日産販売店で家庭用電力代理販売開始。リーフの電気代が安くなる?

日産自動車は2019年6月18日に、日産リーフのユーザーを対象にした家庭用電力の代理販売を本年度後半より開始すると発表しました。リーフの国内累計販売台数は10万台を突破(2018年4月)。2017年には2世代目が発売、今年1月には大容量62kWhのバッテリーを搭載するe+(イープラス)が追加され、ますますユーザーは増えていくでしょう。今回の「家庭用電力代理販売開始」の発表には、どんな意義があるのでしょうか?

日産販売店で家庭用電力代理販売開始。リーフの電気代が安くなる?

EVを充電する電気代を安く提供?

電気自動車(日産リーフ)には、
① ガソリンスタンドに行かなくてよい=ガソリン代がかからない
② 月額2000円のZESP2使い放題プランを利用すれば急速充電がほぼ無料

といったメリットがあります。もちろんほかに、走行時のCO2の排出量がゼロになる、といったこともありますが。

自宅で充電することを考えると、電気自動車ユーザーにとってもっと嬉しいのは「自宅の電気料金が安くなる」ことですよね。

日産ではかねてから、家庭用電力についての取組を行ってきています。まず、2年前から伊藤忠エネクスグループのエネクスライフサービスと大阪の日産販売店で家庭用電力を販売。また、出光昭和シェルでは今年4月からEVユーザー向けの電気料金プランを提供。そしてLooop(ループ)とは、昨年度よりEVユーザー向けの基本料金0円の電気料金プランを提供に向けて実証実験を行っています。

今回の発表は、こうした取組をさらに本格化させて、リーフユーザーに広げていこうということなのかな、と思います。

でも、今ひとつピンと来ない、、、というわけで、日産自動車広報部に、いくつか質問してみました。

① 伊藤忠エネクスサービス、出光昭和シェル、ループの3社の料金設定は同じか?
各社によりさまざまなサービスを提供しており、料金は異なります。

② 実際このサービスを使ったら、料金はいくらか? どれぐらい安くなるのか?
電気料金のプランというのは現状、全国数百社が1000以上のプランを提供しています。どれぐらい安くなるのか? ということは今、お客様がお使いになっているプランによるので、回答しかねます。イメージとしては、携帯ショップでスマホの料金をご相談いただくように、販売会社で現状の電気プランをお伺いし、それより安い料金プランが無いか調べて提案する、ということを目指しています。

③ このサービスで料金以外のメリットはありますか?
充電ステーションに行かずに、家でEVを充電する便利さを体感していただけば、大きなメリットを感じていただけると思います。ただし、家で充電すると「電気料金が高くなってしまうのではないか?」という心配の声を頂戴していますので、家でのEV充電をより行いやすくするために、今回のサービスの発表の運びとなりました。

④ リーフ以外のEV利用者でもこのサービスは受けられますか?
エネクスライフサービスに関しては、サービス提供を日産のEVだけに限っています。出光昭和シェル、ループに関しては、日産車以外でも同じ使用料金となります。

⑤ ループで行った実証実験とは、どのようなものですか?
EV充電に使用した電気量がわかるよう、特別なメーターで測り、その分の電気代だけ通常定価より安く提供できないかという実験です。EVを持っていること、さらにそのEVを家で充電することのメリットを感じられるようなプランを提供するための実証実験です。

なるほど。「電力自由化」で電気を販売するサービス会社が増えたため、日産がリーフオーナーに向けて今までの電力会社よりも低価格のサービス会社があれば、それを提案するということのようです。電気版「保険の窓口」のようなサービスと理解するのがいいのでしょう。

Looopからは、6月18日に『EVオーナー様向け電力販売の協業を開始』というリリースが発表されていますが「プランの詳細内容につきましては、また改めまして発表」とのこと。

全体としてまだ具体的なメニューや契約方法、全国どこのディーラーでもサービスが提供されるのかといったことなどがアナウンスされているわけではないので、現在はまだ、日本全国のリーフユーザーの方に「日産販売店で契約するとリーフを充電する電気代が安くなるかも!」と案内できる段階ではないのかもしれませんが、少しわかりにくいな、と、思いました。

いずれにしても、自動車販売会社が家庭用電力にまで視野を広げてサービスを提供するというアイデアが広がっているのも、リーフが電気自動車であるからこそでしょう。電気料金のことってわかりにくいので、ディーラーで相談すればいろいろ比較してアドバイスをもらえるだけでも価値があるかも。個人の家庭でも再生可能エネルギー100%を選んで契約できるプランとかもできるといいですね。

広報部のご担当者の方も、畑違いの質問に戸惑ったのか確認部署が多かったのか、ご回答をいただくのにいつも(新車に関すること)より時間が掛かった印象でした。お手数をお掛けしました!

日産からの続報に期待しています!

(吉田由美)

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この記事の著者

吉田 由美

短大時代からモデルをはじめ、国産自動車メーカーのセーフティドライビングインストラクターを経て、「カーライフ・エッセイスト」に転身。クルマまわりのエトセトラについて独自の目線で、自動車雑誌を中心にテレビ、ラジオ、web、女性誌や一般誌まで幅広く活動中。

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