もう電気自動車での長距離旅行は慣れているということで、充電の計画も結構ラフに立てていますが、前回の山形旅行と比較して往復ともテスラ専用の急速充電設備であるスーパーチャージャーが利用できる分、かなり余裕となっています。
目次
充電計画
今回の最初の宿泊地は山形県米沢市の小野川温泉にある旅館河鹿荘さん。前回の山形旅行と同じ宿泊地です。東京からは片道350km弱ということで、まあ1日目の行程はこのくらいが楽です。もちろん行こうと思えば6-7時間かけて500kmとかも移動できますが、それだけの時間をかけて何を狙っていくかによりますよね。河鹿荘で1泊して国道113号を西へ。新潟県に入ってすぐの関川村にある鷹の巣温泉喜久屋さんに宿泊します。まあ1泊目は米沢牛、2泊目はコシヒカリの新米を食べる旅ですね(笑)
今回も往路は東北道、113号を西へ行って帰りは関越道を使います。そして!!東北道佐野と関越道高崎にはそれぞれスーパーチャージャーがあります。ちょっと東京に近すぎると言えば近すぎるのですが、マンション住まい等で自宅充電がままならない状況の都心部の電気自動車オーナーが、何とか100kmの航続距離を充電しさえすれば、東北道もしくは関越道を使った旅行はスーパーチャージャーで充電できるので、行きも帰りも心配ない、というわけですね。例えば出発時に100km分を確保していれば、スーパーチャージャー起点に片道150kmすなわち100+150=片道250km程度の旅行は「知らない充電器を使わずに行ける」という安心感があるのです。スーパーチャージャーに空で戻ってきてもすぐ充電できますからね。ちなみに佐野は4基、高崎は6基、120kWの急速充電器が設置されています。
とはいえ佐野で長居する必要はないので、ある程度充電量を確保した状態例えば残350kmくらいで出発すると仮定します。佐野では充電しつつ10分程度トイレ休憩。その後お昼を食べる必要がありますが、安積PAまたは安達太良SAで適切な時間になりそうです。安積PA下りは50kWで充電が速いけどレストランはラーメンくらい?、安達太良SA下りは40kWで充電が遅いけどレストランはおそらく充実?という感じで、当日は流れで決めたいと思います。一応安達太良SAで45分の計画を立てておきましょう。宿泊予定の河鹿荘さんには充電器がありますので一晩中充電する計画を立てます。
2日目は宿間の移動がメインですが、喜久屋さんを過ぎたあたりに道の駅関川(充電器情報)があり、その横に国指定重要文化財の渡邉邸もあるのでそこを観光兼ちょい足し充電として活用。60分間の充電を計画します。なおここはNCSなので30分制限で充電は勝手に終了してしまいます。そのため、充電が終わる直前にちょっと戻って(待っている方がいないのを確認の上)充電を追加する必要があります。まあここは20kWが2基と普通充電が2基ありますからまず待ちは出ないと思われます。
最終日はまっすぐ東京へ戻り、高崎スーパーチャージャーを目指します。リスクとしては、1日目の夜の河鹿荘の充電器が利用できなかった場合、取りあえず関川村から最寄りの高速道路SAPAである北陸道黒崎PA上り40kWまでは75.6kmなので、そこにたどり着きさえすれば大丈夫。
これを一通りExcelに落としてシミュレーションしたのがこちら。
今回は秋なので冷房は入れますが特に冬のように余裕は入れず、道路も空いていることを予測し、高速道路の平均速度90km/h、一般道の平均速度40km/h程度として計算します。「東北道なら100km/hは出るでしょ」とおっしゃる方もいらっしゃると思いますが、テスラのメーターは5%-10%くらい速度が高めに表示される日本車と異なりGPSによる実測値表示。テスラのメーター読みで100km/hで走行すると、実際には低速のトラックなどの影響で90km/h程度になるのです。
このシミュレーションを見る限り、1日目の宿での充電ができれば帰りはお昼食べる間もなく帰宅が可能。1泊目の宿で充電ができない最悪の事態を確認するため充電時間(H8セル)を0にしてみると、高崎スーパーチャージャー到着時点で予測航続距離はマイナス151.4km。黒埼PAで最低75分程度の追加充電が必要になります。このように宿泊施設での充電設備はとても重要。いくら高速道路に急速充電器があっても、40kW程度では長距離旅行の帰り道はなかなかの長時間充電が必要となります。
今回シミュレーションには電費という項目を入れています。テスラモデルX P100Dの平均的な電費は229Wh/kmらしいのでkm/kWhに直すと4.37km/kWh。しかし今回ホイールが標準の20インチではなく22インチのため、ある程度余裕を見て4km/kWh(250Wh/km)で計算しています。モデルSのときの5km/kWhからは20%低い値となりますが、これがSUVのペナルティということになりますね。モデルSとモデルXではCD値は0.24と同じなので、前面投影面積がおおよそ20%くらいモデルXのほうが大きいのかも知れません。少なくとも背は高いですね。
高速1/一般2 | 充電器出力 | kp | diff | 1分あたり充電距離 | 充電時間(分) | 標準値 | 充電後 | 所要時間 | 到着予想 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
【往路】 | 0.0 | 350 | 10:00 | ||||||||
佐野SC | 1 | 60 | 92.0 | 92.0 | 3.6 | 10 | 258 | 294 | 1:01:00 | 11:01 | 休憩 |
那須高原SA | 1 | 40 | 192.0 | 100.0 | 2.4 | 194 | 194 | 1:06:00 | 12:17 | ||
安積PA | 1 | 50 | 243.0 | 51.0 | 3 | 0 | 143 | 143 | 0:34:00 | 12:51 | ランチ |
安達太良SA | 1 | 40 | 259.0 | 16.0 | 2.4 | 45 | 127 | 235 | 0:10:00 | 13:01 | |
福島大笹生IC | 1 | 295.0 | 36.0 | 199 | 199 | 0:24:00 | 14:10 | ||||
宿泊@小野川温泉 | 2 | 3 | 342.0 | 47.0 | 0.18 | 1080 | 152 | 346.4 | 1:10:00 | 14:56 | 宿泊 |
10:00 | |||||||||||
道の駅関川 | 2 | 16 | 71.0 | 71.0 | 0.96 | 60 | 275.4 | 333 | 1:46:00 | 11:46 | 観光 |
宿泊@鷹の巣温泉 | 2 | 75.0 | 4.0 | 329 | 329 | 0:06:00 | 12:52 | ||||
【帰路】 | 0.0 | 10:00 | |||||||||
荒川胎内IC | 2 | 19.1 | 19.1 | 309.9 | 309.9 | 0:28:00 | 10:28 | ||||
黒埼PA | 1 | 40 | 75.6 | 56.5 | 2.4 | 0 | 253.4 | 253.4 | 0:37:00 | 11:05 | |
高崎SC | 1 | 120 | 286.0 | 210.4 | 7.2 | 15 | 43 | 151 | 2:20:00 | 13:25 | ランチ? |
自宅 | 1 | 401.0 | 115.0 | 36 | 36 | 1:16:00 | 14:56 |
往路:山形県米沢市まで
中日:米沢市から新潟県関川村まで
この日は短距離移動の予定。途中近隣の観光スポットを移動しながら次の宿泊地に向かいます。
復路:関川村から東京まで
まとめ
総走行距離861.4km、平均電費は251Wh/km=3.98km/kWhで、シミュレーション時に用いた4km/kWhとほぼ一致していました。22インチ化により、約8.8%の電費悪化となるというわけです。冬は19インチのスタッドレスタイヤに履き替えますのでまあ大丈夫かな。。
今回分かったことは、やはり往復でスーパーチャージャーが使えるのは安心感が違うということです。ちゃんと充電計画を立てていなくても、そこまで行けさえすれば後は何とかなる。つまり、一つの変動要因だけを計画すれば良いわけなので、チャデモのように途中で複数回充電したり、途中中速充電器があったり、他の人が使っていて使えなかったりという不確定要素が排除でき、誰でも安心して旅行をすることができます。贅沢を言えば東北道では福島に入ったところあたり、関越道では水上温泉のあたりにスーパーチャージャーがあると、東北方面の場合は仙台まで余裕でたどり着けますし、山形方面へのアクセスも安心感が増し、関越方面をスキーエリアや新潟県、さらにその先の北陸や山形県の日本海側方面へ余裕でアクセスできるようになると思います。
いつものように今回の旅行をガソリン車に換算してみましょう。私の車はスーパーチャージャー利用無料なので本来はもう少し安くなるのですが、一応すべての電力を昼間電力相当の30円/kWhで購入したとして試算します。今回の旅行の総消費電力量は216.2kWhですから30円/kWhで6486円。ガソリン価格を125円とすると51.89リットル購入できます。これで861.4km走行したわけですから、16.6km/l相当ということになります。これをSUV燃費ランキングと比較するとちょうど全SUV車種中で4位。トヨタC-HR、マツダCX-3、ホンダヴェゼルハイブリッドの次に位置付けられます。レクサスRXハイブリッドが11.8km/lですし、車のサイズを考えれば十分ですよね。
古い記事にコメントで申し訳ないのですが記事内に
「テスラのメーターは5%-10%くらい速度が高めに表示される日本車と異なりGPSによる実測値表示。」と記載がありますが、テスラからは「テスラの車両の速度計がGPSではなく一般的な車両と同じ方式(ホール素子を用いるタイプ?)です。」と聞きました。
理由があってどちらの方式か正しく知りたいのですが、テスラのスタッフの対応も曖昧でイマイチ信用できません(笑)
どこかの時期に仕様変更があったのかもしれませんが、現行のテスラの仕様(もし可能であれば精度も)をご存知であれば教えて頂けますとありがたいです。
モビーテック様、ご質問ありがとうございます。
>テスラの車両の速度計がGPSではなく一般的な車両と同じ方式
ええ!間違っていたらごめんなさい。
実際自分はGPSレーダーを一緒に付けていますが、社外ホイールを装着したときも車速はしっかり合っていた気がしますので、GPSだけを使っているということはなくても、少なくともGPSベースでデータは補正しているのではないでしょうか?
例えばモデルSでは19と21が標準ホイールですが、20インチを装着していた時の体験です。またモデルXで19インチホイールで、ホイール設定を22インチとか20インチに変更しても、車速がGPSレーダーからずれることはなかったです。
いつも楽しく拝読しております。
Model Sが12月に納車されました。
SC、便利ですね〜!
私は福岡に住んでいるのですが、九州ではまだ1箇所。
鹿児島へ移動(往復600km+)だと、経路中にチャデモしかなく結構しんどいのです。
せっかちな私には。
旅館・ホテルに充電器があるところを・・・と担当さんも言っていましたが、(現時点ではそれが合理的ですもんね。)ライフスタイルの変化もこれからありうるので、少し不安な部分もあるのが正直なところです。
ただまぁ、そもそも年に何回かしかないので、それをこの車自体のマイナス要因とするには、勿体無いと言い聞かせてはいますが・・・。
メディアでの扱い(逆風感、アンチEV勢)や、世界的なEVシフトを端から見ていて、興味はあるがどうなるのかなという立場でしたが、オーナーとならせて頂いた今、あたかも「時代の中心の車」に乗っている感覚がございます。・・・言い過ぎでしょうか。(笑)
内装の質感、ナビの性能、チリなど、荒削りな部分は確かにあります。
しかし乗っていてこれだけ、自分を表現してくれる車はなかなかないのではと思います。
エココンシャスでありながら、誰にも媚びず、されど威張らず。
非常にスマートですよね。
今後とも更新楽しみにお待ちしております。
Model X、コントラストが素敵ですね。
最後に、九州にもSC増やしてください、テスラさん。
えびのJCTあたりと広島でお願いします。
欲を言えば、博多にもあれば。
日本をSCだけで、CO2なしで横断できるってロマンがあると思います。
one様、納車されたとのこと、おめでとうございます!楽しみですね。福岡にもオーナーさんどんどん増えているようです。鹿児島に行かれる際には、EVsmartの「高速道路上のスポット検索」機能をぜひお試しください。途中の全SAPAの充電器が表示されるだけでなく、次の充電器または次の次まで行くとあと何キロあるのかや、周辺の充電器を探すこともできます。今後もっと使いやすくする予定ですので、いろいろご意見をいただければ幸いです。
one様、宮崎方面にお越しの際は都城ICで降りて山之口SIの間の都城ドライビングスクール(0986583511)でテスラの充電ができますのでご利用ください。
1時間に60KM程充電できます。
ブログ更新されてほっとしてます。オリンピックナンバーを希望して納車が1ヶ月遅れましたが納車されました。納車当日、右ファルコンドアが閉まらないというに不具合が見つかり当日の納車がキャンセル。時間がないと伝えているのにどうなってるのか言っても周りスタッフ知らん顔。これがヤナセなら完璧に事件になっている。この店のスタッフはヤナセやコーンズのセールスと違いケーススタディを積んでいない事が一目瞭然でした。
コーティングとドライブレコーダーとレーダー探知器の取り付け終わる間モデルSP100Dを代車で借りて3日間乗ってました。速い!今まで911、フェラーリ、RS6を乗ってきましたが0-100マイルで意識が飛びそうになったのは初めてでした。マクラーレンも速いが初速の立ち上がりが異質でした。
モデルX車自体突っ込み所多々あるにせよ、15年前にはなかったメーカーだと思うと驚愕です。早速出張で名古屋ー上越まで約770キロ一泊二日に行ってきました。平均100km/hですね。スタート90%で途中チャデモ二回と長野のホテルスーパーチャージで名古屋到着時に約50%残り。まあいい印象てす。AMG63でも似たような二回給油でしょう。静かな分疲れない。ただオートパイロットはまだデフォルトにちかくカーブは充てに出来ません。20インチエアサスでも120.130km/hでいなしはメルセデスのがいい。車重ですね。まあ何とか浮気してでも4年間これで飯田の支社に通います。テスラさん早くスーパーチャージ設置して下さい。その為に購入したので。
9月にオーナー様、納車になったのですね。おめでとうございます!ファルコンウィングドアは私は大丈夫だったのですが、不都合が散見されるようです。でもきちんと調整してしまえば、どんどんずれちゃうみたいなことはないようなので安心しています。9-10月は今までになく納車が多かったようなので見落としがあったのでしょうね。というかセールスの数が絶対的に足りていないと思います。まあ米国ではセールスはそんなにやることないですからね、、日本はお客様とのやり取りに加え、車検を通す、車庫証明の書類作る、警察に持っていって車庫証明取る、登録する、補助金の書類用意する、とこれだけで1-2日は余裕でかかってしまいます。これじゃ、月に30台くらいしか納車できないですよね。
名古屋から上越だと長野SCが安心ですね。私は長野SCは一回しか行ったことがないです。結構いい場所にあると思いました。名古屋から上越往復だと夏でも冬でもチャデモ使わなくていいんじゃないでしょうか。ざっくり計算してみると、最初長野SCまでノンストップ270kmは余裕として、そこで上越往復の標準値200kmくらいまで充電して、上越往復して長野SCに戻ります。長野SCから名古屋まではまた270kmですから300km(70%くらいかな?)まで充電して出発すればチャデモ無し、行けそうに思いました。名古屋SCもできると便利になりますね。