PHEVなら電気自動車みたいに充電しなくても走る。なんでPHEVじゃダメなの?違いは?

結論:プラグインハイブリッド車(PHEV)はダメではありません!むしろ、多くの方にはPHEVはおすすめです。ただし、完全な電気自動車(BEV)と比較すると、利便性はPHEVのほうが圧倒的に高い代わりにBEVのメリットのいくつかが享受できなくなります。

PHEVにもいくつかのタイプがありますが、基本的にはエンジンとバッテリーを搭載し、モーターだけでも走行することができ、かつバッテリーに車両外部から充電できるものをPHEVと呼んでいます。これに対し、BEVはエンジンを搭載せず、バッテリーに充電した電力でモーターを回して走行します。この記事では、様々な種類があるPHEVやBEVの選び方を分かりやすくご紹介します。

目次

  1. PHEVの種類
  2. 電気自動車EVとPHEVの違い
  3. どれを選べばいいの?

PHEVの種類

PHEV本ブログの最初の記事に様々な自動車の電動化の違いについて書きましたが、本記事ではもっと分かりやすく端的に書いていきたいと思います。
PHEVが生まれたときにはガソリンタンクが大きく、ガソリンのある限りどこまでも行くことができました。そしてその特徴は今も受け継がれています。三菱自動車工業のアウトランダーPHEVが代表的な例です。PHEVでは、家に充電設備を設置すれば通勤はすべて電気で賄え、ガソリンを使うのは遠出の時のみとなり、ガソリン消費を圧倒的に抑えることができます。しかし、排気ガスや燃費を世界で一番厳しく規制している米国カリフォルニア州のCARBという役所は、車の利用者がある程度不便を感じ、車の使い方を変えないといけないレベルの「もっと厳しい」ルールを導入しました。これがBEVx(REXともいいます)で、ガソリンタンクを小さくし、バッテリーが残り僅かになるまでエンジンを作動させないように規制したクラスなのです。この基準で作られた車には、BMW i3があります(日本では設定が少し緩めになっていますが考え方は同じです)。燃料タンクは9リットルしかありません。
もう一つのPHEVの分類には、パラレルハイブリッドがシリーズハイブリッドか、というものもあります。パラレルハイブリッドとは、エンジンとモーターが力を合わせて走行する車をいい、シリーズハイブリッドとは、エンジンはあくまでバッテリーの充電のためだけに使い、モーターのみで走行する車をいいます。先ほどのアウトランダーPHEVはパラレルハイブリッドとシリーズハイブリッドを切り替えられる複雑な仕組みを持っていますが、BMW i3はシリーズハイブリッドで至ってシンプルです。高速域での高い性能が必要な場合にはパラレルのほうが有利、シリーズハイブリッドはエンジンを小さくできるので、燃費の点で有利となります。

本記事のこれ以降の部分では、BEVxはPHEVの一種として扱います。

電気自動車EVとPHEVの違い

車の整備完全に電気だけで走る自動車を電気自動車といい、EV(Electric Vehicle)またはBEV(Battery Electric Vehicle)と呼んでいます。本記事ではBEVと表記します。BEVはバッテリーに充電した電気がある限り走ることができますが、バッテリーの充電に時間がかかるため、自動車の運用にある程度計画性が必要となります。具体的には家に充電器を設置することや、遠出の際には充電計画を立てることなどです。家に充電器がないと、どこかに出かけようとしたときにバッテリーが不足して30分以上充電スポットで待つことになりますし、遠出したのに計画がないと、充電のタイミングを食事・休憩・買い物等の時間と重ねることができず、無駄に30分以上充電のためだけに留まる必要が出てきます。
PHEVではその心配はいりません。家に充電器がなくてもガソリン入れれば走りますし、遠出してもガソリンスタンドさえあればほとんど無駄な時間を過ごさずに帰宅できます。
PHEVはメリットばかりのようですが、BEVと比較するとデメリットもあります。

  • エンジンがあるので、メンテナンスが必要。オイル交換・オイルフィルター交換などを定期的に実施する必要があります。PHEVはBEVやガソリン車より複雑なので、故障する確率も多少高まるかも知れません。
  • バッテリーが小さく、ガソリンを使わずに走れる距離が短い(カタログ値で25-60km程度)。電気で走行したいからPHEVを買ったのに、実際には少し遠くに行くとすぐエンジンがかかります。通勤の帰りはガソリンを使うことになる人も。
  • バッテリーが小さいため、急速充電で少しの電気しか充電できない。例えばアウトランダーPHEVは30分で80%の充電ができますが、この時に充電して貯めた電気の量は、BEVであるリーフの半分にも満たないのです。もちろん、この電気で走行できる距離も半分となります。
  • バッテリーが小さいため、上り下りのある場所を走行する際、上りで使った電力を下りで回収しきれず、電費がそれほど伸びない(もちろんガソリン車よりは圧倒的に高効率)。

さて、デメリットを見てしまうと、なかなか悩ましい部分はありますね。車のある生活スタイルを変えてメリットを享受するか、メリットが半減してもガソリン車と同じ使い方が良いか、ということです。

どれを選べばいいの?

ではPHEV、BEVはどれを選べばよいのでしょうか。以下に表にしてみました。

こんなときはこれがおすすめ
自宅充電が難しいPHEVもBEVも微妙ですが、自宅近くやよく行く場所に無料の充電器があるなら、PHEVは検討してもよいでしょう。普段は高性能なハイブリッド車として乗り、機会があれば無料充電器で充電し、ガソリンなしで走行できます。ただし、自宅に充電器がないと実質あまり充電する機会がなくなりますので、メリットも小さくなります。高速道路を含む多くの充電器は有料化の方向です。
絶対に待ちたくないPHEV一択ですね!ガソリン車と全く同じ使い方ができます。
ガソリンスタンドが嫌いBEVなら(灯油を買うなどの用事以外は)もう一生ガソリンスタンドに行かなくて済みます。オイル交換に行く必要もありません。
自宅周辺では静かにしたいBEVはもちろん無音ですが、自宅充電があればPHEVも通勤くらいの距離ならエンジンをかけずに走行できますので、どちらでもよいです。
遠くにはあまり出かけないBEVがおすすめです。近場の足として、スタンド・オイル交換不要で、走行距離に対してかかる電気代も圧倒的に安く済みます。
週末ごとに100km以上遠くに出掛けるPHEVがおすすめです。リーフでは100kmは航続距離ほぼいっぱい。例外的にテスラモデルSならBEVではありますが、片道150kmくらいまでの往復は途中充電なしで帰って来れますし、途中充電30分1回を入れれば片道200kmの往復も楽にできます。東京からスーパーチャージャーのある京都や大阪なら、途中30分の経路充電とスーパーチャージャーで、比較的容易に往復できてしまいます。しかし関越・東北方面で片道200km以上の距離だと現時点では事前に充電計画が必要になります。
電気自動車のトルクやパワーが気に入った電気自動車はモーターと大容量のバッテリーが生み出す大トルクで、発進や加速のレスポンスが非常によく、特にBMW i3やテスラモデルSは同格の車と比較して速いといわれています。しかしパワーは感覚的なもの。実際に試乗してから検討されることをお勧めします。
環境に配慮したいBEVがおすすめです。現状、日本では火力発電によって電気を供給していますが、今後太陽光などの再生可能エネルギー発電が増加するにつれ、BEVの排出するCO2は減少していきます。未来を考えると、BEVはCO2を減らす効果があるといえます。またBEVはCO2以外のエミッションがありませんので、ガソリン車やPHEVのように窒素酸化物、硫黄酸化物やPM2.5を近隣に排出することはありません(代わりに火力発電所から出る→将来は減少)。
安く維持したい「安く」の意味合いによります。自宅充電が確保でき、かつ遠くにはあまり出かけないのであれば、BEVにすれば副次的効果で維持費は非常に安くなります。一方、契約している充電カードにもよりますが、無料充電器があれば安く上がる、、と思っていると、無料充電器が廃止になったり、有料化されたり、非常に混雑したりするなどして、思った通りにならないことも。基本的には自宅以外での充電はある程度のコストがかかると思っていただいたほうがよいです。ガソリン代よりは安いですが、年間何十万円も安くなるわけではありません。自宅外での充電がメインの方は、PHEVのほうが得になるケースが多いです。

車で長距離旅行これから先、欧州メーカーを中心にPHEVが多く発売されてきそうです。三菱自動車工業の次期RVRと噂されるコンセプトカーConcept XR-PHEV IIAudi A3 Sportback e-tronAudi Q7 e-tron クアトロフォルクスワーゲン ゴルフGTEフォルクスワーゲン パサートGTE2016 Chevy VoltメルセデスベンツCクラスPlug-In HybridSクラスPlug-In Hybrid・そして3月15日発表されたばかりのBMW X5 xDrive40e。まだPHEVもBEVもC~Dセグメント以上の車が主体ではありますが、Cセグメントのピュアなガソリン車にするくらいなら、PHEVを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。


「PHEVなら電気自動車みたいに充電しなくても走る。なんでPHEVじゃダメなの?違いは?」への9件のフィードバック

  1. アウトランダーPHEVに乗って 2年になりますが かかれている事は 全く同感です。自宅に充電設備が有れば 4~50km圏内なら 完璧なBEVとして使えます。 具体的には 高速道路など使わなければ 1000~1500kmなど 無給油ですし 負担なく使えます ただし 私の車は温水ヒーターも着いているのですが 外気温が5度以下だと 暖房スイッチオンで ガソリンエンジンがかかりますね。 この車に乗ると 騒音や ガソリンを使わない様にと云う意識が高まります。でも 高速でのレスポンスもいいですし 峠道などでの走行性は ランエボよりも一般人には良い様に思えます。 話は変わるのですが スマホには以前からEVsmartアプリを入れているのですが 今回購入したタブレットににアプリを入れようとしましたが グーグルプレーでサポートしてないと表示が出て入れられません グーグル(アンドロイド)の確認お願い致します。

    1. スージーパパ様、コメントありがとうございます!
      アウトランダーPHEVのように悪路も走れる車だと、人里離れたところにも不安なく行けますね。ヒーターに関しては、電力をかなり食いますので、「どうせなら発電しちゃったほうが効率よい」ということなのだと思います。エンジンからの熱も利用できて一石二鳥ですね。
      弊社アプリをご利用いただいているとのこと、ありがとうございます。タブレットのテストは行っているのですが、もしよろしければタブレットの機種とAndroidのバージョンをお知らせいただけませんでしょうか?ここに書いていただいてもいいですし(自動的には公開はされません、非公開をご希望でしたらそのように記載いただければ)、アプリから[アプリの不都合やご希望等]にてメールが開きますので、そこに書いていただければ確認・修正いたします。

  2. ちょっと 遅れましたが 富士通タブレット FAR70A、 バージョン3.2です。
    EVsmartのブログなどは見えているのです そこの下に有るグーグルプレーなどからでも アプリのEVsmartがインストールできない。実際的にはグーグルプレーのアプリで EVsmartの表示が出ず アドレスで選んでも サポートしていませんの表示が出ます。 WiFiタイプですので この本体がサポートされていないんでしょうか?  よろしくお願い致します。

    1. スージーパパ様、お世話になっております。上記、情報ありがとうございます!
      EVsmartでは、Androidバージョンのサポートを4.0.3以上とさせていただいております。お持ちのFAR70Aは確かにAndroid 3.2でリリースされたものだそうですが、Android 4.0.3にアップデートできるようです。
      http://www.fmworld.net/arrows/wifi/support/former/far7a/download/software/
      こちらで、もしよろしければお試しいただければ幸いです。

  3. タブレットのバージョンアップ迄 お調べ頂きまして 本当にありがとうございます。
    おかげさまで 無事にEVsmartのインストールが出来ました。
    これから 近場の充電スポットの 充電出来たを報告して行きます。

  4. PHEVは本来
    Plug-in Hybrid Electric Vehicle
    Parallel Hybrid Electric Vehicle
    Pneumatic Hybrid Electric Vehicle
    という三種類のそれぞれ微妙に違うシステムの呼び名であるにも関わらず、
    最近のメーカーCMでは説明もなく多用しすぎですね。
    確か初期のころはプラグインはそこを推しポイントに協調してたようですが。

    1. comb様、コメントありがとうございます。そんなにいろいろな略語が以前は存在したのですね。今はプラグインを意味するのが主流のようですが、なかなか説明は難しいし、メーカーも苦労されていると思います。特に普通のハイブリッドとプラグインハイブリッドの違いはなかなか理解されにくいかと思います。
      普段電気自動車乗っている私が、「これリッター何キロ走るの?」と良く聞かれるくらいですので。「ガソリンは使わないんですよ」と言ってもポカーンな感じです。

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