東京=大間 弾丸紀行完結編〜EVの急速充電インフラと最適なバッテリー容量を考察

電気自動車『FIAT 500e』を駆っての東京~大間弾丸紀行「復路編」です。テーマは「小さなバッテリー容量でもやり方次第でけっこう早く目的地に着くことができるかもね」。走りながら、日本の急速充電インフラを効率よく使ってEV普及につなげるためのポイントも考えてみました。

東京=大間 弾丸紀行完結編〜EVの急速充電インフラと最適なバッテリー容量を考察

天気晴朗なれど風強しの下北半島

2023年4月14日、青森県大間町の朝は爽快でした。前日、約16時間半をかけて東京~大間を走破したあと、大間のマグロのカマ焼きを堪能したあとは早々に眠りについたこともあり、天気同様、頭も爽快です。

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焼き魚に卵焼き、納豆、卵、味噌汁という定番朝食をかきこんで荷物をまとめて駐車場に行くと、すでに寄本編集長の愛車日産『リーフ』の姿がありません。もう競争はないのですが、なにやら急いでいるようです。

「チキチキ東京ー大間キャノンボール対決」に参加するにあたって、筆者はNEXCO東日本の東北観光フリーパスを利用していました。このパスだと規定の料金より少し安くなるほか、インターチェンジでの乗り降りが自由にできるからです。

ただし期間が3日間なので、14日の夜12時までに東北自動車道を抜ける(浦和本線料金所を通過する)必要があります。往路と同じ時間をかけているとギリギリです。

とはいえ、せっかく下北半島まで来たのですから、ちょっとだけ東通村にある東通原発PR館『トントゥービレッジ』に寄ってみることに。下北半島を東側から抜けても、往路のように野辺地周りで行っても、距離はほとんど変わらないのが助かります。

東通原発PR館『トントゥービレッジ』

まずは大間町からむつ市まで戻り、充電してから下北半島を県道7号線で横断して太平洋側の東通村へ。東通村では30分ほどかけてPR館やその周辺を見物しました。電気をどういうところで作っているのかは気になるところなのです。

ここから東京までは、電費を最優先した往路とは少し違う走り方で帰ってみることにしました。ポイントは、「速く走れるときは速く走る」です。

東通村あたりはすごい黄砂でした。

折爪SAで初めての「おかわり充電」

まずはトントゥービレッジから一気に下北半島を南下。八戸自動車道の折爪SAを目指します。遮るものがほとんどない平たんな一本道では、屋根を全開にして走りたいところですが、折からの強風が黄砂を巻き上げていて視界すら霞むので諦めます。せっかくなのに、もったいないことです。

時間にして約2時間、ほぼGoogleマップの予想通りの時間に折爪SAに到着。SOCは25%だったので少し余裕がありますが、折爪SAから先は勾配がきつくなるので充電を優先します。

往路でも書いたように、『FIAT 500e』の場合は50kWの充電器だと、受け入れ電力は40kW程度(110A/370V前後)になります。実際のSOCも30分で50%程度回復します。

なので25%からだと30分で75%ちょっとになるのですが、ここで4分間ほど、おかわりして85%まで入れておきます。これ以上続けても電流値が30A以下まで落ちるので、時間とお金の無駄です。

でも85%までなら作業時間も合わせて5分程度。時間のロスより、5%で10数キロ伸びた方が、なんとなくいいような感じがしたのです。そしてこれがあとで、運命の分かれ道になったのでした。

空気抵抗は速度の二乗に比例する……

折爪SAの次に予定していたのは前沢SAでした。距離にして約170km。車の航続可能距離表示では210kmになっているのでデータ的には余裕のある距離ですが、岩手の山を考えるとちょっと微妙です。

ということで、速度は速めにしつつ、SOC的に厳しかったら一つ手前の岩手山SAに立ち寄ることにします。

岩手県内の東北道は制限速度120km/h区間がけっこう多く、いい感じで流れていました。負けじと、下り坂では少しだけ、ほんの数ミリ程度アクセルを開けて勢いをつけて、あとはコースティングになるように走ります。

メーターパネルに表示される車両データを見ていると、上り坂では平均電費が5.4km/kWhくらいまで落ち、下りで少しずつ回復のサイクルを繰り返しています。それと合わせて速度を考えると、90km/hを超えてスピードを1割くらい上げると、電費が2割ほど落ちていくような印象です。

そういえば以前、車の開発者から、速度が早い場合の空気抵抗は速度の二乗に比例して増えていくという話を聞いたことを思い出しました。90km/h以下だと、100km/hを超えたときほど大きな違いは感じなかったので、どこかに分岐点があったのでしょうか。まあ、個人の感想ですけど。

そんなことを考えながら、平均電費が極端に落ちないような分岐点をさぐりつつ、できるだけ平均速度を上げるよう調節しながら走ってみたのでした。

高速道路から一時退出で命つなぐ

SOCと残り距離を見比べながら走る、人間電費コンピューター走法が奏功したのか、厳しいと思っていた前沢SAへも少し余裕をもって到着。『FIAT 500e』、優秀です。

が、喜んでいられたのはここまで。急速充電器に近づくと、見知らぬ『リーフ』が止まっているのが見えたのです。

「うぁぉ!」と声にならない声を発したような気がしました。しかもアプリの「高速充電なび」を見ると、筆者が到着する1分前に充電を始めたばかりではありませんか。ここで待つかどうか、一瞬、迷ったのですが、思い切って高速を降りて一般道で充電するルートに変更です。

アプリ『EVsmart』で探すと、少し先にある一ノ関スマートインターを降りて数キロのところに50kWを設置している日産チェリー岩手販売一関店が見つかりました。後で知ったのですが、奇しくも往路で寄本編集長が充電した場所と同じだったそうです。

速攻で前沢SAを離れて走り始めると、すぐにSOCが10%になり、メーター内の表示が全体的に黄色くなりました。加えて、一部の機能が制限されるという警告も、時折出るようになりました。

取扱説明書が手元にないのでなにが制限されているかわかりませんが、80km/hで走ることはできたので特に問題はありません。

一ケタになってさらに減っていくバッテリー残量を気にしつつ、目指す日産に無事に到着したときにはSOCは7%。折爪SAでのおかわり充電がなかったらと思うと、ちょっと冷や汗が出ました。

ここで、次に誰も来なければ85%までおかわり充電することにします。ついでに、折爪SAで買ってきたおにぎりとパンでランチです。

結局、54分間できっちり85%まで戻すことができ、人間も休めたのでした。しかもこの日産ディーラーから数キロ南には一関インターチェンジがあったので、距離、時間のロスも最小限に抑えることができました。

ちなみに折爪SA~日産チェリー岩手販売一関店は、メーター表示で190.3km。出発時の予測航続可能距離とほぼ一致していて、東京~大間往復の中ではいちばん長い区間走行距離になりました。

東京まで14時間57分!

ここからは一気呵成に東京を目指します。途中、寄本編集長から、「(アップデート前の)bZ4Xに勝てる!」という煽り電話をもらったことと併せて、往路では少し半端に終わってしまった『500e』のポテンシャルを試してみたいという思いも強くなってきました。

ということで、SOCと平均電費、残りの航続距離やルートのアップダウンを考えつつ、速度を必要以上に落とさずできるだけ区間距離を伸ばすことに注力します。国見SAに到達した時にSOCは18%と、ちょうどいい感じになっていました。

ここで30分充電、SOC59%にしたところで、次を目指します。おかわり充電も考えたのですが、国見SAは40kWです。それより安積PAの50kW器をフルに使って85%にした方が時間のロスが少ないかもと思い、早々に出発しました。東京までの距離を考えると、どのみち、あと1回の30分充電に加えて、補充電が2回は必要になりそうだったからです。

ということで、約80km先の安積PAまで、少し平均速度を上げて行きました。到着時にはSOC27%だったので、30分に加えて数分のおかわりで85%になります。

次の人が来ないように……という祈りが通じたのか、夜それほど利用者が多くないからなのか、無事にSOC85%に回復。さらに羽生PAで10分だけ充電し、杉並区の家まで帰り着くことができました。

自宅近くに着いたのは22時37分。トータル14時間57分でした。下北半島での寄り道が約30分なので、差し引きすると14時間27分です。

往路と復路で時間が2時間近くも違ったのは、「速く走れるときは速く走る」ことのほか、バッテリーを容量いっぱいまで使ったことが要因だと思います。EVはエネルギーマネジメントが大事だということを改めて感じました。

それに加えて、ルートも違うし外気温も違うので比較になりませんが、千葉の浦安から大間町まで、第1回のチキチキで14時間37分だったトヨタ『bZ4X』に肩を並べることができたようで、めでたしめでたしだったのでした。

なお、『bZ4X』は4月に発表されたアップデートによって少しだけ急速充電しやすくなったようですが、電費の違いを考えると、『500e』は環境性能だけでなく実用性もかなり高いのではないかと感じたチキチキドライブでした。

羽生PAで最後の充電。

高速道路の乗り降り自由ならEV普及に大きなプラス

最後に、今回のロングドライブで考えたことを記しておきます。まず頭に浮かんだのは、「高速道路の乗り降りが自由にできればEV普及に大きなプラスになる」ことです。

今回は一ノ関で一時退出をして日産ディーラーに行きましたが、実はここ以外でも、各地の高速道路ICの周辺にはけっこうな数の自動車ディーラーがあります。

今、日本では高速道路上の急速充電器増設を急いでいます。でもまだ時間はかかるし、急げばコストも増えます。一方で高速道路のすぐそばには、たくさんの急速充電器があるわけで、これを活用しない手はありません。方法は簡単で、高速道路からの一時退出を自由にできるようにすればいいだけです。

今でも、筆者が使ったような周遊パスがあれば、一時退出は可能です。つまり技術的な問題はありません。あとは、何らかの方法で対象範囲をEVユーザーに広げれば、急速充電インフラの普及速度が一気に上がり、EVユーザーの利便性も加速度的に増すのではないでしょうか。

一時退出に不条理な制限をつけるのはEV普及を阻害する

一時退出に関しては、政府も策を検討中です。

2023年3月末に国土交通省と経済産業省は共同で「高速道路における電動化インフラ整備加速化パッケージ」(以下、充電インフラパッケージ)を発表し、高速道路外のEV用充電器の活用を検討しています。

充電インフラパッケージでは、退出から1時間以内に高速道路に戻ること、および退出中に充電することを条件に、一時退出ができるようにすることを計画しています。

ただ問題は、以下の関連記事でも指摘しているように充電の課金をETCカード限定にする可能性があることや、利用可能なのは全ICではなく一部のICに限定される可能性があること、退出したICと同じ所から戻らなければいけない可能性があることなどです。

【関連記事】
ETC決済必須? 発表された「高速道路外のEV充電器の活用」案の問題点を考える(2023年4月6日)

国交省によれば、一時退出の幅を広げると高速道路会社が減収になる、その場合に借金返済の財源をどうするのかということになる、だから制限をつけているのだそうです。

一方で、4月6日のEVsmartブログの記事でも指摘しているように、道路局高速道路課では減収額や、それによるEVユーザーへのメリット、普及に向けたコスト換算などの試算はしていません。試算する予定もありません。筆者が国交省担当者に確認したところ、なぜ試算しないのかについて、具体的、合理的な回答はありませんでした。

要するに、一時退出に制約をつけるのは高速道路会社の損失を防ぐためで、言い方を変えれば、ユーザーの利便性やEV普及より高速道路会社の利益を優先したとも言えそうです。

もうひとつ問題なのは、入退出を同じICからしなければならない可能性があることです。東京~大間ドライブでの筆者がそうですが、一時退出して利用した急速充電器は、目的地に向かって先に進んだ場所にあったため、元のICに戻らず、さらに先にある別のICから入りました。

急速充電器がどこにあるかで再入場するICは変わってきます。同じICに限定するのは合理性に欠けるし、利便性も損ないます。

一時退出が可能になるのは大歓迎ですが、使い勝手の悪い制度を導入するのは公益を損なうように思えてなりません。実施時期や方法はまだ検討中とのことなので、国交省は是非、EVユーザーなど関係者の意見に耳を傾け、EV普及につながるような方法の採用をお願いしたいと思うのです。

42kWhのポテンシャルは高い

もう一点の感想は、長距離ドライブで感じたのは、『500e』の42kWhというバッテリー容量のポテンシャルの高さです。

EVsmartブログでは何度も言及しているように、EVの航続可能距離、走行性能は、急速充電器をはじめとする経路充電インフラの性能にかかっています。急速充電器の性能が低ければ、バッテリー容量が増えても継ぎ足し充電後は航続可能距離は伸びません。それにバッテリー容量を増やすと車が重くなり、電費が悪くなります。

他方、急速充電器の性能を上げていくとコストが上がり、設置数を増やすペースが落ちかねません。自動車メーカーの協力がもっと増えるなどの動きがあればいいのですが、一筋縄ではいかないようです。

それなら、急速充電器の性能とEVのバッテリー容量のバランスはどのあたりがいいんだろうと考えていたのですが、『500e』で走ってみると、40kWhあたりだとコスパが最適化されるんじゃないのかなあと感じたのです。プラスアルファで、50kWhでもいいかもしれません。

例えば『500e』の場合、1回の充電で85%くらいまで入れば、高速道路で流れに任せて走っても200kmは走ることができました。急速充電器が90kWになれば(かつ車両が対応すれば)、どれだけSOCが減っていても30分で85%は確保できます。

バッテリーの量が減れば車重は軽くなり、電費は良くなります。今回の大間~東京では、車のメーター表示で平均電費は7.4km/kWhでした。

バッテリーを大量に搭載しても、電費が悪くなれば元も子もありません。前回の『bZ4X/アリア/モデルY/IONIQ 5』による東京~大間テストでは、テスラ『モデルY』の6.5km/kWhは別格として、1kWhあたりの走行距離は、ヒョンデ『IONIQ 5』が5.6km、日産『アリアB6』が5.1km、トヨタ『bZ4X』は4.8kmです。

区間によっては8km/kWhを超える電費も!

バッテリー搭載量が2倍になっても、航続距離は比例して伸びないですし、急速充電インフラで充電できる電気量は基本的に、車のバッテリー搭載量に関係なく充電器の性能で決まります。

将来的に大容量バッテリーEVの電費が向上するような技術革新があるかもしれません。でもその時には、小バッテリー容量のEVも航続可能距離が伸びます。狭い道が多い日本の道路事情にも、小型EVなら問題なく適応できます。

そんなこんなで、大容量の高級EVではなく、価格を抑えた普及版EVの登場が待ち遠しい今日このごろなのでした。

取材・文/木野 龍逸

この記事のコメント(新着順)7件

  1. アイ・ミーブXに新車から9年で18万キロ以上乗りました。

    >急速充電器の性能とEVのバッテリー容量のバランスはどのあたりがいいんだろうと考えていた
    個人的に考える最小公倍数なEVはこんなところかな?と思っています。
    ・(可能なら)軽サイズ。大きくてもBセグメントまで。
    ・電費 10km/kWhの省電力
    ・電池搭載量 30kWh
    (=満充電で300km?、未使用領域10%としても満充電270km?)
    ・CHAdeMOプロトコル1.2+6kW普通充電
    ・SOCが減った状態から125AのCHAdeMO充電30分で20kWh充電出来る。
    (=1回のCHAdeMO充電で200km走れる。200ACHAdeMO充電なら23kWh程度充電出来る)
    ・駆動用電池冷却機能(電池の種類によっては加温機能も)
    ・V2L&V2H対応

    本文でもお書きですが、電池を大量に積むことで重く&電費も悪くなり、大電流のCHAdeMO充電を30分しても大して走れないのは「それって何か違うのでは?」と思っています。

    1. 電池搭載量30kWhのEVが充電30分で20kWh充電出来るのはかなり条件がよい場合で、充電インフラが不十分な現在の状況ではほとんど不可能だと思います。もし充電30分で20kWh充電したいなら50kWhの電池搭載量は必要だと思います。
      30〜40kWhのEVがあまり売れないのは電池搭載量が中途半端だからだと思います。やはり50kWh以上ないと長距離を走るには不十分で、これをテスラが証明しています。もし電池搭載量を抑えたいなら、近距離走行に徹して10kWh程度にするべきだと思います。

    2. seijimaさんへ。
      >電池搭載量30kWhのEVが充電30分で20kWh充電出来るのは・・・ほとんど不可能だと思います。
      私のアイ・ミーブX(電池搭載量16kWh)で、125A流れるCHAdeMO充電設備で充電を行い、30分充電時の充電器の電力量表示で10kWhを超える表示をする時も有るので、私のアイ・ミーブXの約2倍(=30kWh)でアイ・ミーブから10年以上経過した技術革新も盛り込めば、それなりに可能では?と思っています。

      >50kWhの電池搭載量は必要
      現状で例えるなら、ZE1リーフ(非+e)越え、ATTO3辺りになりますよね。
      現在の日本の自動車の売れ行きから考えると「現状よりも小さいもの」の方が良いと思っています。

      >30〜40kWhのEVがあまり売れない
      過去から含めるとZE0リーフ(30kWh)やZE1リーフ(非+e)辺りを差していると思うのですが、3ナンバー車で盆・正月・GWの帰省用と考えるならば電池冷却機能が無いために電池温度上昇に伴う充電電流の低下などが未対策だったために売れなかったのだと思っています。
      そうならないように、駆動用電池冷却機能(電池の種類によっては加温機能も)備えることにより問題にならないと考えています。

      >50kWhの電池搭載量は必要
      たくさん電池を積めば、自宅などで満充電してから1回目の一充電走行距離は伸びると思います。
      ただ、たくさん電池を積めば重くなる、価格も高くなる。
      また重くなるので、電費が悪くなる
       ↓
      125AでCHAdeMO充電して得られる電力量だと電費から計算して走れる距離が短い
       ↓
      もっと大きな電流で充電したい
       ↓
      (大きい電流が流れる)充電設備の設置&維持費用も高くなる
       ↓
      充電設備設置のハードルが高くなる
       ↓
      充電設備の設置が進まない

      と言うスパイラルに入っていそうに思っています。

      上記の諸々を考えると、個人的に1つ前のコメントに書いたスペックが1つの最小公倍数になりえる可能性が有るかな?と思っています。

    3. 理屈としては、30kWhEVでも30分20kWh充電は可能だと思いますが、それはSOCが低いことろからの充電であって、実際には常に低いところからスタートできるとは限りません。近くに充電スポットがないといった様々な事情で充電残量は半分あるけれど充電しなければならないということもあります。半分以上のSOCだと充電流値は落ちてしまうので、20kWhの充電は難しくなると思います。
      しかし、バッテリの充電範囲が広いと20kWh充電するための充電スタートを広く取ることができます。充電回数を減らせる可能性も高い。その意味で50kWhのEVというのは長距離走行を行う場合の現実的な選択だと思います。
      もちろんバッテリが大きいと重くなり電費は落ちるでしょう。しかし、充電時間が長い現状を考えると、1回でも充電回数を減らせる快適さは大きいと思います。何かを犠牲にしているという感覚をなくさないとEVは普及しないと思います。

    4. seijima さま、よこよこ さま、コメントありがとうございます。

      個人的には40 kWhもあればいろんなライフスタイルで楽しく使えるEVになると思っています。

      バッテリーの小さなEVライフ、楽しみましょう!

  2. こういう記事は、初めのうちはとっても参考になって、個人的には大好きなんだったけど、ふと、BEV未経験者のユーザーの気持ちになった時に、じゃぁ、どうマネジメントすればいいの?3つくらいにまとめて、となった時に、未経験の読み手からすると訳がわからない記事だなと思うようになった。経験者は面白いのだけど。

    1. shibata さま、コメントありがとうございます。

      ですよねぇ。
      でも、今しばらくは地道に叫び続けようと思います。m(_ _)m

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この記事の著者


					木野 龍逸

木野 龍逸

編集プロダクション、オーストラリアの邦人向けフリーペーパー編集部などを経て独立。1990年代半ばから自動車に関する環境、エネルギー問題を中心に取材し、カーグラフィックや日経トレンディ他に寄稿。技術的、文化的、経済的、環境的側面から自動車社会を俯瞰してきた。福島の原発事故発生以後は、事故収束作業や避難者の状況のほか、社会問題全般を取材。Yahoo!ニュースやスローニュースなどに記事を寄稿中。原発事故については廃棄物問題、自治体や避難者、福島第一原発の現状などについてニコニコチャンネルなどでメルマガを配信。著作に、プリウスの開発経緯をルポした「ハイブリッド」(文春新書)の他、「検証 福島原発事故・記者会見3~欺瞞の連鎖」(岩波書店)など。

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