートeパワーは国産車唯一のシリーズ・ハイブリッドと言われることが多いのですが、量産市販車としてはトヨタMIRAIも
      燃料電池発電→ニッケル水素電池(プリウスと同じ)→電動モーター
      というエネルギーの流れなので、シリーズ・ハイブリッドです。
      ホンダのクラリティ フューエル セル(いちおう量産市販車)もそうですね。
      CarWatchの記事では、クラリティの一体化された発電ユニットを換装してPHVやピュアEVとして展開できる可能性に触れています(あくまで可能性)

  7. 新型プリウスをレンタカーで借りました。高速道路上ではリッター36キロ。さすがですが今までのトヨタのエコカー変わらず退屈な車でした。そのことを友人にいうと奥さんが乗ってらして、買うとき両方乗って燃費より何より車の出来が良かったからこっちにしたと。信じられずにいたら車雑誌では結構別物と書かれているので気になってディラーに向かって正直に話して乗りました。確かに形も脚もかなり違ってるし、ハンドリングの初期応答は改善さてる。デフォルトEV走行の割が2割は多い。感覚的には別物でしょう。車とは乗り味判断するものでしょうから形が違って乗り味も違えばマーク2や派生モデルとして、兄弟車として名前も変えられたでしょうから。
    ただ、哀しいのは少しでもリチウム電池の容量を変えれなかったのがこんな議論になるんだしょうね。

    1. 9月にオーナー様、コメントありがとうございます!なるほど、プリウスPHVはハンドリングや乗り心地もプリウスとは違う味付けになっているのですね。確かにプラグインハイブリッドにすると初期トルクが増えますから、車の作り方もやさしく、からしっかり、に変化させているのかも知れません。プラグインハイブリッドでこれ以上電池積むには、SUVにしないと荷室容量の問題が出ます。特に主戦場の米国では荷室容量は購入の際の比較ポイントになります。

  8. トヨタのミライはEV(モーター駆動だから)だと思います。エンジンは積んでいません。プリウスPHEVよりも、EV色は強いと思います。電気を水素燃料電池で発電しているだけだから、エネルギー源が異なる少排気量ガソリンエンジン付のレンジエクステンダーをEVとして紹介している他のメーカーとの扱いの、あまりの違いに不満です。
    だからトヨタのEVは、FCVとPHEVとBEVの三系列の車種があります。

    1. takajii3様、コメントありがとうございます。燃料電池車でも、外部充電できる車両については、電気自動車の定義に入れるつもりです。ガソリンや軽油・水素を火をつけて燃やすか燃料電池スタック内で酸素と化合させるかは全く同じことで、ミライやクラリティフューエルセルはどちらかというと、日産ノートと同じ種類つまり燃料を燃やして発電し、それをそのままモーターに流して走行する車両だと考えています。(私は今後出てこないと考えていますが)FCPHEVみたいな、FCをレンジエクステンダーとして使用するような車両が出てくれば、これはプラグインハイブリッド車として電気自動車の一種に分類すべきかなと思います。

    1. ほんげ様、コメントありがとうございます!
      おっしゃる通りですね!ちょっと大変ではありますが、次回以降追加していってみます。

  9. 素晴らしい記事ですね!読みやすい上に、上手くまとめられていて大変勉強になりました。ご購入を検討されている方には最良の記事だと感じました。

    1. 増田様、お世話になっております。貴サイトからリンクをいただきありがとうございます!今後も更新していきますので、たまに見に来ていただけますと幸いです。

  10. 2017年型リーフに乗っております、30分急速充電を利用しておりますが、一番容量電力が上がって97%、走行距離185km、残量が15%~20%位で充電しておりますが、それぞれの日産販売会社の充電機器によって異なる感じです、また、気温によっては寒いと92%位の時もあります。某コンビニ設置の機種は数回充電しましたが85%以上は上がりません。
    高速道路走行は大型トラック、バスなどの後ろについて80km位で走行しますと消費電力がかなり違うとかんじました。

    1. 藤田様、コメントありがとうございます。最新型ですね!
      はい、日産販社様ごとに、出力制限がかかっているようで、その制限のレベルは異なるようですね。テスラでは一律充電器出力が制限されてしまうので私個人は日産販社様ではあまり充電しませんが、よく日産販社様で充電する友人からはそのように聞いています。充電専用の設備ではなく、キュービクルがショールームやサービス工場と共用になっていますので、ある程度の制限がかかってしまうのは仕方がないようです。コンビニは20kWが多いので充電に2倍以上の時間がかかります。EVsmartアプリでは、充電器のパワーをkW表示で表示しています。日産販社様が独自で制限しているケースはデータがなく、口コミに頼るしかない状況ですが、それ以外の充電器については一つ一つ調査をしていますので、お急ぎの際は参考になさっていただけますと幸いです。
      なお高速道路でのドラフティング(スリップストリーム、他車の後ろについて走行すること)はあまり推奨はされてはいないと思いますが、緊急時には10%以上エネルギーを節約でき、確実に役に立ちますね。しかし特にトレーラーのドライバーは安全のため、ドラフティングされることを非常に嫌うそうですから、あまり近づかずに走行したほうがいいのかも知れません。例えば米国のトレーラーのドライバーは、一定時間以上ドラフティングされた場合には、だんだん安全な方法で速度を落とす、と定められているそうです。

  11. 1998年に初期型プリウスでモーターのパワーに感心し、ついついカメさんマーク点灯
    溺愛して(貧乏人の金なし)15年乗り続け29万kmでお暇をだし、3年前にアウトランダーに乗り換えました現在6万kmです。アウトランダーの欠点は、内装がチープなことと、3か月に一度エンジンが強制的に始動することです(これはガソリンが変質する為の措置だそうです)私の使い方では3か月間に10Lも炊きません。
    セカンドカーがお釈迦になったので今度こそ電気自動車と思い検索したところヒットしました。電気自動車比較表は非常に判りやすいのですが、電気自動車はまだまだ高い買い物です。モデルチェンジ予定&ニューモデル予定等付け加えて頂ければより参考になると思いますが

    1. 電動車両に夢中 様、コメントありがとうございます!また比較表の件、今後モデルチェンジおよびニューモデル等もカバーすべきというご指摘、承りました。今年は噂ではありますがe-ゴルフのモデルチェンジが発表、リーフのフルモデルチェンジが「発表」(納車は不明)になりそうです。テスラモデル3は日本導入は2018年と推測しています。

  12. 一覧表アップデートもされて大変参考になりました。当方、アウトランダーPHEV16年型とリーフ11年型に乗っております。自宅は太陽光発電システム+三菱のスマートV2Hで、リーフと連携しています。
    チャデモ装備車から選んだのは、EV車は電力システムとの連携が必要だからでした。
    また、目的地で普通充電器での充電は、されているのでしょうか?私は一回もありません。アウトランダーでは、急速充電すらしないです。充電ステーションでは時間従量制ですから、同じ30分掛けて課金されて、たかが10KW程度の充電量ではコスパが悪いです。プラグイン充電でのコスパ比較や、自社ディーラでの充電可否などもあれば参考になるかと思いました。
    あと余談ですが、アウトランダーで通勤時はエンジンを掛けたくないので、ヒーターは100v電源にセラミックヒーターつないで、暖を取っています。これ、口コミサイトでおすすめの方法でした。

    1. 次もEV買います 様、コメントありがとうございます!一覧表がお役に立小なりとも立てば光栄です。
      目的地充電の利用は、割と可能な限りは行っていますね。確かにNCSの普通充電料金はかなり割高に設定されています(三菱のプランを除いては2.5円/分=50円/kWhで、自宅より67%割高)ので、コスパを考えるなら普通充電器は使わないほうがよいでしょう。料金についてはあまりにも複雑なので、今後簡単に誰にでもお分かりいただける方法を検討していきます。
      あと暖房に、バッテリーを優先的に使う方法も三菱さんにフィードバックされてはいかがでしょうか?どうしても効率重視でヒートポンプ暖房にしてしまうと、効き始めが弱くなってしまうので、結局通勤時はあまり活用できなくなっちゃいますよね。個人的には、EVの暖房にはヒートポンプはあればベター、PTCヒーターは可能な限り搭載したほうが良いと思います。PTCヒーターはヒートポンプより熱効率は悪いですが、一瞬で暖かくなりますから、次もEV買います 様のようなシナリオにも対応できますよね。

  13. 一覧表が列名クリックでソートできるようになっていますが、
    ・EV走行(JC08)
    ・EV走行(EPA)
    の2列が文字列としてソートされているように見えます。
    例えば昇順にすると “BMW i3+REX 229→トヨタ プリウスPHV 26.4” という順になります。
    “(未公表)” という数値ではないデータが含まれている為ですかね…

    こういう一覧探していたのでうまいことソートできるようになるとよいなぁと。

    1. 通りすがり様、コメントありがとうございます!自分でも直したいと思っていたのですがちょっと調べたらWPのプラグインを入れれば良いようです。来週検討して試してみますね。

  14. 仕事の関係でこのサイトにたどり着きました。電気自動車、ハイブリッド車、プラグインの国内、海外車種を一覧化したサイトとかご存知ありませんか?

    1. koji様、ご質問ありがとうございます。うーんハイブリッド車や海外車種まで含めるとそういうサイトはないですね。ただ私の知る限りハイブリッド車は少なく、BMWのActive Hybridシリーズ、トヨタのハイブリッド車(かなりあります)くらいでしょうかね?電気自動車で国内販売されていないもの、という意味ではルノーのゾエ(Zoe)とかシボレー(=GM)のVolt(プラグインハイブリッド)やBolt(電気自動車)の三車種くらい??

  15. yasukawa様

    いつも参考にさせてもらっております。
    私はi-MiEVトラックに4年近く乗り続けております。
    普段は荷物を積んでいないので、跳ねて仕方がないので、思い切って5mmのゴムマットを荷台に敷き詰め、20Kgの砂袋3ヶを後輪より後ろに載せたら、すごく乗り心地が良くなりました。
    しかし電費がおちると思いBモード(D・ECO・B)で通常走行にしたら、なんと数キロ伸びたのです、恐らく200Nmのトルクと回生ブレーキが盛大に効くのが影響したようです。
    今まで普通充電250回、急速充電30回ほどしましたが、SCiBバッテリーはいまだに何も
    変わりません、友人の16kwhのバッテリーは一度交換したそうです。
    また何か気づいた事がありましたら報告致します。

    1. Cisla様、コメントありがとうございます!重くしても電費が良くなるというのは面白いですね。回生が効きやすくなったということなのでしょうかね。SCiBは耐久性が高いみたいですので、東芝さんももっともっと研究して、高密度の電池を世界のために作っていただきたいと思っています。

  16. 素晴らしい記事です。
    とても参考になりました。

    現在リーフとクラウンHVに乗っていますが、自宅の充電設備がCHAdeMO規格しか無いため高速充電対応のPHVを探すのが困難でした。
    一覧表、とても有り難いです。

    クラウンをPHVに買い替えようと思っていますが、現状だと2016モデルのプリウスPHVとアウトランダーPHEVくらいしか選択肢が無いですね・・・
    もう2~3年待って海外メーカーの急速充電対応に期待したい所です。

    1. こんにちは!コメントありがとうございます。
      チャデモのみというのもとても贅沢な気もしますが、そうなるとおっしゃる通り2車種しかなくて不便ですね。私見ですが、海外メーカーのプラグインハイブリッドは急速充電対応はしてこないのではないかと思います。現在米国での急速充電器のシェアはチャデモ>テスラスーパーチャージャー>コンボ1という状況、欧州ではチャデモ>コンボ2>テスラスーパーチャージャーという状況ではありますが、特に欧州ではコンボ2が急増しており、チャデモ対応は必須ではなくなりつつあります。またプラグインハイブリッドで10kWh以上のバッテリーを搭載するにはコストと場所の問題があり、急速充電速度もなかなか上がらないだけでなく(多くは20kWまでとなります)、その分トランクや車室が狭くなってしまうのでSUVでないと難しい面もあります。
      クラウンHVをテスラにするってのもありかと(笑)。

    2. yasukawa様

      お返事ありがとうございます。
      コンボ2なる規格があるのですね…勉強になります。
      自宅は三菱電機のSMART V2Hを設置している為チャデモのみとなっています。
      この規格で浸透していくだろう…とタカを括って設計しておりました。

      テスラも本気で検討した事はあるのですが、なにぶん多ければ600~800kmを1日で走る為(年に数回ですが)2台ともピュアEVは避けていました。
      大阪~東京を往復されている記事も拝見していますが、今一度勉強してみようと思います。

      ありがとうございます。

    3. SMART V2H導入されてるのですね。最高です。テスラもV2H導入してくれると良いのでしょうが、まだまだ優先度は低いでしょうね。もちろんSMART V2Hから充電はできるはずですが、放電もできたら1週間以上持ちそうですね(汗

      はい、大阪まで日帰り往復とかもしてます。
      https://blog.evsmart.net/tesla-model-s/roadtrip-tokyo-osaka5/
      これが最も最近です。行きは清水と岡崎で、帰りは大阪スーパーチャージャーで満タンにし、岡崎と駿河湾沼津で充電しています。えっと普通に運転すれば(汗 途中の充電は一回で済むと思います。

  17. 2011年度モデルのi-MiEV M グレードに乗ってます。
    通勤で往復約50km、うちに充電設備はありませんが
    通勤経路に3ヵ所(うち2ヵ所は24H営業)急速充電器があるので
    それで賄えている感じですね。

    急速充電器を使うときは80%〜93%くらいで充電を止め
    ほぼ毎日充電しています。

    中古で買って1年経ったのですが、乗ってみて思ったのは
    利点
    ・MRなのでハンドリングが軽快
    ・SCiBバッテリーはいくら使っても全く劣化を感じない
    ・(気温にもよりますが)急速充電器が50kW出力の場合、80%〜93%程まで125A流れる性能
    ・前後のタイヤサイズが違うのでタイヤのローテーションが不要

    欠点(こちらの方が多いです(^^;)
    ・MRなので仕方がないですが、フロントタイヤの減りが早い
    ・(とくに夏場)フロントガラスに紫外線/赤外線カットが非採用?なのでジリジリ感がキツい
    ・暖房を使用するとあっという間にバッテリーが減る(通常時より25%ほど減りが早い)
    ・寒さに強いSCiBバッテリーといえども気温一桁台だと60%〜65%までしか125A流れない
    ・寒いと走行可能距離が暖かい時期の2割減
    ・1日に何度も急速充電器を使用すると保護回路が働くのか、充電できるアンペア数が徐々に減っていく

    パッと思いつくのはこんな感じでしょうか。
    i-MiEVのMグレードはSCiBバッテリーは本当に素晴らしい性能と感じますが
    一番の欠点は短い走行可能距離よりもフロントガラスにUV/IRカットが採用されてない件ですね。
    現行モデルはUVカットガラスは採用されているようですが
    運転してて日焼けするのはいかんともしがたいので
    近日フロントガラスを交換予定です。

    1. じゃむ様、コメントありがとうございます!i-MiEVの特にMは電気自動車としては一つの究極の形ですよね。三菱さんもこれ、継続的に改良していって、究極のチョイノリ軽自動車を目指して欲しいです。
      バッテリーヒーターやクーラーを搭載し、容量を増やせばもっと使いやすい車になると思います。あと軽キャブは宣伝不足だし、軽トラは4輪駆動にして欲しい。燃費とか電気自動車は関係ないし プリウスPHVなんかと比べて電動部分の電費はとんでもなく良いわけですから、継続してモデルチェンジしていって欲しいですね。

  18. いつも楽しく記事を拝見しております。こんな一覧表、欲しかったです。EVに乗っていると、いろいろと質問されたりするのですが、こんな説明が充実した一覧表があれば、「これを見てください」で、きちんと伝わりそうです(笑)。シェアさせてください。
    ちなみに、私は初代リーフを2年前に安価で購入して乗っており、充電設備のないマンション住まいです。ですが、千葉の郊外に住んでいるので、充電環境に困ったことはありません。使用している充電カードは、日産のEVSPカード(急速充電器無料・¥2,700/月)とJTBコーポレートのおでかけカード(普通充電器無料・¥2,500/月)の併用で、全充電器の完全使い放題を実現しています(笑)。しかし、うちは年間に6,000kmぐらいしか走らないので、燃費によってはガソリン車よりも割高になります。それでも、燃費以外の面においても、リーフには満足しています。

    1. 渡邉様、コメントありがとうございます。いつもお読み頂いているのですね。感謝いたします。
      なるほど、EVSPとおでかけの組み合わせ、面白いですね!自宅充電なしでも運用できているとのこと、計画性のある方と推察いたします。しっかり計画すれば、お買い物ついでや外食ついでに充電できてしまいますよね。確かに電気自動車は街中ですらスムースでいてクイック。ストレスを感じさせません。

  19. i3(REX)に乗っております。通勤で毎日、往復120㎞(高速道路90%)走っていますが、EPA航続距離115㎞どころか、残り航続距離30㎞も残し自宅へつきますよ!高速道路は平均時速90㎞ってところだから、普通ですよね。特にのろのろ走っていません。ただし、ECOモード+エアコン無しですが。

    1. GTO様、コメントありがとうございます!
      毎日120kmの通勤、お疲れ様です。そうなんですよね、電気自動車の運転に慣れてきて、流れに乗って高速道路を走行し、エアコンなしならEPA航続距離を上回って走行することももちろん可能です。GTO様は運転が上手いんだと思いますよ。ただ人によってはどうやっても電費が上がらず、EPAを達成できない方もいらっしゃるようです。私の経験では、時速100kmを最高速度として高速道路を走行し、エアコンなし向かい風なしでも、EPAを1割くらい下回ってしまう方はいらっしゃいます。プリウスのエコ運転のブログとかはたくさんありますが、電気自動車も慣れればかなり節約できますね。

  20. はじめまして、北海道で電気自動車(リーフ2代目)を乗っています。

    なかなか電気自動車は実際に走らせてみると、メーカーも想定しない事が相当出てくるなあ・・・。というのが本音です。

    実情では北海道では夏場だけの乗り物・・・ですね、というのも暖房が全然効かない(エンジンを始め熱源がない)&暖房を効かせると走行距離が極端に落ちる&自宅に充電器があっても暖房分の電気を充電でまかないつつ暖められないという点はとても不利ですね。
    (納車された時に社内のバックミラーにコードがつながっていて、熱線内蔵のバックミラーの意味が冬場でわかりました。とにかく曇りまくって凄い・・・)

    なので、軽自動車を足にもう一台用意して使っています。

    次世代技術もメリットもあればデメリットもあるというなかなか難しい世界ですね。

    (LEDも発熱が少なく低電力ですが、雪を溶かさないという危険性もあるので)

    やはり「寒冷地」でバッチリ使えるようにならないと、北海道ではまだまだハイブリットの次世代、とはなりにくいかもしれませんね・・・。

    1. にわとり様、コメントありがとうございます!
      なるほど、確かに私も雪国出身なのですが、その状況は良く分かります。対策としては、バッテリーを大きくする、自宅充電の容量を上げることしかないのですよね。
      モデルSのオーナーは北海道にもカナダにもアラスカにもノルウェーにもいらっしゃいます。日本は特に湿度が高いので特殊性はあると思いますが、車内は基本除湿暖房、充電は最大20kWというパワーのおかげで、気温マイナス20℃の地域でも使えているとのことです。バッテリーの技術が高度化し、低コストになれば、十分実用になるまでの辛抱という感じですね。ちなみに、モデルSの車内用のヒーターは7kW、バッテリーヒーターは3kWくらいらしいのですが、バッテリーは毎日乗る場合キンキンに冷えちゃうことはないと思うので、充電器はおおよそ10kWあれば十分ということになるかと思います。

  21. 「リーフは、自宅充電が必須になります。」とありますが、私は都内のマンション住まい。充電設備は個人では作ることが出来ません。30kwになったリーフを1月から乗っていますが、急速充電スポットが歩いて10分以内に二箇所、車で5分以内に三箇所あるので、全く困ることはありません。スポットの数だけでいえば、少なくなっているガソリンスタンドの比ではありません。急速でも90%を超えることがほとんどで、そもそも一気に長距離を稼がないと困るドライブは現状EVでは難しいので、100%充電に拘る理由はありません。都会の集合住宅住まい、借家住まいの皆さん、全く問題無いですよ。

    1. 24kwの初期型リーフを106,000km乗り、昨年末に30kwに乗り換えました。回生ブレーキの能力が上がった為、冬場の暖房を付けて200km走ります。暖房なしでは230knは走りますので、自宅に充電器が無くても差し障りありません。単なる電池容量だけでの比較では無く、試乗してからの特筆を筆者に求めたいと思います。

    2. Uruchan様、お世話になっております。コメントありがとうございます!30kWhリーフにされたとのこと、おめでとうございます。
      実際に私のテスラモデルXでも、EPA 462kmのところ、暖房オフで一般道なら180Wh/km出せますので、549kmも走ってしまいます。

      ただそれは記事の対象者として想定している、電気自動車を初めて購入する方々には達成不可能なのですよね。おそらく慣れない方ですと摩擦ブレーキも回生ブレーキも使われてしまうでしょうし、高速道路も流れに乗って制限速度を超えたり、加減速が多くなったりしてしまうと思います。私も普通に運転すると、やはりEPAを若干達成できない感じなのですよね。

      そういう背景から、当ブログでは航続距離に関してはEPA基準を用い、また自宅充電も同様の理由で必須という立場を取っています。ご了承くださいませ。

  22. PHEV に急速充電(アウトランダー)は現状の充電器の設置状況では、特に高速道路上ではEV にとって迷惑なだけの存在です。(電キャブ乗り)
    他社のPHEVが急速充電に対応していないのはコストの問題以上のものを感じます。
    先日アウトランダーをレンタルしてev 優先で高速道路を走りましたが、ecoモードでも充分快適だったのと結構な回数充電しているアウトランダーに遭遇しました。
    このときは自分もそうだったのですがね(T_T)
    トヨタの充電器は通常速度のようですから次期プリウスPHV も高速充電には対応していないのはないかと思います。
    EV 乗りにとっては一安心出来るかな?
    来年には日産からレンジエクステンダーが発売されるとか。
    注目しています。

    1. maehiro様、急速充電を使えるPHEVについては所論あると思いますが、今の時点ではまだ黎明期。PHEVの方は少しでも急速充電されたいと思いますし、BEVの方は急速充電器で待ちが出ると影響が大きいし、長距離BEVから見ると30分制限が短すぎて迷惑だったりもします。すべての人に最適な環境は、充電器の数をパラパラと別の場所に増やすことではなく、1か所にまとめて4台、8台と設置していくことにあります。4台設置できない場所には、補助金も不要かと思いますし、4台以上設置できる場所には、キュービクルや年間の点検費用も含めて補助してもよいのかも知れません。

  23. よくまとまっていますね。定置用蓄電池に関わる仕事をしており、いつも参考にさせて頂いています。
    ユニットとしての電池電圧やデンチベンターの情報があれば追加してほしいです。

    1. 蓄電太郎様、プロの立場からのご感想をありがとうございます!電池ベンダー情報は車関係は素人なりにいろいろ調べておりますが、定置用はほとんど知識がありません。ただ定置用も今後は自動車用のシェアに引っ張られる形になるのではないかと想像しています。現在日本産のパナソニック電池を使っているパワーウォールがギガファクトリー産に変わるとき、市場がどう変化するかが注目ですね。

  24. とっても素晴らしい記事です。i3(Rex)に乗っていますが、車は大切な足と思っていましたが、靴なのかなと思い直しました。自分の乗り方に合った車を選ぶことが大切です。自分の場合は、長年の車を使った経験から、i3がベストチョイスでした。毎日乗ったり、長距離が多かったりだったら、別の車を選んでいたと思います。今のライフスタイルとecoを考えて軽いスニーカーがi3だったのかなと思います。リーフやi3(BEV)も考えましたが、リーフで電欠の恐怖は味わいましたので、安心感のある、そしてテスラのような重厚感より軽くて未来志向の車がi3でした。これまで次々に出てくる新しい車に出会い乗りましたが、これ以上の車にはしばらく出会いたくありませんね。FCVも水素社会の実現にはインフラの設備投資にどのくらいかかるのか見当がつきません。でも、イノベーションがいつどのように起こるか分かりませんが、電気自動車はつなぎなのかもしれませんが・・・。

    1. 島崎様、コメントありがとうございます。おっしゃるように自分のスタイルに合わせて車は選択するのがよいですね。BMWは日産と並んで電動化車両に大きく投資しているメーカーです。シャーシが専用設計なのはBMW iシリーズ、日産リーフそしてテスラモデルSとXだけですからね。その重要性に気づいているのだと思います。

  25. プリウスとプリウスPHVは別ものなどではありません‼️バッテリーの大きさとプログラミングが違うだけでエンジンもモーターも一緒です(^_^)v

    正しい記事を書いてください‼️

    1. 鈴木様、コメントありがとうございます!中身が一緒で、見た目が違ったり味付けが違ったりする車はたくさんあります。その中で、プラグインとプラグインでない車は使い方・価格帯・ターゲット層が全く異なりますので、違う車としてよいと考えております。

    2. 使い方・価格帯・ターゲット層が全く異なり…
      そうかなぁ?
      中身が同じなら同じ車と表現すべきでは?
      では、ベンツSクラスとベンツSクラスロングは
      別の車なのでしょうか?
      使い方・価格帯・ターゲット層が全く異なりますが?

    3. 荻野様、コメントありがとうございます!私への返信ですよね。プリウスに関していえば、ノーマルとPHVでは、PHVはガソリンのみで充電せずに運用した場合は燃費性能がノーマルより悪く、70万円高く、かつ新型では定員が4になったので一人少なくしか乗れません。これで同じ車ということはやはりできないと思います。PHVは自宅充電が基本となり、価格帯も70万円高いと一つセグメントが上がってしまいます。

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この記事の著者

安川 洋

日本アイ・ビー・エム、マイクロソフトを経てイージャパンを起業、CTOに就く。2006年、技術者とコンサルタントが共に在籍し、高い水準のコンサルティングを提供したいという思いのもと、アユダンテ株式会社創業。プログラミングは中学時代から。テスラモデルX P100Dのオーナーでもある。

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