実はこのアンペラ-e(公式サイト、アイルランド)、GMのシボレーBOLTと兄弟車。同じLG Chem製60kWhバッテリーを搭載しています。288セルとのことですので、96直列(400V)だとすると3並列、すなわち3つのセルを並列にして1つの組を作り、それを96組直列にしたバッテリーでしょうか。電気自動車ではこの96直列というのが事実上の標準になりつつあります。ノルウェーでの予約は2016年9月から開始されたそうで、実に8か月後の納車というわけ。Ampera-eの納車式にはOpel Norway CEOのBernt G. Jessen氏が一人一人にキーを手渡したそうです。結構力入ってますね。この日は3台だけの納車だったそうですが、現時点で受注残がノルウェー国内だけで4000台。やはりノルウェーは欧州のEV中心地だけあって、かなりの人気と言えます。
ガソリン車は温度が0℃を切ってしまうと、二つの問題が出てきます。一つはラジエーターの凍結、そして12Vバッテリー上がりです。ラジエーターは不凍液を50%にすることでマイナス36℃までは凍らないようにできますが、12Vバッテリーは低温になると性能を発揮できなくなるので暖める必要があります。同時にエンジンオイルやエンジン本体も暖めたほうがよいわけなので、ブロックヒーターが使われます。これを出発前に2時間タイマーで入れておき、外部の電源から電気を供給して暖めます。人によってはバッテリーを毎晩外して家に持ち帰る人もいますね。ノルウェーやカナダなどの寒い地域では、公共の駐車場にはブロックヒーター用の電源が来ています。
電気自動車はガソリンエンジンと異なり、エンジンオイルを必要としませんし、ラジエーターはあるもののモーターが回るために必須なものではありません。また12Vバッテリーは駆動用のバッテリーから常時フル充電されている状態にあるため、性能を発揮しやすく、かつエンジンをかけるときのように12Vバッテリーに大きな負荷をかける必要がまったくないので、何の問題もなくすっと走り出すことができます。このため、本当に寒い地域ほど電気自動車が必要なのです。
※簡単に計算するため、電池の容量はカタログ容量をそのまま使っています。本来は実効容量を使って計算しなければなりません。
当記事はノルウェーのTV 2の記事を参考にしました。冒頭の写真は引用です。