南会津ってどのあたりか皆さんお分かりですか?私は2019年に福島県、磐梯熱海温泉に行ったときに猪苗代湖を回ったのですが、その少し南で東京からは割と近いです。今回は「日本秘湯を守る会」さんの、名誉会長でもある佐藤氏が館主を務める、二岐温泉 大丸あすなろ荘にお世話になることにしました。
ルートは東北道を走行し、当初のざっくりした計画で単純往復でも480km。電気自動車の走行可能距離(航続距離、と言います)は、米国EPA基準をベースに考えるのが良いのですが、私の年式のテスラモデルX P100DのEPA航続距離は462km。当然480kmには足りません。また車が表示している走行可能距離(テスラでは標準値Typical Rangeと呼んでいました)は、EPAからさらに8%程度余裕を見て表示し、新車購入後4年余りが経過した今は、さらに電池劣化を反映して約400km前後を表示しています。そして、気温がだんだん下がってくる今は、真冬ほどではないにしろ、暖房を入れたら航続距離がもう少し減少するということも考慮に入れる必要があります。いずれにしろ、途中での充電は必要となります。
この途中で充電する計画を立てることを充電計画と言います。面倒くさそうに思う方!その代わり、普段スタンドに行くことはゼロになりますので、それを思い起こしてちょっとだけ読んでみましょう。
今回の充電計画は雑に立てます。降雪があるわけじゃないし、旅行なのでそこまで急がない。往復で佐野スーパーチャージャーを使えば、東京~佐野、佐野~目的地、佐野~東京は不安なし。問題は目的地から佐野にちゃんと戻ってこれるかどうかです。今回の目的地は秘湯なので周囲に充電スタンドはなし。宿の方に確認しましたが、今回は駐車場には屋外コンセントがないとのこと。
※旅館やホテルは、屋外コンセントがあるケースが多く、またお貸しいただけることも多いです。2020年10月に行った花の小宿 重兵衛さんでも、2021年3月に行った宿〇文(やどまるぶん)さんでもコンセントをお借りしています。
ではEVsmart経路検索V2で、ざっくり計画を見てみましょう。シミュレーション条件は、通常の速度(平均値が制限速度程度になる走行)+冬季暖房ありマイナス35%、です。このマイナス35%の設定は、気温が0℃近辺降雪あり、くらいの条件ですので、この時期の福島なら余裕のある設定になるはずです。
帰り、上河内SA上りでの充電がちょっと長く感じますね。しかもここは到着時3%、その次の佐野スーパーチャージャーでも到着時4%と、途中で不足する可能性がありそうです。この上河内SAは帰路、最初の高速のSAですので、もし那須サファリパーク出発時点で18%を切っているようなら、那須高原SAをスマートICから入って充電したほうが安全ですね。
では、記録にいってみたいと思います。
なお、当日はかなり駐車場に入庫待ちが出ており、「充電と観光を兼ねて入るなら、並んで欲しい」と言われました(笑) 充電スペースは専用区画なので待たせる意味は全くないですね。
翌日、チェックアウトし、雨が降っているので観光はせず、一路那須サファリパークへ。途中、道の駅 羽鳥湖高原があったので、そこに立ち寄り。
15:22 なぜか道端の看板が気になって、パイを食べるということになり、「タラゴン Nasu II」さんへ。帰路につく頃にはバッテリーは22%。計画は18%でしたから、ちょうど計画通りになりました!
高速道路の状況を見ていると、やはり少しずつ混雑してきているよう。ここから、22%の残量でたどり着けるSAは那須高原と上河内だけ。その次の都賀西方PAはたどり着けません。那須高原も上河内も中速40kWの充電器が1基ずつしかありませんので、このような場合、手前にある充電器で充電を試みます。これは充電渋滞に合わないための工夫で、上河内まで行けちゃうからと上河内まで行ってしまい、到着時に先客がいると、そこから動くことができません。那須高原で先客がいたら、待ち時間が長そうなら、那須高原を飛ばして上河内に移動してしまえば良いのです。運が良ければ待たずに充電できるのですから。
総走行距離は2日間で593.6kmになりました。使った電力量は143.5kWh。平均電費は242Wh/km=4.13km/kWh。1kWhは26.5円くらいなので、26.5円/4.13km=6.42円/km。ガソリンが仮に150円/lだった場合、私の車の平均燃費は23.4km/l相当となります。690馬力の6人乗りSUVと考えれば、そんなに悪くないですよね。
※リーフやモデル3にお乗りの読者の方々へ。モデルXをはじめ背の高い車は、CD値が良くても空気抵抗はCD値と全面投影面積の積(掛け算)になるため空気抵抗が高く、速度の上昇に対してより敏感に電費が悪化します。今回の走行は平均時速がおおよそ制限速度になるように調整して走行しており、一般的にはかなり速めの走行となります。
(安川 洋)
マイナス35%の設定の意味が、気温が0℃近辺降雪あり、くらいの条件ということが知れてよかった。パラメータ設定に迷う時は、テスラ車内で表示されるバッテリー残量と同じになるパラメータ設定を見つけて、検索したりしています。
これがあと3倍に増えた時の事のインフラが追い付いていません。
今の現状でも難しい状態です
そのマイナス面も考慮入れてもらいたいです。
今電気に乗って居る人は結構マニアックな人が多くまた普通の人は周りの状況を見ないので困っている人に助け船を出したり譲という事が昔に比べるとかなり減ってきています。
これはより増えるとそのうち充電殺人とか起きそうです。今のままなら!!
大変参考になる記事をありがとうございます。
充電計画では残量3%くらいになったら充電されるようですが、何%までなら電池劣化を気にせずに行けますか? 0%でもOKならかなり心強いですが・・
hatusetudenn様、コメントありがとうございます。
電池の残量が少ない場合、電池劣化するリスクがあるというのはご存じの通りだと思います。今の車は、そのような場合に自動的に出力を絞ったり、充電速度を絞ったり、気温が低ければ一番下までは使わせないようにしたりなど、市場に出ている車両からのデータフィードバックにより、工夫されていると思います。
なので、最近の車に関してはそのような使い方は気にしなくても良いかな?と思っています。
個人的には、一人乗車ならもっと切り詰めて、ギリで到着するように運転します(汗) 冬と言うほど寒くないですが、電池の劣化が進んでくると寒さにも弱くなるので、あまりギリは狙わないのも手かと思います。